ウッドマン?が倒せない ◆0RbUzIT0To
下水道からようやく脱出し、一息つく。
敵が来ない可能性が高いのはいいけどあんな臭い場所はやっぱりゴメンだ。
深呼吸をして久しぶりの綺麗な空気を胸一杯に吸う。
ふぅ……生き返った。
「ふむ、やはりかなり話し込んでしまったようだな。
既に太陽が燦々と輝いている」
その滑らかな頭部に日光を反射させながら、外山さんが言う。
それにしてもこの人、イメージと大分違うというか……。
もっと破天荒なキャラだと思ってたけど話してみると案外常人でビックリした。
……いや、まぁそれでもおかしいところは多々あったんだが。
スクラップ&スクラップとか、やたらポスターを気にする所とか。
「同志レナ、これからどうする?」
「そうですね……すぐそこの塔に行くにしろ、西の城に行くにしろ、準備は整えるべきだと思います」
外山さんの答えに淡々と答えるレナ。
それにしても何だか妙に落ち着き払ってんなぁ。
片手にはまだあの馬鹿でっかい鉈を持ってるし、傍から見れば異様な姿だ。
「まず必要なのは医療品です、こんな状況ですからいつ怪我をするかわからない。
それと、他に役に立ちそうな雑貨……具体的にはサバイバル用品や武器になりそうなもの。
私の得物はともかく、外山さんの銃とキバさんの武器は撃ちつくしてしまえば扱いにくい鈍器にしかなりません」
「なるほど」
外山さんと同じように、俺も頷く。
街を出る前に、補給できるものは補給しておこうっていう事か。
「それじゃあ、私は薬局に行ってきます。
キバさんと外山さんは他の雑貨を……」
必要な事は言い終えた、とばかりに俺達に背を向けて歩き出すレナ。
っておいおい、ちょっと待てよ。
「私は……って、レナ、一人で行くつもりか?」
そりゃ流石にマズいだろ。
この街にはまだあの看護婦電波お姉さんがいるかもしれないし、
それ以外の殺る気満々な参加者がいる可能性だってある。
隣を見れば外山さんも、俺に同意するように大きく首を縦に振ってる。
ここはこの三人で固まって行動した方がいいと思うんだが。
「三人で行くとなれば、二手に別れるよりも大きく時間をロスしてしまいます。
早めにこの場所を出立する為にも、ここは二手に別れた方が得策です」
うーん……でもなぁ。
「これ以上の問答は時間の無駄です。
今から……そうですね、大体30分後にそこの民家で待ち合わせしましょう。 それじゃあ」
「お、おい!」
……行っちまったよ。
にしても、強引だなぁ。
「心配するな、同志キバ」
元気付けるように同志キバの肩に手を置きながら、私は言う。
ああ見えても同志レナは度胸もあれば機転も利く。
仮に殺し合いに乗ってしまった愚かなる少数派が相手でも、上手く立ち回るだろう。
……問題は、その相手を殺してしまいかねないところだがな。
「それよりも、我々も急ぐぞ。
集めなければならないものは多い、30分で戻るには迅速に行動せねば」
「そうですね」
これも同志レナの考えた事だろうが、
医療品を集める方とサバイバル用品や武器等を集める方とでは後者の方が圧倒的に時間がかかる。
前者に関しては、薬局に行けばそこだけで全てが済むが、
後者の方は様々な店などを覗かねばならぬからだ。
故に同志レナは我ら二人を後者の物品回収班に選んだのだろう。
「はー……そこまで考えてたのか」
「うむ、同志レナの頭脳明晰ぶりは大したものだ」
多数派の正体を見破った推理力。
偵察していたと思しき宇宙人を見つけ出した洞察力。
これは、我々が多数派に対し反逆をするのに大いなる武器となるだろう。
そんな事を話しながら歩くこと、数分。
我々は巨大な鋏を持ち、俯き座り込む少女と出会った。
俯いて泣きながら座り込んでいれば、ゲームに乗っていない人間ならば必ず接触を図ってくるはず。
そう思って実際にやっていれば、本当にカモがやってきた。
ゲームに乗っている人間に見つかるかもしれないといった危険はあったものの、作戦は上手くいった。
「そこの少女! 一体どうしたというのだ!?」
カモは二人。
片方は今話しかけてきた禿のおじさん、もう片方は
キョンくんくらいの年齢のお兄さんだ。
両方あまり強そうには見えないが仕方がない。
そう簡単に強者に出会える訳はないし、ここら辺で妥協をしておいた方がいいだろう。
「ひっく……ひっく……キョンくんが……」
「キョンくん?」
「キョン……確か、先ほど呼ばれた死者の中にそういう名の者がいたはずだが」
おじさんが名簿を取り出し、暗い表情になる。
その隣のお兄さんもその名簿を覗き見、悲痛な表情を露にした。
「もしや、君はこのキョンという者の知人なのかね?」
「うん……」
「外山さん、もしかしたらこの
キョンの妹っていう子が……」
「うむ……」
こちらが名乗るまでもなく、二人は私の事を察知してくれたらしく哀れみの目をこちらに向ける。
泣いている少女が、俯いて佇んでいる。
そして、その少女の兄は既に放送で呼ばれてしまった。
客観的に見れば、これほど同情心を惹く話はない。
「そうか……辛かったな」
「ひっく……ひっく……」
おじさんが私の頭に手を置き、撫でてくる。
正直、その手の感触からは不快感しか得られなかったが私はそれを表に出さない。
「だが、安心してくれ。
私達が来たからには、君をもう一人にはせん……いいな、同志キバ!」
「はい、そうですね……俺だって、こんな小さな子を放っておくのはどうかと思うし」
――計画通り!
「私の名は
外山恒一、こっちは同志キバだ。
それともう一人、今は別行動をしているが
竜宮レナという同志もいる」
「えっと、君の名前はなんて呼べばいいかな?」
「あの、妹って呼んでくれれば……」
私がそう言うと二人は苦笑を浮かべる。
名前を言えばよかったのかもしれないが、
名簿には『キョンの妹』として載っている以上そう名乗っていた方がいいだろう。
それに……キョンくん以外の人になんか、名前で呼ばれたくはない。
「では……同志妹よ、早速だがここから移動するぞ。 立てるか?」
「う、うん……」
泣き止み、笑顔を見せながら外山さんの問いに答えて立ち上がる。
そして、その瞬間。
何かが空気を切り裂くような音が聞こえ、私の頬を何かが掠めた。
「きゃあっ!」
「同志妹、どうした!?」
悲鳴を上げて尻餅をつく妹ちゃんに問いかける外山さんを無視して、俺は周囲を見渡す。
今さっき、俺は確かに見た。
何か葉っぱのようなものが妹ちゃんの頬を掠めたのを。
葉っぱ……何だっけな畜生、何かが引っかかる。
「ふむ……大丈夫、ただの軽い切り傷だ、痕も残らんだろう」
「外山さん、それよりもこれ……」
「ああ、恐らくはゲームに乗ってしまった悲しき少数派によるものだろう。
本来ならば説得をしたい所だが……こんな状況だ、逃げるぞ」
「ええ、わかってます」
俺達二人だけならともかく、今は妹ちゃんがいるからな。
リスクが高すぎる説得よりも、逃げた方が得策だろう。
……まぁ、正直言えば俺も説得なんかより逃げ出したいし。
そんな事を考えながら、俺達二人は駆け出す。
妹ちゃんは、外山さんが担いでくれた。
それにしても妹ちゃん、こんな時まで離さないなんてよっぽど大切なんだろうな、あの鋏。
……なんて無駄な事を考えていたら、再び前方で動く物体を発見。
でも、今度は妹ちゃんのように友好的な人って訳じゃなさそうだな。
っていうか、そもそも人じゃないし。こいつがあの葉っぱ出してきたんだろう。
なんか……めちゃめちゃこっち睨んでるし。
「外山さん、下がってて……」
「だが、同志キバ……!」
「妹ちゃんがいるんですから、守ってあげて下さいよ」
外山さんはまだ何かを言おうとしていたみたいだが、
納得してくれたらしく後ろに下がって妹ちゃんを守ってくれている。
いやぁ、それにしても俺ってば本当に貧乏くじばっか引くよなぁ。
ほんと、運が無い。
「話は……通じそうに無い、よな」
大きな種みたいなものを背負った蛙みたいな生物に向けて言ってみたが、予想通り反応は無い。
外山さんも説得は無駄だと察知して、口を噤んでる。
それにしてもまさか、こんな化け物まで参加してるなんてな。
さっき下水道でレナが叩き割った食虫植物の仲間か何かだろうか?
「ダネェッ!」
「おわっ!?」
やっぱ、考察してる暇なんて無いよな!
化け物が背中から葉っぱを発射して攻撃……ん?
俺に向けてでも外山さん達に向けてでもなく、上に飛ばした?どういう事だ?
呆然とその葉っぱを見てると、突然腕に何かが巻きついてきた。
しまった! 上の葉っぱは囮……本命はこっちの触手みたいなものか!?
化け物の種みたいなところから生えてるその触手は無駄に硬く、解けない。
力任せに引っ張ってみるものの、相手の力は俺以上で逆に俺が引っ張られる。
畜生、あんな小さな体のどこにそんな力があるってんだよ……!
解けないと悟った俺は、右手のバスターをその触手に当て、メタルブレードを発射する。
すると、これが案外簡単に切れてしまった。
「ダネッ!?」
驚いたのかそれとも痛みか、化け物が悲鳴を上げる。
よし、この調子でメタルブレードを連射すれば倒せる!
そう思い、化け物目掛けてメタルブレードを連射。
……いや、本当はもっと連射したかったんだけど三連射が限度なんだよ、メタルブレードって。
悲鳴を上げていた化け物は、メタルブレードの接近に気付くと再び葉っぱを四つ展開する。
その葉っぱはその化け物の周りをくるくると回り、そして……。
――カキ、カキ、カキィン。
「嘘ォッ!?」
俺の撃ったメタルブレードを全部弾き返した。
メタルブレードは明後日の方向に向かって飛んでいって見えなくなる。
っておい、何で!? さっきこの触手を切れたのに何であんな葉っぱは切れないの!?
そんな事を考えている間にも、化け物はその周りに浮かべてた葉っぱ四つを俺に向けて発射してくる。
破れかぶれになってメタルブレードを発射してみるものの、やっぱり効果はなく全て弾き返される。
全く勢いが衰える事のない葉っぱ軍団を寸でのところでジャンプで回避し、着地。
ああもう、訳わかんねぇ!なんであんな葉っぱなんかに負けるんだよ、こっち刃物だぞ刃物!
とにかく、もうこうなりゃ撃ちまくるしかねぇ!
そう思って再び構えた時だった。
――サクリ。
何かが俺の体に突き刺さり、鋭い痛みを与える。
なんかいや~な予感を感じながら、痛みの箇所を見てみる。
左肩……突き刺さってたのは、さっき化け物が上に発射した囮の葉っぱだった。
「嘘だろぉー!?」
葉っぱが体に刺さる訳がねぇだろ!?
そんな事が罷り通る世の中だったら街路樹のある道なんて歩けねぇよ!
いや、そりゃさっき妹ちゃんの頬っぺた傷つけてたけどさ……それと突き刺さるのとって、やっぱ違うだろ!おかしいだろこれ!?
痛みを堪えながら葉っぱを引き抜き、再び化け物に向けてメタルブレードを発射しようとする。
……って、あれ?
「い、いない?」
ちょっと目を離した隙に、化け物はいなくなっていた。
「上だ!」
「えぇ!?」
外山さんの言葉を受け、反射的に上空を見てみる。
……あちゃー、本当に上にいる。
外山さんが化け物に向けて銃を撃つが、やっぱり展開されていた葉っぱに阻まれて効果は無し。
化け物はそのまま俺に向かって着地を……って!?
「のわぁっ!?」
このままじゃやべぇ、と思って咄嗟に回避。
化け物はさっきまで俺のいた場所に着地したが、その地面が少し凹んでいる。
おいおいおいおい、そこコンクリートだぞ!?
「ダネェ……!」
「は、ははは……」
もう笑いしか起きねぇよ、冗談じゃねぇ。
メタルブレードを弾き飛ばす葉っぱバリア。
人間の肩に突き刺さる落ちてくる葉っぱ。
そしてコンクリートをも凹ませる大ジャンプによる体当たり。
こんなの、相手に出来る訳ねーだろ?
それからはもう、最悪だ。
俺もなんとか食らいつくものの、戦力の差がありすぎる。
落ちる木の葉は何回やっても避けれないし、後ろに下がって距離を取ってもいずれは距離を詰められる。
メタルブレード連射も試してみたけど、葉っぱが相手じゃ意味がない。
何回やっても何回やっても、この化け物は倒せない……。
既に俺は満身創痍だった。
致命傷は受けてないものの、落ちる木の葉のお陰で体はボロボロ。
それに体当たりを避けたりするのに体力を多く消費しすぎちまった。
ふと、二人はどうしたのかと思い後ろを振り向く。
外山さんは、あの政見放送の時みたいな真剣な顔をして俺を見てくれている。
妹ちゃんは、不安そうに戦況を見ているようだった。
……畜生、そんな顔されちゃ俺も頑張るっきゃねぇじゃねぇか!
再び化け物に対峙する。
突然で何だが、俺はさっきからこの化け物の攻撃法にどこか奇妙なデジャヴを感じてた。
葉っぱの攻撃といい、ジャンプ体当たりといい、これは……。
「……ウッド、マン?」
ウッドマン。
確か……そう、確か、あるゲームに出てくる8大ボスの一人だったはずだ。
記憶は曖昧で、他の8大ボスの名前とかは思い出せないが……。
その鈍重そうな外見からは想像出来ないジャンプ力と葉っぱバリアによって葬られたプレイヤーは数知れず。
弱点武器が無ければ、かなりの強敵だった。
この化け物の攻撃法は、ウッドマンの攻撃パターンに似てる。
っていうか瓜二つ、そっくりだ。
……よし、それなら話は早い。
相手の攻撃パターンがわかりゃ、攻略法だって見出せる。
俺だって、伊達や酔狂で改造マリオをクリアしてきた訳じゃないんだ。
化け物が再び、俺に向かってジャンピング体当たりをしてくる。
それを見て、俺はメタルブレードを撃つ。
当然、そのメタルブレードは葉っぱバリアに弾き返されるが……それでいいんだ。
化け物は葉っぱバリアを俺に向けて放ち、俺はそれを回避する。
そして、化け物は俺のいる場所に着地して……。
「ダネェェェ―――!?」
化け物が悲鳴を上げる。
転がり込んで化け物の体当たりを回避していた俺は、急いで立ち上がって逃げ出した。
遅れて、後ろから外山さん達も連いてくる。
あの時、俺が放ったメタルブレードは三発。
しかし、その内の一発だけしか化け物には向けなかったのだ。
残りの二つはどうしたのか……。
これはゲーマーの間では有名な話なのだが、メタルブレードとは上下左右八方向にしか撃てない訳ではない。
十字キーの中心を押したまま発射をすればメタルブレードは自分のいた場所に発射され、留まるのだ。
俺はこれを利用し、俺のいた場所にメタルブレードを放置していた。
そこに化け物が勝手に飛び込んできてくれた、という訳だ。
相手がブラックパックンの近くに設置された羽ブロック+リフトの通路とか、
ボールを投げてくるブルだらけの弾幕地獄だとか、
五連キラーによる開始直後のtktk地獄だとかならともかく。
あの程度の窮地、俺にとっちゃ窮地ですらねぇよ!
「俺を殺したいなら、ウルトラの星を超える鬼畜ステージでも作ってみろ!」
化け物に向けてそう叫びながら、俺は逃げる。ひたすら逃げる。
……かっこ悪いとか言うなよ。
【E-3 町/一日目 午前】
【外山恒一@現実】
[状態]:健康
[装備]:サイレンサー付き拳銃@サイレンサーを付けた時とry
[道具]:支給品一式 不明支給品0~1
[思考・状況]
1.同志レナと待ち合わせをしていた家まで行き、同志レナを待つ
2.同志レナの友人が宇宙人の手先かどうか確認する。
3.殺人はしない。襲ってきた相手も殺さず捕らえたい。
4.同志レナがゲームを支える(人を殺す)のを止めたい。
5.志を共にする少数派(参加者)の同志を集める
6.多数派(主催者)はスクラップ&スクラップ!ゲームなど滅ぼしてしまえ!
【友人@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:全身に軽い切り傷、左肩切り傷
[装備]:リアルメガバスター(270/300)@デッドライジング、メタルブレードのチップ(装着済み)
[道具]:支給品一式 、縛られてたロープ(自殺用ロープ@さよなら絶望先生)、PS3(60GB)@現実
[思考・状況]
1.レナと待ち合わせをしていた家まで行き、レナを待つ
2.この世界から脱出したい。
3. 宇宙人とかありえない。でもこの状況の説明も付くし…
4.作者に会ったら説明を求めた後ぶん殴る(いないし、関係ないかもと思ってきてます)
5. なんか妙なデジャブが多い。
【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱&愛しの兄が振り向かない】
[状態]:かなりの疲労(多少回復)、精神的疲労 、頬に軽い切り傷
[装備]:庭師の鋏@ローゼンメイデン
[道具]:なし
[思考・状況]
1:友人、外山、レナに自分を守ってもらう
2:あの四人(ティアナ、永井兄弟、
水銀燈)から離れるため、西へ移動する。
3:誰かに取り入り、漁夫の利を狙う
4:最終的には優勝し、キョンを生き返らせ、彼と結ばれる。
……ひとしきり、悶絶した後、オレはようやく起き上がった。
油断をした、というべきか。
あの背後にいた男と女から先に攻撃して、殺しておけばよかったかもしれない。
まず、立ち向かってくる奴からと思って、鋼タイプの技をしてきた奴から攻撃してしまったが……。
「ダネ……」
もう、追えない距離だな。
傷も、それほど浅いという訳ではないし少し休息を取ろう。
弾幕の開発も急がなきゃならないしな。
適当な一軒家を見つけ、中に入る。
オレの技に『ねむる』でもありゃ、こんな傷も簡単に治るのにな……なんて呑気に考えながら、
オレはベッドに横になるとすぐに夢の世界へと旅立った。
【E-3 町・一軒家/一日目 午前】
【
フシギダネ@ポケットモンスター】
[状態]:腹部に切り傷、ねむり
[装備]:バールのようなもの@現実
[道具]:支給品一式、白菜@テニミュ、ルイージの帽子@スーパーマリオワールド、
弾幕の作り方@東方project
[思考・状況]
1:一先ず休息を取る
2:出来うる限り参加者を殺し生き延びる ※
TASが死んだと思ってます
※弾幕を開発中のようです
おしゃべりなキバさん達と別れると急に静かになった気がして、頭の回転が冴える気がする。
やっぱり、一人になったのは正解だったようだ。
こっちの方が色々と考え事をするのに都合がいい。
私達が見つけなければならない宇宙人打倒への道に必要なものは、
私達よりも頭がよく、色々と知識が豊富な人……。
特に、この首輪に関しての知識や宇宙人に対する知識―例えば、鷹野さんのような―を持ってる人を探さないと。
そういう人たちに出会えば、宇宙人打倒作戦の成功率は格段に上がる。
「でも、どうやって接触するか……」
それが問題だ。
相手が宇宙人打倒に対して否定的だったり、私達の話を信じてくれなかったり……。
或いは、このゲームに乗っているものだとしたら……。
それを判断出来る材料がないと、接触しようがない。
……後で外山さんにでも話してみよう。
あの人の言葉には、説得力というか何と言うか、不思議な力がある。
もしかしたら、何かしら打開策が見つかるかもしれない。
そんな事を考えながら歩き、ようやく薬局を見つけた。
ひとまず、考えるのはやめて医療品を回収するのに専念しようと思い扉を開けると、
そこには既に先客の姿があった。
その人は、凡そこの殺し合いの舞台には相応しくない外見をしていた。
私から見ても、美しい銀の髪と顔立ち。
そして、抜群のプロポーション。
シャワーを浴びた後なのか、バスタオルをつけただけの扇情的なその姿は女である私でさえ一瞬見惚れさせてしまった。
「この薬局に、何か用?」
「……医療品を補給しにやってきました」
椅子に座ったまま、こちらに目線を向けてくる美女に向かって返答する。
相手は丸腰……恐らく、私と事を構える気はないのだろう。
私も、咄嗟に構えそうになっていた得物を下げて奥へと進む。
「あなたは、この殺し合いには乗ってないんですか?」
「さぁ……どうかしらね」
戸棚の前で立ち止まり、開けようとして……絶句する。
何も無い。包帯も、消毒薬も、薬局に置いてあるべきであろうものが何もかも無い。
咄嗟に、美女に目線をやる。
「私がここに来た時には、既に全部無かったわよ」
私が睨んだ意図を察知したらしく、弁明する美女。
確かに……ここにある薬品、全てを彼女だけが独占するというのはありえない話だ。
この戸棚に入る全ての薬品を持ち歩く利点は無い。
「そうですか……」
結局、無駄足だった。
薬局がこれじゃあ外山さん達の方も余り期待出来そうにない。
これも恐らく、宇宙人による仕業なんだろう。
「それじゃあ、私はこれで……」
「あら、もう行くのかしら竜宮レナ?」
出入り口へ向けていた足が、ピタリと止まる。
竜宮レナ……この人は今、そう言った。
……何故、私の名前を知っている?
私は名乗っていない。
全くの初対面だというのに、何故この人は私の名前を知っているのだろう?
「……どうして」
「少し、話があるの……時間はあるかしら?」
私の疑問の声は、美女の声によって阻まれる。
話……? 一体、何だろうか。
美女は再び椅子に腰掛け、向かいの椅子へ座るよう私に促す。
……少なくとも、今ここで私と殺し合うつもりはなさそうだ。
私は椅子に腰掛け、美女の言葉を待つ。
外山さん達との合流は遅れるかもしれないが、少しだけ待ってもらおう。
私の名前を知っていたというこの人は……もしかしたら、私達の大きな戦力になってくれるかもしれない。
八意永琳は四つの偶然によって知らずの内に危機を脱していた。
まず、シャワーを浴びたてであり服を着ていなかった事と己が薬師であると名乗らなかった事。
これにより、キバの事前の情報による『看護婦っぽいお姉さん』というキバを襲った殺人鬼ではないとレナに思わせた。
更に、自らの名前を名乗らなかった事。
もしレナに対して八意永琳と名乗っていれば、すぐさま頭を叩き割られていただろう。
そして、最後の偶然はキバがレナと一緒に薬局へと来なかった事である。
幾重にも偶然が重なり、二人の会談は始まる。
【E-3 町・薬局内部/一日目・午前】
【八意永琳@東方シリーズ&新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~】
[状態]:肩に怪我(処置済み)、精神的疲労大、気分やや改善、バスタオル一枚
[装備]:王者の剣@DQ3
[道具]:支給品一式(食料一食、水一本消費)、ゆめにっき@ゆめにっき
[思考・状況]
1.レナと話をし、理解が得られれば共闘を。もし駄目ならば……
2.
ニートや皆を探す、必要なら共闘も考える
3.できれば怪我の本格的な治療をしたいが、期待はしない
4.ゆめにっきのことは一旦忘れる
5.ゲームに優勝し、悪魔と取引をして皆が元通りになれることを願う。
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:雛見沢症候群発症気味。首が痒いけど我慢。
[装備]:鉄塊鉈@ひぐらしデイブレイク
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1.目の前の美女(えーりん)と話をする。
2.仲間の姿をした宇宙人の頭を叩き割る。
3.宇宙人の頭を叩き割る。
4.ゲーム脱出の邪魔をするなら誰でも頭を叩き割る。
5.外山さんとキバさんは殺さない…少なくとも、まだ。
6.詩音の姿をした宇宙人を倒した人を探す。
7. 少し、首が痒い。
※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。
雛見沢症候群を発症しています。
症状が重くなると、首を掻き毟り死んでしまいます。
レナは宇宙人を倒すために痒いのを我慢し、隠しています。
※竜宮レナは他の部活メンバーは宇宙人だと確信しています。
最終更新:2010年03月18日 11:19