01スレ712

712 ◆O/UZZY.mgg sage 03/06/12 22:21 ID:bpNZxR9v

第三話

(今日、突然倒れたのは、一体なんだったんだろう……。
 あの後、保健室で休んだあとは良くなっていたみたいだけど……。
 そういえば、ココ最近、普通の授業の時でも、調子悪そうにしていたみたいだったな……。)

練習中に亜子が倒れた日の夜、ネギは、木乃香の実家に遊びに行った同居人二人が居ない部屋で
一人寝の寂しさに震えながらも、いきなり倒れた亜子の事を心配していた…。

(そういえば、和泉さんの同室の佐々木さんやゆーなさんに聞いてみたけど、明確な答えが返ってこなかったな…。
 今わかっている事といえば、大方昼間体調が優れないことがあって、夕方以降になるとそうでもなくなる事、か。
 昼がダメで夜が平気……まさか、吸血鬼なんてことはないよね……なにより、ここは日本…なんだ…から……Zzz......)

色々と亜子について考察しているうちに、ネギは疲れでそのまま熟睡モードに突入した。



きぃぃぃぃぃ………ぽむ

「………………」

週末の夜を白河夜船に揺られるネギの元に、妖しい闖入者が入ってきた。

(何とか、みんなのお陰で、正式な教員になれたけど、
 メルディアナの同期のみんなは今頃どうしているだろ…。
 アーニャ……ロンドンのスモッグの中、元気でやっているかな……。
 お姉ちゃん……いくら僕より大人と入っても、僕が居なくなった事で淋しくなっていないかな……。)

どうやら、ネギは、故郷のみんなを心配したり懐かしがったりしている夢を見ているため、全く侵入者に気づいていない…。


(あ……お姉ちゃん……一緒に寝てくれるんだ……。
 えっ!おっぱい触らせてくれるの……やった!!!
 えっ……直に吸ってもいいの?正教員として根付けたご褒美に……ありがとう…。
 えっ……その前に……キスさせて欲しい?それまではダメ……?
 う、うん、判ったよ、お姉ちゃん……。あ、あぁん……あっ……あん…………!、!?はうっ?!
 ちょ、ちょっと、何してるのお姉ちゃん!!何で僕の血を……えうぅ……気持ちよくて力出ない……でもこれじゃダメだ!ごめんお姉ちゃん!)

「え――――――――――い!!」

どんがらがっしゃ――――――――――ん

「あれ……夢か……でもなんで起き上がる時に人の重さ感じてたんだろ……おまけにちょっと首がすーすー……!!だ、誰だ!」
「う……うう…………」

(ま、まさか……この日本に……吸血鬼!?
 落ち着け……落ち着くんだ……えーと、確かこの手の相手を拘束できる魔法があったような……思い出した!えーい!!)

ネギの夢とシンクロするように現れた吸血鬼。
正確には、吸血鬼がネギの寝首をかく為にした行動がネギの夢にフィードバックされていたのだが…。
歳不相応な冷静さで、吸血鬼の動きを拘束する魔法を発動させた。が……。

「「あ、亜子――――――――――、ダメ――――――――――!!……あ。」」
「え……佐々木さん、ゆーなさん……。」


「……なるほど、そういうことだったんですか…………。」
「はぁ……スンマセン、ネギ先生……ウチがこんな体質なばっかりに巻き込んでしもて……。」
「ていうか、私的にはネギ君の力の方にびっくりだよ……。」
「前々から、特に、島の時から普通の子と違うなーって、思ってたけど……。」

なんとか、事の収拾をつけるべく、仲良し3人組の部屋に来たネギ。
今の騒動で、三人に、ネギが修行中の魔法使いであることが発覚され、
同時に、亜子が、かつて他の吸血鬼に襲われたことで自分もそれになっていたことがネギに発覚してしまっていた。

「んで、何とか悪あがきして逃げよう思て、しくじって血を吸われたところが、この痕やねん……。」

他の女子には公然の秘密となっていた脇腹の傷を、ネギに見せる亜子。


「…………て、なにまじまじ見てるん?」
「え……あ、いや……その……綺麗なおなかだなー、と思って……すいません。」
「!!な、何アホな事いうてるんですか先生!!……こない、傷物やのに……。」
「そんな事ないですよ……例え傷があろうが、和泉さんは和泉さんですから……。」
「あー、ネギ君言ってることがエロオヤジになってるにゃー♪」
「あははは!流石は「イギリス紳士」言うことが違うねー♪」
「ななななな、なんでそっちの方に行くんですか!!
 ……まぁそれはともかくとして、今までは今のままで良いとしても、最近の感じじゃ、
 そうは言い切れないんじゃないですか?和泉さん。最近頓に昼間の体調が優れない感じに見受けられるので…。」
「そうなんや……今までは、まき絵や裕奈に、定期的に血を分けてもらえれば、
 他の子と同じように普通に生活できてたんやけど……最近は血を貰う頻度あげないとしんどくなってきたねん…。
 時々、まき絵と裕奈も、あんまり調子が芳しくない時あるやろ?それも、ウチが原因なんよ…はぁ、ウチ、どんどん人でなくなっていく…。」
「それでさ……実を言うと、ネギ君が来る前に、バカレンジャーのみんなで、亜子の為に
 「この世のありとあらゆる憑き物を払うことが出来る方法を記した本」を探したことあるんだけど……
 この前の頭がよくなる魔法書の時と違って、ゲームみたいなモンスターがうようよいてバカレンジャーでもどうしようもなくなって諦めてたの。」
「…………それだ!!」

がばっ!

「「「あ、ちょっと、ネギ君、ネギくーん!!」」」

何とかして亜子を救いたいという一心から、その魔法書の話を聞いた途端に、
ネギは飛び跳ねるように部屋を後にしていった。恐らく、このまま図書館島に行ってしまうのであろう。

「ねぇ……ネギ君、さっきの本の場所、わかるのかな?」
「「さぁ?」」

第三話終

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最終更新:2012年02月06日 23:13
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