青の炎Ⅱ ~フタエノバトルアッー!(前編)~ ◆jVERyrq1dU




「さっすがなのサ!レムーちゃん! カービィもナイスサポートなのサ!」
「気安く呼ばないで!」
「ぽよ~~!」

クッパ城に備え付けられている大ホールで、マルク、霊夢、カービィが死闘を演じていた。
一進一退の攻防。正直マルクはもっと簡単に勝てると踏んでいた。自身の持つ能力に加え、フランの能力などが合わさった最強のボディ。
負けるわけがない。演出のためにカービィと霊夢を少し痛めつけてやろうと思っていたのだが、二人は意外に強い。

(思ったより戦えるようで安心なのサ。これなら自然に『負けてやる』のも難しくないのサ)

戦闘が始まった頃、マルクはかなり手を抜かないと対主催が死んでしまう、と考えていた。
もう残り人数は七人。もうそこまで減らす必要はない。ここまで生き残った参加者達に、視聴者は感情移入しまくっているはずだ。
だからここでさらに死人を出すのは悪手かもしれない。視聴者をこれ以上なく鬱にさせてしまえば、『娯楽』とは呼べない。
もう血みどろのバトルロワイアルは終了しているのだ。
後は最後の仕上げ、最高の娯楽作品として仕上げるために、対主催達には出来るだけ生存して貰わなければならない。

(案外楽に負けてやれる。霊夢もカービィも……ほんと強いのサ。レナ達が駆け付けたらもっともっと手強くなるんだろうね~)

「あっぶね」
ぎりぎりのところで霊夢の弾幕を避け、マルクが不敵に笑う。
カービィの四つ目のコピー能力、ジェットの必殺技、ジェットクラッカーが猛スピードでマルクを襲う。
マルクは避けきれなかった。クラッカーはマルクの服を引き千切り、腕を負傷させる。

「嘘……!?」
2人の予想外の強さにマルクは驚嘆する。
「何が嘘よ!私達をこんな面倒臭い事に巻き込んだ罰よ!あんただけは絶対に許さないわ!」
霊夢の弾幕がマルクを覆い囲む。逃げ場はない。マルクは一瞬の判断で弾幕が薄い所に自ら飛び込み、最小限のダメージで弾幕群から脱出する。

「くそぉ……!」
「ぽよッ!」
だがマルクに休む暇はなかった。弾幕から脱出した直後、コピー能力ストーンで、巨石と化したカービィが降って来たのだ。
「ぐえぁッ」
ストーンはマルクに直撃し、盛大な音を響かせてマルクは墜落した。

「やった!」
霊夢は落ちたマルクにゆっくりと接近する。今のは相当のダメージになったはずである。
カービィがストーンから普通の状態に戻る。霊夢に向かってガッツポーズをとる。
霊夢は笑ってそれに答え、ゆっくりと着陸した。

「カービィ……マルクの奴、死んだの?」
「さあ……きぜつしただけかも」
マルクは間抜けな表情で、ぴくりとも動かない。これが、こんなのが、本当に今まで自分達に殺し合いを強いてきた主催者なのだろうか。
「カービィ、止め刺そうか」

霊夢がレイハを構え、マルクに向ける。なんとも言えない気分だ。
勝つか負けるか、マルクの力量によっては死ぬかもしれない戦いだったのだ。
そんな大一番、ラスボスとの戦いがこんなにあっさりけりが着いてしまうなんて……

「こんな小物が私達を殺し合わせていたなんて こいつのせいでヨッシーや海馬や……魔理沙が」
激昂する。なんとも空しい事だ。マルクは強くなかった張り合いがない。
霊夢の最後の攻撃────

「待て!霊夢!殺しては駄目だッ!」
ホールに突然叫び声が響いた。ピエモンである。見ると遊戯とつかさもホールに飛び込んできていた。
ピエモンの言葉に、霊夢はさらに興奮する。

あのピエロは、マルクが死ぬのを嫌がっているのだろうか。
やはり奴はマルクを裏切ったふりをしただけだったのだろうか。
とにかく、仲間達の仇であるマルクを「殺すな」などというピエモンの気持ちが、霊夢には理解できない。

「嫌よ。私にはヨッシー達の仇を討つ権利があるわ。止めろって言われても止めない」
レイハをマルクの腹に押し当てる。

「違う霊夢!そんな次元の話をしているんじゃあない!マルクからドラグーンパーツがある場所を聞かなければ、我々は脱出できないのだ!」
ピエモンは力説する。遊戯とつかさも霊夢に殺すなと叫んだ。
「ピエモンの言ってることは本当だよ!僕が虐めて本当かどうか確かめたんだから間違いないッ!」
「その通り!本当の事なんだ!」

力説する三人を見て、霊夢とカービィは目を丸くした。
何故かと言うと、マルクにパーツがある場所を聞く必要なんてないからだ。マルクが持っているのだから。

「パーツなら、マルクが持ってるわよ」
「え!? あ、いや、最後のパーツの場所は知らないだろう?」
「そんなもの殺した後にゆっくり探せば済む事じゃない。
 最初のパーツは隠し部屋に隠してあったけど、簡単に見つかったんだから大丈夫なはずよ」
霊夢が淡々と答える。ピエモンは沈黙してしまった。
遊戯はピエモンを睨みつけている。

「お前、自力で見つけるのは不可能とか言ってなかったっけ?」
「……ちょっと、うっかりしてて……」
遊戯に睨まれてしゅんとなるピエモン。霊夢は気を取り直し、マルクにレイハを向ける。

「ま、待てッ!そうだ!そういえばだな!!」
ピエモンが再び霊夢を静止させる。
「何よ!?」
霊夢が凄む。まごまごして、なかなか話そうとはしない。

「あんたまさか……また裏切ったんじゃないでしょうね?」
「違うッ!そうじゃない!だ、だからな……」
しばらく口を閉じ、やがて思い出したかのように話し始めた。

「もっと残酷に殺そう!色々と準備して!ただ殺すだけでは生ぬるい!そうだろうが!?」

対主催を主催者を心底憎んでいるに違いない。だからこの提案は受け入れられるはずだ。
ピエモンは力を込めて、主張する。だが、帰ってくるのは沈黙のみ。
遊戯もつかさも霊夢もカービィも、あれこれ残虐な趣向を語るピエモンにドン引きしていた。

「あ……いやなら……別にいいけど……」
「……もう普通に殺すからね」
「なぁにこのgdgd」

三度レイハをマルクに向ける霊夢。集中し、攻撃を放つ。しかし──

「ぶわっ!」

マルクが突然目覚め、羽を広げて飛びあがった。やはり気絶していただけだったようだ。

「ピエモン……それに遊戯とつかさも」
ふらふらと空中を浮遊しながらマルクはぽつりと呟く。
「マルク! よくも私を裏切ってくれたな……よくもアイスデビモンを騙してくれたな……!」
ピエモンはマルクを思いきり睨みつける。マルクは溜息を吐いた。
「何呆れているんだ!? 見て分かると思うが、私は対主催になった! 今から貴様を殺してやるから覚悟しろ!」


「君は……ほんとにアホなのサ……アイスデビモン隊長の気持ちも知らないでサ」


マルクが一瞬だけ見せた悲しみの表情。この時、ピエモンの心は大きく揺さぶられた。
なんとも言えない背徳心を感じてしまう。

「……黙れ。私の右腕、アイスデビモンを利用した事、万死に値する……!」
「勝手にしろぉ! ピエモンなんかピエモンなんか、勝手に勘違いして勝手に死んで、そんであの世でアイスデビモンに呆れられたらいいのサ!
 生憎だけどボクにはピエモンの誤解を解く気なんてないのサ! 面倒臭いし、対主催の相手をするだけで精一杯なのサ!
 ボクを殺したいならかかってくるがいいのサ!その時は────」

マルクが滑空し、霊夢達に向かって突進する。

「みんな散って! もう!また初めからになったじゃないッ!」
霊夢が愚痴を零しつつ、指示を飛ばした。

「その時は────殺してやるのサ!」
「望むところだマルク!」


一度気絶させられたマルク。もはや彼女には余裕など全くなかった。
対主催の戦闘能力は想像以上だった。マルクの計算では、残った対主催全員を相手にしても、簡単に勝てるはずだったのだが、そうではなかった。
『負けなければならない』マルクにとって、対主催の強さは喜ぶべき事なのだが、どうにもつまらない。
ラスボスバトルは盛り上がらなければならないからだ。ラスボスであるマルクがあっさりやられてしまったら、盛り上がるはずがない。

だからマルクは気合を入れる。無茶をする。無謀な攻撃を仕掛ける。
もはや見た目にすら拘っていなかった。可愛らしい少女の外見は掻き消え、元のピエロの姿が見え隠れしている。
フランの力だけではなく、マルク本来の力もフルに使う。外見が醜くなってしまうかもしれないが構わない。
全てはニコロワのクライマックスを盛り上げるため。対主催を引きたてるため。
ニコニコ動画で人気の悪役になるため────

「さあ、レナも日吉もKASもさっさと駆けつけるのサ!全員殺してやるから覚悟しろ!」

遊戯がパキパキと指を鳴らす。つかさが怪訝な様子で遊戯を見つめる。
遊戯の様子がおかしい。何か雰囲気が変わったような気がする……。

「遊戯くん……?」
「つかさ。俺だ。相棒の心の中に居るもう一人の人格。荒事は俺の方が向いてるから出てきたんだ。以前会っただろ?」
「あっ!」
つかさは驚き、そして咄嗟に頭を下げた。ああ、私はこの人にも悪い事をしたんだった。
それにしても、私はいったいどれだけの人に迷惑をかけたのだろう。
あまりに大きな罪を私は犯したのだ。薄ら寒い思いがする。

「謝る必要なんかないぜ。お前の気持ちぐらい、察してるぜ」
「でも……」
「つかさ────」

遊戯はつかさの肩に手をあて、彼女の目を正面から見つめた。


こいつはもう大丈夫だ。あの頃の『弱い』あいつじゃない。
精神的に、強くなった。

「許すッ!」
遊戯はつかさの肩を元気よく叩く。
「後はあの蟲野郎唯一人だ。行くぜつかさ!!」

遊戯はつかさを一切責めたりしなかった。ただ一言「許す」と。その事がつかさの心を何よりも癒す。

「行くぜつかさ!!!」
遊戯はカタパルト・タートルを召喚する。
つかさはしばらく沈黙した後、叫んだ。

「言われるまでもないよッ!!」
笛、そしてiPodを取り出し、戦闘態勢に入る。

マルクの口が大きく開く。マルク本来の必殺技、ブラックホールである。
その口に吸い込まれたものは、ズタズタに引き裂かれ、大ダメージを負ってしまう。

「皆、どこかに掴まるんだ!」
遊戯が叫ぶ。皆が皆、その声に素早く反応し、マルクの吸い込みに耐える。

カービィがマルクの口に向かってボムを放り込む。爆発し、よろめくマルク。それを皮切りに、対主催達の反撃が始まる。
まずは霊夢の弾幕がよろめくマルクに追い打ちをかける。
マルクはワープを使いかろうじて弾幕を避けたが、対主催の包囲網は、ごく僅かな距離しか移動できないマルクのワープでは逃れようがなかった。
遊戯のカタパルト・タートルの攻撃が、ワープ直後のマルクに直撃する。

マルクは負けじと、再び口を開き、地上に向かって衝撃波を放った。
空を飛び回れる霊夢とカービィは難なく避けられるだろう。
幼女で大けがを負っているピエモンも、何とか人外の運動能力を生かして、ジャンプで避けきれるだろう。
しかし、遊戯とつかさは避けようがない。衝撃波の威力は相当なものだ。直撃すれば、ただの人間である遊戯とつかさは死んでしまうに違いない。

(やりすぎたか……!?いやしかし二人なら)
衝撃波を放った直後、マルクは少しだけ後悔する。このままでは遊戯とつかさが死んでしまう。
個人的な考えではクライマックスにそれはいけない。ニコ厨であるマルクの好みではない。
二人くらいなら大丈夫かもしれないが、もしかしたらニコロワ動画がランク一位にならないかも。

衝撃波が当たる直前、霊夢はつかさを、カービィはジェットの能力を用いて遊戯を、それぞれ持ち上げ空中へと避難させる。

「たすかったぜ」
「ぽよぉーーーーーーーー!!!」
「ちょ!?」
カービィは遊戯を持ち上げたまま、ジェットで一気にマルクへと接近する。
遊戯は恐怖で気を失いそうになったが、頭の裏で相棒が「気を失ったら千年パズルを破壊する」などと言ったおかげでなんとか踏みとどまる事が出来た。

衝撃波を放った後のマルクは無防備だった。ジェットの攻撃をもろに受け、
遊戯が召喚した二匹目のモンスター、プチモスにも攻撃され、そしてとどめに

「ぐえぁっ」
ストーンカービィが再びクリーンヒットし、マルクはまたもや盛大な音を立てて墜落した。

「まだまだ……これからなのサ。お前ら……予想外に強くてわくわくするのサ」
今度のマルクは気絶しなかった。カービィを撥ね退け、至る所から血を流しながら立ち上がる。

「勿論よ。まだまだこれからなんだから」
「その通りだ。俺達のバトルフェイズはまだ終了してないぜ」
「まだまだ、死んでいったみんなの分が、残ってる!」
「ぽよッ!」

挑発に力強く答える対主催達を見て、マルクはどこか薄ら寒い心地になった。
こいつらは予想外に、圧倒的に強くなっている。皆を殺された恨みか、結束というやつのおかげなのか……
理由はよく分からないが、こいつら6人の間になんらかの化学反応が起こり、戦闘能力が飛躍的にアップしているのだろう。
結束か……憎しみか……おそらくは何らかの強い感情が連中を奮い立たせているのだ。
いくらマルクに殺す気がないとはいえ、これほどまでに歯が立たないとは思ってもみなかった。

だがしかし、ここでくじける訳にはいかない。まだ満足な攻防は出来ていない。
楽しく、面白く、最高のエンターテインメントを完成させるためだ。
だからマルクは笑う。元気いっぱいの対主催達を見て、けたけたと挑発するように笑う。
正直に言うと、マルクの肉体はすでに限界に近い。始めて経験するような絶大な痛みがマルクの全身を襲う。

(対主催達をなるべく殺さない。名バトルを演じる。両方こなさなきゃならないってところが、ラスボスのつらいところなのサ)
「望むところなのサ! ボクはまだ本気の50%しか出してないから覚悟しろ!」

「うえええええ!?」
(バカ!マルクの強がりに決まってるだろ!)

マルクの発言に遊戯だけが驚き、他の者達は冷静そのものだ。
奴らは気づいているのだろう。ボクがただ強がっているという事に。
こんな情けない強がりを言うなんて、ボクはラスボスに向いてないのかもしれない。

「うっ……!」
体が何故か突然重くなる。見るとつかさが笛を吹いている。確かあれは、対象の攻撃力を低下させる『夕焼け小焼け』だ。
ここにきて弱体化か……まだ全然名バトルになっていないのに……! 思い通りに事が進まないマルクは悔しさで下唇を噛みしめる。
「そ、そんなもんきかんのサァァーーーーーーーーーッッ!!」
つかさに向かって疾走するマルク。しかし、そこに新たに立ちふさがる者2名。

何者かの蹴りと、何者かの斬撃がマルクに直撃した。マルクはその衝撃で地面に叩きつけられる。
そう、奴らが来たのだ。霊夢と同じく、対主催の中でトップクラスの戦力を持つ2人。

「「待たせたなッ!!」」
「日吉ッ! レナッ!」
霊夢や遊戯達が二人の合流を喜ぶ。

「いこうみんな! 今こそ打開の時ッッ!!」
「「「「「おおッ!」」」」」
レナの号令に皆が反応する。

「こっちだってなあ! 簡単に負けるわけにはいかないのサ!!」
マルクが立ち上がる。次の瞬間、マルクに向かって六つの影が飛びかかって来た。レナと日吉が先陣を切り、霊夢とカービィは空中から、
遊戯は2体のモンスターを操り、つかさはヤンマーニを聞きながら刀を振り回して……

「これでも喰らえェェーーーーーーーーーっ!」
マルク本来が持つ細かなレーザーを発射し、フランの弾幕もフルに使用。
マルクとフランの複合弾幕が対主催に向かって放たれる。避けきれるわけがない。
しかし、弾幕はレナが思いきり投げた棺桶によって全て遮られる。

いくら弾幕が多くても、発射口は一つ。ならばその発射口を棺桶で塞いでやればいいだけの事。
レナは瞬時にそう判断し、棺桶を放り投げた。

必殺の攻撃を全弾封じ込まれたマルクに対主催達が接近する。
そして、まずは日吉の拳がマルクの顔面に、レナの鉈がマルクの肩を切り裂く。
カービィのボムがマルクを焼き、遅れて霊夢のディバインバスターがマルクを吹き飛ばす。
その後、遊戯が操る2匹のモンスターがマルクに追い打ちをかけ、最後につかさの刀がマルクの腹に突き刺さった。

「まだなのサ……」
「つかさッ!離れてッ!」
マルクの手のひらにエネルギーが溜まる。例の衝撃波だ。一人だけマルクに接近しているつかさが危ない。
霊夢は声を張り上げた。

レナは冷静に、狙撃銃の照準をマルクに合わせ、引き金を引いた。
乾いた銃声が響き、エネルギーが溜まり切ったマルクの手を消失させる。
その隙を突き、つかさがマルクから離れる。
手が消失したマルクは驚愕したが、まだレナの狙撃は終わらない。

一発、また一発、マルクに銃弾が直撃する。マルクは必死に頭のみを守り、死なないように耐え凌ぐ。
レナはきっちり引き金を5回引き、全弾マルクにヒットさせた。

ここがマルクの臨界点だった。5発目の弾丸がマルクの胸に突き刺さった瞬間、マルクの中で決定的な何かが音を立てて切れた。
もはや体力は残されていない。これではラスボスバトルなんて言えるわけがない。
殺す気なしで戦ったマルクが弱すぎたのか、色々な思いを背負っている対主催達が強すぎたのか、
分からないが、ともかくマルクは圧倒的敗北を喫しようとしている。

マルクは何かぽつぽつと呟き、地面に倒れ伏した。レナは弾の無くなった狙撃銃を捨て、再び鉈を構える。
しばらくマルクを観察してみるが、やはりぴくりとも動かない。
あの重症では当たり前の話である。自分達は勝利した。対主催の面々に、漸く『勝利』の実感が湧いてきた。

マルクの戦力が完璧に0になったのを見て、幾人かはほっと胸を撫で下ろした。
対主催の成功、どれほど待ち望んでいた事か……。

「打開か……なんかあっさりしてたな」
遊戯がぽつりと呟く。
「まだ生きてるかも知れない。皆でマルクに近づいていってみよう」
レナの提案に皆が従い、レナ、日吉、霊夢、トップクラスの戦力の持ち主たちが先頭に立ち、マルクに接近していく。

しかし、ここで和を乱す者が一人。

「マルクゥゥーーーーーーーーーーーーッッ!!」
「Bちゃんッ!」

ピエモンが倒れているマルクに飛びかかる。瀕死のマルクの胸倉を掴み、無理やり持ち上げる。
もはやマルクに反抗する力など残っていない。薄らと開かれた眼で、ピエモンを見据える。
ピエモンは視線など意に帰さず、ジャイアントスイングの要領でマルクを振り回し始める。

「おい!お前何やってんだ!」
「死ねェェーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!」
日吉の叫びを無視して、ピエモンはマルクを、ホールに備え付けられている客席に向けて放り投げた。
放り投げられたマルクの体は、大きな衝撃と共に客席に突っ込んだ。その際、客席に備え付けられている椅子を何個か粉砕する。

「Bちゃん待って!」
客席に突っ込んだマルクをさらに追いかけようとするピエモンの前にレナが立ちふさがる。
ピエモンの様子がおかしい。憎しみなのか分からないが、我を忘れている。
そう判断してのレナの行動だ。

「安心しろレナ、今更お前達が望んでいない事をするつもりはない。ただ、私はマルクに問い詰めたいんだ!
 私の大切な大切な忠臣アイスデビモンを利用しやがって……! マルクを思い切りぶん殴りたいんだ!
 問い詰めたいんだ罵りたいんだ!頼むから邪魔しないでくれ!マルクを恨んでいるのはお前達だけではないッ!」
「Bちゃんッ!!」
ジャンプしていったピエモンに対して、レナはさらに呼びかけるが、もう声は届かない。


確かにマルクへの恨みつらみを散々述べていたピエモンだったが、まさかこれほどまでとは……
レナは少しだけ驚くと共に、かすかな違和感を感じた。

「どうするんだよレナ!」
日吉が叫ぶ。冷静になれレナ、確かにピエモンにはマルクを罵る権利がある。
本当にマルクがアイスデビモンを利用したのならば、しかし実際は……
いや、遊戯君と私の推測では……マルクは────

「レナ! 俺達もマルクのところに行こう!相棒がそう言ってるんだ!」

今まで共に考え会った頭が切れる方の遊戯君はマルクのところに行けと言っているようだ。
しかし今思えば、行ったところで、何をする?ピエモンがマルクのとどめを刺すのなら……
『私達は今以上に手を汚さないまま殺し合いに終止符を打てる』
それに、もしマルクの元に駆けつけて、何かの拍子で、ピエモンの誤解(ピエモンはマルクに裏切られたと信じ込んでいる事)が解けたらどうする?
今度はピエモンと戦わなければならないかもしれない。それは困る。

手を汚さずに済むのならば……という利己的で、打算的な考えがレナを迷わせる。
客席に駆けつけない事で、ピエモンを誤解させたまま、マルクを殺させるというのは確かに卑怯な選択だろう。
だが、それが何よりも、私達にとって都合のいい選択ならば……そうするのもいいかもしれない……。
考えてみれば、ピエモンにもマルクと同等の罪がある。罰として、このまま奴に仲間を殺させるというのも……

「だからレナ! マルクのところに行かなきゃダメなんだ!もういいッ!日吉だったか!?頼むから行ってくれ!」
「黙れ!頭の切れる方の遊戯ならともかく!レナも納得できないような提案に従えるか!俺達のリーダーはレナだッ!」
「だから相棒が言ってるって────」

あの腹黒い遊戯は、自分達の手でマルクを殺したいと思っているのだろうか。
死に際というのは何が起こるか分からない。奇跡という現象は往々にして死に際に発生するのだ。
もしかしたらひょんな事でピエモンの誤解が解けるかも知れない。
遊戯はその可能性に気づいていないのか?あの頭のいい方の遊戯が?

「レナちゃんッ!確かにマルクのところに行かなきゃ駄目だよ!」
突然つかさが声を張り上げる。何か思い出したような表情だ。
レナは冷静に、遊戯やつかさの言葉を何度も咀嚼するように慎重に、先を促す。

「どうしてそう思うのかな」

「少し前からBちゃんの様子がおかしかったんだよ!このホールに行く時、わざと遠回りするし!」
それは知らなかった。
「そう言えば、私がマルクに止めを刺そうとした時、ぐだぐだ言って時間稼ぎしてた!」
そうなのか。霊夢ちゃんがそうと決めつけている可能性も否定できないけど、確かに怪しい。
「そう言えばあの野郎、戦いにも全然参加してなかったぞ!」
そう言えばそうだった。あそこまで恨んでいるならば、戦いには気合が入るはずなのに。

つかさ、霊夢、日吉が口々に言う。そうか、途中から戦いに参加した私には、気づきようがない。

「ピエモンの誤解はすでに解けているんだよッ! あいつはマルクを助けて僕達を裏切るつもりだッ!!
 このままじゃマルクは復活して、さらに敵が増える!!」

頭の切れる方の遊戯の我慢の緒が切れたのだろう。頭が悪い方の遊戯を意識の裏に追いやり、大声で結論を述べた。

「「「「「「ピエモンはまた寝返った!!」」」」」」

早くマルクのところに行かないと!
レナ、日吉、霊夢が客席へと飛ぼうとした瞬間────


「ぬわーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


ピエモンがマルクに思い切り吹っ飛ばされ、ホールの壁を突き破りどこかへ消えて行った。


…………アレ??? どういう事なの……???

 ▼ ▼ ▼

「メインコンピュータ室ってええええええええええええええ!!そんなわけないそんなわけないと言わざるを得ない!!」
KASは叫び声のようなものが聞こえてきたメインコンピュータ室の前に立ち、驚愕する。

自分はメインコンピュータ室にいるデジモンに首輪を外して貰い、仲間達を探しに出発したのだ。
それが何故またメインコンピュータ室に戻ってきてしまったのだろうか。


もしかして……俺、迷子って奴?いやいやそんなわけない!
迷子なんて馬鹿がなる奴だっていう!TASをも超える超頭脳を持つ俺が迷ったりするわけないもんッ!
というわけでさっさとレムーやレナを探しに……

「とはいえ叫び声とは気になるじゃねーかオイ!!」

何故かぼろぼろになっている扉を蹴破り、部屋の中に侵入する。
床には何かが這ったような跡がある。血痕も残ってる。

「……なんかいるみたいだなー……」

さすがのKASも緊迫にならざるを得ない。部屋のさらに奥へと、ゆっくりと歩を進める。
嫌な予感はしていた。だが、その予感が当たるわけがないと、何故か考えていた。
だって奴は死んだのだから。こんなグロイ事をする奴がいるわけがない。

「…………」

床にはエリートデジモンがズタズタに引き裂かれ、捨てられていた。
いったい誰がこんな事を……。マルクは部下にこんな残酷な処罰をする奴ではないし、KASの仲間達の中にもここまで悪趣味な奴はいない。
さらに奥に進んでいくと、恐ろしいものがKASの視界に入る。

「グロ死体の山だっていう……」
ノヴァとメインコンピュータを守護するエリート達の死体が山のように積み重ねられていた。
どの死体も損傷がひどい。狙ってやらなければここまで悲惨な死体など出来上がるわけがない。

「KAS……」
ぽつりと声が聞こえてきた。KASは辺りを見回す。聞いた事がある声だ。
「どっから言ってんだよ!」
「ここだ……静かにしてくれ……また奴が戻ってきてしまう…………」
グロ死体の山から一匹のデジモンが這い出してくる。奇遇な事に、そのデジモンは先ほどKASの首輪を外してくれたエリートだった。

「どうしてまだこんな所に居るんだ?」
「まままま迷子ちゃうわ!」
「……まあ……いい」
デジモンは血まみれの体を起こし、ふらふらとよろめきながら立ち上がる。

「どうやら奴はどこかへ行ったらしいな……危なかった……奴は俺の事を死んだと思っているんだろう……
 気絶したおかげで、殺されずに済んだみたいだ……」
「奴って誰なのかkwsk」
デジモンは少しの間考える。次第次第に顔が青ざめていく。
「分からない。訳が分からない化け物だ……HALと名乗っていた……セイバーっぽい服を着ていた……あいつはいったい何者なんだ?
 ニコニコにもあんなキャラはいない……」
恐怖に震えるデジモンをKASは心配そうに見つめる。

「お前言ってたよな。マルクたんと和解できる道はないのか?って……その化け物とは和解できそうもないのか?」
「……出来るわけがない。奴はただ純粋に楽しんでいるんだ……
 殺す事を……甚振る事を……まるで人間の子供が小さな昆虫の足をもいで楽しむかのようにな」
「…………」

デジモンはしばらく息を整え、そしてKASに向かって着いて来いと言った。
メインコンピュータ室の奥へとKASを案内する。

「やられた……やっぱりもうやられてやがる」
「ボロボロっていう……」
巨大なメインコンピュータは、すでにめちゃめちゃに食い散らかされていた。
「なんてこった……あと少しで完成だったのに……畜生!」

動画編集を司るメインコンピュータが壊された事によって、主催者の目的、ニコロワ動画の完成は不可能となった。
残すシーンはラスボスバトルのみ。マルクたんと対主催達の死闘を動画に組み込むだけだったのに……

「何が……あと少しで完成だったの?」
「…………」
KASがぽつりと問うた。デジモンはゆっくりとその疑問に答えていく。

ニコロワ動画を完成させ、ニコ動にうpする事。それがニコロワを開いた目的の一つなのだ。
さすがのKASも驚き、しばらくまともな反応を示す事は出来なかった。
デジモンは説明し終わると、つかつかとどこかへ歩いていく。一台の壊れた機械が放置されていた。

「なんてこった……」
デジモンは再び絶望する。
「一応、こういう事態に備えてパックアップを用意していたんだが、それもぶっ壊れてやがる……
 これが俺達の努力の結晶、ニコロワ動画が……」
ぽつりと呟くのをKASは複雑な面持ちで見つめる。

実を言うと、死体の山に埋もれて息を潜めていたのはエリートデジモンだけではない。
もう一匹、醜悪な化け物が息を潜めていた。勿論HALである。
メインコンピュータを食したおかげで、体が幾分落ち着いてきた。このまま時が過ぎるのを待てば完全に回復出来るだろう。

(やっぱりあれはバックアップだったのね……くひひ)
KASとデジモンを観察して、ハルヒは考える。
(それにしてもKAS、まさか閣下みたいになってまだ生きながらえているなんてね……
 あの喋り方じゃなかったら閣下が生きていると勘違いするところだったわ)

ハルヒが息を潜めていたのは、体が回復しきっていなかったからである。
あの銀色の服を装備したKASはおそらく閣下並みに強いのだろう。いくら神であろうと、飛空石が体の中で暴れ回っている状態では負けるかも知れない
そう考え、死体の中に身を潜ませ、KASを難なく殺せるくらいに体力が回復するのを待っていたのである。

(そろそろか……けひひ……KASは私に二度殺されるわけね……あのアホ頭に詰まっている脳みそは食わない方がいいでしょうね
 こっちまで頭が悪くなってしまう。くひひ)

そして、とうとうハルヒの体を、KASと充分に戦えるところまで回復した。
KASを殺して、頭以外の部分を食せば、さらに加速的スピードで回復出来るだろう。
そしてそうなったあかつきには、レナ達とピエロ達を皆殺し……

KASの味を想像しながら、野望に満ちた顔つきで、ハルヒは死体の山から這い出る。


死体の山が突如吹き飛び、何かが飛び出してきたと知覚した瞬間にはもう、全てが遅かった。
KASの腹に怪物の鉄拳が突き刺さり、シルバースキンが霧散、そしてKAS自身も轟音と共に壁に衝突した。
驚きの声を上げる間もなく、今度は自分に怪物の拳が突き刺さる。
刹那の間に怪物は俺とKASを蹂躙したのである。

「うん! 結構回復してるわね」

KASが飛んで行った方向を見ると、瓦礫に埋もれてぴくりとも動かない。
まさか、一撃で死んでしまったのか? いや、そんなはずがあるものか。
怪物はKASを心配する俺に対してにやっと笑い、壊れたメインコンピュータを撫でる。

「あんた達の努力の結晶ってやつが台無しね。くひゃひゃひゃひゃ!」
「それに……触れるな……!」
「けひひひひ…………」

「壊す前に、ほんのちょっとだけ見させてもらったわ。KASぅ、閣下が死ぬところとあんたと糞博之が敬礼するところはニコロワ屈指の笑い所ねえっ!」

その言葉はKASを刺激し、怒らせる。壁に手を吐きながら、シルバースキンを構築させながら立ち上がるKAS。
銀色の防護服により表情こそは窺えないが、KASの全身からは怒りのオーラが溢れている。

「ハルヒィィ……今度という今度こそは俺の怒りは有頂天だぞ!!なんでお前生きてんだこのカス野……タス野郎!!!」
「けひゃひゃひゃひゃ相変わらず日本語がおかしいわねえ」
ハルヒ……ハルヒなのかあの怪物は……!?全然面影がないじゃないか!

「よく頭がパーンなあんたがここまで生きていられたわね」
「頭がパッパカパーンなのはお前の方だっていう!お前死んだんじゃなかったのかよ!」
「覚えておきなさい!神が敗北するなんて、ましてや死ぬだなんて、絶対にあり得ないのよ!」
「お前なんか神じゃない!お前なんかアレだ!あの……クズ野郎だバカ!」
「だったらあんたなんかど間抜けよ!あんた明らかに人間としての知能が足りてないのよ!いい加減文明から離れて野山に戻れ!」
「うっさいこのバカ神野郎!!」
「バカ神とは何よ!私は頭も天才的な神だわこのバKAS!!」
「この野郎~~~!!!」

どちらも知能が足りていないように思えるが…………
罵り合いはしばらく続き、ハルヒよりも知恵が足らないKASが劣勢になっていく。
完璧に負けてしまう前に、KASは罵り合いを無理やり打ち切る。

「まあ俺がバカにされるのはいつもの事だけどなあ! 動画を見て死んでいったみんなを見て!
 大爆笑するのは何が何でも許さないっていうッ!!この神野郎ォォーーーーーーーーーッッ!!」
シルバースキンを再構築し、KASはハルヒへと飛びかかった。
「あんた最終的には私が神だって認めてるじゃない!」
KASの言動に突っ込みつつ、ハルヒは迎撃態勢をとる。

KASは勝てるのか?ひょっとしてKASなら。
自分達はハルヒに為すすべなくやられたが、それでもKASなら、KASならきっとなんとかしてくれる……

「ぶごぉぉっ!」
飛びかかったKASの頬に、ハルヒの右ストレートが見事に決まった。
シルバースキンが再び霧散する。もしあの防護服がなかったら即死していたかもしれない。
「まだまだァ!」
KASがまたもや飛びかかるが、結果は同じ、また手痛いダメージを受け、跳ね飛ばされる。

「ヒャハハハハハ!まだ私は何の能力も使っていないのに!そんなので私に勝てるのォッ!?」
吹っ飛んだKASをハルヒは追いかけ、また殴る。そしてまた追いかける。
KASを壁に追い詰め、どんどんどんどん殴り続ける。KASの声が次第に小さくなっていく。
「おらおらおらおらおらおらおらおら!もっといい声で泣きなさいよほら!!」
ハルヒの攻撃が蹴りに変わった。KASの腹を蹴り続ける。KASは完全にサンドバック状態だ。

「駄目だ……勝てない……」
俺は今、完璧に悟った。ハルヒはいつの間にやら、完全無欠の怪物になっていたのだ。
もはやどうする事も出来ない。俺は死の恐怖に震え、ぼこぼこにされるKASをただ見つめるだけだった。

「許さないんだ……」
「ん?」
KASが、とうとうハルヒの蹴りを受け止めた。
シルバースキンが再構築されて一瞬しか見えなかったが、KASの顔は普段の何倍にも腫れあがり、
ハルヒよりも化け物らしい見た目に変貌していた。

「お前だけは許せないんだ……閣下を虐めて……俺を助けてくれたみんなを殺して……大爆笑するお前だけは……」
「知った事か!!!」
ハルヒがKASの首根っこを掴み、持ち上げる。首を絞められたKASは苦しそうに呻く。

「ここのデジモン達は……俺を助けてくれたっていう! ハルヒ……お前はそいつらまで殺しがって……」
「ええ美味しかったわよ!ひゃはっ!」
首を絞められ苦しいのだろうか。KASが涙目になって言う。
KAS、お前は俺達の死まで、背負ってくれるのか……。

「俺は……みんなの心の中の勇者になる……TASよりハルヒより俺の方がYahoo!」

「Yahooはそういう時に使う言葉じゃないのよカス!! ヒャハハハハハハハハハハ!!」
俺はもう恐怖を感じていなかった。KASの言葉を聞きながら、俺は立ちあがり、メインコンピュータ室の出口へと全力疾走する。
ハルヒは瞬時に俺に気づいた。だが構うものか。殺すなら殺すがいい、だが俺の口は死んだあとも叫び続けるだろうさ。
誰かに向かって……届け俺の声……

「誰か助けてくれェェーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!」

俺はメインコンピュータ室の扉を開き、外に向かってはち切れんばかりの大声で叫んだ。
レナでも霊夢でも日吉でも誰でもいい。誰か助けに来てくれ。俺は別にいいからとにかくKASを助けてくれ。

「お願いだ!誰か!誰か助けてくれぇ!!!俺はいいからKASを!KASがハルヒに殺されてしまう!!」

俺は何度も何度も叫び続ける。レナ達に頼める立場ではない。むしろ憎まれる立場だ。
だが、だがしかし、KASだけは助けてやって欲しかった。殺し合いに巻き込まれた参加者だけではない。
俺達の無念まで背負ってくれるKASを死なせたくない。

「あんたも馬鹿ね」
俺の背中に何かが付着し、後方に引っ張られる。スパイダーブレスレットから発射された糸のようだ。
俺はバランスを崩し、背中から床に倒れ、ハルヒの足元まで引き寄せられた。
そしてハルヒは俺の腹を思い切り踏み潰す。俺は血反吐を撒き散らす。
ハルヒは恍惚とした表情で俺の血反吐を正面から受け止め、快感に身を震わせた。

「誰も助けに来ないんだよッッ!! 頭の悪いレナ共は私の事をまた死んだと思い込んでるわ!!くひゃははは」

俺は何度も何度も踏みつけられた。死なない程度の強さで何度も何度も。ハルヒはひたすら笑い続け、攻撃を止めようとはしない。

KASは、KASだけは生きていて欲しい。あいつは俺達の死を、本来敵であるはずの俺達の死を、本気で悲しんでくれた。
ハルヒを本気で憎んでくれた。



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最終更新:2010年03月18日 12:21