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リボンなナイト09 最終回第九話

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千鶴が小太郎の頬を両手で挟んだまま、二人の唇が離れる。
艶っぽく微笑む千鶴の潤んだ瞳に、ぽーっとなった小太郎の間抜け面が映し出される。

「これが、大人のキスなんだって」
「ほー」

生返事をしていた小太郎は、気が付いたら千鶴をベッドに横たえていた。

「続き、したい?」

笑顔で言う千鶴の前で、こっくりと頷いた小太郎がミニスカ丈のサンタ服の前を開く。
玄関からそのまま千鶴の個室に連れて来てしまった訳だが、
上から引っかけていただけで、その中は普通のコート姿。
その前を開くと、飾り気の無いトレーナーが姿を現す。
それは、サンタさんを迎える前の、縁の下で一生懸命な優しい女の先生の姿。

「んふふっ」

こんもりと見事なボリュームで持ち上げられたトレーナーを小太郎の掌がぐにぐにと掴み、
千鶴がくすぐったそうに笑い声を上げる。

「うぶぶっ!」
「ふふふっ、どーだどーだあっ!」
「ま、参った参ったちづる姉ちゃん」
「んふふーっ」

頭を抱かれそんな小山の間にぎゅーっと押し付けられた小太郎が降参し、楽しそうに千鶴が笑う。

「ええか?」

返答は、にっこりと微笑んで。
小太郎がトレーナーをまくり上げ、たわわな白い膨らみをいくらか覆う黒い布地が姿を現す。
悪戦苦闘する小太郎の顔にくすっと笑みを浮かべた千鶴が、
自分の手を背中に回し、ホックを外す。
ごくりと喉を鳴らした小太郎が、紐の緩んだ布地を思い切って取り去りその下の至宝をその目に焼き付ける。
今日一日で、歳を考えると一級品と言ってもいい数々、
あやかの様に特上と言うべき豊かさと美しさを兼ね備えた膨らみを目にして来た、
そんな贅沢きわまりない小太郎であるが、こればかりは何が何でも素晴らしいと言うより他に無い。
客観的にも豊かさと言い形と言い、絶品としか言い様がない。
そして、小太郎自身の個人的な思いもある。今まではさ程の興味を示さなかったとは言え、
そんな絶品を間近とし、それでいて常に一線は目の前で死守されて来た。
余りにも身近にして目にする事のかなわなかった最上級品、
そんなものが目の前で全ての封印を解き放たれているのだから感無量になるのも無理からぬ事。
そしてもちろん、その絶品の持ち主への想いも又改めて。

「コタロー君」
「ん、んーっ」

千鶴の優しい呼びかけに、
ほーっと馬鹿みたいに見とれていた自分に気付いた小太郎が咳払いをしてそっぽを向く。

「どうしたのコタロー君?もう、自分で開けたおもちゃに飽きたのかしら?」
「飽きる訳ないやろっ!」
「つっ…」
「あ、悪い…」

小太郎が鷲掴みした手を引っ込め、
にっこり笑った千鶴が左手で小太郎の頭を撫で、右手で小太郎の手を取る。
小太郎の掌が、再び、ふにっと千鶴の乳房を包む。

「ん、んふっ、くすぐったいコタロー君」
「柔らかいなぁ、それにでっかくて…」
「んふっ」

むにむにと小刻みに揉みしだいていた小太郎が、思い切って先端に吸い付く。
大きすぎる事もなく、桃色がかった先端は、既にピッと尖って小太郎に吸い付かれた。


「んふっ…はあっ、いいわ、コタロー君っ」
“…ちづる姉ちゃんが喜んでくれてる、俺がこうやって…”
「んんーっ」
「ここか、ここがええんかちづる姉ちゃん」

長目のスカートをたくし上げ、ショーツの真ん中辺りをぐにぐにしていた小太郎が、
器用な指先で探り当てた突起、湿りを増す布地を感じて口走る。

「ほな…」

小太郎が、スカートの中の手を、更にその下の布地の中へと滑り込ませた。

「…ひゃっ!…はっ、はんっ、はああんんんっあんっ…」

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「…あら…コタロー君…」

先ほどまでベッドの上でガクガクと背筋を揺らしていた千鶴が、
覗き込む小太郎に、薄目を開けてにっこり微笑む。

「んふっ、器用なんだ、コタロー君。でも、ちょっと恥ずかしい」
「すっごく可愛かったで千鶴姉ちゃん」
「そう?」

問い返す千鶴に、小太郎はニッと笑みを浮かべる。
しっかりしているとかネンレイサシ…………

言われても、その実態はその意味ではごくごく常識的に身持ちの堅い15歳の女の子。
それもまあしっかりしていると言う意味にはなるが。
時々独りこっそり覚えがないではないその感覚、それも、そんな時の何倍も激しかったものを、
男の子に目の当たりに見られる経験も無ければ心の準備も簡単にはできない。
そんな人並みの葛藤を抱えながらも、小太郎の素直な態度がそんな千鶴の秘かな緊張を解きほぐす。

「…だから、もっと…ええんやろ…」
上着を脱ぎながら言う小太郎に、千鶴はにっこり頷いた。

「脱がせてくれるかしら?」
「おうっ」

トランクス一枚になった小太郎が、引っ掛かった衣服、下着を千鶴から外して脇にどけ、
スカートを下ろし黒いショーツもぐいっとひん剥いた。


「綺麗や…」

ベッドで千鶴の前に座り込み、小太郎はほーっと呟く。
そんな小太郎の前で、千鶴は豊かな膨らみの下で組んだ腕に羞恥心に負けぬ必死の意思力を込め、
僅かに腰をくねらせて太股を摺り合わせる。

「あー、もちっとよく見せてくれるか?」

小太郎の言葉に、こくんと頷いた千鶴が太股の力をじりじり緩める。
既にしっかりと形作られながら、余分な程でもない。
そんな茂みの向こうから、てらてらとした鮮やかな桃色が姿を現す。
内心顔から火の出る様な千鶴の前で、顔を寄せてそこを覗き込んでいた小太郎は、
まだぷっくりとその存在を示している艶やかな紅真珠を見付けると、
溢れる蜜を乗せた指で優しく撫で上げ、今までにない千鶴の羞恥と喜びの甘い声に自らを酔わせる。
興奮に乾く唇をぺろりと嘗めた小太郎は、ふと気付いた様に顔をぐいっと零距離まで接近させた。

「はっ!?はあああっ!!コタロー君ああダメ汚いああっ!!…」

千鶴の、女神の殻が破れた。
最初は羞恥心、だが、それはすぐにベッドの上で豊かな裸体を海老の様に跳ねさせての狂乱に呑み込まれる。

「ああっ、あああ…」

そんな千鶴の動きがぱったりとやんだ所で、小太郎が顔を上げる。

「あー、気持ち良かったんかちづる姉ちゃん?」

唇をぬらぬらさせた小太郎の率直な問いに、
まだその目元を艶っぽくとろんとさせながらもぽっと頬を染めた千鶴がこっくりと頷く。

「そんで…俺も、もう…」

こっくり頷いた千鶴の目元は、にっこり微笑んでいた様に見えた。
小太郎が、矢も盾もたまらぬと言った動きで窮屈なトランクスを脱ぎ捨てる。



「い、いくで」

小太郎の言葉に、千鶴は笑みを浮かべ、静かに頷いた。
だが、その白くむっちりとした太股は僅かに震えている。
いつもの小太郎に対する那波千鶴を装っていなければ、逃げ出したくなる程の怖さ、
それでも受け容れたい、そんな思いがせめぎ合う。
そんなデリケートな心情を察するのにはまだ少し色々と足りない、
そんな小太郎には千鶴がそれを許してくれた、それだけで十分。

小太郎が腰を使い、侵入した時、千鶴が僅かに呻く。
小太郎が何かを言う前に、千鶴がぎゅーっと小太郎を抱き締める。
小太郎の男性を呑み込むのも、小太郎の体にぎゅーっと押し付けられるのも、
千鶴は、素晴らし過ぎる女性の弾力、温かさ柔らかさに溢れていた。

「く、うううっ…」
「んふふっ…」

自分の上で息を荒げ、何度か繰り返していた前後運動を止めた小太郎の頭を、
千鶴はやっぱり優しく撫でていた。

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「んー、ちづる姉ちゃん」
「何かしら?」

かぷっとくわえていた乳房から口を離し、小太郎が言った。

「俺、やっぱもちっとガキでもいいかも」
「んー、今までちょっと足りなかったみたいだから、もうちょっとだけ甘えん坊さんかな?」
「つー事」

にっこり微笑む千鶴の前で、小太郎も又、嬉しそうに乳房をくわえる。

「んふっ、でも、こっちの方はすっかり逞しい男の子」
「んー、あー、やっぱガキやさかい、お預けはキツイねん」
「そうね、私もコタロー君が欲しい」

ふっと笑い合い、唇が交わされる。

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緩くウェーブの掛かった揺れる髪の毛、喘ぎ声、
小鼻が膨らみ、熱く昂ぶりながらも下品には至らない情熱的な表情。
何より、先ほどから目の前でたぷんたぷんと存在を誇示し、柔らかくすり付けられる双つの膨らみ。
目の前でギシギシ腰を使い身を揺らす千鶴のその全てが、
ベッドの上に座り迎えた小太郎にとって、むしゃぶりつき食い尽くしたい程に可愛らしく美しく、愛しい。
そして、何よりかにより、小太郎のまだ幼さの残る雄を全ての感覚をもって攻略しようとしてやまない。
小太郎は、歯を食いしばって陥落の甘い誘惑に必死に耐え、
腰を突き上げ少しでも千鶴を鳴かせようと懸命に力を振り絞る。
だが、長くは続かなかった。

「うっ、くっ…ちづ姉…俺、又っ…」
「はあああっ、コタロー君っ、私、私もああっ、うんっ、コタロー君っいいわ来てあああっ!!」
「おおおおっ!!…」

いまだ下半身が甘く痺れる中、ぐにっと豊満な感触と共に小太郎に全てを委ね覆い被さって来る千鶴。
小太郎が見たのは、見た事も無い艶っぽい女であり、身近な優しいお姉さんであり、
誰よりも美しく愛しい一人の女性の姿。

「ちづる姉ちゃん」
「はい」

千鶴は、改まって返答した。

「めりぃ・くりすます」
「Merry X’mas.特別な夜に」

いつもの優しい微笑みが、小太郎をほっとさせる。
そして、静かに唇が重ねられた。


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「ぴーぽーぴーぽーぴーぽー」

小太郎が寮の廊下でふーっと一息ついていると、
真っ白な灰を乗せた担架が、双子の手で通り過ぎていく。

「何や知らんがネギも大変やなぁ…」

小太郎が壁に着いた手がずずずと滑り降り、その腕がガシッと掴まれ支えられる。

「あ、ああ、楓姉ちゃん悪いな」
「んー、どうしたでござるかな?…
…ふむ…これは…ほう…つまり…」
「どないしたん楓姉ぇ…」
「…つまり…些か修行不足だった様でござるな。さ、特訓でござる特訓」
「あーーーーーーーーうーーーーーーーーーー……………」
「にんにん♪」

この年、聖夜の女子寮医務室のベッドには、
あまたの激戦を戦い抜いた歴戦の猛者達が、真っ白な灰となって二つ仲良く並んでましたとさ。

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2003年12月25日早朝。
元々筋肉的な疲れは少ない。
医務室ですっきり目覚めた小太郎は、体をゴキゴキ鳴らしながら寮の玄関付近をテクテク歩いていた。

「あ…」
「よう、早いな」
「はい、美化委員の早朝お掃除当番で。イブの後で散らかってるかも知れませんし」

確かに、後ろ手に箒を持った愛衣がにっこり笑って挨拶し、
小太郎は頭の後ろで組んでいた手でぽりぽりと後頭部を掻く。

「んー…えっと…」

そうして、小太郎が次の言葉を探している間、愛衣は嬉しそうににこにこと立っている。


「やっ、コタロー君に愛衣ちゃん」
「お早うございます釘宮さん」
「おう、くぎみー姉ちゃん」
「くぎみー言うな」
「早いですね」
「朝練朝練」
「一人かいな」
「んー、もうすぐ来るけどねー」
「おっはよー」
「お早うございます」
「ああ、おはよー夏美」
「おう、夏美姉ちゃん早いなぁ」
「ん、クリスマス公演の千秋楽私も出るからさ」
「ほー」
「頑張って下さい」
「頑張って夏美」
「あらあら、お揃いですわね」
「あ、いいんちょおはよー」
「お早うございます」
「こんな早ようにどないしたん?」
「厩舎の当番ですの」
「あらあら、賑やかね」
「お早うございます」
「那波さんおはよー」
「ああ、ちづ姉お早う。保育園の後始末だっけ?」
「朝じゃないと出来ない事が色々とね」
「大変ですねー」
「大変だねー」
「色々大変だねー」
「でござるなー、にんにん♪」

「リボンなナイト09」了

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最終更新:2012年01月28日 14:31
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