402 misoaji sage 03/04/29 22:16 ID:lpn4sLwU
「そういうわけやから、早速よんでみてくれへん?」
木乃香はさあさあとネギに促す。
「木乃香………ゃん」
「なあに?よく聞こえへんよ、もう一回」
「木乃香……お姉ちゃん」
「大きな声で」
半ば叫ぶような感じで、ネギは言った。
「木乃香おねえちゃん!!」
その瞬間、木乃香の背中に、えもいわれぬ感覚がゾクゾクッと走る。
「あーーーーーもう!、ネギ君ホンマにかわええわー!!」
木乃香はガバッとネギに抱きつくと、すりすりとネギにほお擦りした。
「わわっ!」
恥ずかしいやら、くすぐったいやらで、ネギは無性に照れくさくなった。
「は、恥ずかしいからはなしてくださいよー!!」
ネギはバタバタと腕を振って主張するが
「えへへー、もうちょっと」
まるで小動物を可愛がるような感じで、木乃香は解放してくれなかった。
ネギは学園に来た当初、ホレ薬で今と同じようになった木乃香を思い出しながら、今は彼女が素で
自分にそういう一面を見せてくれることが、なんだか嬉しかった。
----しかし、そんなことを考えていられたのは最初のうちで、ずっと抱き続けられているネ
ギの身体は、木乃香の体温、身体、香りに、五感をいやがうえにも刺激される。
若干10歳の少年とはいえ、『男』であることには変わりない彼の本能は、それらに揺さぶられず
にはいられなかった。
----木乃香おねえちゃん、いい匂い………それにあったかくって、やあらかい……ボクなんだ
か意識が遠くなりそうだよ…
だんだんぼーっとしてくる頭でそんなことをぼんやり考えていると、すぐ近くで自分に顔をスリ
スリしている木乃香の唇が目に映った。
----やわらかそうなくちびる……キス……したいな…
少年はふとそんな思いに駆られ、自然な動作で顔を横に向けると、そっとおねえちゃんの唇に口
付けた。
木乃香は最初、ネギが自分に何をしたのかはわからなかった、でもやわらかい感触が自分の口に
触れたのを理解すると、なんだかとても嬉しくなった。
しかし、今の行為のいきさつをネギの口から直接ききたくて、木乃香はとぼけてたずねた。
「ネギ君、今ウチになんかしたんか?」
ニコニコと無邪気な笑顔で問いかける。
「あっ!?、その、あのっ」
とたんに正気に戻り、しどろもどろになるネギ
「ううん、別に怒ってるとかそういうわけやないんよ、----------うれしかったんよ」
最後のほうは小声でそうつぶやいて、ちょっと頬を赤らめる
「え!?ほ、ほんとに」
「はんまや、でも不意打ち気味だったから、よくわからへんかったんよ、だ・か・らネギ君が今
ウチに何したかったんか、ネギ君の口から聞かせてくれへんかな?」
ん?というような表情でネギの瞳を覗き込む木乃香、そんな木乃香の視線を受けてネギの心臓は
爆発するんじゃないかと思うほどに高なった。
おちつけ、おちつけ、ネギは唾をゴクリと飲み込みむと意を決して口を開いた。
「じゃ、じゃあ…木乃香おねえちゃん」
「なあに?」
「キス…してもいい?」
そう懇願して、下から見上げる少年の顔は、はずかしさと緊張で真っ赤になり、瞳はすこしうる
んでいた。
そんな反則気味の表情が、木乃香の母性本能にヒットした。
そのまま食べてしまいたくなるような衝動に襲われたが、自身を落ち着け
「うん、ええよ、ネギ君キスして」
軽くうつむき目を閉じると、ネギがしやすい様にひざをついて身長をあわせる。
しかし、平成を装いながら、木乃香もネギ同様に心中穏やかではなかった、さっきまで弟のよう
に思っていた少年に、自分がこんなにもどきどきしているなんて……正直以外ではあったが、嫌な
気はまったくしなかった。
むしろ、ちょっと背徳めいたその行為に、もっと踏み込んでみたいと思う自分がいることに、木乃
香の感情と興奮は徐々に高まっていった。
ネギはおずおずと木乃香の前に進み出ると、その顔をまじまじと見つめた。
窓から差し込む朝の日差しに照らし出された木乃香を、童話の中に出てくる女神様みたいだと
ネギは思った。
木乃香お姉ちゃんって美人な顔だちしてるなあ、きれいなロングの黒髪に色白の肌、日本美人っ
て木乃香お姉ちゃんみたいな人のことを言うんだろうな…
そんなことを考えていたが、ふと気がつくと、木乃香は今か今かとネギの口付けを待っている、
緊張しているのだろうか、彼女は少し震えていた。
木乃香に心の中で謝り、ネギは彼女のほほに両手をそえる。
木乃香の体が一瞬硬直し、すぐに力を抜く、そのままそっとネギは顔を近づけ、木乃香の唇にほん
のちょっと押し付けるようにキスをした。
--瞬間、世界は二人だけのものになり、静寂が支配する。
そこに、ひとつの作品が生まれた。
窓から差し込む朝日に照らされ、二人の輪郭は逆光によりシルエットをおび、その光と影のコントラ
ストの中に、少女と少年は女神と天使のように鎮座していた。
どんな芸術家もこの空間は形に残せない、今この時だけの情景がそこには存在した。
一瞬とも永遠とも思える時間のあと、どちらからともなく二人は離れ、目を見開いた。
「ネギ君…キスするのんは初めてなんか?」
「はい、あの、ボク変じゃなかったですか?」
木乃香に不快な思いをさせたんじゃないかとネギは内心心配だった。
「ううん、ネギ君の一生懸命な感じが伝わってきて、うれしかったで……やから今度はウチからネギ
君へお返しや」
そういうと木乃香はネギの返事も待たず、ネギに口付けた。ネギの頭と首に手をまわし、さっきネギ
がしてくれたキスの思いに答えるように、思いを込めてちょっと強引に唇を奪う、まるでそれが自分
のものだと主張するかのように…。
突然の報復にちょっと驚いたネギだったが、さっきよりは余裕ができているため、木乃香にあわせ
て自分からも唇を押し当て、木乃香の唇を堪能した。
---木乃香お姉ちゃんの唇って、あったかくてやわらかくて、いい気持ち、それになんだか
ちょっと甘い感じがする。ボク、木乃香お姉ちゃんがキスしてくれたら、もう三時のおやつはい
らないや、だってこっちのほうがずっとおいしいんだもん)
最終更新:2012年02月06日 22:08