02スレ687

687 v3yaa ◆d4WtKA.Zvs sage 03/09/24 01:13 ID:3B7ugo0N


「いいかげん俺に付き纏うの、やめろって。」
「やだ。とことん追いかけてってやるって言っただろ。」
穏やかな朝の日差しの中、のどかな草原が両側に拡がっている狭い道を、親子にしか見えないような二人の人物が、間隔を開けて歩いている。
前を歩いているのは、身長190cmはある大柄な男で、パーカー風の長い上着を着て、大きな杖を持っていた。
もう一人、後ろを歩いているのは、黒いマントで全身を覆った、身長130cmほどの小柄な少女だった。
「やれやれ、参ったな…。コブ付きじゃ、街で女も抱けやしねえ。もう一ヶ月も溜まりっ放しだぜ。」
男が、溜め息交じりの声で、ぼそりと小さく呟く。
「ならば、貴様、私を抱いたらどうだ?」
少女がすかさず男の言葉にツッコミを入れる。
「おいおい、ご冗談を…。」
まるで相手にならないよ、とばかりに、男が少女に背を向けたまま、呟いた。
「(くっ…、齢百以上を誇る、真祖にして最強の魔法使いである、このエヴァンジェリンを、とことんガキ扱いして…!!)」
少女=エヴァの顔が、男の言葉に反応して、わずかに引きつる。
「(だいたい、この男、サウザンド・マスターと呼ばれる凄腕の魔法使いの割には、まるで無防備じゃないか。)」
エヴァが、少し歩を緩やかにして、男=サウザンド・マスターとの間隔を多めにとった。
「(よし、少々懲らしめてやるとするか…、リク・ラク・ラ・ラック・ライラック…。)」
エヴァは、サウザンド・マスターに聞こえないように、小声で呪文を唱え始めた。



エヴァの左手から、光の玉が浮かび上がる。
「(闇に棲みし淫夢の精よ、煩悩に満ちた一夜の地獄を彼の者に与えよ…、甘き奈落の底!!)」
エヴァが右手を前に突き出した瞬間、光の玉から、凄まじいまでの魔力が矢のように解き放たれ、サウザンド・マスターの周りを取り囲んだ。
「やったぞ…、な、何っ!!」
邪悪な笑みを浮かべたエヴァの目の前で、サウザンド・マスターの肉体が一瞬にして消滅し、魔力が霧散する。
「やっぱ、悪巧みしてたか、ガキンチョ。さっき摩り替わっといて、よかったぜ。」
エヴァの背後から、サウザンド・マスターの声が聞こえてきた。
「実体を伴った幻術だと!? いつの間に…。」
エヴァが後ろを振り返ると、サウザンド・マスターは、先程エヴァがとった間合いと同じくらいの距離でしゃがみこんでいた。
「それより、いいのか、ガキンチョ? 呪術に失敗したら、その呪いは…。」
「うっ…。」
ギクッとした表情を浮かべたエヴァの足元から、先程放ったのと同じくらいの魔力が噴き出し、一瞬にしてエヴァを包みこんだ。
「う、う、うわぁああっ!!」
「自分に撥ね返って…、きたみたいだな。」
「かはっ、あ、あぁああっ!! カ、カラダが熱い、熱いぞっ…!!」
エヴァの全身を、まるで生き物がのたうつかのように、魔力が駆け巡っていく。
取り巻いていた魔力が消え去った後、エヴァのカラダは、凄まじいまでの快楽に襲われていた。

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最終更新:2012年02月12日 20:41
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