俺「腹・・・へった・・・」
火星人「どうした。食材が底をついてまだ一週間だぞ」
俺「火星人は物を食べなくても生きていけるのかよ・・・」
火星人「月に一度、人工高栄養食品を食べてたら生きていける。」
ガタン
俺「もとはと言うとシオンが悪いのだ!」
火星人「なんだと?とんでもない責任転嫁だな」
俺「いいや、正論だね。俺は毎日バイトを頑張っているというのに、お前は部屋にずっといるだろう。
しかも一食に必要なエビは平均して57尾。金に換算すると1500円程度だ。」
火星人「なんだ、安いな」
俺「俺にしてみたらクソ高いんだぞ。そうだ、これを期に働け!そうだ、働けばいいんだよ!」
火星人「働く、といったらどうするんだ?」
俺「レジ打ったり、接客したり、物運んだりするんだ。水商売は金になるが素人にはお勧めできない。」
火星人「水商売とは水を売るのか?」
俺「今の日本でそれは無いな」
俺「シオンの特性を生かせるバイト・・・か。」
火星人「なあ、このアフィリエイトってどうなんだ」
俺「今がんばって考えてるから静かにしていてくれる?」
火星人「人がモノを聞いているというのに・・・ブツブツ」
俺「シオン・・・力に自信はあるか?」
火星人「ある。この人間の状態でも握力80kgはかたいな」
俺「わかった。いいか、この仕事は正当にもらえる給料をあてにするな。言葉使いと笑顔を持って接したら
きっと現場のおじさんたちはお金をくれるぞ!」
火星人「ここか、工事現場は。」
火星人(あいつに“ドジッ子キャラ”というのを習ったのだが・・・本当にうまくいくのだろうか)
おじさんA「おや、君がバイト君かい?」
火星人「はい」
おじさんB「かぁいいな~お持ち帰りしたいな~」
おじさんC「こいつが馬鹿ですいません!フヒヒヒヒ」
火星人「はぁ」
おじさんA「それじゃまず、瓦礫とか土を向こうのほうに運んでもらえるかな」
火星人「わかりました」
おじさんA「ちょ、瓦礫は投げちゃダメ!あの手押し車で運ぶんだよ!」
おじさんB「すげえ・・・150km/時はでてるぞ」
おじさんC「女の子にあるまじき豪腕だな。宇宙人が化けてたりしてな」
火星人(ばれた!?こいつらといい、あいつといい、何故こうも人間は敏感なんだ?)
おじさんB「そりゃねえっぺ?少なくとも太陽系には宇宙人なんていねえよ」
火星人(太陽系の惑星にはその星に対応できる生物が息づいているというのに。
人間はのん気なのだな)
小一時間後
おじさんA「もうこんな時間か・・・。今日はここまでだな」
おじさんB「お疲れー」
おじさんC「乙華麗」
おじさんA「君もあがっていいよ。はい、これ今日の分の日給」
火星人「あ、どうも」
火星人(紙が4枚・・・これが紙幣か。
帰りにあいつに何か買ってやろうかな)
俺「あ、おかえり。バイトはどうだったよ」
火星人「あ~ばいとぉ?そんなものは伊勢海老になっちゃったぞ~」
俺「うは、酒臭い・・・。バイト代は本当に伊勢海老になってしまったのか・・・」
火星人「酒っていうのかぁ?火星人にとっては媚薬の効果があるらしーな・・・」
俺「おい、お前本当に酔ってるだろ。ていうか触手やめてくすぐったい」
火星人「もーわたしは止まらないぞ。朝までカーニバルだ・・・」
俺「触手はやめアッー!」
火星人「朝・・・か。」
俺「おう、朝だぜ」
火星人「なっ・・・なんでわたしの布団の中にいる!?」
俺「よく見ろ。この布団は俺のだ」
俺「まさか昨日の自分の行為を覚えていないのか?」
火星人「ああ・・・。バイトが終わり、帰りの途中の売店で・・・。
・・・酒を試飲した気がする」
俺「試飲って・・・一杯だけか?」
火星人「ああ」
俺「酒は火星人に悪いものでも入ってるのか?」
火星人「アルコールは火星人にとって強力な媚薬だ。性欲を増幅させ、自我を崩壊させる。」
俺「魔法の薬だな」
火星人「・・・もしかして、何かやらかしてしまったか?」
俺「脳が覚えている限りのことをできるだけ鮮明にお話しようか?」
火星人「う・・・」
俺「・・・ま、全部を言うのも面倒くさいし、これは貸しということにしておく」
火星人「本当か・・・?」
俺「ああ。でもいつかは返してもらうからなー」
火星人「恩に着る・・・。ありがとう」
俺「水臭いなぁ、俺とお前の仲だろ?・・・手始めに脱げばいいと思うよ」
火星人「それは貸しを返す、という形でいいのか?」
俺「うんうん。さっさと脱ぐといいよ」
火星人「わかった。脱ぐから、それまで向こうを向いていてもらいたい」
俺「いいよいいよー。ついにそんな感情が芽生えたんだな」
火星人「・・・・・・・・・いいぞ」
俺「わーい、
おっぱいおpp げえっタコ!?」
火星人「どうした?確かにわたしは脱いだぞ」
俺「ちょっ、触手くねらせながらこっちに来んn・・・アッー!!」
俺「ん?なんか今日はやけに背中の触手の動きがあわただしくないか?」
火星人「ああ、ちょうどこの時期は発情期のようでな。触手が性交相手を探している。」
俺「探すって・・・そんなに適当に選んでいいもんなのか?」
火星人「地球人とは違い、火星人は性交に快楽は求めない」
俺「ふーん。実に可哀想な話だな」
火星人「お前は性交自体をしたことがないだろう。俗に言う“童貞”だな。
チェリーボーイの方がいいか?」
俺「舐めくさりやがって・・・」
火星人「地球には火星人などいないし、すぐに触手の動きも止まるだろう・・・」
俺「そんなこと聞いちゃいない」
火星人「しかし、おかしいな。触手の動きが一向に止まりそうにな・・・あっ!」
俺「ちょ、おま、触手に俺を襲わせるよう命令したな!」
火星人「違うぞ。今、緊急停止信号を送信した。これで止まると思うのだが・・・」
ピーッピーッ
触手「sir!停止信号拒絶します!」
火星人「な!?」
俺「お、反抗期か?」
触手「sir!最近は火星人を弄れないから欲求不満であります!触手、最大の禁忌ですが、宿主を弄ってやるであります!」
俺「下克上とは・・・やるな」
火星人「おい、見てないで少しは手助けする気とかはないか?」
俺「は、なんでさ?俺はお前が俺にした陵辱プレイを忘れやしないぞ」
火星人「こういうときに使えない・・・。」
触手「ふはははは!人間状態のご主人様を弄るのもまた一興ぅぅぅ!
Hey!そこのチェリーボーイ君も加わって仲良く輪姦しないか?」
俺「ここまで気さくだと多少引くな・・・。しかしそのお誘いは快くお受けしようじゃないか」
火星人「裏切ったな。このケダモノめ」
俺「もう遅いぞシオンめ!じわじわと嬲りつくしてやる」
火星人「いやっ―――」
俺「はっ!夢オチ!?」
火星人「どうした?今日は起きるのが早いんだな」
俺「うわあっ!!ごめんなさいごめんなさい!」
火星人「・・・?ついに気でも狂ったのか?」
火星人「なあ」
俺「ん」
火星人「エビが底をついたぞ」
俺「で?」
火星人「エビがないと、わたしは地球で生きていくことができない」
俺「嘘こけ」
火星人「嘘ではない。火星特有の大気に触れてないため、日増しにわたしの火星人としての能力が低下している。」
俺「ゼッタイ嘘だ」
火星人「だから嘘ではないといっているだろう。このままでは人間の皮がはがれ、火星人の姿に戻ってしまう」
俺「!! それは大変だ!早くブラックタイガーを仕入れに行くぞ!」
火星人「伊勢海老がいい。」
俺「・・・」
魚屋のおっちゃん「はい、伊勢海老1尾とブラックタイガー30尾!今日はパーティか何かでもやるのかい?」
俺「たはは・・・これ全部ある女が平らげるんです」
魚屋のおっちゃん「そ、そうなのか・・・?ずいぶんと食欲旺盛なんだな・・・」
火星人「入手したか」
俺「ああ、伊勢海老1尾とブラックタイガー30尾。」
火星人「伊勢海老が少ない」
俺「あのな、伊勢海老なんて高級食材、こんな魚屋にたくさんあってたまるかっての。自分で獲るかしてみろよ」
火星人「そうか!自給すればいいんだな!」
俺「え?」
ここはとある浜辺。
俺「マジで伊勢海老獲るつもりか、シオン?」
火星人「当たり前だ。これなら食費も浮いて一石二鳥だ」
俺「ところでなんでスクール水着?」
火星人「ん、お前のパソコンには水着とやらのデータがこれしかなかったんでな」
俺(ああ、普通に海に遊びに来てる人たちの視線が痛い)
火星人「さて、行くか」
俺「あの、シオンさん?」
火星人「なんだ?」
俺「何で俺の首に首輪があって、その先の紐をシオンが掴んでんの?」
火星人「手伝ってもらうに決まっているだろう」
俺「マジすか」
火星人「わたしはいつも大マジだ。いくぞ」
俺「あっー!!待て、待てってばああああああ」
ざっぶぅん
俺「亜qwせdrftgyふじこlp;」
火星人「ふむ。水というのは中々気持ちがいいものだ。」
俺「・・・」
火星人「それにしても中々伊勢海老はいないんだな」
俺「・・・」
火星人「・・・なんか飽きてきたな。いったん切り上げよう」
俺「・・・」
ざっぱぁん
火星人「・・・ここは・・・さっきの浜辺じゃないのか」
俺「・・・」
火星人「多少身体に疲労がたまったか。あの無人島でとりあえず休むとしよう」
俺「げほっ ごほんっ!」
火星人「やっと起きたな。人間は三分も息がもたないのか」
俺「焚き火・・・?それに、ここはどこなんだ?」
火星人「どこかの無人島」
俺「無人島?」
火星人「ああ。海から上がったらこの無人島があったから一旦休むことにした。」
俺「そうか・・・。不思議と恐怖は無いもんだな。シオンといるからかな」
火星人「そうなのか」
俺「そうなんだよ」
火星人「とりあえず、明日明るくなったらここを出発する。いいか?」
俺「異論なし、つーかできない。」
火星人「わかったら早めに寝たほうがいいぞ」
俺「あれ、飯は・・・」
火星人「エビなら数尾とれたのだが・・・全てわたしが食べてしまった」
俺「ああ・・・なんとなく予想はついた。」
俺「はらへった・・・今の俺には眠ることしかできないか・・・。」
火星人「寝れないのか」
俺「空腹ですぐには寝れそうにはないな」
火星人「目隠しなら貸すが?」
俺「いや、いいです」
火星人「それと、寝てるわたしを襲わないように」
俺「だったら変身解いてタコになっとけば?」
火星人「このままでいい」
俺「・・・?変なヤツだな」
火星人「まったく、地球人は鈍いんだな」
俺「何か言った?」
火星人「何も」
俺「ふぁ~っ、朝かぁ・・・」
火星人「なかなかに早く起きたな」
俺「そりゃ晩飯食わなかったら早めに起きちゃうよな」
火星人「すぐにこの島を出るぞ」
俺「は?もう少しゆっくり・・・」
火星人「それはいいが、その前に右に飛べ」
俺「え――」
ドガッ
俺「棍棒!?人間がいるのか!?」
火星人「森の中から飛んできたんだな。どうやらこの島にはわたし達とは別の生命体がいるようだ」
俺「え、でも無人島じゃないかったのかよ?」
火星人「島に到着した時はわたしの力が弱まってたから気づかなかったのかも知れない」
俺「べ・・・別の生命体ってなんなんだ!?」
火星人「島に住み着いている原住民か、まったく別のものか。どちらかはわからない」
俺「どうせなら人間のほうがいいよ。まだ話し合いで穏便に済むかもしれないしさ」
火星人「・・・そうはいきそうにない。森の方を見ろ。殺る気満々といったところだ」
俺「・・・!!」
火星人「わたしも無駄な殺生はしたくない。だからさっさと逃げるぞ」
俺「いい、言われなくてスタコラサッサで~い」
火星人「錯乱を起こすな。水の中は常に危険と隣り合わせなんだぞ」
俺「フヒヒヒヒ!すいません」
火星人「深度100までもぐって離脱するぞ。わたしの身体につかまれ」
俺「深度100って・・・俺つぶれないよな?」
火星人「1平方センチメートルに2kgくらい水圧がかかるから・・・運がよければ死なないだろう」
俺「なんで俺の扱いはこんなに・・・アッー!!」
火星人「もっとしっかり身体につかまれ、泳ぎにくい」
俺「gbgbgbbgbgbbbgbgg!(早すぎてうまくつかまれない!)」
火星人「空気の無駄遣いだぞ」
俺(こいつ・・・)
火星人「追っ手は来なさそうだな。この様子だと楽に逃げ切れるか・・・」
俺「・・・(瀕死)」
火星人「水の中で寝るとは、器用なものだ」
俺(いつか復讐してやるからな・・・)
火星人「お、岸が見えてきたようだ」
ざっぱーん
俺「うおおお、なつかしの酸素おおお!」
火星人「懐かしい、といってもたった数分だったのだが」
俺「それよりここはもとの浜辺だよな?な?」
火星人「そのようだ。ちらほら人もいるな」
俺「あぁ助かった・・・。正直人生終わったかと思った」
火星人「あの原住民が追いかけてこないといいのだが。」
俺「大丈夫だろ。多分」
火星人「そうだな。じゃあ、エビでも買って帰るとしようか」
俺「待て、金はないぞ」
火星人「盗ればいいだろう?」
俺「シオン・・・怖い娘!」
後日談。俺たちが地獄の島から帰った翌日。新聞で「浜辺で20人死傷 集団による犯行か!?」との記事が
見出しを飾った。
俺「なあシオン。港の風景見てて楽しいか?」
火星人「ああ。火星の軍港を思い出すな。」
俺「ホームシックっすかwwww」
火星人「そういうわけではない。ただ、昔のことを思い出しただけだ」
俺「昔って?」
火星人「初陣でアンドロメダ艦隊相手に暴れたりして死に掛けたこととか・・・」
俺「ういじん?」
火星人「・・・い、今のは忘れろ。忘れないならわたしが記憶を消すからな」
俺「はいはい^^」
俺「なあ、昨日の晩からソワソワしてるが、どうかしたのか?」
火星人「昨晩わたしの携帯端末に連絡が入った。やつが来るぞ」
俺「やつ?」
火星人「・・・金星人だ」
俺「まったくつながりが無いところからだな」
火星人「金星人はまずいぞ。地球人を捕食するからな」
俺「ふーん・・・え?」
火星人「吸血から、踊り食いまでさまざまな方法で人間を食う。金星人にとって地球人はまたとない栄養源だ。」
俺「・・・」
火星人「たまに神隠し、なんて事を聞くだろう。あれの30%は金星人が地球人をさらっていたりする。
金星人が地球を征服しに来たら1日で人類は滅びるぞ」
俺「で、でもなんでお前にとっても異星人がお前に連絡入れてるんだ?」
火星人「彼女はわたしが金星旅行に行った際にできた友達なんだ。最近は音沙汰なかったんだが・・・。お前をダシに
再開することになった」
火星人「・・・勘違いはしないでほしい。彼女は地球人に非常に好意的だ。地球人を捕食する、なんてことはしないと思う」
俺「ほんとかよ?」
火星人「約束しよう。ほら、日本風に“指きりげんまん”でもするか?」
俺「あー、いいわ。それで、そのお友達さんはいつくるんだ?」
火星人「あと1時間だ」
俺「速っ!」
火星人「仕方が無いだろう。昨日来た連絡の内容は“お久しぶり。今地球に向かってます”みたいな事だったし」
俺「うわ・・・自己中心的な人だな」
火星人「昔からあんなのだったからな・・・」
俺「昔から?」
火星人「いや、なんでもない・・・」
そして小一時間後
俺「来るぞ来るぞ・・・」
火星人「・・・」
俺「ところで、まともに玄関を開けて入ってきてくれるのかな」
火星人「それはない」
俺「そうか・・・」
火星人「来たか・・・」
ヴヴヴ・・・
俺「なっ!俺のパソコンのディスプレイが・・・」
火星人「彼ら金星人は何かと演出したがるお茶目な人ばっかりなんだ。
・・・そのかわり、そのディスプレイは壊れることになる」
俺「ちくしょー!訴えてやる!」
火星人「治外法権だ」
俺「ぐ・・・」
火星人「見ろ、出てきたぞ」
俺「えっ
・・・エ、エイリアン!?映画のエイリアン!?」
火星人「いや、あれは違うな。多分彼女のペットだろう」
俺「ペットかよ、ビックリするなあ。あ、今度は人間ぽいのが出てきたな。あれか?」
火星人「ああ、あれだな。」
金星人「どっこいしょ・・・あっ身体がはまった!?シオンちゃん助けてくれないかなあ?」
俺「おーシオンとは違ってロングヘアーの清楚な方だこと」
火星人「どうでもいいから手伝ってくれ」
俺「いっせーのーでっ!」
金星人「きゃあああああ身体が千切れますうううう!」
火星人「17インチだとかなりキツイか・・・」
俺「くそおおお、俺のディスプレイを壊してたまるか
あああ!」
ブチッ
俺「あ」
火星人「あ」
金星人「あっ!・・・あーあ、腰が切れちゃった」
俺「え、ちょ、どうなってるの?胴体と下半身が千切れ・・・」
火星人「千切れればなんとか下半身も出せるだろう。」
金星人「あ、さすがシオンちゃんです」
俺(また厄介なのが増えた・・・)
金星人「はぁーようやく抜けた・・・」
火星人「ほら、下半身と上半身を接続するぞ」
俺「あ、あの・・・この人は一体?」
火星人「ごく一般的な金星人だ。ただ、腰辺りを手術して脱着可能にしただけだ」
俺「あ、なーる。」
金星人「いやあお騒がせすみませんです。わたくし、金星からやってきました、地球呼称ユウコと申します。
よろしくお願いします」
火星人「名前こそメスっぽいが実際はオスなんだ」
俺「嘘だろシオン!」
火星人「事実だ。金星人はかなり細かく光の屈折率を変えれる。だから今はこうして地球人のメスっぽく見えている
だけだ。わたし達火星人は身体的能力がずば抜けているが、彼女ら金星人は科学力がずば抜けている。」
俺「萌え尽きた・・・」
金星人「大丈夫ですよぉ。わたし、地球人にはオス・メス両方に興味があるんです」
俺「触んな!」
金星人「きゃっ!」
俺「あ・・・ご、ごめん・・・」
火星人「まったく、ここまで本気にするとは思わなかった」
俺「・・・は?」
金星人「実は、わたしとシオンちゃんで計画してたドッキリ作戦なんですね。ちょっと嘘ついて地球人のデータを
とってみようかなー・・・なんて」
火星人「やはりお前は単純だな」
俺「そ、それより、この金星人・・・ユウコさんは女の子なんだな!?」
火星人「そうだ。さっき突き飛ばしたとき、胸を押しただろう。感触はどうだった?」
俺「すごく・・・大きかったです・・・」
火星人「まったく、胸なんて重くて邪魔だろうに」
俺「俺はまな板でも大きくてもオッケーだ。むしろその中間がいい」
金星人「まな板ってなんですか?」
火星人「地球人が料理をするときに使う下敷きみたいなものだろう」
金星人「ああ~そうなんですか」
俺「あ・・まぁ・・その、うん」
俺「二人で会話を紡いでるところをすまないが」
俺「このユウコさんのペットと言われている奇妙な動物はどうすればいいんでしょうか」
金星人「放っておけばいいと思いますよ」
俺「何のために連れてきたんだよ・・・」
火星人「あと、それも地球人を捕食する可能性があるから近づかないほうがいいぞ」
俺「嘘だっ!つーかこいつ俺の脚を掴んで離れねええええ」
火星人「そうだ、エビでも
食べるか?」
金星人「エビ・・・?」
俺「エビとは我が星の誇る海産物です」
金星人「おいしそうですね~お言葉に甘えていただきます」
火星人「わたしは伊勢海老がいいぞ」
俺「自分から切り出したのに俺に行かせるのかよ!」
火星人「む。それもそうだな。たまには自分で動くことにしよう。」
金星人「えーっと、シオンちゃんと同居してるんなら、彼女の正体は知ってるんですよね」
俺「え、まぁ・・・。タコだったり火星の艦隊蹴散らしたり・・・」
金星人「では、なぜ彼女が火星軍に追われてたか、その原因は?」
俺「いや、そのあたりは何も聞いていなくて・・・」
金星人「何なら、お教えしましょうか?」
そのころ
火星人「あいつめ、わたしがつまみ食いしないようにエビを隠したな・・・」
金星人「シオンちゃんが火星軍に追われてたのは、彼女の火星での地位が大きく関係してたんです」
金星人「この星の日本でいうと彼女は“征夷大将軍”みたいな地位に就いていたんですね」
俺(いつの時代の話・・・)
金星人「で、他の島宇宙の軍と戦争をしていた途中に逃亡したんです。シオンちゃん本人から聞いたんですけど。
・・・部隊を率いる隊長が姿をくらましたら大変ですよね」
俺「それで、地球に一旦逃げて来た。っていうことですか」
金星人「厳密に言うと、シオンちゃんは姿をくらました後、金星に逃げ、わたしとたまたま出会った。
金星に数日滞在した後、彼女は地球に来たんです」
俺「しかしあいつが将軍か・・・わかるような、わからないような」
金星人「あの力ですから、火星の征服も難しくないと思います。だから火星軍はシオンちゃんを追うことをやめるかわり
に、報復をやめるように求めたそうです」
俺「本当にとんでもないヤツなんですね」
金星人「でも根も実は女の子らしくていい娘なんですよ。これからも仲良くしてあげてください」
火星人「エビー・・・エビがない・・・」
火星人「冷蔵庫にも冷凍庫にも、チルド室にもエビが見当たらない・・・どこへ隠したんだ・・・?」
俺「おーい、シオンー」
火星人「おお、ちょうどいいところに・・・実はな、エビが見つから・・・」
俺「お前、火星軍時代に逃げたんだって?」
火星人「なんだ・・・あの娘から聞いたのか?」
俺「答えろよ」
火星人「確かに逃げた。血生臭い戦いからとにかく逃げたかった」
火星人「戦いと無縁のお前たちにはわからないだろう?死んだ異星人の憎悪、粉々に破壊された兵器の
みすぼらしさが・・・!」
俺「・・・」
火星人「そこをどけ・・・もう寝る」
俺「・・・」
金星人「あれ?シオンちゃんはどうしました?」
俺「ちょっといろいろあってですね。・・・泣かしてしまったかもしれません」
金星人「あー。女の子を泣かすのは感心できませんね。仲直りのコツを教えてあげましょうか?」
俺「いいです。自分で仲直りします」
金星人「まあ、それが一番いい選択肢だと思いますよ」
金星人「さて、わたしもそろそろおいとまさせていただきます
おいでーポチー」
ポチ「グルルルルル」
俺「そのエイリアン、ポチって言うんですか・・・。
ていうか帰るの早すぎやしませんか?」
金星人「あなたがシオンちゃんを怒らせるから悪いんですよー」
俺「ああ・・・すいません」
金星人「近々また来るかもしれないから、そのときまでには仲直りしておいてくださいね」
俺「はい」
金星人「では、さよならです」
俺「帰りも俺のディスプレイなんだな」
俺「問題は、ここからだな」
俺「よし、考えはまとまった。あとは実行に移すのみ・・・」
ドンドンッ
俺「シオン?入るぞー」
俺「シオン、さっきはごめ――
いない?」
火星人「ふふふ、探してる、探してる。」
俺「トイレにも、風呂場にもいないぞ。まさか家出か・・・!?」
俺「そうとわかったらウカウカしてられないな。すぐに探しに行かねば」
火星人「あいつがわたしを探して奔走している間に、エビを・・・どうやってでも
見つけ出してやる・・・!」
火星人「ぬ、近くからエビの反応を微弱に感じる。
・・・まさかわたしは・・・!」
火星人「・・・やはり。冷蔵庫のチルド室に鏡を仕込んでエビを見えないようにしていたのか。
あいつにしてはよく考えたものだ」
そのころ。
俺「うああー!シオン!俺が悪かった!謝るから出てきてくれええええ」
ドカッ
ヤクザ「いいいってぇな、おいコラ!」
俺「げっ、死亡フラグ!?」
ヤクザ「わしにぶつかるなんていい度胸じゃのう!指一本じゃ足らんぞコラァ!」
ヤクザ「おい、人目のつかない路地裏に連れてけ」
取り巻き「へい!」
火星人「つい勢いでエビ60尾を平らげてしまった・・・。またあいつに叱られるな。
まあ何とでもごまかせるからかまわないか。」
火星人「それにしてもどこまで行ったんだ?間が開くと仲直りしづらいな」
ピコーンピコーン
火星人「む!あいつに仕掛けておいたセンサーが・・・?」
ヤクザ「へへ・・・服を全て剥いでしまえ」
取り巻き「へい!」
俺「お、おい・・・何をするつもりだ?」
ヤクザ「男と男のタイマン肛門性交に決まっているじゃろうが」
取り巻き「親分、あっしも一緒に・・・」
ヤクザ「お前は向こうで見てろ」
取り巻き「へ、へい!すんません!」
俺「大変だな、あの人も・・・」
ヤクザ「これで邪魔はいなくなった・・・」
俺(ああ、なぜだろう。こんなときに恐怖感が無いなんて。)
俺(俺もなんだかんだでシオンを期待してるんだな。こんどこそ後ろの貞操が危ないって言うのに・・・)
ヤクザ「フヒヒヒヒ、抵抗もしないとはな。あきらめたんか?」
?「あきらめるのはお前の方だ。フラケンシュタインフェイス」
ヤクザ「だっ誰じゃあ!?わしの小学校時代のあだ名を呼ぶのは!?」
火星人「後ろだ」
ヤクザ「なっ!?」
ドムッ
ヤクザ「ぬふぅ」
取り巻き「お・・・親分!」
火星人「脇役はお引取り願おう」
ズゴッ
取り巻き「お花畑が・・見え・・・る」
俺「・・・」
火星人「どうした?ヒロインが主人公を助けに来るのはよくある話なのだろう?
・・・目から体液が出てるぞ」
火星人「ほら、ハンカチーフだ。」
俺「ああ・・・ありがとう」
火星人「だらしないな。オスならもうすこしシャキっとしたらどうなんだ」
俺「ごめん」
火星人「だれも謝れとは言ってはいない」
俺「ごめん」
火星人「・・・とりあえず、部屋に戻るぞ。立てるか?」
俺「・・・ありがとうな」
火星人「別にお前の為じゃない。エビの為だ」
俺「わかってる」
火星人「ほら、早く帰るぞ」
火星人「本当にだらしないな・・・。あ、ほら、一番星(金星)が見えるぞ」
俺「涙で見えないや・・・」
火星人「そうか、今拭いてやるから・・・。どうだ、見えるか?」
俺「俺、近視だから見えないわ」
火星人「お前、生ゴミとして捨てるぞ」
最終更新:2006年08月28日 01:15