29スレ095

逆まる

薄暗い雑居房に、荒い息づかいと下卑た笑い声が秘やかに響く。
「また、色っぽい面になったんじゃねぇか、あ?」
単衣のお仕着せ姿で正面にふんぞり返っていた牢名主が、解かれたままのネギの髪の毛をぐいと掴む。
ネギは、黙って牢名主のお仕着せの前を開き、下着から既に大きく反り返ったものを引き出し口に含む。
「たまんねぇな、おいっ、まんまAVでも使えんぜこの面よぉ」
ガッチリとした牢名主の前にうずくまり、男にしては長い髪を頬に垂らしながら
口から出し入れしているネギの横顔を見て別の囚人が嬉しそうに叫んだ。
ネギは、裸の上にまとっていたお仕着せを剥ぎ取られてもされるがままにくちゅくちゅ口を鳴らし続けている。
ネギの両脇で囚人がズボンを下ろす。ネギは両脇で反り返ったものを掌に包み上下に動かし始めた。
「んっ、んんんっ」
「おーし、飲んだな、たまんねぇぞネギ子の舌使い」
「おおっ」
唇の端から一筋たらりと粘液を垂らし上を向いたネギの顔に、ネギの掌に握られた先から次々と降りかかる。
「また巧くなったんじゃねぇか、こいつ」
「可愛いお手々でいい感じにシコシコしてよぉ、シャバじゃ猿みてぇにカイてたんだろガキぃ」
「じゃあ、今夜は自分が失礼しまっすっ」
「ん、っ」
ネギが秘めやかなくらいに漏らした声と共に、囚人の一人がうつぶせのネギの後ろに立ち一気に貫いた。
「ひっひ、可愛いケツしてよぉ、この締まりいっぺん覚えたら女なんかよぉ」
「ヒヒヒ、シャバでちょっと調子乗っててもよぉ、新入りでブッ込まれたらヒィヒィ言うもんだけどなぁ。
このガキ貫通式からよぉ、根っからケツが好きなのかいい根性してんのか」
牢名主が、歯を食いしばって受け容れているネギをじっと見ていた。
戦場にも出た、数々の修羅場を経験したその目は、後者と見ている。
加えて、もう自分の痛みなど問題にならない、それが痛みの内にも入らない何かがあるのだとも。
「ひっひっ、おい、ガキ、元気んなって来たぜおいっ」
「ほらー、また見せてちょーだいよぉーひゃっひゃっ」
後ろから揺すぶられるネギの前で、囚人の一人が秘かに差し入れられた薄汚いハード・コアを広げる。
だが、ネギにそんなものは要らない。瞼の裏の思い出を汚すのは少々気が引けるが。

「おっ、始めたぜっ、おっ」
「相変わらずいい顔してんなぁ、こんだけで丼三杯はいけるって」
「あっ、あっあっ、あっ…」
大勢の前で一糸まとわぬ姿で体の中から強制的に急所を突き上げられ、
みっともなく反り返ったものを自分の右手でしごき立てる屈辱を覚えながら、
それこそ自分に相応しい罰、少しでも自分の無力が引き起こしたみんなの苦しみに近づける
歪んだ満足が頭をもたげる。
「はああっ」
後ろから腰を抱えられ、右手で掴んだまま半ば身を起こしたネギが、甲高いくらいの声を上げる。
ネギの掌の中で痙攣する先端から、暗めの照明に放物線が反射し床に落ちる。
「かわいー顔でハアハアしやがって、おらっ、おっ勃っちまったじゃねーか」
ネギは、嘲笑の渦の中全裸で床を這い、手近な囚人のお仕着せの前を開いて
下着から掴みだしたものを口に含んだ。
「んんっ、んっ、んんっ」
硬い肉の塊に口を塞がれ、小鼻を膨らませながら口を動かし続ける。
その間にも、後ろから尻が抱えられ、ぐいと貫かれる。
「おっ、おっおっ、おっ」
その声に、ネギがチラッと上を見ると、目の前の男はたまらずネギの口の中に放った。
「この舌使いにそのお目々って最っ強だぜおいっ」
「あっ、あっ」
その間にも後ろから腰を抱えられ突かれ続けたネギは体をぐらぐらと揺らして喘ぎ始めていた。
「ひっへへへっ、今気持ちよくしてやんぜぇー」
後ろから貫かれながら、皆の前に体を起こされたネギの前に
やせた囚人がうずくまった。
「あああっ」
「おいおいおいっ、たまんねーなおいっ」
口元に白い泡を残しながら放たれるネギの甲高い声に、囚人の一人がじゅるりと腕で口を拭った。
貫かれたまま後ろの男の股に座らされたネギは、
その繋ぎ目の上からヘソに向かってピンと反り返ったものを囚人の口に呑まれていた。
「ひゃはははっ、ほっぺ真っ赤にしてヒイヒイ鳴いてんぜぇ」
「生っちろい面しやがって、シャバだってこんな色っぽい女いねえんじゃねぇかおいっ」
「おっ、おっおっ、キツイぜ、おっ、どうだ、どうだ、えっ?」
「あうっ、あっ、いいですっ、あっ、ああっ、ネギ、ネギ子、ネギ子またいっちゃいます
ネギ子皆さんの前でどぴゅどぴゅしちゃいますうぅぅぅっ」
すぽんと口から引き抜かれ、剥き出しのままぶるんと反り返る。
ネギは、唾液でぬめったものを自分の手でひたすらしごき続け、体の中から強制的に噴出する痺れに身を委ねた。
あらゆる栄誉、優しさが身を切る様に痛いネギにとって、
丸裸で這いずり回り全身が晒される空気の冷たさ、この嘲笑だけが痺れる様に甘美だった。

「はうっ」
すっかり疲れ切った筈の柔らかくなった急所を右手に掴まれ、ネギは就寝の房に声を響かせた。
毛布の中でうつぶせになったネギの上に、牢名主が同じ毛布を被って後ろから貫きながら覆い被さる。
「いいガタイしてんなおい」
左手でネギの胸板をなで回しながら牢名主が言った。
「並の鍛え方じゃない筈だぜ。
女みてぇな面したガキが、何やってこの重罪房に回されたんだかなぁ」
ネギの顔は、心を閉ざしたままだった。
「んっ、んんっ、ん…」
動き出したネギの腰つきに、牢名主も思わず声を漏らしそうになった。
「魔法封じの結界監獄でも、その気になりゃあお前なら瞬殺で牢名主様になれるんだろーがよ、
ま、俺は別にしてだがな。
シャバで何あったから知らねーが、薄汚い檻ん中で痛め付けられて辱められるのが償いだって、
顔に書いてあるからよ、その通りにしてやるぜおい」
牢名主の右手の動きと貫いた腰のうねりがスピードを増し、ネギはかみ殺した声で喘ぎながら腰を動かし続けた。
自らを貶め、道化ながら、僅かに溢れる涙は隠せなかった。

ズシャアアアーーーーーーーーーーッッッ
岩の上を背中でスリップした高畑の体が、滝壺で盛大な水柱に化ける。
「いい女だったんだがな」
ラカンがぼそりと呟いた。
「あの娘のためにバカに徹したか…
お似合いだったぜ、お前ら。気付くのが遅すぎるんだ、バカ弟子が」

旧英国領アフリカ南部某国、首都。
黒ずくめの特殊部隊が、SMGを構えて突入する。
チンピラ共を処理し、ベッドの上でうずくまっている女性を保護する。
その目の落ち窪んだ顔に総白髪の東洋人女性、少なくとも70は過ぎているだろうと突入隊長は直感した。

「…あの房に移るって事は、執行が近いって事だな」
雑居房で、牢名主がぼそっと言った。
「ま、精々いいトコに生まれ変わるの祈っててやるよ、
てめぇみたいな上玉そうそう楽しめないからよ、何なら次は女になって俺んトコ来いや」
「頑張れよーっ、ネギ子ちゅあーん♪次はボクタンのお嫁さんになってー」
房内が空元気に沸く中、ネギはペコリと頭を下げ、看守に従い廊下に出た。


「日本政府からの麻薬取締法違反容疑による引き渡し請求を受け…政府は国外退去処分…
…面会した日本領事館関係者によると、何も覚えていないと言うだけで激しいパニック状態…
…現地の医療機関は間断無き性暴力と薬物濫用により、
薬物中毒とPTSDによる重度の記憶障害に掛かっていると診断しており、
警視庁では帰国後医師の診断を待って逮捕状の執行を判断する予定…
空港周辺には抗議の街宣車と野次馬、歓迎のファンによる小競り合いが続き、
既に公務執行妨害、暴行、傷害、銃刀法違反などの容疑で111人が逮捕、
内55人が拳銃を所持していたと…」
独房で、ネギは呆然とテレビを見ていた。
ドアが開き、振り返ったネギはローブ姿の老人に頭を下げた。
テーブルには、パンにスープ、ミルク・ティー、生ハムメロン、
プラスチック・スプーンでも食べられる様に切り分けられた薫製鰊、コニャック・フランベの雷鳥、
仔牛の腎臓のバタ焼き、ロースト・ビーフなどの食事が残されていた。
「察しているな」
ネギは小さく頷いた。
「執行は明日となった、形式的な審問を行った上で刑は執行される」
ネギは生気のない目で頷いた。
「この審問によって、お主の罪状は公式の記録として止められる」
ネギの反応は無かった。
「…かの英雄の名を汚す事は実に忍びない事。
だが、最終審問により刑が確定する以上、正式な記録としてその罪状が残されてしまう事は避けられない」
一見、ネギの表情には変化は無かった。
「明日の朝、お主はこの房の魔力制限結界を超える特殊魔法で眠らされ、
そのまま丸裸で魔法使い用の拘束を受けて審問に連行されそのまま刑が執行される事となる。
せめて、これ以上その名を汚さぬ様、見苦しき事のない事を願っている」
老人は、ネギに背を向けて入口に向かう。
「この歳になると些か物忘れをするらしい。
最近は忘れ物も多くていかん」
ドアが閉じられた。
ネギは、床から、研ぎ澄まされた一振りの短剣を拾った。

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最終更新:2012年01月28日 16:01
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