人として軸がぶれすぎて、もはやぶれてない(前編) ◆CMd1jz6iP2
「やれやれ、こんなに飛ばされてたのか」
鰐に飛ばされた阿部を追って、けっこう歩いたが、ようやく見つけられた。
思ったとおり生きている。骨折程度で済むって、本当に人間なんだろうか。
「おい、阿部。無事か、しっかりしろ」
「アーッ……なんだ萃香ちゃんか。美味しそうな(性的な意味で)鰐はどこに行った?」
うん、いつも通りだ。
「お前、尻尾で吹っ飛ばされたじゃないか。腕、折れてるぞ」
「ああ、そうだったな。いやあ、雄臭がムンムンしてくる力強さだ。あいつなら、俺を満足させてくれるはずだ!」
腕が折れたのなんか気にしてないようだ。また戻る気か?
「なんだ、そんなになってもやる気なのか」
「当然だ、俺のヤル気が尽きることなんてありえな……」
空気に向かって腰を振ってた阿部の動きが止まった。
「どうした、腕が痛み始めたのか?」
「……いやいや、ありえない」
私の声なんて、聞いてもいないらしい。
ツナギのジッパーを降ろして、股間を弄っている。
「なんだ、擦り剥いたのか? それ以上剥けるとヤバイんじゃないの?」
「フ、フフフフフフフフフフ」
声の質と、感じが妙な笑い声を上げ始めた。本格的におかしい。
「本当にどうした。ま、まさか、そっちが折れちゃったのか!?」
「そんなヤワじゃねえ!」
じゃあなんだ、何をあわてて……
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「あ、阿部!?」
雄たけびを上げたと思ったら走り出した。
荷物も持たないで……やっぱり折れたとしか思えない。
「お、おい阿部! 荷物も持たずにどこ行くんだ!?」
阿部の荷物を持って、追いかける……失敗した。
(拾ってる間に見失ったか……こっちに向かったはずなんだが)
森に入る……ともかく、直進してみよう。
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ロックたちと別れた私達は、順調に町へと進んでいた……はずだった。
「やれやれ、さすがに疲れたなあ」
富竹さんが
ニートさんをおんぶしてから随分経った。
体力自慢といっても、子供を背負うのとは訳が違うのだから、それは疲れるだろう。
「うはwwwwしょうがねえwwwww歩くかwwwww」
「待ちなさいニート。私たちも富竹と同じで、疲れてるの……ここで休憩よ」
結局のところ、人一人背負っていた富竹さんの疲れは、普通に歩いていた私達にもあった。
元気なのは、まったく歩いていないニートさんだけ。
「……ったく」
「ロ、
ロールちゃん、落ち着きなさいよ」
いけない、口に出たようだ。
「うはwwwww視界の彼方にお花畑がwwww行ってみるかwwww」
「ニートくん、動いてもいいけど……敵がいても、助けられないよ?」
「ちょwwww見捨てないでwwww」
遠くには行かないで、辺りをウロウロし始めたニートさん。
ここで体力使って、どうせすぐ疲れるって言うんだから……
ちなみにこの時……
KASがニートの見つけた花畑で孔明ブロック探しをしていたりする。
それにしても……やっぱり、富竹さんの様子が気になる。
あれから、首を掻くことは減ったが、それでも気が付くと掻いている。
あれは、痒くないのではなくて我慢しているだけだ。
(あの……ハルヒさん。その……)
(わかってる。でも、さっきの様子じゃ無理よ、また怒らせるだけだし、それに……)
もし、違っていたら。
富竹さんは、雛見沢症候群に感染していない人間に、あの薬を打つことは逆効果だと言った。
私達の勘違いでは、済まされない。
(ともかく、様子を見ましょう。大丈夫よ、富竹だって薬を持ってるんだし……)
「うわああああwwwwwトミーwwwwww!!」
こっちが真面目な話をしてるのに、本当にニートさんは……
「誰か来たwwwwww」
えっ!?
見ると、本当に人が歩いてくる。
私とそう、背格好は変わらない、頭に角みたいなアクセサリーをつけた女の子だ。
「おい、そこの人間。こっちに誰か来なかったか?」
「いいや、来てないけど……誰か探してるのかい?」
「ああ、青いツナギのいい男だ。下半身を露出してるかもしれない」
へ……変態じゃないですかそれーーー!!!!
「うはwwwwなんという変態wwww俺を遥かに超えているwwww」
確かに、まだ富竹さんとニートさんの方がマシというものだ。
「なんだ、お前もホモって奴なのか?」
「へwwwwwww?」
「変態なんだろう? でも、お前はあいつが気に入るとは思えないな。そっちの男は別だが」
……なんだろう。すごく、恐ろしい話をしている気がする。
「は、ははは。そ、その人って、下半身を出して、どうするんだい?」
「恥ずかしいこと聞くなよ……みんなする事だ。男限定だけどな」
「ガチホモwwwww掘る前に掘られるwwwww」
お尻を押さえる二人。うう、なんとなくわかっちゃった。
「ねえ……」
「五月蝿いぞ巨乳女。ピーピー喚くな」
なっ!? と絶句するハルヒさん。さっきまで普通だったのにどうして……
「この巨乳め。この小さな百鬼夜行、
伊吹萃香の前で調子に乗るようなら、どうなるか思い知らせて……」
「んwwww伊吹萃香?wwwwお前もしかして、紫の友達かwwww?」
「うん? もしかして人間、紫の知り合いなの?」
無駄に広いニートさんの人脈がまた発揮されてるらしい。
「紫は俺の部下wwwwスキマからパソコンを出してもらうくらいの仲wwww」
「紫が部下? とても信じられないけど……神隠しの主犯なんか部下にしても、後ろから食べられるだけだと思うよ?」
珍しく話が通じている。これは、仲良くできるかもしれない。
「ハルヒさん、ちょっと話してきてみます」
「気をつけなさいよ。私と違って、敵意むき出しじゃないけど……なんなのよ」
近寄って、その角が本物のようだとわかった。ロボット、なのだろうか?
「あの、萃香さん、でしたよね。私達、街に行って、殺し合いに乗ってない人たちと合流するつもりです。良ければ萃香さんも一緒に来ませんか?」
「あーはっはっは! そうか、町で宴会の準備をしてくれてたのか」
宴会? 何のことを言ってるのか、わからない。
「わざわざ獲物の場所を教えてくれるなんて、いい幼女じゃないか」
宴会―――獲物?―――まさか―――!?
「ちょwwwwお前はまさかwwww」
「まさかも何もあるか。この宴会場に呼ばれたからには、ルール厳守は当然だろう?」
最悪だ……てっきりゲームには乗ってないものとばかり……
「そういえば巨乳女。お前、さっき死んだ女と同じ服だな……仲間だったのか?」
「同じ服って……まさか、かがみってのを殺したのは……!」
「いいや、普通の胸で聞き分けが良かったからな。見逃しても良かったんだが、連れの妖怪に殺されたみたいだな」
連れの妖怪って……ロックの言ってた、
ゴマモンって動物のこと?
「今ごろ、止めに入った男達と、あの妖怪のどっちかが死んでる頃かもね」
ロックが集めた仲間が……どんどん、死んでいく……?
「さて、それじゃあ御喋りはここまで。後は宴会を始めるとしようか」
「ちょwwww待てwwww紫のダチのよしみで見逃してくれwwww」
命乞いを始めたニートさん。やっぱりこの人は、自分以外はどうでもいいんだ。
「そうだな……よし、お前と幼女は持ち帰ってやろう」
「えっ?」
私も……なんで、どうして?
「巨乳はみんな倒すし、そっちの男は強そうで戦い甲斐がありそうだからな。お前は阿部へのお土産。幼女は仲間だから見逃そう」
なんだろう、仲間って……どうしよう、逃げようにも近寄りすぎたみたい。
「うんうん、中々につるぺただねえ。真は惜しかったが、今度はお持ち帰りと行こうか」
お持ち帰りって……待って、良く考えよう。
たしか……ニートさんは、阿部って変態の人の為にお持ち帰りするって言ってたよね。
つまり、つまり……私をお持ち帰りするっていうことは……
この人も……逆の変態さんなんだ。
「その小ささといい、形といい、胸の締まり具合……最高だ」
「うはwwwwなんというエロスwwww」
「おお、解るかこの真髄が!」
「もちろんwww大きいから良い訳じゃない、小さいから悪いわけがないwwww」
ハ、ハルヒさんを殺そうとしてる人と、何意思の疎通してるんですか!
でも、どうやらこの人は、私たちを殺すつもりはないらしい。
そうだ、この隙に逃げてくれてれば……
バンッ!
「ひゃ……!?」
何かが爆発した、そう思ってしゃがみ込んだ。
でも、それはもっと残酷な現実で
「……どういうつもりだ、ガタイの良い人間。仲間に鉄砲撃つような奴は、あまり好きにはなれないね」
「富竹……さん?」
富竹さんが、私に向けて銃を撃ったという真実が、そこにはあった。
「トミー、どういうつもりだ!」
ニートさんが、珍しく笑いを含まない声で怒鳴る。
その富竹さんの腕には、ぐったりとしたハルヒさんが掴まれている。
「は、ハルヒさん!?」
「ハルヒちゃんは、スタンガンで眠ってもらったよ。説明が面倒だからね」
裏切り者? 理解できない……でも、その意味はわからずとも、わかることはあった。
(雛見沢、症候群?)
「初めに妙だと思ったのは、みんなして僕にC-120を打とうとした時だ。
確かに、この症状は雛見沢症候群に近い。打ったほうがいいと言うはずさ」
なんだ、理解している……でも、ならどうして……
「これが、本当に自然に発生した症状ならね」
「おいwwwwなに言ってんだwwww」
「思い出すんだ、ニート君。僕らは、ロールちゃんに気絶させられた……その時に、何か投与されたんだ」
大樹での話をしているのだとわかった。でも、何かがおかしい……私に?
「ちょっと待てwwwwトミーはハルヒに蹴られたんだろwwww」
「ハルヒちゃんは仲間だ。そんなことはしないよ」
勘違い……じゃない。富竹さんの中では、私が二人を気絶させたことに「なっている」?
「ロールちゃん、君は僕が気絶しているときに、何かを仕掛けたんだろう?
そして、僕にC-120を打つように仕向けた。僕をおかしくするために!」
「違います! 私、ニートさんをほうきで突いてましたけど、それしか……」
再び銃声。
それは私には届かない。半透明の壁が、銃弾を防いでいた。
「二度も狙うなんて、本当に殺す気らしいな。私の獲物に手を出すんじゃないよ」
守ってくれたのは、隣の角の少女らしい。どうしてだろう。
「やっぱりグルか。だとすると、山に行った面子もそうなんだね。そもそも、
エアーマンの話は全部彼らから聞いただけ。君達は
ムスカの仲間だったんだな」
「よくわからないが、私はちょっとした気まぐれで幼女を保護することに決めてるだけだ」
ええ、何その理由!? そ、そんなことより、富竹さんの目が、完全に正気じゃない。
「ニート君のことを、ソウルブラザーと思っていた自分が馬鹿みたいだよ。
君は主催者が送り込んだ刺客の一人なんだろう?
八意永琳、
ロックマン、遊戯君にロールちゃん。
それと、
スパイダーマン、エアーマン、ムスカ、その角の少女に阿部……参加者の1/7以上が刺客……
初めから僕らを殺す気で、優勝させる気は無いみたいだね」
一瞬のやり取りの間で……ニートさんのことも、敵と認識しているらしい。
おそらく、ニートさんが自分の意見を信じていないから。
「やべえwwww完全発症wwww」
薬を打たないと……そう思っても、その薬を持っているのは富竹さんだから、どうしようもない。
「ここは逃げさせてもらうよ。ハルヒちゃんを守らないと行けないからね」
「待って、富竹さん!」
「トミーwwww落ち着けwwww」
「さっぱりわからないが、逃がすとでも思ってるのか?」
私達の声を無視して、富竹さんは動く。
「富竹フラッシュ!!」
視界が光に包まれ、銃声が響く。
あ……
衝撃が、私を襲った。
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「うわあああwwww!肩がwwww!」
撃ち貫かれたwwww中国で矢が刺さった時より痛いwwww
トミーが居ないしwwww最悪にもほどがあるwwww
やっべえ、完全にトミーが壊れちまった。
さて、こっちはどうすんべwwww……え?
「ロールちゃん!」
ロールちゃんが倒れてる、これはシリアスにヤバイ!
「大丈夫か、しっかりしろ!」
「くそ、あいつ……大丈夫か幼女……って、なんだ?」
ロールちゃんの腕に穴が開いている。
そこからバチバチと、火花が上がっている。
「だ、大丈夫です。磁力関節が駄目になって、腕は動かないですけど……」
「人間じゃなかったのか。ということは、成長しない幼女か、これはいい」
目を輝かせているつるぺた。これはヤバイwww
「ちょっと待てwwwwロールちゃんはお持ち帰るのは俺だwwww」
「なんだ、邪魔するのか? お前もお持ち帰るから、一緒だろう?」
「いいや、俺が持ち帰るwwwwついでに萃香ちゃんもお持ちかえってロリハーレムwwww」
ニヤっと、萃香ちゃんが笑った。あれ、地雷踏んだかwwww
「この私をお持ち帰る? 人間が鬼を攫うというの? これはとんだ人間がいたものだ!」
何がおかしいwwwwちょっとやな予感がするぞwwww
「それは、私に勝負を挑むということ。鬼との勝負に負ければ、その腸を引き裂かれてもしかたないというのに」
「おまwwwwちょっと自重しろwwww」
「自重するのは人間、お前だよ。紫の友人だろうと、勝負を挑んでくる人間を倒すのが鬼の生き方。今なら適正を許してやるぞ」
やっべ、これは死亡フラグwwwwここは俺の絶技、DOGEZAを使うしかないwwww
「ニートさん、怪我してるじゃないですか。ここは、逆らわない方が……」
「よっしゃwwww勝負すんべwwww」
やめたwwww信頼度上昇チャンスを逃すわけには行かないwwww
これくらいの怪我なら中国で自重しなかった時に何度もしてるしwwww
「度胸だけは一人前だな。それで、どうする? この世界のルールに則って、殺しあうか?」
「馬鹿やろwwww俺が勝てるかwwww他のだ他のwwww」
何かないか、死ななそうな勝負方法wwww
「他に何がある。30秒待ってやるから考えろ」
無理言うなwwwwえーりん、えーりん、助けてえーりんwwww
「ん、えーりん?」
「蓬莱人がどうした。で、思いついたのか?」
「おkwwwwじゃあ弾幕ごっこwwww」
萃香ちゃんが笑ったwwww地雷原突破成功wwww?
BGM. 御伽の国の鬼が島 ~ Missing Power ~
「本当に恐れ入ったよ……自分から、こっちの得意分野を選んでくれるとは思わなかった」
アッー!wwwwBADENDルートに突入してたwwww
「こうなったらwwwwロールちゃん、マネキンの腕貸してwwww」
「はッ、はい!」
「……ちょっと待て。お前、それしか武器がないのか? 弾幕張れるのか?」
「うはwwwwこれは盲点wwww」
頭を抱えているwwww俺のクオリティに怖気づいたに違いないwwww
「……その度胸に免じて、ハンデをやるよ。
私のディパックだ、受け取れ。鉄砲とか入ってるから、せめて弾幕張ってくれ。
弱い者は弱いなりに、死に花を咲かせて閻魔への土産話にするんだな」
ごっこだって言ったのにwwwwこれ死なないんじゃなかったのかwwww
(死ぬときは死にます)
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遊戯とロックマンの二人は、順調に山へと向かっていた。
向かいながら二人が話す会話の内容は、山で何を仕掛けてくるのかだった。
「エアーマンの弱点は、リーフシールドのような草木……山なら、森のような失態は繰り返さないだろうからね」
「それが第一の理由として……奴らが、おそらく仕掛けてくるだろう罠を、予測したいところだな」
先に待ち構えているということは、間違いなく有利になるよう手を打っているはず。
「そうだね、支給品で考えてみようか。考え付くのは、普通の火器や刃物、僕の特殊武器のような特殊な武器、遊戯君のカードくらいだけど」
「エアーマンは単独でも強い。何か強化策を取るか、もしくは一緒に居るムスカに強い武器を持たせるか……」
「狙撃銃の類で狙われる可能性があるのは怖いね。エアーマンは、製作者のワイリーと違って、卑怯なタイプではないけど……問題はムスカみたいだ」
エアーマンは、もちろん強いわけだが、正攻法で来るだろうから対処は出来る。
「ムスカは、卑怯な手を使うだろう。姿が見えなければ特に注意する必要がある」
そうだね、とロックマンは頷き、二人は山へと足を速める。
「……ォォォォォォォォォォォォ……」
『もう一人の僕……今、何か聞こえなかった?』
「いや、特に何も……ロックマン、何か聞こえたか?」
「何か? 何かって一体……」
「……コォォォォォォォォォ……」
「……聞こえた。獣の鳴き声みたいな声だ」
「俺にも今度は聞こえたぜ。山に狼でも居るのか?」
どんどん、その声は大きくなる。
「イイオトコオオオォォォォォォォ!!!」
「「うわああああああああああああああああああ!?」」
ものすごい跳躍で、変態がやってきた。
「ミィィィツゥケェエェェタァァァア!!」
この時、たまたまこの光景を見かけたレッドベジーモンはこう語る。
「少なくともあの瞬間、あいつに勝てる奴はいなかった」と
「YA★RA★NA★IKA!!」
「ロロロロロックバスター!!!」
話し合いとかは無駄と考えなくてもわかった。
ロックバスターが弾幕を、蜘蛛のようにかわす変態。
「オマエハアトデェェェェ!!」
「なっッ―――ティウンンン!?」
「ロックマーーーーン!!」
大砲の直撃を受けたかのように吹っ飛ぶロックマン。
「レ、レッド」
「ツカマエエエタアァァ!!」
「アッー!」
遊戯の背後を変態が取る。
「ケツニションベン!!ケツニションベン!!」
「うわあああああ!! ハナ……HA☆NA☆SE!!」
やられる。それを目前に冷静な思考などできるはずがない。
遊戯は何とか逃れようと取った行動、それは……
「えっ……ちょ、もう一人の僕!?」
入れ替わった。
「フシュシュルシュル……」
「そ、そんな……うわあああああ!?」
終わった。後は最期のときを待つのみ。
だが、それはいつまで経っても訪れなかった。
「う……ううう~……」
ホモは、いつの間にか遊戯から離れ、泣き崩れている。
「ぐう……だ、大丈夫かい、遊戯君」
「ロックマン、君こそ大丈夫?」
よろよろと歩くロックマンは、派手に飛んだ割に大したダメージを負ってはいなかった。
「う~~ううう……あんまりだ……あァァァんまりだァァアァ!!!」
泣き叫ぶホモが一人……二人は対応に困った。
「あの……何がしたかったんですか?」
「犯したかった」
直球だった。身を退く二人。
「イイ男を見れば……元通りになるって、信じてたのに!!」
絶望の涙を流すホモ。
「……信じてたって、何を?」
「勃つことに決まってるだろう!!!」
阿部は、頭に受けたダメージが原因で、勃たなくなっていた。
「うおおおお!!どうして勃たないんだ!? そんなんじゃ一生勃てないぞ! 俺の息子の甘えん坊!!恐がり!意気地なし!俺もう知らない!」
すごく関わりたくない人が完成しつつあった。
「行こうか……」
「そうだね……」
二人が歩き出した後も、阿部は泣いていた。
『
AIBO……その、さっきのことだが……』
(……ごめん、ちょっと今は話したくないんだ)
『……わかった』
闇遊戯が黙っても、遊戯の心は晴れなかった。
裏切られたと感じた。
もし、あの男が正常だったら、どうなっていたか想像もしたくない。
それなのに、闇遊戯は自分の身を守るために、AIBOを生贄にしようとしたのだ。
絶対の信頼に、ほんの少し入ったヒビ。
そのヒビは、広がるのか、塞がるのか。
【C-3 山道手前/一日目・午後】
【ロックマン@ロックマン2】
[状態]:左腕大破。軽いダメージ、記憶は最新だが機体性能は2時点のもの、SOS団名誉団員
[装備]:ロックバスター(右手で問題なく使用可能)
[道具]:支給品一式、テニスボール、XBOX360、ピーピーマックス
[思考・状況]
1.遊戯と協力してC-3にいると思われるエアーマンを倒す、ムスカもいるならそちらも倒す。
2.支給品では心もとないので武器とエネルギー回復アイテムが欲しい
3.エアーマンを倒す武器(できればリーフシールド)が欲しい。
4.仲間の友達を見つけたい。
5.エアーマンを倒したらE-4の塔でロールちゃんやスパイダーマン達と合流する
※XBOX360は20Gのハードディスクとして認識。中身を見る手段はまだありません
※ロックマンは自分自身の性能を正しく認識しました。
【
武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:健康、中度の精神疲労、SOS団名誉団員、gthmへの恐怖心
[装備]:千年パズル(初期装備)、テニスのラケット、DMカード(真紅眼の黒竜、プチモス、カタパルト・タートル)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(真紅眼の黒竜以外24時間使用不可)
[道具]:支給品一式*2、雛見沢症候群治療セット2日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に
[思考・状況]
1.酷いよ、もう一人の僕……
2.ロックマンと協力してC-3にいると思われるエアーマンを倒す、ムスカもいるようならそちらも倒す。
3.海馬と仲間の友達を見つけたい
4.ゲームを終わらせ、主催者を倒す
5.エアーマンを倒したらE-4の塔で仲間達と合流する
6.あの夢についての情報を得る。
【闇遊戯の思考】
1:すまない、AIBO……
2:エアーマンを倒そう
3:ロックマンと行動を共にする
4:海馬と、仲間の友達を見つけたい。
5:このくだらないゲームを破壊し、主催者に闇の罰ゲームをかける
誰もいなくなった道で、阿部はようやく落ち着いた。
「泣いて騒いだら、少しは落ち着いたかもな……」
萃香ともはぐれてしまい、男を食べようにも息子は冬眠。
「性交のプロ、偉大なる勇者とも呼ばれた、グレート魔人棒が、こんなことに……」
どうすればいいのか途方にくれていた。
「さっきのイイ男たち、山に行ったのか」
途中で来た二人のイイ男も、山から来たなと思い返す。
「あの子は若くて締まりが良さそうだった。あそこまでしておいて、食べずにはいられない」
あっちのロボット君?も、違ったプレイを楽しめるはずだというのに……
追いかければ、治ったときに速攻で食べれるはずだ。
それに、山にはまだ見ぬイイ男や、あの鰐だっているかもしれない。
「もっとイイ男を見れば……治らないだろうか」
あの二人を追ってみよう。
自分の命を取り戻すために、ガチホモは山を目指した。
【C-3 道路/一日目・午後】
【
阿部高和@くそみそテクニック】
[状態]:右腕骨折、頭部打撲、全身打撲、体力中回復、息子不通による絶望
[装備]:時計型麻酔銃(現在針は装着されていません。予備針残り1本)@名探偵コナン
[道具]:なし
[思考・状況]
1.絶望したッ!勃たない息子に絶望した!
2.遊戯を追って山へ行くことで、息子を目覚めさせる。
保留【3.ネット環境を確保するため、町を目指す 】
保留【4.強い、いい男を食う。死ななかったらお持ち帰り保留】
保留【5.弱い、いい男を(多分)保護。参加者が減り、成長したら食う 】
6.勃ったら、ソウルフレンド萃香を探す。
7.萃香の獲物には手を出さない。(非常時は別)
8.見つかれば主催者でも食っちまうんだぜ
9.最悪、勃たないようなら優勝して治してもらうことも考える。
※リヴァイアモンからのダメージ(主に頭部)の影響で、勃たなくなりました。
阿部さんは勃たないことだけにしか気が回っていませんが、脳にダメージがある可能性があります。
そのせいか、暴走しやすくなっているようです。
もう一度、同等の衝撃を与えれば勃つかもしれませんが、死ぬかもしれません。
勃つまでイイ男集めは中止します。
最終更新:2010年03月18日 11:36