古代文明
3万年ほど前に火星に存在した文明。アルドノア技術の実用化や月面にハイパーゲートを設置するなど惑星間移動すら可能とした高度な文明だったが、その担い手である古代火星人の消息は不明なままである。古代文明当時の火星は水と空気が豊富であったが、現代ではかなり少なくなっている。
ハイパーゲート
月面で発見された地球圏と火星間の相互瞬間移動が可能な古代文明の遺産。現在は失われているか所在不明となっている。
アルドノア
火星において発見された古代文明のテクノロジー。ヴァース帝国においてカタフラクトや揚陸城などに軍事転用され、神格化されている。普遍的なものではなく、アルドノアを起動するには遺伝子に焼き込まれた起動因子が必要である。本来ならばアルドノアを起動できるのは、アルドノアの発見者で起動因子を焼き込まれたヴァース皇帝レイレガリアと彼の直系の子孫のみ。火星騎士は、アルドノア起動因子を借り受ける対価として皇帝と主従関係を結んでいる。
アルドノアドライブ
アルドノアの力を開放するための装置。火星の兵器はすべてアルドノアドライブの動力によって機能している。起動するためには起動因子が必要であり、起動した者の心臓が止まるとその機能を停止してしまう。また皇帝とその血族のみ、すべてのアルドノアドライブを強制的に停止させることができる。
カタフラクト
ヴァース帝国で運用されている人型機動兵器の総称。通称は「カット」。
ヴァース帝国が用いるカタフラクトは主に火星騎士と呼ばれる指揮官に合わせて開発された、専用のワンオフモデルの運用が基本となっており、その性質上汎用性に劣る機体が多い。
しかし、火星側が独占する古代文明の超技術「アルドノア」の搭載によって様々な特殊能力の搭載を実現しており、それによりカタフラクトに一騎当千の戦闘能力を付与している。
アルドノアの起動権限は最初に起動させたヴァース帝国初代皇帝レイレガリア・ヴァース・レイヴァースとその血族たる皇族が有しており、火星騎士達はその起動権限を皇帝から貸し与えられる形でそれを起動させている。 また、機体の大半は火星の地名を由来とする。
大半のカタフラクトが「人型」を成している理由に関しては、火星開拓時に使用された四本腕の宙間作業用機械を兵器に転用した事が始まりとされ、正確には人型ではなく四本腕の機体が剛性の高い方の腕で地上に立っているだけであり、その性質上、火星で運用されるカタフラクトの殆どは脚部に相当する部位で物をつかむ事が可能となっている。
尚、地球製のカタフラクトも存在するが、主動力がガスタービンエンジンであるなど技術・性能的な面ですでに旧世代に属する機体であり、ごく一部の地域で運用されているのを除いては全機が退役している。
火星騎士
ヴァース帝国の軍人。それぞれ象徴たる専用のカタフラクトを与えられ、軍装には灰色のダブルブレストのフロックコートが採用されている。
史実現代的な軍組織とは異なり、国家による一元的統制ではなく37家門の騎士たちによる個別統制で戦うことを旨とする軍閥に近い組織体系となっている。37家門の騎士たちは独自に配下の部隊を指揮して軍事行動を取る権限があり、論功行賞においてはいち早く戦果を挙げた騎士が栄誉を受けられるため、原則的に他部隊との連携は取らない。その組織体系によって正式な宣戦布告を待たずして軍事行動を起こすなど軍隊の最高指揮官の所在が不明確になっていたが、アセイラムが地球攻略部隊の旗頭となったことによって軍事的統制が明確になり、戦略・戦術面での効率化が図られつつある。
37家門
火星騎士の中でも特に有力な37の貴族家。当主は伯爵で、赤い軍装を着ている。それぞれが揚陸城を治める。ヴァース帝国に所属する火星騎士の上位にあり、配下の火星騎士(男爵、騎士など)と共に行動する。その威光はヴァース帝国国旗の意匠にも見ることが出来る。地球との戦端が開かれると、多くが地上へ揚陸城を降下させ、侵攻を開始する。下の爵位の騎士(子爵、男爵など)や一般兵を部下や食客として従えているが、戦場では基本的に当主自身が単独で専用のカタフラクトを駆って戦う。
揚陸城
高位の火星騎士、37家門に与えられる航宙艦(巨大宇宙要塞)。全長は約2km。「城」と称される通り、騎士達の基地であり住処としての意味合いを持ち、航宙艦というよりも要塞施設・拠点という表現が相応しい。
城自体を質量兵器として地球へ落下させその衝撃波で周辺を掃討し、その後城を戦略拠点として部隊を展開し版図を広げる事が可能である。
側面に多数のミサイル発射口(バンカーバスタータイプなどの種類がある)、上部に対空砲を持つ。また、内部にカタフラクトやスカイキャリアを配備している。それに加え外郭も大気圏突入と地表激突に耐えうるだけの剛性を誇る。
ビーナス・グロゥブ
金星近傍宙域にある巨大な球状のフォトン・バッテリーの集合体とそれに付随するスペースコロニーの総称。コロニー部は直径100km、水深150mの海を持つ「シー・デスク」と呼称する円盤型のコロニーを6つ接続した円環構造で、環の中心には資源採掘小惑星がある。全体を「オーシャン・リング」と呼ぶ。球状のフォトン・バッテリー集合体は4対のバッテリー群の環で構成されており、直径は月と同程度、「ビーナス・リング」とも呼ばれる。
中心都市は首都「ロザリオ・テン」と呼ばれており、テン・ポリスという自警部隊が配備されている。
ヴァース帝国とは共に未開の惑星を開拓した経緯から盟友の関係を結んでいる。
ジット・ラボラトリィ
ビーナス・グロゥブの技術保全局。G系統の機体や各種モビルスーツ、モビルアーマーの開発・製造を行っている。
ジット団
ビーナス・グロゥブから地球への帰還を望んでいる一団の名称。
ヴェイガン
かつて火星において『15年前の戦争』の一端として地球と戦争を繰り広げた国家の名。現在は滅亡。
崩壊後の国民の行く末は火星の苛酷な環境にしがみ付いた者もいればガミラス帝国の2等国民と身を窶した者たち、地球に運良く辿りつけた者など様々である。
コールドスリープの技術が発達していたため『15年前の戦争』から姿を変えず生き残っている者もしばしば存在する。ヴァース帝国にも少数が身分を変えて潜り込んでいる。
|