349 座薬@二日目3 sage 03/09/07 13:31 ID:yqfp4oSa
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麻帆良学園都市の市民公園は暗くなり、人も疎らになってきている。
(何や、ずっとだべってばっかりやな……)
亜子がエヴァを尾行して数時間が経過していた。現在、エヴァは茶々丸といっしょにベンチに座って、何か話をしている。
たまに時計を見ているから時間は気にしているのだろうが、なかなかそこから動こうとしない。
(もう帰ろかな……お腹空いたし、見たいドラマもあるし……エヴァちゃん全然動かへんし)
亜子は既に、茂みに潜んで監視するのに飽きていた。空腹と退屈が見事に重なって、ますます気が滅入っていく。
その時、ベンチの向こうの道を誰かが歩いてきた。
エヴァと茶々丸はそれを見て立ち上がると、後をつけるように歩き出す。
エヴァに尾行されている少女は、亜子と同じ制服を着ていた。公園と学園はそれほど遠くない。用事で寄り道していた生徒
が、帰り道にこの公園を通るのは珍しくなかった。
(あの娘……誰やろ?)
亜子は目を凝らして、少女をよく観察する。
それは知っている顔だった。
(……って、ゆ、裕奈やん!)
それは亜子の親友の、明石裕奈に違いなかった。
エヴァが裕奈の後を走るように追っていく。亜子が茂みから出たときは、既に姿は見えなかった。
「……もしもし、裕奈? 落ち付いて聞いてな」
慌てて裕奈の携帯に電話して、亜子は尾行者の存在を伝えようとした。
「――亜子、どうし―――えっ?―――電波―――聞こえない―――もう一回言って―――」
公園は電波が良くない。亜子は舌打ちして電波の良い場所を捜し歩いた。
「―――後ろ?――――あ、エヴァちゃ―――きゃあぁぁぁぁぁぁぁ――――っ!」
通話が切れた。
亜子は蒼白になって、裕奈が消えた先に走り出した。
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「いやあああああああっ! 止めてよおぉぉっ!」
茂みの中で全裸の明石裕奈が、茶々丸に馬乗りに押し倒されている。裕奈の身体はほどよく締まった細身で、少し膨らん
だ胸で淡いピンクの突起が揺れている。服を剥がれ外気に晒された肌からは、部活の汗の匂いが漂っていた。
「い、いやぁ………止めて……。だ、誰にも言わないから、お願い―――」
恐怖で震える裕奈に馬乗りになりながら、茶々丸は裕奈の胸をゆっくりと揉んだ。
「うっ……う、うんっ、あ、ああん、……ご、ごめん、私、本当にそっちの気はないの…うあっ、あ、あん、あああ……」
茶々丸の固い手が動くたびに、むず痒い刺激が裕奈の胸から股間の方に伝わっていく。裕奈の体温が上昇しやすいポイン
トを見つけ、茶々丸はそこを集中的に責めた。耐えきれず裕奈が甘い悲鳴を漏らす。自慰で感じたことのない快感に身体を
征服され、裕奈の息が荒くなっていく。
「私には裕奈さんが、感じているように見えますが?」
「そっ、そんなこと、ない……! あ、ああん、ああ……」」
茶々丸がふと見てみると、まだ毛もほとんど生えていない幼い股間でも、裕奈の性器はしっかりと濡れていた。茶々丸が
指でくちゅくちゅと裕奈の性器を掻きまわすと、とろりと愛液が指から糸を引いた。
「やあぁっ! そ、それ以上やったら、はあ、はあ、本当に、許さないんだからっ!」
無理矢理に指を入れられてイかされるのは我慢できず、裕奈は茶々丸をどけようと必死で暴れて足をバタつかせる。
茶々丸はピンと立った乳首を摘むと、弱い電流を胸から裕奈の身体に流し込んだ。
「な、何!? 胸が、しびれ、る……ひぃっ! や、止めてぇ! きゃああああ―――っ!」
まるでくすぐられているような、苦痛を伴う快感が押し寄せてくる。裕奈は拘束された身体をびくびくと震わせ、早く責
めから解放されるのを願いながら、強制的な快感に悶え苦しんだ。
「あっ、あっ、駄目、も、もう、いくっ、うう……あ、ああああ――――っ!」
抵抗も虚しく裕奈は、茶々丸の責めの前に愛液を噴いた。しかし茶々丸は指を性器から抜かず、同じ責めを同じスピード
で再開する。余韻に浸る間もなく、裕奈の身体は再び絶頂に向けて運ばれていく。
「ああっ、そ、そんな……もう駄目だよ……もう許して……あっ、いやぁ、あ、あんっ、ああ……」
泣きながら許しを乞う裕奈に、茶々丸は性器に入れる指の数を増やして応じた。
「うあああああっ、あっあっあ―――っ! ま、また、またイっちゃうぅ―――っ!」
快楽に溺れていく自分を認めながら、裕奈は再び歓喜の声を上げた。
「そろそろ良いかな。精神が果てた娘は、抵抗もなく強力な吸血鬼になる―――」
失神寸前にまで追い詰められ、ぐったり横たわる裕奈の前にエヴァが現れる。
「………………あ、ああ………パパぁ……………助け…て……………」
エヴァはあんぐりと口を開け、裕奈の首筋に噛みついた。真祖の魔力が、燃え尽きる寸前の裕奈の精神を汚染していく。
…………
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亜子は裕奈を必死に探していた。さっき落ちていた携帯は見つけたが、肝心の裕奈本人がいない。
「お前の友はここだ、和泉亜子」
「―――!?」
その茂みの向こうには茶々丸とエヴァ、そして全裸でぐったりした裕奈がいた。
「裕奈!」
亜子はカバンも放り投げて裕奈の元に駆け寄った。裕奈は薄目を明けて亜子を見ていたが反応は無い。首筋には噛まれた
痕と思しき血豆が二つ、そして股間には何度もイかされた痕が生々しく残されている。
「ふん、携帯の使えないこの場所まで追ってくるという事は、坊やの指示ではないようだな。少なくとも坊やならそんな危
険な事はさせまい。なぜ貴様は我々を探る? 男にフラれたから坊やに取り入るつもりか?」
「なっ……!」
昨日の英語の授業での発言を、エヴァは誰かから聞いたらしい。
「そんなん言うたら、あ、あんたなんか幼児体型で、男に相手にもされへんやろっ!」
エヴァに、妙な沈黙があった。
「和泉さん、今すぐに発言を謝罪してください!」
エヴァの様子を見て、茶々丸が焦ったように叫んだ。
「な、何よ……ホンマの事やん」
相手が買い言葉にマジギレしているとは想像もせず、亜子も引き下がらない。
「いや、茶々丸、いいんだ」
エヴァはにっこりと外見相応の笑みを浮かべ、そして、ひょい、と青い液体が入った試験管を亜子に向けて投げた。
「武装解除!」
「きゃあっ!」
試験管が爆散し亜子の衣服を吹き飛ばした。亜子は小ぶりの胸や脇腹の傷跡、下腹部の毛の生え際まで完全に晒されてし
まった。亜子は驚いてその場にへたりこんでしまう。突然過ぎて、自分に何が起こったのか分からなかった。
「貴様の下手糞な尾行を勘ぐり過ぎて時間をロスした。こうみえても多忙でね。後でじっくり可愛がってやるから―――」
エヴァはにやりと、意味深な笑みを浮かべる。それは面白いイジメを考えた悪ガキのそれだった。
「しばらく、適当に『暇潰し』でもしていてくれ―――貴様も下僕にするつもりだったが、止めた」
呆然とする亜子にエヴァはそう言うと、そのまま茶々丸といっしょに行ってしまった。
「な、なんやの……いったい」
亜子はエヴァの行動が理解できずに首を傾げながらも、思い出したように自分のカバンをあさり始めた。亜子は全裸でカ
バンから別の服を取り出すと、大急ぎでそれを着る。白と水色のラインをベースとした半袖の上着に、黒地のパンツ。それ
は亜子のサッカー部のユニホームだった。
「あ、亜子それは……?」
「うん、ウチの部のユニホーム、一応マネージャーの分もあるんやで。今日持ってたんは偶然やけど」
ちょっと股間と胸がスースーするけど、と亜子はつけ加えて裕奈にかけよる。
「裕奈立てる? 服は? とりあえず急いで寮に戻って、ネギ先生に全部話して―――」
「駄目だよ寮に戻っちゃ、エヴァンジェリン様の動きがバレちゃうじゃない―――ねえ? まき絵」
「え?」
亜子がその言葉を聞くと同時に、周囲の茂みを蹴散らしながら何かが身体に巻き付き、思い切り締め上げた。
「ひぐぅぅぅぅ、痛っ………何すんの!? まき絵」
リボンで亜子を縛り上げたまき絵がにっこり、笑って茂みからでてくる。
「うふふ、亜子。実は私たちってね、もうエヴァンジェリン様の下僕なんだよね」
「だーかーらー、エヴァンジェリン様が戻ってくるまで、私たちと、暇潰しをしよっ、ね?」
「え、な、何言ってんねん!?」
亜子は頭が混乱した。親友二人が既にエヴァの手に落ちている事実を、簡単には信じる事ができない。
「あ、そうだ裕奈ぁ、私ずっと出るタイミングを計ってたら、おしっこしたくなっちゃったぁ。亜子ぉ、飲んで」
「そうだねぇ、私もやっとこっかにゃー。ちょうど便器もあるしー」
亜子は座り込んだまま頭の中が真っ白になった。目の前で裕奈が愛液のついた性器を亜子の顔に近づけ、まき絵は足を垂
直に伸ばして股間を亜子の方に広げ、狙いを定めている。初めて体験する便器の視線に、亜子の理性がぐらぐら揺れた。
「いやぁ、嘘や! 止めてぇ! 目ぇ覚まして、裕奈! まき絵! いやああああっ、誰かぁ―――っ!」
裕奈の尿管からちょろりと、黄色い液体が滲んだ。次の瞬間、黄色い雨が亜子の頭や顔に降りかかった。顔にびちゃびち
ゃと当たって流れ落ちていく。口や鼻に入ってくる雨から逃れようと、亜子は拘束された身体を弱々しくねじった。
「うぶぶ、ぷはっ、ごほ、このユニホーム、ウチの大切な…………」
「だったら頑張って飲まないと、ユニホームおしっこ臭くなっちゃうよー」
「ああっつ、いやっ、いやああああああ」
涙まで生温かい雨に流されて、身体から湯気がたつ。髪の毛から滴るほどぐっちょり濡れている。亜子は自分の、染みだ
らけになって乳首の透けたユニホームを見て、静かに嗚咽した。既に思考回路は状況の変化について行けていない。
「あっ! でもエヴァ様からは滅茶苦茶にいぢめろって命令だったけど、汚しちゃったらやりにくいかもっ!」
「んにゃー。池にでも落として洗ってから、体育倉庫にでも連れていこっかー」
そんな亜子を見下ろしながら、裕奈とまき絵はとても愉しそうに、牙を生やして笑っていた。
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「マスター、和泉さんはよろしかったのですか」
「まあいいさ。あいつは下僕にせずに、決着がついてから嬲り尽くしてやる」
薄暗い裏通りで、エヴァはにたりと笑った。
足下にはうり二つの顔を持つ二人の少女、鳴滝姉妹が倒れている。闇の中に沈んだ二人はぴくりとも動かず、まるで死ん
だように半裸状態で転がっていた。
二人の首についた牙の痕が、そこで起きた全てを物語っていた。
「それに、あの娘の前にずっといたらブチキレてしまいそうだ。幼児体型では相手にされんだとぉ? ≪千の呪文の男≫と
同じ事を言いよって! 私にそう言っていいのはあの男だけだというのにぃぃぃぃぃ―――」
堪忍袋の緒よりも先に血管が切れそうな主人をなだめようと、茶々丸は定時報告を行った。
「マスターの魔力が20%回復するまで、あと一時間三十分です」
「うむ。もう少し兵隊を増やしておくか。坊やと神楽坂明日菜が相手なら、3Aの生徒の中に増やすのが有効か―――」
「あれ? 何してるのー? お二人さん」
そこには怪しげな紙袋を持った、早乙女ハルナが立っていた。
「ふふふ、丁度いい。お前たちの初仕事だ」
パチン、とエヴァが指を鳴らすと、今まで倒れていた鳴滝姉妹はまるで見えない糸に繋がれた人形のように起き上がり、
「え? 何? 何?」
ハルナに襲いかかった。そのまま押し倒す。紙袋から薄っぺらい本が数冊、地面に散らばった。
「ちょ、ちょっと何なのよぉ! え、何その牙…え、まって、ちょっと、きゃああああああああああ――――っ!」
麻帆良の夜は、だんだんと深くなっていく………
≪to be continued……≫
最終更新:2012年02月12日 20:24