164 リボンなナイト11 ◆O14sEK0qs. sage 2012/01/31(火) 14:06:10.02 ID:3HQ77b2G
第十話前編
+ +
「ふーっ」
ジャグジー風呂の一つでは、抵抗虚しく無事丸洗い終了された小太郎が
浴槽の壁を背中にのんびり湯に浸かっていた。
「あー、まあさっぱりしたわ。ありがとな」
「どういたしまして」
素直な小太郎に、対面の壁を背もたれにした千鶴がにっこり応じる。
「だったらジタバタしないのコタロー君」
「それはなぁー」
そんな小太郎の右隣に、夏美がすいーっと近づいて語りかける。
小太郎の言葉を聞いた夏美は小太郎の右腕に抱き付き、ちゅっと頬にキスをした。
「ひゃっ!」
夏美がにっこり微笑み、そんな夏美と目が合った愛衣が真っ赤な顔でしゅんと沈みそうになると、
不意の感触に飛び上がりそうになる。
「ふふーん、可愛いし後輩のクセにいいモン持ってるのにねー。
やっぱりあれ正妻の余裕って奴?これで一発勝負懸けてりゃ分からなかったのにさー」
背後からがばっと、必殺女子校鷲掴みで愛衣の程よい膨らみを掴んだ円がカラカラ笑い、
その手を離された愛衣は益々縮こまってぶくぶくと沈み込む。
「コタロー君こっち」
165 リボンなナイト11 ◆O14sEK0qs. sage 2012/01/31(火) 14:09:56.95 ID:3HQ77b2G
>>164
+ +
「なんやねん」
「いーから」
何せこれだけの設備なのだから何がどこにあっても不思議ではない、と言う事で、
ジャグジーの近くに何となく用意されている休憩用エアマットに、
夏美に手を引かれた小太郎が勧められるまま腰掛ける。
「えへへ、コタロー君」
小太郎の右隣に座った夏美は、この際何となく勢いで、と言うのが本音の所。
完全な世界でなくてもいい。もう今はこうして小太郎の隣にいてもいい筈と心のどこかで。
「あ、小太郎さん」
その声に、すいっと小太郎が左側を向き、
小太郎にもたれようとしていた夏美が危うくバランスを取り戻す。
そこには、いかにもこの大浴場では当たり前の格好のメイがすらりと立っていた。
「おうっ、メイ姉ちゃん」
「どーしたんですかこんな所で?」
「あ、いや、夏美ねーちゃんが」
「そうですか」
返答してからすいっと目を泳がせた小太郎に、メイがくすっと小悪魔の笑みを見せる。
「ふーん、そうですか。じゃあー、
私もお隣、お邪魔しちゃおっかなぁー」
「む、むー…」
小太郎の左側に膝をついたメイは、
そのまま前方のマットに両手をついて両方の膨らみの外側にさり気なく両肘を添える。
うっとり半開きに潤んだ瞳を向けられ、何となくたじっと夏美の方に退きそうになる小太郎に向けて、
メイはぺろっと唇を嘗め、腿を斜めに向けながらずりずりと接近する。
程なく、近くの岩陰で腹がよじれそうな勢いでぶひゃひゃと号泣爆笑していたハルナの背後で、
すーっと仮面を外した夏美とたった今まで夏美とお手々繋いでいた愛衣が、
それぞれ両手に手近な巨岩と太陽の様な巨大な火球を掲げていた。
第十話前編・終了
最終更新:2012年02月01日 21:21