29スレ079

逆まる

「今度のCDも売れ行き順調ですねー」
「はいー、デラックスうれしゅうございますですぅー♪
それもこれも、みーんなファンの皆さんのお陰だよーっ!」
何か、とても嫌な事があった気がするが、そんな事を考えもせずお姫様はカメラに向けて
ハイテンションではしゃいでいた。
「それでは準備出来ました?いってみましょう…」

異変は、歌い終えたと思った直後に発生した。
スタッフやバックバンドがバタバタと倒れ始める。
そして、お姫様はと言えば、本人の意思に関係なく二番の歌詞を歌い始めていた。
歌いながら、元々露出度の低くはないステージ衣装を自らの手で破いていく。

「おいっ、何やってんだっ!?」
「開け、ろっ…」
テレビ局副調整室前でドアを叩いていたスタッフがバタバタとその場に倒れた。

小柄なフードの人物が、カメラを担いでステージ上に上っている。
そのカメラの前でお姫様は歌い続ける。
そのカメラだけが映像化されているためにテレビに映るのは素人映像になっているが、
この際そんな事は関係ない圧倒的に異常な事実がそこには映し出されていた。
カメラの前で歌いながら衣装を破り続け、録音された音源に合わせて二番の終わる頃には
衣装の下に着ていた白い紐ビキニだけの姿になっていた。
カメラも、はみ出すかはみ出さないかの瀬戸際をしっかりとアップでフォローしている。
歌い終えた所で、お姫様はカクーンと腰を抜かした。
「ああっ、熱い、熱いのぉ、熱いぃ…」
マイクがお姫様の譫言の様な言葉を拾う。
お姫様の手がビキニの下に滑り込み掴み回すのをカメラが余すところなく撮影する。
テレビに、むしり取られたビキニの下、甲高い声と共に刺激される尖った肉の粒、
その下でぬらぬらと照明に輝く肉の構造したたり落ちる蜜が画面一杯に映し出される。


テレビ局の玄関に、一台の覆面パトカーが滑り込んだ。
私服の警官が玄関を開けようとするが鍵が掛かっており、中からの応対もない。
「ばっかやろおぉーーーーーーーっ!…」
警官が拳銃を抜いた瞬間、その警官はバッタリとその場に倒れた。
更に白黒パトカーが到着、制服警官が駆け込もうとするが、彼らも次々とその場に倒れ込んだ。

ステージの床に大股開きで座り込んだお姫様が、
止め処なく蜜の吐き出されるぱっくりと赤く充血して開かれた入口にハイスピードで指を出し入れする。
その真ん前にハンドマイクが置かれ、カメラがアップと引きを繰り返す。
「あっ、あっ、ああっ、あああーーーーーーーーっっっっ!!」
お姫様がやにわに掴んだハンドマイクを指の次に押し込む。
別のマイクが猛烈な勢いでマイクが蜜のぬかるみを出入りする音声を広い、
獣じみた咆哮をフォローし、テレビ電波に乗せる。
「はおおおおぉぉーーーーーー」
大股開きに座りその正面にカメラを迎えながらカクンと脱力したお姫様が、
ずぽっと抜いたマイクを放り出して手招きをする。
「カモーン、カモンカモンカモォォォーーーーーーーンッ!!
闇の中から現れた、タキシードに銀の仮面の男が、カメラのドアップでディープキスを交わす。
カメラが引いた時には、更に二人のタキシードに銀の仮面の男に、
剥き出しの乳房を揉まれ、マイクの引き抜かれた熱く潤った所を指で音を立ててかき回されていた。
そして、ついさっき熱い熱いキスを交わした男の熱く昂ぶった男性そのものを、
キスを交わした唇の奥深く迎え入れていた。

ステージの床に仰向けになった男の上で、お姫様は自らの女に下の男のものを受け容れ腰を振り続ける。
頬を紅潮させ絶叫しながら喘ぎ続ける彼女の右目から一筋涙が溢れるのも、
本人以外には喜びの証しにしか見えない。
それが一度極まった後も、男たちも、そして、彼女の肉体もどん欲に求め続けた。
彼女は四つん這いになり、上の口に、下の口に、されるがままにねじ込まれながら首を動かし腰を動かし
自らが受け容れた熱い男を味わい貪り尽くそうと真っ赤に火照った体で髪振り乱し
熱い涙を流し喘ぐ姿はカメラの真ん前にあった。
カメラは、玉の汗の走る胸、男を受け容れた顔、そして男女の繋がりを時折、ねっとりと映し出し
映像を提供した。


運転席近くのテレビには、ステージの床に横たわった全裸のお姫様に
逞しい仮面の男が覆い被さる有様が映し出されている。
完全に覆い被さるのではなく、
中心だけ連結しながら男は背中を反らせて下の顔も乳房もカメラに映る様なポーズをとり、
その引きと連結部のアップが交互に映し出されお姫様がやむ事無くよがり泣く中、
別の音声がぐちゅぐちゅ出入りする音が別の音声で拾われる。
そして、その周辺では常に五人近くの男が剥き出しにそそり立ったものをしごいており、
既に上半身に隙間の無いほどどろりとコーティングされた上に
僅かな間を置きながら次々と男の欲望を降り注がせる。
思い切りアクセルを踏み込むと、護送車はいともたやすくテレビ局の玄関を強行突破した。

警察が周辺に倒れている警官(眠っていただけ)を収容し
副調整室とスタジオに武力突入した時には、
そこには意識を失ったスタッフがいるだけで、
生放送で十数人の男を喜ばせ自らも歓喜のただ中で喘ぐ姿を大公表し続けた
お姫様とその膨大なパートナーの姿は煙の様にかき消えていた。

お姫様と呼ばれた失踪中のアイドルは、ベッドの上の人だった。
デジタル録画機能付きスパイゴーレムがうろうろと周辺を飛び回る中、
ベッドの上に全裸で這って、今日一日だけでも数える事も億劫な男の欲望を
上の口にも下の口にも出入りさせていた。
考える事も嫌になる境遇にちょうどよく、何もかも忘れたくなる程に肉体もたかぶって来る。
ひたすら腰を振り、首を振り、彼らの欲望が吐き出されると、既に次の相手が待機していた。
スパイゴーレムが空中静止して注視する中、お姫様は仰向けに横たわるその男の上に乗り、
レンズに向けてぷるんぷるんと形のいい乳房を揺らしながら腰を振り続ける。
何体ものゴーレムが様々な角度でその全体を撮影し、じゅぷじゅぷ出入りする繋ぎ目をフォローする。
下で男が呻く。口元から一筋ヨダレを垂らしたお姫様は、ガックリと脱力した。
お姫様が、ゴーレムのレンズの前で全裸のまま大股開きになり、指でその中心を大きくこじ開けて
ゴーレムの一体がアップで注視する前で男女の欲望が塊となってどろりと溢れ出す。
「はーい、毎度お馴染み…」
先ほどから体が勝手に男に抱かれ、
体が勝手にポーズを取り、
口が勝手に自分の芸名本名生年月日本籍地学歴職歴
完璧なパスポート+就職履歴書+オーディション履歴書記載事項をすらすらと読み上げる。
「エロエロ淫乱変態露出狂公衆便所お姫様の腐れマ○コが本日生本番賞味いたしたビキビキチ○ポ、
本日キリ番20人目、通算244人目でございますうぅうぅうーーーーーーーーーっっっ!!」
にっこり笑ってピースサインを出すお姫様の周囲で、あれだけうじゃうじゃとした男たちが
煙と共に消えていく。


(ややグロ入ります)

体が動くままシャワーを浴び、全裸のままお姫様はパソコンに向かう。
「まずは、ニュースサイトいってみましょーか♪」
お姫様の後ろでネギが言う。
「えーと、所属事務所解雇、公然わいせつ容疑で家宅捜索をした自宅から
本人の指紋入りの覚醒剤とコカインのパケを発見、逮捕状請求
お姫様の直前の奇行見ました撮りました、画像付き、
超絶視聴率歌番組うpギボンヌ書き込み殺到、
でも、削除される先から無料提供してくれる著作権ガン無視の親切な人もいるみたいですね。
本日の、口に出して読みたいネット掲示板。
あったあった、これ行ってみましょう、この第125スレが丁度終わったトコみたいです」
「…淫乱、変態、基○外、ビッチ、露出狂、逝ってよし、氏ね氏ね氏ね氏ね…
(以下900以上)
…このスレッドは1000をこえました…」
「さ、前回分の画像編集出来てますよー♪ブログこーしんいきましょーねー♪」
「や、やだ、やだっ…」
口とは関係なく手はキーボードを叩きマウスをクリックする。
「いい気分でしょう」
ネギの声音に、冷ややかな響きが含まれた。
「体だけ他人の思う様に動かされて、それをみんなが見てるのって」
目は文章で表現するのも憚られる文章と画像に溢れた画面に釘付けとされ、
データが取り込まれ世界中に拡散していく。
「いやー、すごいですねー、規制の緩い国狙って削除されても常時複数開設で
毎回20人から本番中出氏ドロドロぶっ掛けオールOKの
無修正ド迫力ガチ画像エロエロ日記毎日3回更新動画ダウンロード付き、
エロエロエログのブッ千切り女王、いや、ネ申ですよネ申、伝説ですよこれー♪
これこれ、このゲロゲロ超絶ド変態道極めますコーナー、これ意外と人気なんですよー。
この旅日記コーナーなんかもいーですねー、指名手配エロエロテロリスト元アイドルが
某県庁前とか日本中の有名スポットでやっちゃいましたって、
晴れて日本全国オール警察本部から逮捕状の贈呈だそーです。
この全国組本部巡り編なんてイカシてますねー♪
門前F○ckingにベンツ放尿記念写真って、
全国で小指の無いオジサンたちが是非とも会いたいってチャカ持参で血眼で探し回ってるそーです。
実際、ここに一緒に写ってるお友達、みーんな路上に屍晒したそーですね、そのまんまの意味で。
ほら、検案書出ましたよ写真付きで、えーっと、全部の指と悪さをした所が潰されて爪は全部なくなって
腕と脚はボキボキで金属バットと思われる凶器でかち割られて脳みそ出てたのが致命傷…」
肉体を一時解放されたお姫様が、ゴミ箱に胃袋の中身をブチまけるのをネギが冷ややかに見下ろしている。
「?」
パソコン画面が「警告」を報せて赤く点滅を始めた。


麻帆良学園生徒指導室。
「これは、まずいですよ」
パソコンを操作していた弐集院が背後の高畑に言う。
「警察に出し抜かれたみたいです」
「ネットからですか?」
高畑が言う。
「いや、ネット上の隠蔽は完璧、僕でも追い切れない程に、恐らく極度に進化した電子精霊が関わっています。
…県内の山荘に潜伏している「姫」を県警が発見しました。
地元に勘のいい交番と刑事がいて、不審者情報から地道に割り出したみたいです」
「県警の動きは?」
「動いているのは警視庁の組織犯罪対策部、既に精鋭部隊が完全武装で現地入りしています。
一連のアイドル薬物事件と今回の失踪、組織犯罪対策部では闇社会の関わる大事件と見て
精鋭部隊を投入し独自のルートで捜査を進めていたみたいです。
事の性質上徹底して秘密裏に進められ何としても自分達で彼女の身柄を確保しようとしたため、
こちらからの政治的アプローチも間に合わなかった様です」
「もし、そこにいるとしたら…」
高畑は思わず煙草を取り出した。
「上から対処できていると思った、警察の動きを甘く見ましたね。
確証を掴んでからと思いましたが、もし、そこにいるとしたら、ここまでの事件となると…」
弐集院のコメカミにも汗が伝った。

「これって、警察?」
スパイゴーレムの映像を見た和美が緊張した声を出す。
「私が押さえとくから、逃げる準備して」
「分かりました」
飛び出すハルナの背中にネギが言った。

「何とか、もうちょっと時間稼いでよ…」
ハルナが、傍らに浮遊するスパイゴーレムを横目に、
廊下の曲がり角の先で怒号を上げる刑事を覗きながらペンを走らせた。
「な、何だ、貴様らあっ!?」
「公務執行妨害で逮捕するぞっ!!」
廊下では、謎のマッチョ軍団に推しまくられた刑事たちが怒号を上げ、血迷った様に拳銃を抜く。


「銃声っ!?」
二階の寝室で、飛び立とうとする直前にネギが振り返った。
その時、傍らに浮遊するスパイゴーレムが鳴る。
「ハルナさんっ!」
ゴーレムの電話を取ったネギが叫ぶ。
「ごめん、ちょっと先行ってて、日本警察結構しぶとくってさ。
片付けたら後追っかけるから」
「待って下さい、ハルナさん、僕が…」
「いいからっ!」
怒声の後に、咳き込む声が聞こえる。
「ハルナさんっ!?」
「大丈夫だって、すぐ終わらせてそっち行くからさ、
こんな事も、もうさっさと終わらせて、また、のどかと夕映とこのかとアスナと、みんなで楽しく、遊ぼ」
「ハルナ、さん…」
「じゃ、後は任せて、ね、ネギ君」
ゴーレムの電話が切れた。

「あーあ、最期に嘘ついちゃったなぁー、あんな所で暴発させるなっての…」
ふらふらと廊下を進んでいたハルナが、一室に入る。
そこは、物置の様だった。
椅子に掛けたハルナが、頑丈そうな木のテーブルに蝋燭を立てマッチで点火する。
蝋燭の火に、スケッチブックを近づける。
咳き込んだハルナが、口に当てた掌を見る。
「23日も、もたないよね絶対、それに苦しそうだし…
…ごめんね、のどか、ゆえ吉…やっぱ私、ネギ君盗っちゃった…でも、ネギ君と私だけの秘密、なかった事…
ばいばい、ネギ君…ごめんね…」

血の跡を追って物置に入った刑事の前では、悲鳴の様な音を立ててブリキのバケツの中から青い炎が上がり、
椅子に掛けたままのハルナが胸を赤く染め静かに事切れていた。

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最終更新:2012年01月28日 15:58
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