06スレ410

410 :第35話「華、散り、朽ちる」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/09 03:13 ID:FsT0T/PI

「明日菜さん!」
「ネギ! エロオコジョも!」
 上空から明日菜の前に、ふらふらとネギが下降してきた。二人は走り、また飛びながら無人都市
の周囲を移動して遭遇し、学園の屋上以来の再開を果たしたのである。
 ネギは裸なので、とりあえず服を調達しなければならないだろう。
「明日菜の姐さん! これからどうしやす?」
 カモの問いかけに、明日菜は無人都市を眺める。


 病院から逃げるように、そして、
 人が入れない場所には、決して近づいたらあかん―――


 亜子からの手紙にはそう書かれていた。それをくしゃりと握り締めて明日菜は叫ぶ。


「そんなの、決まってるじゃないっ!」


 最早その目に迷いはない。
 明日菜は既に覚悟を決めていた。
 その色の異なる瞳には、停滞した無人都市に嵐を起こしそうな力が漲っていた―――。


          *


「あ゙っ、あ゙っ、う゛あ゙っ、や、あ、め゙でぇ、あっ、突か、あ゙っ、んといてぇ、あん!、うあっ!」
 ズン、ズン、ズンと、前後から巨大な肉の塊が、亜子の下半身を砕かんばかりに乱暴に突っ込ま
れる。尻の穴から腸壁を抉られる寒気と充足感、膣中で肉棒が動く摩擦、子宮を突かれる感触、
性器を弄られる悦び、身体にかかってくる重み、精液の味と匂い、絶頂を迎え続ける天国と地獄、
それらを全てミキサーにかけてドロドロにした官能が、亜子の心と肉体を蝕んでいく。

「あ゙、あ゙っ! あ゙ぁ! あ゙っ! ほんまに、も゙う、げんか、い、やねん……だ、あ゙っ、からぁ……」
 一週間前に陵辱された時は、心の中でその行為を完全に拒絶していた。しかし今は快楽に心も
身体も震えてしまう。澄みきっていた亜子の心に、果たしてどれだけのおぞましい官能が刷り込ま
れてしまうのか? 亜子は犯されながら怯えていた。
「あ、っふあ―――あ、あああっ!」
 びゅるるるる、どぷっ、どぷどぷどぷ。
 生殖器に注ぎ込まれる精液に、亜子は歓喜と恐怖の悲鳴を上げる。しかし蜘蛛が亜子の性器
から肉棒を引き抜くと、すかさず次の蜘蛛が挿入する。お尻を犯している蜘蛛も射精が近そうであ
る。亜子には休息は許されていないらしい。
「ふっふっふ、100匹の鬼蜘蛛ちゃんはアソコの小さい順番になってるから、後に来る鬼蜘蛛ちゃ
んほどスゴイよ。最終的にはゾウとでもヤれるようになるかもね」
「いやあああっ! あっ、あ゙っ、あっ、いやっ! そんなんイヤやぁ―――っ! あ゙あ゙っ、あっ!」
 前後から肉杭を打ち込まれ、脱出不可能の亜子が悲鳴を上げる中、ハルナはゆっくりとアーティ
ファクトのスケッチブックを開いた。
「魔法のスケッチブックと画材セット。今から執筆」
 スケッチブックがぱらりと白紙のページを開き、ハルナの右手にはペンが出現している。
 そして、絵を描く。
 まるでビデオの早送りをしているように、ハルナの手は高速で動いて絵を完成させる。描く時間
の短縮は、画材セットの付加能力の1つだった。
「作品名……うーん、そのまんま『ろうと』でいいや」
 そして完成した絵からずぶずぶと、絵を実体化させて取り出していく。
 最近のハルナはコピー機能を頻繁に使っているが、絵を描いて実体化させることがハルナのア
ーティファクト『魔法のスケッチブック』のスタンダードな使い方である。

 具現化したのは理科の実験器具「ろうと」だった。筒状になっているが、一方の先端は大きく広が
っていて、他方の先端は尖っている。広がっている方にろ紙をセットし、濾過の実験に使用する道
具である。ただし、ハルナが創ったそれは、実物よりかなり大きい。広がっている部分が異様に大
きく、液体が流れ落ちる部分は異様に短くて太い。少し不細工なろうとだった。
 先端を下のビーカーに密着させなければならなかったり、ガラス棒を使って濾過する液体を流し
込まなければならないなど、細かい決まり事は沢山あるが、使用方法は1つしかない。
 液体を流し込むこと。
 ろうとをわざわざ用意する理由は、他にはない。他の目的には、もっとその目的に適したものが
あるはずである。少なくとも「ろうと」を創った以上、ハルナは何かの液体を何かに流し込むつもり
だろう。
「うふふ……」
 蜘蛛の一匹にごにょごにょと小声で喋ってろうとを渡す。
 そしてハルナは、そのまま時間を歪める結界から出ていった。


          *


「うぐ、うぐ、うぐ……」
 自動販売機で買った炭酸飲料を飲みながら、ハルナはほっと一息ついていた。
 亜子のいる結界の中では、外の1分が30分である。長時間の調教なら、ある程度の時間が過
ぎるまでは外で待っていた方が楽だった。
「うー、6分か……中では3時間経過ってとこね」
 時計から目を逸らし、炭酸飲料をあおる。
「……吸血鬼は頑丈だからなぁ……5、6時間ぐらいぶっ続けで犯すか……もうちょっと待ってよ」
 真後ろには、街の1ブロックを包んだ蜘蛛の巣の城が広がっている。



          *


「うわー、すっごーい! キレー!」
 臨時寮の窓からはパジャマ姿の住民たちが顔を出し、何人かは我慢できずに外に飛び出してい
った。佐々木まき絵もその例に漏れずに、臨時寮から近くの見晴らしの良い場所に移動し、人ご
みに紛れてその幻想的な光景を見物していた。
 街の地平線の向こうから、無数の光が星月夜に向けて発射されている。
 宇宙に帰る流れ星の一団。
 暗闇に注がれる光のシャワー。
 レーザー光線。
 見る者に様々な印象を与える、美しい光のショーがそこに展開されていた。その本数は100を
超えていると思われ、見物客は発射される本数に比例して多くなっていく。
「すごいですねー。お姉ちゃん」
「うーん、スゴ過ぎだよっ! 千雨丸も見に来ればよかったのに。かえで姉も帰って来ないし……
どこ行っちゃったんだろ?」
 まき絵の前では鳴滝姉妹が仲良く手を繋いで見物していた。何を見物していても微笑ましい姉
妹ではある。
「もう、裕奈たち早く来ないかなー。あ、そーだ、写真、写真」
 携帯電話で光のショーを撮影しながら、まき絵はこちらに向かってきている友人たちの到着を待
ち望んでいた。それは単純に、目の前の光景を共有したいという思いからだった。
 裕奈たちがいる場所からは、この光のショーはどうやら見えないらしい。だから早く来て欲しかっ
た。こちらに来る動機が「寮から追い出された」とか「街に入れない」などという理解に苦しむものだ
ったことは、まき絵は大した問題だと捉えてはいない。
「もしかして花火かなー?」
「……いや、あれは、花火とは違う」

 まき絵が振り向くと、険しい顔で龍宮真名が立っていた。しかしまき絵は真名の顔に浮かぶ不穏
な色には気が付かない。真名も光のショーを見るために臨時寮からここまで移動してきたのだとい
う、同じ行動をとった者として妙な仲間意識を抱いていた。
「そーだよね。花火にしては早過ぎだよねー。あっ、いやーん、あんなにいっぱい!」
 大量に夜空に発射された光に、まき絵が目を輝かせている横で、真名の顔には険しさがいっそ
う増していく。
「あー、どこから発射されてるんだろう? 1回でいいから、あんな光がいっぱい発射されてる場所
でさー、新体操とかやってみたいなー。バックに踊るとすっごいキレイに見えそうだしー」
「―――それは、止めた方がいい」
 真名の言葉には、まるでそれが命に関わる行為であるかのような凄味があった。
「えへへ。みんな光の方を見て、誰も私を見てくれないかな。そりゃダメだね、確かに……」
 しかしまき絵は平和を十二分に享受している笑顔で、光に見惚れている。


「全部忘れることができて、本当に良かった―――」


「え、何?」
 まき絵がきょとんとして真名の顔を見ると、真名は静かに目を細めてまき絵を見返した。
「君はこちらに戻って来られたんだから、それを大切にしろってことだよ」
 首を傾げるまき絵を見てふっ、と微笑むと、真名は光のショーに鋭い視線を向けた。


          *


 人を排除した無人都市は荒廃した雰囲気が漂っていると思っていたが、しかし、人工の光によっ
て意外に明るく、視野も悪くはなかった。

 信号機などは勝手に動いている。道路にはドライバーのいない乗用車が停止していて、赤から
青に変わった信号を眺めたまま動かない。家庭の電灯の明りが窓から漏れ、風呂が沸かしたまま
放置されているのか、湯気が噴き出している窓もあった。ネオンサインは普通に点滅を繰り返し、
無人のコンビニエンスストアには商品が無防備に並んでいた。自動販売機は相変わらず電動音を
微かに立てている。街灯が時々、ちかちかと瞬きをする。
 電力に依存しているとはいえ、都市は平和そのものだった。人が求めている真の平和とは、人
がいない場所にのみ存在しているのかも知れない。


 ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ


 そんな無人都市に走る音が響いた。二つの人影が高速で街中を移動している。一人はまだ幼い
少年で、杖に乗って低空飛行している。もう一人は少女で、乗用車に負けないようなスピードで少
年の後ろを走っていた。手には巨大なハリセンが握られている。
「兄貴! 姐さん! あれを!」
 少年、ネギ=スプリングフィールドの肩に乗ったカモが声を上げる。それに会わせて仮契約をし
た明日菜がパワーアップした足にブレーキをかけた。靴が煙を噴いて、ぶすぶすと焦げる。明日
菜が身体を静止させた先には、大きな穴ができた道路に消失した歩道橋、そして半壊して転がっ
た車やヒビが入った建物など、明らかに戦闘の痕跡が残されていた。
「兄貴」途中から消失した歩道橋の断面を見て、カモが呟く。「これは……」
 歩道橋の断面からは粉になった鉄骨が、ぱらぱらと風に運ばれて消えていっていた。まるでそこ
だけが高速で風化したような奇妙な破壊は、単なる物理的な攻撃では不可能である。

「無生物を粉々にする能力……。桜子さんのアーティファクトだね。ここで亜子さんと戦ったんだ」
 学園都市の36ヶ所に描かれ、巨大な人払いの結界を作る西洋魔方陣(直接描いたのは茶々丸
だったが、それは後から知った)、明日菜に逃げるよう促した亜子からの手紙、行方不明になった
ハルナたち、エヴァの言った言葉、それらのワードを組み合わせれば、亜子がハルナたちと無人
都市で戦っている可能性は高く、それはついに証明されたのである。
「ねえ、ネギ、この辺りってさぁ……」明日菜がぶるり、と武者震いするように一方向を指した。「私
はあまり知らないけれど……あんなものあったっけ?」
 ネギとカモも、明日菜の指の先を追う。
 そして見た。
 巨大な綿菓子のような物体を。
 明日菜たちのいる場所から数ブロック先に、大量の糸が絡み付いているエリアがある。
 それは何重にも張り巡らされた、巨大な蜘蛛の巣の塊だった。
 三人とも、思ったことは同じだった。
「行くわよ―――っ!」
 明日菜の声を合図に、二人と一匹はその蜘蛛の巣の城に突き進んでいく―――。


          *


「うー、ううん……」
 ネギや明日菜が駆けていった後、路地裏でむくりと1つの影が起きあがった。
 木乃香がのどかに渡していた「身隠しの呪符」で存在は隠蔽されていた。全裸の身体には近くの
店のマネキンが着ていた服が被せられていて、仮契約カードも横に置いてある。
「今、何時? 遅刻?」
 寝惚け眼の椎名桜子は状況が把握できずにきょろきょろと周囲を見渡しながら、ゆっくりと動き
始めた。どうやら普段のテンションを取り戻すためには、もう少し時間が要るようである。
「………う゛―――っ?」
 ぼんやりした桜子の頭に、気を失う前の記憶がじわじわと甦ってくる……。



          *


 亜子は24匹目の蜘蛛にお尻をレイプされていた。
 最初は肉体の穴と言う穴に精を注ぎ込まれる生臭い拷問が続いていた。しかし、亜子はあれか
らしばらくたって、延々と続く陵辱の隙をついて逃走することに成功した。
「あ、あっ、ああっ、あ゙っ、あ゙あ゙っ! あ゙あ゙―――」
 ズン、ズン、ズン、と尻に打ち付けられる蜘蛛の腰(?)のペースが上がってくる。
 逃走と言っても、本当に走って逃げただけである。がくがくした足を思いきり叩いて動かし、蜘蛛
のいない方へ、いない方へと時間の流れを歪めている結界の中を逃げまわった。しかし100対1
の鬼ごっこなど勝負はみえている。結局逃げ切ることができずに捕えられてしまった。
 そして今も状況は変わらず、地面に這う亜子の尻だけは夜空に向けて突き出すように固定さ
れ、そこに巨大な肉棒がずぬり、ずぬり、と捩じ込まれているのである。
「あ゙―――っ! あっ、はあ、ぁ……ああ……あ、あっ! あ、あ、あっ!」
 亜子は土の上にいた。どこかは分からないが、逃げ出して捕まったのがこの場所だった。べとべ
としていた肌は乱闘時に土の上を転がって黒く汚れ、亜子の顔も髪の毛も泥塗れになって、精液
と土が混ざって団子のように張り付いている。
「あ゙あ゙っ! あ゙あ゙あ゙っ! お゙しり゙…もう、あっ、あかっ、ん、あ゙あ゙っ! あ―――っ!」
 尻を犯されても抵抗する力はもう肉体には残されておらず、亜子は突かれる度に身体を折り曲
げた格好で、掠れた喘ぎ声を上げるだけだった。しかし、喘いでしまう自分への軽蔑も、それでも
蜘蛛のペニスに食い付き締め付ける自分のお尻の情けなさも、突かれる度に吹き飛んでしまう。
「う゛あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」
 どぴゅるるる、どぴゅ、どぷぷ、どく、どく、どく……。
 亜子の尻に大量の精を注ぎ込んだ肉棒が、吸い付いてくる腸壁を振り払い、亜子の尻の穴から
乱暴に引き抜かれる。しかし、これだけでは行為は終らない。

「はあ、はあ、はあ、はあ……いやや……もう、逃げへんから……ゼッタイ逃げへんからぁ……」
 まるで検査で飲んだバリウムを垂れ流しているように、亜子の尻の穴からどろどろと精液が溢れ
ていた。意思に反してやはりイってしまった亜子が、か細い声で逃走の件の許しを乞う。その亜子
の前に、尻を犯していた蜘蛛がかさかさと歩いてきた。
 ハルナの命令がなされていたかは定かではない。しかし蜘蛛たちは、逃走した亜子に対して只
の陵辱ではない、一種の制裁を加え続けていた。
「いやや……う、ウチの口はトイレやないんよ……許して……許して……」 
 許しを乞い続ける呪文など届くはずもない。亜子の頭を蜘蛛は脚で軽く摘み上げる。そして泥と
精液塗れの亜子の顔の中で、わずかに潤いを保っていた唇をこじ開け、そのまま肉棒を口の中に
捩じ込んだ。


(……せめて、女の子として…………)


「ううっ……ふ、んぐう―――っ!」
 亜子の口内から喉に、自分の尻を犯した肉塊が捩じ込まれてくる。亜子の赤い瞳から再び涙が
浮かんできて、汚れた頬を洗うように静かに伝い落ちた。亜子は、一連の行為に想像以上に打ち
のめされていると実感する。前に茶々丸に似たようなことをされたが、慣れるわけもない。
 蜘蛛たちは5匹連続で、亜子の尻を犯してそのまま口を犯す行為を繰り返していた。じゅぷじゅ
ぷと口を犯している肉棒は射精するまで抜かれることはないが、先ほど尻の穴に欲望を放ったば
かりであるため、次の爆発までは少し長い。何とか肉棒を吐き出そうと必死になる亜子を見る度
に、蜘蛛たちはその責めが亜子の精神に十分ダメージを与えていることを確信し、さらに続ける。
 その時間は容赦なく亜子を苦しめ、乙女の根幹を抉り、誇りをぐしゃぐしゃに踏み荒らした。
 性交とすら呼べない、と亜子は思う。
 びゅるる、びゅるる、びゅる、びゅる、びゅる……
「ごほっ!」
 肉棒が抜かれると、亜子の口から精液がぼとぼとと零れ落ちた。目の前の亀頭はやはり、亜子
の顔にぺちゃぺちゃと生臭い欲望をふりかけてくる。



(あれ……?)


 その光景がどこか、遠い場所の出来事のような気がする。
 視界が歪んで、亀頭が何個にも分身して見えた。
「――――――」
 自分の声が何と言っているのか聞こえない。
 何も聞こえない。
 ふわふわした感覚。
 視界がだんだんと暗くなる。
 次の蜘蛛が後ろに回りこんでくる。
 お尻を犯す気だ。
「――――――」
 ?
 何も感じない。
 何も……。


 亜子の身心のストレスは限界に達し、そのまま意識を失って崩れ落ちた。


          *


 パソコンのモニタの光が、携帯の音声を聞きながらキーを叩く長谷川千雨を闇に浮かび上がら
せていた。彼女の眼鏡に映るのは、麻帆良の結界を制御しているセキュリティシステムである。
 女子寮を救った二人、長瀬楓と長谷川千雨。
 最初は同盟を組み、お互いの能力で役割を分担し、お互いの危機を救ったこともある。

 あの夜、女子寮から木乃香一派を排除することができたのは千雨の働きが大きいし、関西の過
激派たちを撃破できたのは楓(と古菲)の働きが大きい。
 二人が女子寮の危機を救ったことは、まったく周囲に知られていない。
 そして魔法に近づき過ぎた二人が、逆に危険因子に変質していることも、誰も気付かなかった。
 鳴滝姉妹が外へ来るように千雨を誘ったが、千雨は断った。なぜなら、鳴滝姉妹が千雨に見せ
ようとしている現象の、学園にいる長瀬楓の実況を聞いていたからである。戦いは重要な局面を
迎えており、千雨がモニタから離れることはできない。
 魔法の力が手に入るか否か―――。
 全てはそれに尽きる。
≪何っ!?≫
 長瀬楓の声に、千雨の顔に緊張が走る。
≪ふうう、危ない危ない。いやいや、スリル満点でござるな。遊園地の5倍はすごい≫
「遊園地の5倍? 客も5倍で行列も5倍か」
 一人嗤いながら、携帯に話しかける。
≪並んでまでは……どうでござろう?≫
 どうやら状況は安定したらしい。
≪むう? 校舎側からの攻撃が止んだようでござるな―――≫
「そうか、なら」
≪近衛の姫と闇の福音の決着がは近い。そろそろ行動を開始するでござる―――≫
「ああ、よろしく頼むぞ、中忍」
≪あいあい―――≫
 携帯を握りながら、千雨はにやりと嗤った。


「くっくっくっくっく、最後に勝つのは、私たちだ―――」


          *


「………」
 亜子が意識を失った時の対処を、ハルナはきちんと蜘蛛たちに命令していた。

 亜子の口にはハルナが創った「ろうと」が挿し込まれ、まるでラッパを吹いているような状態で、
亜子は濁った瞳を夜空に向けている。陵辱の限りを尽くされている肉体は、悲愴な姿でぴくりとも
動かない。
 ぼんやり開かれた赤い目に生気はない。
 蜘蛛たちが暴れないように手足を押さえ、そして命令を実行した。
じょろじょろじょろじょろじょろじょろじょろじょろ……
 八方から水音が、亜子のろうとに集中した。
 蜘蛛たちは黄金水を亜子のろうとに注ぎ、止まると次の蜘蛛に交代してそれを続けた。外れた黄
金水は亜子の顔や首、胸にびちゃびちゃと降り注ぎ、亜子の半身を黄色く染める。ろうとに流れ落
ちた黄金水はそのまま口内に溜まり、すぐに唇から溢れてろうとの水位を増していった。
 ごぽごぽと亜子の口から気泡が漏れて、黄金水の溜まったろうとの中を浮上していく。
「―――ごほっ! ごほっ! えぇ……あ、えほ! えほ! あ、ああ、はあぁ――、はあぁ――」
 亜子の顔から黄色い噴水が上がり、口からろうとが飛び出して中の黄金水が亜子の顔に雨のよ
うに降り注いだ。窒息して目を覚ました亜子は訳が分からないまま、黄色く濡れた顔を歪めて嘔吐
し、口の中の液体を吐き出していく。
「あ、ああ!? な、なに……うぶぶ、ぶっ、何すんの!? いや、止めて! うぶ、 いやあっ!」
 蜘蛛の尿を八方から浴びせられて、亜子の周囲から湯気がもうもうと上がった。亜子は手で顔を
隠そうとするが、押さえ付けられていて動けかすことができない。額や鼻の頭、口元などに黄色い
放物線が降下し、生温かい液体が悲鳴を上げる亜子の顔中に飛び散って、口や耳、鼻孔に流れ
込んでいく。
「……うぶ、う……ううう……うぶぶ、う、うあ………」
 手荒い目覚ましのシャワーを亜子に浴びせた蜘蛛たちは、亜子の意識がはっきりしたことを確
認すると放尿を止め、そのまま陵辱を再開していく。
 持ち上げられた亜子は身体中から蜘蛛の尿を滴らせながら、顔は放心していた。


(…………ウ、チは………ト………イ………レ…………なん…………?)



「うはあっ!」
 性器に捩じ込まれたペニスの大きさに、亜子は声を上げた。しかしその表情は前と何かが違っ
ている。陵辱されているのにも関わらず、考え事をしているのだった。


 その考え事とは
「自分は何なんやろう?」


 自分の姿を見て、亜子ならどう答えるだろうか?
「生ゴミ」


「…………………………………………あはあっ! あっ、あん、あっ、ああっ、ああっ」
 何かがふっ切れたように亜子は変わった。
 喘ぎ、腰を積極的に動かして、自分を犯している蜘蛛に抱き付いた。
 肉棒で突き上げられ、尿を肉体から飛び散らせ、尻からどろりと精液を漏らしながら笑う。
「あはああああはあああああああ―――っ!」
 尻にも突っ込まれて歓喜に打ち震える。
 蜘蛛たちは100匹。半分も終っていない。
 終った者も1回だけで、実際は何回も復活するだろう。
 最低100回? 200回? 300回?
 数え切れない欲望を、この肉体に注がれる。
 苦しいけれど、嬉しい。
「あはあ! あっ! はああ! あっ! あは! あっ! あはぁ―――っ! あ、はは―――」
 亜子が弾けた。


 華が散り、そして朽ちていく。

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最終更新:2012年03月04日 00:12
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