人の本性
人の本性とは分からないもの。
こんな人がこんな事件を?こんな趣味を?
何てことは日常茶飯事。
今から始まるのも、その一つです…。
何でもないある日の放課後、麻帆中英語教師のネギに生徒から声が掛けられた。
「先生」
あまり聞かない声に振り返ると、そこにはクラス一無口な少女、ザジ・レイニーディ。
自分から話しかけることはたまにあっても、向こうから声を掛けてくるのは滅多にない。
何事だろうと、ネギはザジに歩み寄ってみる。
「何でしょうか?」
「…この後、時間ありますか?」
予定を聞かれ、今日の予定を思い出す。
今日の修行は珍しく休み。
明日菜達との予定も入っていない。
特に重要な会議もない。
「はい、ありますよ」
それを聞いたザジの口端が微妙に上を向いた。
「じゃあ、ちょっと付き合ってください」
「えっ?」
珍しく彼女からの誘いだったので、ネギも一瞬驚く。
しかしすぐに通常の思考に戻して話を続ける。
「何かあったんですか?」
「…いえ、ちょっと手伝ってもらいたくて……」
また大事でも起きたのか、と思いきや、ただの手伝い。
ネギはちょっとほっとすると、「いいですよ」と返す。
「じゃあ…付いて来てください」
ザジに言われた通り、彼女の後ろに付いて行く。
その時、せめて横に付いていれば、見えただろう。
上唇を舐めながらしていた、彼女の妖しい笑みに。
「あの…これはどういうことですか?」
連れて来られたのは、今は使われていない廃屋。
ネギはそこで、下着姿で手を後ろに縛られていた。
そんなことをした張本人、ザジは、手で顔を隠すようにしながらネギの前に立っている。
「ご安心を…命を取るような真似はしません」
少しずつ手をずらしながら見せるその表情。
目の前の獲物をどう料理しようか、企むような表情だ。
今までに見たことない表情に、後ずさりしたい。
だが、手を縛られ、座り込んでいるこの状態では思うように動けない。
「あ、あなたは…誰ですか?」
思わずそんなことを聞くネギに、ザジはほくそ笑んで答える。
「誰って…あなたの生徒。ザジ・レイニーディです…」
だが、これまでの彼女からは想像もしえないその表情に、ネギは信じられなかった。
それを察したのか、ザジはネギに歩み寄る。
膝と手を地面に付き、ネギに顔を近づける。
「ほら…よく見てください…あなたの生徒でしょ?」
そう聞いた瞬間、ネギの背筋に寒気が走る。
妖しく笑う彼女を、更に問い詰める。
「それなら…どうしてこんなことを?」
「…どうして?……愚問ですね」
彼女は顔をやや下に向け、上目でネギを見ながら話を続ける。
「人は、自分の本性を隠しているものです。
明るい神楽坂さんが実は無口で冷めた人だったり…。
消極的そうな宮崎さんが実は積極的だったり…。
ネットアイドルやっている長谷川さんが恥ずかしがりやだったり…ね」
説明を終えると、ザジは上唇を舐めながら、ネギの右頬に指を当て、何度か擦る。
が、ネギはそれすらも寒気を覚える。
「なら…これがザジさんの本性…なんですか?」
今にも消えそうな細い声で、尋ねる。
その質問に、ザジは目を細めて、更にネギに顔を近づける。
「そうです、これが私の本性。
欲しい物は、必ず手に入れる。
それが好意を持った相手なら…そう、手段を問わずに…ね」
最後にザジは貪欲な黒さを持った笑みを、ネギに見せる。
それを見たネギが目を見開いていると、いきなりザジに唇を奪われる。
抵抗するネギを押し切り、侵入したザジの舌がネギの口内で縦横無尽に動き回る。
「んっ、んー!!」
二人の唾液が音を響かせ混じりあい、二人の間を行き来する。
何とか逃げたいネギだが、当然なす術もなく、ザジに口内を蹂躙される。
「うぅ…はぁっ!はぁ、はぁ!」
やっと離れた二人の唇から、糸が引き、床に垂れる。
思うように息ができなかったためか、ネギは夏場の犬のように激しく呼吸をする。
対してザジは、口の端に残った唾液を舐め取り、ほくそ笑む。
「はぁっ!はっ…あっ!?」
ようやく呼吸が整え始めたネギだが、落ち着く暇も無く、ザジに攻め立てられる。
背後に回ったザジの手が、ネギの無地のシャツの下から入り込む。
その手はネギの腹部を触りつつ、徐々にシャツを捲し上げていく。
「先生の肌…すべすべで羨ましい…」
「や、やめて…ください…」
ネギの肌の感触をゆっくりと確かめながら、手を進める。
首元までシャツを捲し上げると、頭だけ通して、シャツ本体は拘束されている手首に留まる。
「ふふっ…傷があるけど、それはそれでいいですね…」
露になったネギの肌にある、修行でついたいくつかの傷跡。
ザジはその傷跡の一つに手を添えると、笑みを浮かべてその傷を舐めた。
「ひぅっ!?」
その途端漏れたネギの声を聞き、どんな顔をしているのか上目になる。
勿論、その間もネギの傷口は舐め回す。
「ひぁ…あっ…ダメ…」
頬を染め、目を瞑り、口から反応の声を出すネギ。
その姿はどうみても、年端もいかない女の子にしか見えない。
実際、年端もいかないのだが、ネギはれっきとした男。
だが、そのギャップがまた、ザジに火を点ける。
「先生…かわいい…」
そんなことを呟きながら、体のあっちこっちにある傷を一つ残らず舐める。
その度に、ネギは声を漏らし、ザジはその姿を見て笑みを浮かべる。
「先生…どう?気持ちいいですか…?」
傷を舐めるのを止め、そんなことを呟くザジに、ネギは。
「ち…違い…ます…」
と返すものの、頬を染めて、息を切らしている今の状態では説得力がない。
それだけに、ザジもその返事にほくそ笑み、ネギの胸板に手をやる。
「じゃあ…こんなことはどうですか?」
ザジはネギを見上げたまま、右側の乳首に吸い付く。
すると当然のように、ネギから先ほどと同じような声が漏れる。
その反応を楽しみたいザジは、空いている左の乳首を指で弄くり始める。
「うっ…んんん~…」
必死に声を出すのを我慢するネギ。
そんな反応も楽しむように、ネギの乳首を攻め立てるザジ。
ふとネギの下半身に目をやると、ネギ自身が、下着の下から自らを主張している。
そして何を思ったか、膝をネギの股間に当て、ぐりぐりと刺激する。
「うぁっ!あぁっ!?」
突然の刺激に、我慢を解いたように目を見開いて声を上げる。
ネギの反応に調子に乗って、ザジは更に膝で股間を、口と手で乳首を刺激する。
その度に悶え、喘ぎ声を響かせるネギに、ザジも段々と欲情が爆発するほど膨らんでいく。
その浴場の臨界点も、近い。
「先生、こんな風にしていると、先生が女の子みたい」
くすっと笑みを浮かべてネギの乳首を吸うザジに、ネギは涙目で反論する。
「ぼ、僕は…男です…」
当然の返答だけに、ザジは予想通りとうすら笑いを浮かべる。
そして膝で行なっている電気あんまを強くする。
「うっ、あっ、あぁぁっ!?」
強くなった股間への刺激に、思わず声があがる。
その声に、ザジの背中にゾクゾクと快感に近いものが走る。
(あぁ…もっと聞かせて…私によって与えられた快楽に悶えるあなたを…)
ザジは、その快楽の波が、自分にも押し寄せてくることを感じる。
それはやがて、ネギの股間でいきりたつものに手を伸ばさせる。
「ひあっ!?」
触れられただけで、声を上げるネギ。
トランクスを下げられながら、徐々に姿を現すネギ自身。
本来なら小学生だけあって、それはかわいいものだが、ちゃんと男性器としての反応はしている。
そのかいもあって、大きさとしてはちょうど良いぐらいにはなっている。
「はあぁ……先生…の…」
まだ微妙に皮が被っている分を、自らの手で剥いてネギ自身を完全に露にする。
それをはぁはぁいいながら、妙に高揚したザジが握ったり、しごいたりする。
二人を知らない人が目撃すれば、間違いなくショタコン痴女と、拘束されて犯されている少年だ。
だが、あいにくこの場には通りがかりの人もいない。
二人を知っている人物など、もってのほかだ。
「やめ…やめて…ください……」
まだ何とか理性を保っているネギは、無駄だと知りながらも抗おうとする。
当然ザジは聞き入れることなく、ネギを上目に見てネギ自身を口に納める。
「っ…!」
その瞬間に訪れた未知の感覚に、ネギは歯を食い縛って声を出すのを耐える。
しかし、それはそれで苦悶の表情を作る。
上目にネギを見上げているザジは、声が聞こえずともその表情だけで気分が良くなる。
(先生が…私で感じてる…)
そんなことを考えながら、口に納めたネギ自身を舐め回し、吸い付く。
音を立てながら続く口淫に、段々とネギの頬は蒸気し、紅に染まる。
それでも声は出すまいと我慢しているのだから、尚やりがいがある。
その堅い口を割って、自分によって悶える声をその耳に響かせたいからだ。
(さぁ…どうなの、先生…そろそろ我慢も限界でしょ?)
心の中でほくそ笑んでネギの表情を見つめる。
明らかに我慢していることが、時たま小刻みに震える体と下唇を歯で噛み締めている様子からわかる。
手で口を塞ぎたいだろうが、拘束されているその手ではどうしようもない。
そうして、ずっと持続していた我慢にも限界が訪れる。
「っ……あっ、あぁぁぁっ!」
ようやく開いたネギの口から声が響くと同時に、ネギ自身からも勢い良く射精が始まる。
耳に響くネギの声と、口の中に溢れる精液に、ザジの背中がゾクゾクとしてくる。
「はぁ…はぁ…あっ…」
ようやく落ち着いた射精に、息を切らせるネギ。
ザジはネギ自身を口から抜き、正座するようにネギの前に座る。
ネギの首に腕を回すと、喉元をネギの右耳に当てる。
そして――。
(ごくっ…ん…ごく…)
口内に溜まった精液をネギの耳元で音を立てて少しずつ飲み込んでいく。
その音がネギの頭に響き、自分が生徒で達したことを改めて認識する。
(僕は…自分の生徒と…)
「(ごくっ…)ふぅ…おいしかったですよ?先生?」
全てを飲み干し、耳元で呟くザジ。
位置を変え、正面からネギを見上げるようにすると、もう一度ネギの唇を奪う。
そして、トドメの一言を告げる。
「最後まで…したいですか?」
まだ自分の口内にいた状態のネギ自身を右膝で軽く刺激しつつ、尋ねる。
ネギはぽんやりした表情で、「…はい」と頷く。
どんなに自制心が強かろうが、それが崩れてしまっては最早されるがままだ。
「今…してあげますよ」
ザジは腰を浮かし、ネギに跨る。
上半身を起こしたままのネギの肩に手を置き、ネギ自身を自分の秘所にあてがう。
ネギの悶える姿を見て十分に濡れていたそこは、ネギ自身をじっくりと味わいながら受け入れていく。
自らの中にネギ自身が入って来た歓喜と、感覚でザジも身震いする。
「あっ…あっ…(入ってくる…先生のが…)」
そして根元まで受け入れると、正面からネギを抱き締める。
ネギもそれに応えるように、ザジを腕の中に収める。
「じゃあ…動きますよ」
ネギと目を合わせて呟くザジに、ネギも虚ろな目でただ頷くだけ。
ザジはそんなネギに妖しい笑みを浮かべて、自分から動き出す。
「あっ、ああぁっ!」
ザジが動き出すと同時に、今度は最初から声を上げるネギ。
そんな喘ぎ声や表情にうっとりしつつ、ネギとディープキスをする。
すると無意識だろうが、ネギは自分でも腰を振り始める。
「んっ!」
その瞬間、ザジも一瞬反応する。
だが、また自分が主導権を握っているかのようにネギの口内を貪る。
口内と自分自身の両方から水音が響き、二人の耳に届く。
その水音に混じって、互いの荒い呼吸や喘ぎ声も響く。
(いい、いいっ!先生のこの表情、この声、先生の全部が欲しいぃ!!)
まるで狂ったようにネギを欲するザジ。
自ら激しく腰を振り、ネギの口内を犯し、きつく抱くその腕の中にネギを閉じ込める。
まるで、もう二度と放さんばかりに力を込めるザジ。
それは腕だけでなく、膣も同様。
自分の中を出入りするネギ自身をきつく締め付け、全体でネギを感じている。
「あぁっ、いいのぉ!先生のオチンポ…いいのぉ!」
「はっ…ザジさんの…中も、いいで…す」
ネギ自身を強烈に感じ、歓喜の声を上げるザジ。
ネギもザジの反応に比例して、気分が高揚する。
互いをどこまでも欲するように、ザジは腰を振り、ネギは拘束に気も留めず腰を突き上げ続けている。
そうして獣のように互いを貪りあい、互いを確かめ合う。
二人の目には、もはや目の前の交わる人物しか映らないように…。
最早、妊娠だの教師と生徒だのという言葉は二人の間に存在しない。
「「ああああぁぁっー!!」」
そうして二人は共に果てた。
ザジの中に吐き出されたネギの精は、最深部へと勢いよく流れていく。
それを感じつつ、ネギを寄りかかるようにして抱きしめるザジ。
まだ脈打つネギ自身を収めたまま、ネギの表情を見る。
「あっ…あ…」
火照った顔で、うつろな目をしているが、その表情はどこか満足気だ。
そしてそれ以上に、ザジに狂っていそうな表情だった。
「ふふっ…先生、どうでした?」
妖しげな表情でネギに顔を寄せて問うザジに。
「もっと…ザジさんとしたい…です」
とザジを抱き寄せて呟く。
それを聞いた瞬間、ネギは自分の手に堕ちた。
そう確信するザジ。
(うふふ…これで先生は私のもの…)
ザジはまるで宝物でも抱くように、ネギを優しく抱える。
ネギはザジの肌に顔を埋めて、おねだりするように頬擦りをする。
そんな様子に、ザジはネギを見上げるようにして言った。
「えぇ…先生の満足するまで…いつまでも、ね?」
二人の狂演はまだ始まったばかり。
終わり
最終更新:2012年01月28日 16:06