06スレ360

360 :P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:25 ID:ZFdg8hQa

ifネギま! ~ 一話一妄想 ~


第十七話



 まき絵とのどかを襲ったエヴァンジェリン。それを追うネギは、魔法を駆使して彼女を追い詰めることに成功した。しかし、エヴァは従者・茶々丸の援軍を得、逆にネギを追い詰めてしまう。エヴァは自らにかけられた呪いを解くため、ネギの血を残らず吸おうとするのだが……。

 茶々丸にガッチリと押さえつけられたネギに、エヴァは横から抱き付いた。
 カァーっと口を大きく開けると、狼のような長大な犬歯が、血に飢えた白い姿を見せた。
「……悪いが死ぬまで吸わせてもらう……」
 死の宣告と共に、ネギの首筋にエヴァの熱い吐息がかかった。
 必死で逃れようとするも、茶々丸の拘束は鋼のようで、ろくに身動きできない。
「うわあ~~~~ん、誰か助けて~~~~っ」
 目前に迫った逃れ得ぬ最期に、ネギは目尻に涙を溜めながら悲痛な叫びをあげる。
「ん……」
「うあっ」
 カプッと、エヴァは牙を突きたてた。
 反射的に叫んでしまったネギだが、予想していた痛みはなかった。ほとんど無痛……どころか気持ちがいい。
「あう、あっあぁ……あ」
 ネギはまるで、愛を受けている時の少女のような声を出してしまう。
 明らかに、噛み付かれた首の付け根から血が吸い取られているのがわかるというのに。
 血と一緒に、抵抗する力と心まで奪われているかのように、ネギはへなりと脱力した。
 もはや何をしようと為すがままという状態になったそのとき、エヴァの動きがはたと止まった。首筋から、口を離す。
「……?」
 吸血による脱力で半分夢見心地だったネギが、不審げにエヴァの様子をうかがう。
 彼女は顎をひき、ネギの体の下の方をじっと見つめている。
 その視線を追ってみると、そこには高くテントを張って己の存在を誇示するネギの股間が。
「ああっ」
 ネギは顔を真っ赤にした。

 どうしてこんなみっともないことになったのかわからずあたふたと手足をバタバタさせたが、茶々丸の拘束は微動だにしない。
 あわてふためくネギとは対照的に、エヴァはしげしげと彼の股間を見つめ続けている。
 血を吸われた相手が、男女を問わず性的興奮の兆候を示すというのは、エヴァにとってはごく当たり前の現象である。
 吸血には感染をともない、血を吸われた相手が吸血鬼化してしまうのは周知のとおりだが、これは別の面から見れば、遺伝情報の入力といえる。
 吸血鬼の吸血とは、仲間を増やすセックスに他ならない。
 だから吸血鬼の犠牲者は、血を吸われている時は恍惚としているのだ。
 さて、ネギの股間を凝視していたエヴァは、顔をあげると、なにやら意味ありげな笑みを浮かべた。
氷のような冷たい微笑であるが、瞳の奥にいたずらな輝きがある。
「おい坊や、チャンスをやろうか?」
「え?」
 聞き返すネギに、エヴァは彼の膨らんだ股間をぎゅっと掴んで言った。
「はあうっ」
 腰から背中に抜ける甘美な神経の震えに、ネギは少女のそれと区別のつかない声をあげてしまう。
「実はな、魔力のこもった体液なら別に血である必要はないんだ。精液でもいい。いや、いいどころか、血液の何倍も効力がある。生命力の塊みたいなものだからな」
 股間を揉みながら語るエヴァ。
 ホムンクルスの製造や、マンドラゴラの発生に精液が使われることはネギも学んでいるが、今はそれどころではない。
 悶えるネギに、その幼い体格からは想像もつかない嫣然たる笑みを向けながら、エヴァは続ける。
「そこでだ、血を吸う前に、お前の精液の方を先にもらってやろう。もしかしたら、失血死する前に足りるかもしれないし、血を吸うまでもないかもな」
「ああ……でも……」
 顔を真っ赤にして、もごもごと言うネギ。しかしエヴァはそれを無視してその場にしゃがみこむと、手早くネギのズボンをトランクスごとひきずり降ろした。

「ひゃあっ」
 羞恥の声と共に、ネギのすでに大きくなったペニスが勢いよく飛び出す。
 服に押さえ込まれていたのが急に解放されたため、勢い余って上着にぶちあたった。そのあと、ぶるんぶるんと上下に揺れたあと、110度くらいの角度でそそり立つ。
「ほう……」
 ネギのその部分を目の前にして、エヴァは笑みを浮かべながら、感心した声を出した。
「さすがに父親に比べれば劣るが、十歳にしてはなかなかいいモノを持っているじゃあないか」
 からかうように言われ、ネギは赤い顔を一層赤くして、顔を背けた。エヴァの言葉がさりげなかったせいか、何故彼女がサウンザンドマスターのその部分を知っているか、ということには気付いていないようだ。
 エヴァの言う通り、ネギの性器は立派なものだった。
 長さ・太さ共に太いマジックペンほどもあり、大人サイズというにはやや足りないが、十歳の少年としては充分過ぎるほどである。
 陰毛も生えていないのに亀頭は完全に露出していた。竿には青い血管が愛撫を求めるように脈打ち、先端からは滴がしみだし、完全に戦闘態勢である。
「まだ精通を迎えていなかったどうしようかと思っていたんだが、これなら大丈夫そうだな。ん? もう出るんだろう?」
 幹を軽く握って、上下にシュッシュッと小刻みに動かしながら、エヴァは言った。
「はぁぁっ、だ、だめぇぇ!」
 恥ずかしい部分に、未だかつて感じたことのない刺激を与えられ、ネギは体を左右によじった。
 エヴァの小さな手に掴まれたペニスが、さらなる愛撫を乞うてビクビクと震えている。
 亀頭の裏側を、親指の腹でぐりぐりと押すと、それだけで先走りがあとからあとからあふれてくる。
「なんだ坊や、ちょっと敏感すぎるぞ。ひょっとして自分でしたことないのか?」
「はううぅ、じ、自分でって……?」
「自分の手でこうやった経験はないのか」
 エヴァはもう一度繰り返しながら、竿を包んでいる手にぎゅっと力を込めた。
「くあっ」
 ネギは鋭い悲鳴をあげた。
 と同時に、ぱんぱんに張りつめていたペニスが、爆発する。
 先端から水鉄砲で発射されたみたいに勢いよく吹き出した精は、空中を一直線に飛んで、狙ったかのようにエヴァの額を直撃する。

「うわ、ちょっと早すぎるぞ。それにもったいない」
 エヴァは不満そうな顔と口調で、前髪から鼻の頭にかけて飛び散った、ねばついた白い液体を手でぬぐった。
 ぬぐった手を口元にやると、赤い舌を伸ばして、自分を汚したものをなめ取った。
 一口精液を喉の奥に送る度に、エヴァの表情が恍惚に染まる。
 あたかも酒、媚薬、あるいは麻薬を口にしているかのように、瞳は熱くうるみはじめている。
 顔についたネギの精液のほとんどを自分で処理したエヴァは、唾液まみれになった手を見ながら、くっくっくと笑った。
「濃いな……素晴らしく生命力が濃縮されている。極上の栄養剤だ。やはりサウザンドマスターの血縁は違う!」
 ぐっと顔をあげると、ネギは激しい射精の影響で胸で呼吸をしているが、股ぐらのものは対照的に元気一杯である。
 幼い年齢に似合わぬ威容を誇るだけあって、一回出したくらいではまるで疲れを見せていない。
 先端にいましがた放出した精液をこびりつかせたまま、硬く、太く、長く、急角度でそそりたっている。
「ふふ、嬉しいぞ。まだまだ味合わせてもらうからな」
 エヴァは男心をぞくりとさせる、官能的ながらも底に冷たさを秘めた声で言った。
 エヴァは再びネギの肉棒を掴むと、いきなり亀頭をぱくりとくわえた。
「ああっ、そ、そんなこと……」
 手のひらで包まれるのとは一味違う感触に、ネギはがくがくと身を震わせた。
 エヴァはまず、亀頭周辺の射精の残滓を舌できれいに掃除したあと、尿道に残ったものを強く吸って飲み込んだ、
「ひぃあっ!」
 強すぎる刺激にネギが悲鳴をあげる。
 口の中のものが少し柔らかくなってしまったのを感じ、エヴァは経験の浅いネギの亀頭を責めても痛がるだけだと判断する。
 彼女は戦術を変え、敏感な先端は柔らかい唇で優しく包んで愛撫するだけにとどめた。そして竿を掴む手のほうを忙しく動かしだす。
「あ、そんなことされたら、うあっ、あ、はぅぅぅ」
 ネギのあえぎ声を聞き、手と口でペニスの反応を捉え、どのくらいの刺激が最適か、どこが一番感じる部分なのか、あたかも楽器を調律するように探り出していく。
 幼い少女に似合わぬ、それでいて永い時を生きてきた魔物に相応しい、熟練した手つきである。

 あっという間にネギの弱いところを発見したエヴァは、両手の十本指を巧みに使って撫でまわし、こすり、指圧し、くすぐり、揉み、さらには舌も動員して肉茎を刺激してやった。
「あーっ、あっ、だめ、だめ、やめてぇっ」
 あまりに強い性感のためか、それとも未知の感覚に対する怖れか、涙をポロポロと流して首を振るネギ。
 しかし痛みを感じているわけでないことは、嬉しそうにエヴァの愛撫を受ける肉棒を見れば明白である。
 表面を指先と舌が這いまわる度に、ビクンビクンとネギのペニスが脈打つ。
 限界まで溜まった快楽が溢れ出るかのように、亀頭から先走り液が噴き出す。
 竿を両手で上下にしごきつつ、玉袋をひとつずつ口に含んで舌先で転がしてやると、ネギは「ああああああああああっ」と一際大きな声をあげた。
 エヴァはその小さな口に、さらにもう一個の袋を無理に押し込めると、舌と顎をうまく使って、二つの玉をコリコリとこすり合わせたりする。
「ひぃぃっ、そ、そんなことしないでぇっ!」
 ほとんど叫び声になっているが、過激なまでの官能の中に、甘い痛みが混じることで、一層彼は高まってしまう。
 もうそろそろいい頃だと判断したエヴァは、口から袋を出すと、再びペニスを頭から加え込む。
 左手で睾丸を甘く掴み、右手で根元の方を上下にしごきつつ、唇を強く合わせて竿を締め付ける。舌先で優しく粘膜を愛撫しながら、顔を前後させた。
 性器の全てが複合的な攻撃にさらされたのである、ネギはかすかな抵抗さえ許されず、二度目の絶頂へと引きずり上げられた。
「うああああああああーっ」
 絶叫と共にペニスが脈打ち、一度目をはるかに優る量と勢いで、エヴァの口の中に精液が放出された。
 喉の奥を撃ち抜かんばかりの射精を、エヴァはうまくむせないように受け止めると、出される先から飲み干していく。
 ネギの射精は十秒近くにも及んだが、エヴァはそれを一滴残らず味わい、嚥下してしまった。
「ん……」
 ようやく射精が終わると、エヴァはちゅっと音を立てて残りを吸い取り、亀頭についたものを舌できれいにする。
 射精直後の敏感になった部分を直接刺激され、ネギは息を切らしながらも「あっ、あっ」と声を出した。

 やがて、エヴァは名残惜しげに顔をネギの股間から離すと、ゆっくりと立ち上がる。
 連続した絶頂のせいで、ネギはあまり頭が働かない状態だが、目の前に立つエヴァの姿を見てふと気付く。
 彼女はあまりに白い肌をしているためか、夜景を背景にすると、肌の表面が燐光を放っているように見えるのだが、その淡い光に、一層の生気が宿っているように見えたのだ。
「んんむむむ~~~~んんんんん」
 と、エヴァは唸った。
「予想通りサウザンドマスターの息子の精液はなじむ。この呪いを解くのに実にしっかりなじんで魔力が今まで以上に回復してきたぞ」
 見開いた目と、剥かれた牙をギラギラと月光に光らせ、エヴァは悪魔のように高らかに笑った。
「なじむ。実になじむぞ! フハハハハハハハハハ!」
 ここでエヴァが血が出るほど頭をかきむしったりすると別の漫画になるのだがそうはならず、彼女はネギの首に抱き付いた。
 恋人同士のようにネギの頬に熱烈なキスをすると、その耳元に囁く。
「くくくくく、感謝しているぞ坊や。だが、もっとだ」
 魅惑的な仕草で恐ろしいことを言われ、ネギは二つの意味で身を震わせた。
「ああ……エ、エヴァンジェリンさん、もうやめてください……」
 弱々しい声のネギに、エヴァは答えず代わりに股間のものを握った。
「あっ」
 さすがに完全に勃起していないが、あれほどたっぷりと出したにもかかわらず、再び鎌首をもたげつつあった。
「思った通りだ。サウザンドマスターの息子ともあろう者が、この程度でギブアップするものか。本番はこれからさ。茶々丸!」
 エヴァはネギに抱き付いたまま、茶々丸に指示してネギをその場に仰向けに寝かせた。
 もう抵抗する力も意志も失われているにも関わらず、エヴァはネギに自分の立場を教えるためと、彼の両手をバンザイさせた状態で茶々丸に押さえつけさせている。
 エヴァはそこで、着ていたワンピースの下着を脱いだ。
「エヴァンジェリンさん!? な、何をするんですかっ」
 手と口とはいえ、あれだけ激しく性の手ほどきをしてもらったにも関わらずネギは純情さを失っておらず、夜景をバックに白く輝くエヴァの全裸から顔を背けた。

 一方エヴァはまるでそんなこと気にしておらず、それどころか、妖しい少女の色気を誇示するかのように腰に片手を当て、脱いだ下着を茶々丸に渡しながら傲然とネギを見下ろす。
「何って……まあ私も久しぶりだから、いろいろやり方を変えてみようと思ってな」
 そう言うと、ネギの腰より少し下、太ももの辺りに馬乗りになる。
 半勃ち状態のペニスを掴んで上下させながら、艶っぽい瞳でネギに笑いかけた。
「精液の礼にな、お前の童貞も貰ってやろう」
「え?」
 ネギが意味を理解するより先に、はやくも回復し、威容を取り戻したネギの肉棒の上に、エヴァは勢い良く腰を降ろした。
「んあっ」
「ふあああぁぁぁぁぁ」
 エヴァの鋭く短い声と、ネギの引き伸ばされた声が同時に流れた。
 ネギは手とも違う、口とも違う、ずっと熱くて複雑な形状のものが自分の快楽を受ける器官を包んだのを感じて、背をのけぞらせる。
「あ────、あ────」
 呆けたような表情と声のネギ。大きな声を出すには少々疲れていたが、先ほどの濃厚なフェラにも優る性感に、声を出さずにはいられなかった。
 股間から発し、腰椎と背骨を通って心臓を経由し、脳を侵す強烈な快楽に、ネギは身をよじる。
 しかし、感じているのはエヴァも同じ、いやむしろ、彼女の方が激しく官能に翻弄されていた。
 一気に奥まで挿入し、そのままブルブルと小刻みに震えるエヴァは、全身を真っ赤にしたまま動かない。
 歯をぐっと食いしばり、両手の拳を硬く握り、目を強く閉じて、心の準備を遥かに超える衝撃をやり過ごそうと、必死で耐えていた。
 やがて、挿入による第一の波をなんとか我慢したエヴァは、大きくため息をつく。
 生のペニスを挿入するのは、エヴァにとってもそうとう久しぶりのことだ。うっかり一息に根元まで入れてしまい、あやうくそれだけで達してしまいそうだった。
「ふう……挿れてみると………改めて子供のくせに立派だな」
 額に汗しながらも、強気な笑みをエヴァは見せた。

 対して、ネギの方は情けない声を出している。
「あうぅ、そんなに強く締め付けないで……」
 経験を重ねているとはいえ、エヴァの体は十歳の少女のそれである。
 多少拡張されてはいるものの、大人並の性器を持つネギにはエヴァの膣は充分過ぎるほどにきつい。
 痛みを感じるほどにぐいぐいと握り締めてくるのだが、先ほどから過激な『教育』を受けているネギの肉棒は、それすら快感に感じはじめていた。
「動くぞ」
 一方的に宣言したエヴァは、両手をシャツを着たままのネギの胸に当てて、最初から勢いよく腰を揺すり出した。
「くああっ、あっ、あっ、あっ強すぎる! やめてよエヴァンジェリンさんっ!」
「ん、はぁっ、は、あっ、あう、奥にっ、あっ、いいっ!」
 挿入する前から充分に湿っていたエヴァの秘裂だが、さらに止めど無く潤滑液が溢れ出してくる。
 その量たるや、静かな桜舞う夜に一際大きな水音が響くほどだ。頬を紅潮させ、何かにとりつかれたように腰を振るエヴァの、快感の大きさを物語っている。
 いろいろしてみると言った通り、エヴァは手を後ろについて大きくのけぞり、あるいはネギの胸に顔を埋め、左右に角度を変え、さまざまな方向からネギのペニスを責めたてる。その間、一時もピストン運動は休まない。
 エヴァの狭い膣の中で、あっちへよじられ、こっちへ曲げられ、ネギの肉棒は散々に責めぬかれた。
 ネギは頭の上で両手を茶々丸に押さえつけられたまま、いわゆるマグロ状態でひたすら悲鳴とあえぎ声とを交互にあげている。
 強姦とも言える一方的な陵辱がしばらく続いた後、エヴァは再び、ネギの胸に両手をつく態勢に戻った。そして、それまでを上回る勢いでスパートをかける。
 歯を食いしばり、すでに余裕を失った顔のエヴァ。その顔は、苦悶しているようであり、快楽に身を投じているようでもある。
 一方ネギの方も、急速に官能の水位を高められ、同じような表情を作っていた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、ああああああああああっ」
 先に達したのはエヴァの方だった。背骨が折れてしまうのではないかというほど思い切りのけぞり、口から絶頂の叫びをほとぼしらせる。
 ただでさえきつかった締めつけがさらに強くなり、ネギのペニスは、果実が握りつぶされて果汁を吹き出すように、精液をエヴァの中に放出した。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
 長く尾を引いたネギの声が途切れると、エヴァは全身にみなぎっていた緊張を解き、体を倒した。まるで彼の心臓の音を聞こうとするかのように、ネギの激しく上下する胸に頬を当てる。
 しばらくの間、二人分の激しい息遣いだけが、聞こえるものの全てだった。

 さて、しばらくの間、ネギの胸の上で余韻に浸っていたエヴァだったが、すぐ上から聞こえてくる、すんすんというすすり泣きの声に顔を上げた。
「なんだ坊や、泣いているのか?」
 えっぐえっぐとしゃくりあげながら、ネギは泣き声で言った。
「だ……だってエヴァンジェリンさんひどいですよ。いくらなんでもこんな強引に……」
 と、無理矢理犯された女性そのまんまの返答だ。
 体を起こしたエヴァは、ばつの悪そうな顔をしてポリポリと頭をかいた。
 高額の懸賞金までかけられた凶悪な吸血鬼とはいえ、女子供以外(No women, No kids)の原則を守る程度の情はある。
 また一方で、あのサウザンドマスターの息子にはもう少ししっかりしてもらいたいという、奇妙な感情もあった。
 エヴァはネギの額をデコピンして言った。
「えーい泣くな情けない! それでもサウザンドマスターの息子かっ」
 ビシッと言われ、びっくりした顔のネギ。尊敬する父親の名前を出されたせいか、涙も止まったようである。相変わらず泣き顔だけはそのままだが。
「まったく……まあ私も久しぶりでちょっとペースが速すぎたかな。よし、ちょっとゆっくりやってやろうか」
 あきれと思案の混ざった顔でそう言ったかと思うと、エヴァは有無を言わさずネギの首に抱き付いた。
 瞳を閉じると、自分の唇とネギの唇をぴったり合わせる。

「……! んむむっ!」
 これまでの経験から、ネギは思わず身を固めてしまったが、予想とは裏腹にエヴァの口付けは、驚くほど優しかった。
 前歯を閉ざすネギに対し、無理にこじあけようとはしない。ゼリーのように柔らかい唇をゆるゆると動かし、唇で唇を愛撫する。
 舌先をほんの少しだけ出して、ネギの口の周りをゆっくりと舐めまわしたかと思うと、軽く口を開き、ネギの上唇を甘く噛む。
 とろけるようなキスに、ネギが口の扉を開いてしまうと、ゆっくりと舌が侵入してきた。
 甘い唾液をまとい、あくまで優しく丁寧な舌使いで、ネギの口の中を舐めまわす。
 ネギの舌に出会うと、ゆっくりとその身を絡みつかせ、ちゅっと軽く吸った。ネギの体がぴくっと動き、エヴァの舌を同じように吸う。
 とろとろと唾液を伝わらせながらも、舌同士の絡み合いはネギに主導権を預けている。
 彼がエヴァの口の中を味わいたいとするなら深く口付けて招き入れ、エヴァに口の中を探られたいという動きを察したらそうしてやる。
 息継ぎのタイミングもネギに合わせ、キスに不慣れなネギがリードしやすいようにと細かいところまで気を配る。
 左手はネギの首に回し、首筋から鎖骨の辺りを撫でまわす一方で、右手は彼のシャツの中に、下からもぐりこんでいた。
 シャツの中でネギの素肌に触れている右手は、風邪を引いた幼子にするようにネギの胸を撫でまわしている。時には乳首を軽くつまんだりノックしたりして、ゆっくりとしたテンポにスパイスを一つまみ入れる。
 胸の先端をいじられる度に、ネギは敏感に反応して体を揺すった。
 一方、下半身の方はというと、膣は心持ち締める程度にし、腰の動きも激しい上下運動ではなく、じらすようにうねうねと回転させたり左右に振ったりするという具合。
 むしろネギの方が我慢できずに、ぎこちなく腰を上下させるほどである。
 まるで小さな恋人同士のように、二人は静かに睦み合っていた。

 これまでのは、激流に押し流され、溺れそうになりながらわけもわからず絶頂へ導かれていくものだった。
 しかし今は、さらさらと流れる小川を、向こうに見える目的地に向けてエヴァと二人して、ボートを漕いでいくといった様子である。
 そんな穏やかとすら言える性交も、一歩一歩、官能の階段を上がるにつれ、次第に勢いを増していく。
 それもあくまでネギの方から求める形だ。
 彼が激しい口吸いをねだれば大人しくそれに応え、不器用に腰を上下させれば合わせて丁度いい具合にしてくれる。
「あっ」
「ん……」
 二人は深いキスを続けたまま、可愛らしい声をあげて達した。

 ふうぅーっと深くため息をついたエヴァは、眠るように目を閉じて余韻にひたるネギをそのままに、立ちあがった。
 そのつるりとした無毛の割れ目から、ねっとりと濃い白濁液が垂れてくる。
「おっと。茶々丸、吸い出してくれ」
 エヴァの命を受け、茶々丸は押さえ続けていたネギの両手を離して四つん這いになった。
 ネギにとっては逃げる絶好のチャンスだが、身も心もとろけきっている今、そんなことを考えられる状態ではない。それを承知の上でのエヴァの命令である。
 手をついた茶々丸は、そのまま四つん這いになって前に進み、エヴァの股間に顔をうずめた。
 そして、割れ目を覆うように口を当てる。
 エヴァの体内に放出された、二発分の精液を吸い出そうというのである。
「よし、私の口へ」
 膣から口の中に精液を移動させた茶々丸は、立ちあがると、エヴァの前で少し前かがみになった。それを受けて、エヴァは軽く上を向く。
 主人と従者はキスをすると、互いに口を開いた。
 茶々丸の口内から、ゆっくりと落ちてくる精液を、エヴァは受けとめ、そして飲み干した。
 口元を手の甲で拭ったエヴァは、一人ごちる。
「うーん、確実に力は回復しつつあるが、まだまだ足りないな。しかし坊やはまだできるかな?」
 エヴァは一瞥を倒れたままのネギにやる。あれほどにエヴァの中で暴れていたペニスは、いまやしぼんでへたりと腹の上に仰向けになって倒れていた。
 もう限界か、それともまだもう一回ぐらいはできるか……?
 エヴァは試しに、不精にも裸足のつま先で、ネギの萎えて芋虫みたいになっているペニスをいじってみた。

「あっ、そんな足でなんか……」
 ネギの体がびくりと動く。
「…………?」
 エヴァは今度は、もっと力を入れて、足の裏でネギの股間を踏みつけてやった。
「うぁぁーっ!」
 首をかしげるエヴァ。今のネギの悲鳴に違和感を覚えたのだ。痛みや屈辱の声というよりは……。
 エヴァはネギのペニスを、彼の腹に押し付けるように、グッ、グッ、と足に体重をかけた。
「あうっ、あっ、やめて……」
 今度はよりはっきりとした兆候が現れた。エヴァの足の裏が、ネギの性器がまたもその硬さを取り戻しつつあることを感じたのだ。
「アハハハハハハ! なんだ坊や、ひょっとして私に踏まれて感じているのか!?」
 嘲りの笑いと共に、エヴァはミシンやピアノのペダルを踏む時のように、足に力を込める。
「あっ、うあっ、そんなこと、ああっ!」
 ネギは否定しようとするが、そんな言い訳が通用しないのほど、彼の肉棒が硬度を取り戻しつつある。
 彼には信じられないことだが、エヴァの言う通り、ネギは股間を踏みつけられて快感を覚えていた。
「くくく、おいおい、男のシンボルを足蹴にされて大きくするなんて、変態もいいところだな。お前の父、サウザンドマスターが知ったらどんな顔をするやら」
 嘲笑され、さげすまれ、ネギは自分の情けない格好にぽろぽろと大粒の涙をこぼした。
 しかしそれでも、柔らかくすべらかなエヴァの土踏まずが竿をぎゅうぎゅうと押し潰し、可愛らしい形をした親指が亀頭の裏をぐりぐりといじめると、抗いがたい甘い感覚が押し寄せてくるのである。
「やめて……やめてくださいぃ……僕は変態なんかじゃ、あうぁっ」
 一際強く体重をかけられて、ネギは大きくのけぞって絶句してしまう。
「このままイかせてやろう、喜ぶんだな、変態坊や」
 両手を腰に当て、ニヤニヤとネギを嘲りながら、エヴァは忙しく足を動かした。
 体重をかけては戻し、竿を踏みにじったかと思えば優しく表面を愛撫し、亀頭を指の間に挟んで締めつけたら、親指の腹で小突き回す。

 女性の足で、大切な場所をいじめられるという男にとって屈辱的な仕打ちが、かえってアブノーマルな喜びをネギにもたらしてしまう。
 後から後から涙が頬を伝い、声をあげて泣きたいほどくやしいのにも関わらず、ネギの肉棒は再び一杯に膨張している。
 神経を灼き、心を狂わせる被虐の官能は、驚くほどはやくネギを絶頂に導いてしまう。
「そ、そんな、足でなんて、足でなんてぇぇぇぇ!」
 ネギの悲痛な叫びを裏切るように、エヴァに強く踏みつけられたペニスは、あっけなく射精してしまった。
 腹に押さえつけられた状態で射精したため、飛び散った精液が胸、喉、顎、さらには額まで汚す。
「くくくく、情けない格好だな。カメラを持っていないのが残念だ」
 傷口に塩を塗り込むようなことを言うと、エヴァは四つん這いになり、ネギの正中線に点線上に着弾した白濁を、一つ一つ舐めとっていった。
 
「さて、どうやら弾切れのようだな」
 エヴァはネギのペニスを右手で弄びながら言った。
 三十分程度の間に、実に五連射を強要されては、いくら若いネギの性欲といえども底をつく。
 だらりと重力に引かれるまま下を向くペニスは、もはやどんな刺激をされてもピクリともしない。
 ネギ本人も、立て続けに精を搾り取られ、息も絶え絶えだ。
「では、最初に言った通り、足りない分は血で補わせてもらうぞ」
 エヴァはそう言うと、控えていた茶々丸にネギを抱え上げさせた。
 もはや抵抗する兆しすら見せないネギの白い首筋に顔を近づけ、大きく口を開ける。
 今まさに牙を突き立てんとしたその時、猛烈に近付いてくる足音と怒号を、エヴァの鋭敏な耳が捕えた。
「……ん?」

「コラ───ッ、この変質者ども──────っ!!」
 声に聞き覚えがある。誰だとエヴァが振りかえったと同時に、衝撃がエヴァと茶々丸を襲った。
「ウチの居候に何すんのよ──────っ」
 充分以上に加速をつけての跳び蹴り。しかも一撃目でネギを羽交い締めにしていた茶々丸を蹴り倒し、さらに二撃目でエヴァの顔面を蹴り飛ばしている。
「あ」
「はぶぅっ」
 茶々丸は人形のように固まったまま倒れ、エヴァは顔面で屋根の上を数メートルもスライディングする。
 不測の事態に供え、エヴァは魔法障壁を展開していたのだが、それがまるで紙のように突破された。
(な!? なんだこの力は……!?)
 変形するかと思ったほど思いきり蹴られた顔を押さえながらも、エヴァは方膝を突いて立ちあがる。
 ネギを助けに来たのは誰か。タカミチか? しかし声は女性。すると……。
 エヴァが振りかえってみると、そこに立っていたのは。
「か、神楽坂明日菜!!」


   第十六話 終わり


次回予告!
 辛くもエヴァの毒牙から逃げ出すことができたネギ。しかし、彼がエヴァに狙われていることには違いない。
 鬱屈するネギを心配して、3-Aのメンバー達は、ネギを元気づける会を開く。それがどんどんエスカレートしてしまったら……? 乞うご期待! 

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最終更新:2012年03月04日 00:08
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