『 隣をすれ違っても気付かん奴でさ、最後に話したのはいつだったっけな?
久々の再会を火葬場でなんてな、こっちは戸惑うだけなんでさ
せめて枕元には立ってくれよ・・・なんて、昨日から後悔だけがただ増えてってよ
常日頃には思わない気持ちで、悪い意味で夢見心地さ
言葉が積もり、また言葉が積もり、伝えたいことなら山ほど余るのに
先延ばしにしてきた馬鹿話とか、今じゃどう言えば良いのかワカラナイのさ
まだ泣き顔の家族が闘う幻覚では、死神が笑わない貴方を嘲笑ってんだってな
とっとと起きてこっちを見ろよ!、、、なんて、今ではもう独り言か?
白く乾いた語らない口が、俺を唯、悲しくした 』
【ジャミラ】
さようなら
俗に、未知なりて畏怖
脳裏に抱いている かしこい人間サマどもが
何をりきんでるか まともな空蝉の具象化にもがき出し 悪魔とか
鬱積温床や 人柱にやっちゃそりゃ
口ごもる筈がなく 育む摂理は自己満で爛れ、かしこいかね。
浮世をふわふわたゆたう風船 ひらりとかすめた枯葉ひとひらで
ぱあんとすぼんではじけくちだし ガランドウの夢抱いて睡魔に
襲われゆるりとこしえ特急 乗車眠るひと時でもうすぐ
熔ける 化学薬品臭のする 腐れビト うだつをお布施に 逝きさだめ。
所詮は蛋白質集合物が生殖活動を停止しただけ。
それだけ。
【CONCEIT】
In A TWINKLE
『 新聞の隅の隅の窮屈な記事は、人の最期を告げるのに十分らしいな
命の価値は平等だなんだって、芸能スキャンダルよりも小さくて本当笑っちゃうぜ
秋が深まり、夕暮れは早く、松明かざして俯き歩く参列者達は泣き合うばかり
経験という刄でその身を錬磨し、痛みを感じなくなった頃に現実を認めるらしい
しかし時間って言う波は待ったなしだな、俺や貴方の足跡を簡単にかっさらいやがる
偶然か必然か俺達は出会った、残された者達は交われた日々を記憶の中で確かめ合うさ
冷たい肌でもいいから触れてたくてな、温度が上がらない事をわかって願ってやる
だから残ったものが蛋白質でもカルシウムでも、繊維を取りながら俺らは歩き続けよう 』
【ジャミラ】
さようなら
はさまれ つぶされ ひかれて おぼれて
浮世フーセン たやすく爆ぜる
花が芽吹くまでには目でも取れて
膿みをくすねる カラス咥える
欠片が堕つは とこしえ特急
たましいゆりかご 無明が枕
たれかは乞う あの時への鬱屈
私に尽きた 光明は遥か
人々眠りは夢得る眠り
楽しく辛くで朝には還る
命の眠りは夢得ぬ眠り
あの日映らず目覚まし鳴らせず
おねがい むしたち くいつけ
ほねなし くちだし つちくれ
【CONCEIT】
鎮魂歌
『 目まぐるしい輪廻に投げられた賽、花束は何も冥土への土産だけじゃない
存在と言う体積はもう縮んだみたいだが、生死はコインの様に表裏一体だしな
考えても解らない事は考えない、考えて解る事ならば考えたい
現世と幽界との境界はな、唯一俺たちを定義する孤独な見方さ
記憶の中で時が止まったまま、何度も曖昧な輪郭を描くから
いっその事写真になっちまえるんなら、、、なんてな、心を蹂躙する二律背反のアンビバレンスさ
ひび割れた道路にポロン2と雨が落ちた、雲一つないほど空は晴れたのにな
赤いカラコンに目薬を垂らし、感情を全部詩の中に託そう
目に映る野原だけがあの日のままに、同じ景色に群がる数多の人だかり
3千円で買った菊と白い夜薔薇で、貴方の家族や仲間達と匂いを重ねる
線香の代わりにタバコを挿したりな、ハナタレが今じゃ大人みたいだろ?
わかってるって、貴方の記憶の中に残ったのは、まだまだ幼い小僧だとさ
何度だって言うよ、思い出は劣化する風化する、中核枢から循環する宇宙に浮かぶ空白部分
一歩一歩近づく真理に霧がかったってな、止まらなければきっと道があるハズでさ
朝はまた来るし夜もまた来るから、きっとこの摂理が妙にわかるんだな
朝焼けの銀河鉄道から手を振る貴方、いつか皆で向こう側へと行くからな
育った街や大切な人を見納めた心にも、後少しの猶予と鈍行に乗られたことを祈る 』
思想やら重力やらの質量に乗っかっても、結局は遺伝子の必要事項だってよ
一瞬や1ミリや今日の日の感情がなんたら~、意識したBOSSの威を借る様な奴なら
俺と俺らの詩に決して触れてはくれるな、計らずとも此処では全てが無限だ
二十歳の若さにして無限なる可能性を摘まれ、明日を見る事無く瞳を閉じた二人の青年に
これから永きに渡って安らかな時間が過ぐる事と、来世での幸せを切に祈る
2004.11.26
【ジャミラ】
さよならに、さよなら
命の眠りは夢得ぬ眠り
しろいろけむり 集めてつれ逝き
海の色の靴に 駆け出でる膝栗毛
浮世思慕の包みは 晴天にたくして
福音で編んでこしらえた
数珠にくべた夢の火種が
煌煌に暖まる先
ぼくもういかなきゃなんない
最終更新:2018年05月06日 13:31