外山恒一のなく頃に 友人悲惨編 ◆0RbUzIT0To
諸君、やはりこの国は腐りきっている!
このような人殺しをゲームと言い切る道化師や正体不明の生物をのさばらせておいていいはずがなぁいッ!
仮にこの事象を見逃しているだけだとしても、それ即ち政府の怠慢という事に他ならない!
あれこれ改革だとか、そういう事を言っている甘っつぉろい段階では最早無いのだ!
しかし、それを今ここでどれだけ声を荒げて言ってみてもまるで意味は無い!
我々のような迫害された少数派が幾ら吠えたところで負け犬の遠吠えになるより他無いからだ!
ならばどうするか。
決まっている、今はただスクラップ&スクラップ!
つまり、この人殺しのゲームを壊す事のみだ!
仮にこのゲームに乗ってしまった愚かな諸君がいるとしよう!
するとどうなるか!
決まっている!奴らの思う壺なのだ!
このくだらないゲームを支えるのは諸君らという事になってしまう!
それだけはあってはならない事だ!
その為に今私が出来る事は如何にしてこのゲームを潰すか、
具体的な案を考える事に他ならない!
だが、悲しいかな私にはこれといったよい案がまるで浮かばないのだ。
問題は山積みだ。
まずは爆弾を取り付けられているというこの首輪、これを解除しなければ話にならない!
このゲームを転覆させるよい案を思い浮かんでも、奴らに見つかってしまえば我々少数派を爆弾で殺す事が出来るからだ!
つまり、この首輪を外す事がゲーム転覆の為に必要な第一歩と言って過言ではないだろう!
次に奴ら道化師と正体不明の生物がいる場所を特定する事だ!
先ほど地図を見てみたが我々少数派が集い、あの少年少女達が無惨に殺されてしまったと思われる場所が見当たらないのだ!
高見の見物を決め込んでいるのかどうかは知らないが、奴らの居場所がわからなければこのゲームを転覆させる事は出来ない!
何故ならば、仮に首輪を外してこの地図上から逃れられたとしても、奴らが追ってくる可能性があるかだ!
諸君、奴ら多数派の力を甘くみてはならない!
奴らが我々を拉致したという事実等から見て奴らの組織力・資金力・行動力は見て取れる!
例え逃げたとしても奴らの力によって連れ戻される、或いは処刑されるのは目に見えているじゃないか!
だからこそ、奴らの居場所を特定し、奴らをどうにかしなければならないのだ。
他にも問題はあるのだが……その話は長くなるから、ポスターを見てくれ。
私が差し当たって何を言いたいかというと、このゲームを転覆させるのに協力してくれる仲間が欲しいという事である!
当然だ、一人で戦ってどうする!一体何になるというのだ!
奴ら多数派に立ち向かうには、我々が共同戦線を張るしかなァいッ!
少数派の諸君!今こそ我々は手を取り合い、集うべきなのである!
む、前方の家の影に隠れ見えるのはまさしく人影ではないか!早速話しかけてみよう!
少年が役に立つか否か、そのような事は今関係ないのだ!今はとにかく、人材が欲しい!
未成年であろうが東京都以外に住んでいる人間でも構わない、協力してくれる人材が!
「少年!」
声をかけてみるものの、返事はない。
こちらを警戒しているのだろうか、それも無理は無いかもしれん。
む!?少し、様子がおかしい。
近づくにつれてわかった事だが少年は倒れている。
そして、その辺りには何かの液体のようなものが流れ落ちているではないか!
もしや、この少年は……!
「……遅かったか」
横たわる少年は血を流して死んでいた。
触れてみると冷たい事から、死後かなりの時間が経過しているのだろう。
少年を殺害した犯人は既にこの近辺から離れている可能性が高い。
しかし惨い事をするものだ。
改めて少年の姿を見てみるが、とても正視出来るような状態ではない。
私は少年に対して手の平を合わせ、瞳を閉じて静かに黙祷をする。
きっかり一分ほど黙祷をしただろうか、少年には悪いがそろそろ行くとしよう……!?
なんと……目の前に少女がいるだと!?
しかもよりによって拳銃などをこちらに向けているではないか!
黙祷する為とはいえ、瞳を閉じたのは危険だったか!
私の警戒心の無さが招いた不幸だ、致し方ない。
「動かないで……手を上げて、質問に答えて下さい」
拳銃を手に持った少女は冷淡に私に言い寄る。
むぅ、ここは素直に言う事に従ったほうがいいだろう。
すぐに私を撃たないという事は少なくとも殺人狂では無いようだしな。
「この子を殺したのはあなたですか?」
「違う。私が来た時には既に事切れていたようだった。
私は少年に対し、黙祷をしていただけだ」
「次に……
前原圭一や
園崎魅音、詩音。
北条沙都子、古手梨花という人物に出会いませんでしたか?」
「会っていない。私がここに来て出会ったのは、この少年と君だけだ」
「そうですか……では、最後の質問です。
あなたはこの殺し合いに、乗っていますか?」
「そのような事がある訳なァいッ!!」
今まで少女の質問には静かに答えていた私だが、その質問に対してだけは大声で反論をする。
今は私が、この少女に主張しなければならないからだ!
何故私がここにいるのかという事を!
「このような腐ったゲームを許していいはずが無い!
これは明らかに奴ら多数派による、我々少数派への迫害である!
少女よ、私は君の事も軽蔑している!
正確に言えばそのように拳銃を私に向ける君に対して軽蔑している!
何故ならば少女、このゲームを考え出したあの道化師と正体不明の生物はこの状況を望んでいたからである!
少女は奴らの思惑を、このくだらないゲームを支えている一員という事になるのだ!
少女、このゲームは腐っている。
今まさにこの瞬間にもこのゲームに参加させられている少数派は、心無い少数派によって殺されているかもしれない。
そう、この少年のように!
そして、それは全て奴ら多数派の望むところなのだ!
少女、奴ら多数派は我々少数派を迫害する事しか考えていない!
奴ら多数派が支配するこの世界など、もはや滅ぼす以外に無ァいッ!
殺し合いなんかやったって無駄無駄無駄だ!
望みを叶えるなどと約束をしていたが、そんな甘い話があるはずがない!
どうせ全部全て奴ら多数派の為の殺し合いじゃないか!
我々少数派はそんなものに期待はしないし、協力もしない!
我々少数派はもうこんなゲームには何も望まない。
我々少数派に残された選択肢はただ一つ。
こんなゲームはもう滅ぼすことだ。
ぶっちゃけて言えば、もはやゲーム転覆しか無ァいッ!
少女よ!君にその気があるのならば、ゲーム転覆の恐ろしい陰謀を共に進めてゆこうではないか。
答えは急ぐ必要はない、じっくり考えてくれたまえ!
勿論、未成年だからだとか特に案は無いが協力はしたいとかでも構わない」
もはや質問に対する対応ではなく、ただの説得に成り下がってしまったが構わない!
我々少数派には最早形振り構ってなどいられないのだ!
捨て身にならねば同志を得る事など出来ぬぁいッ!
「最後に一応言っておく!我々がゲームを転覆させれれば奴ら多数派はビビる!
私もビビる!」
拳を大きく前に突き出し、中指を立てて上下に動かす!
「
外山恒一に悪意の協力を外山恒一にやけっぱちの協力を!
じゃ無きゃ、最後はのたれ死ぬだけだ!
どうせ殺し合いじゃ何も変わらないんだよー!」
久しぶりに昇天しかけるほどの大演説をしてしまった。
肩が凝ったな……上下に動かして凝りを解す。
さて、来るがいい少女。私は私が主張したい事を全て出し切ったまでだ。
それでも賛同しないというのならば、私は潔くここで死のうじゃないか。
「……言いたい事はそれだけですか?」
「ああ。 だが私の事が気になったのだったら、ポスターを見てくれ」
二種類あるから二つとも見て欲しいものだ。
……む?少女が拳銃を下ろした。
これは私の説得が功を為したという事だろうか。
「外山さんでいいんですか?」
「ああ、私の名前は外山恒一。ファシストだ」
少女に近づき、自らの名を名乗る。
と、少女がこちらに手を差し出しているのに気づいた。……名も無き犠牲者である少年よ、見ていてくれ。
君の倒れる横で、奴ら多数派に強烈なしっぺ返しを与えてやる事を決意した我々少数派の同盟が誕生した。
君の無念は我らが必ずや果たしてみせよう。だから、安心して眠っていてくれ。少年よ。
「私の名前は
竜宮レナ……外山さん、あなたを信用出来る人と信じてお話したい事があります」
「わかった、話してくれないか」
「ここではちょっと……この男の子を殺した犯人がいつ戻ってくるともわからない。
それに、外山さんの大声に気づいた人が戻ってくるかもしれません。
私が今まで潜んでいた場所がありますから、そこに向かいましょう。
話は道中でします」
なるほど、熱くなりすぎて大声を出してしまったようだ。
確かに細かい話をしている最中に心無い少数派に襲われてはお話にならない。
それならば少女が潜んでいたという場所へ向かった方がいいだろう。
私は少女――いや、同志レナの言葉に頷き、先導するレナの後ろについてゆく。
「まずはさっきの非礼を謝ります、すみませんでした」
「いや、このような状況では仕方が無い事だ。気にしないでくれ」
「ありがとうございます。……それで、話の方なんですが」
うむ。私は首を縦に振って話すよう促す。
町の中を進み、辺りを警戒しながらだ。
「私は……ここに来る前から、私の地元で起きたある事件を調べてたんです。
そして、その事件と今回私達に起こったこの事件が無関係だとは私には思えないんです」
「なるほど……」
「結論から言います」
そこまで言うと少女はくるりとこちらへ振り返り、私の目を真っ直ぐに見る。
この瞳……真剣そのものだ、恐らく嘘は言わぬはずだ。
いいだろう、話してみてくれ。
「この事件の首謀者は……宇宙人です」
「……先を急ごう」
「はい」
宇宙人。
突然そんなものが首謀者と言われれば誰だってビビる。私もビビる。
だが、同志レナは決して嘘はついていない。
そして、冗談でそんな事を言っている訳ではないのだ。
「私は……皆をこの事件から救い出したいんです。
その為には、一人でだって戦うつもりでした。
でも……外山さんは私と同じように、この事件を解決しようと必死だった。
さっきの演説で、それがわかりました」
「それは私にもわかっている。
君の言っているそれは冗談ではないという事くらいはな」
そう言うと同志レナは微かに微笑んだ。
「あ、ここを下るんです。
中は少し暗くて汚いんですけど、その分人に見つかる危険性は低いと思います」
む?これは……マンホール、か。
確かに人が寄り付きそうにも無い場所で隠れ家にはうってつけだな。
「一応、それなりに過ごすには差し支えなさそうな場所は見つけましたから、
そこが私の潜んでた場所になります」
「わかった、それでは下るとしよう」
今は些細な事を気にしていられるような状況ではない。
下水道だからといって、躊躇うなど言語道断なのだ。
【E-3 下水道/一日目 早朝】
【外山恒一@現実】
[状態]:なし
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3
[思考・状況]
1.レナと共に下水道内のレナの隠れ家へ
2.そこでレナと共に今後の事について相談
3.志を共にする少数派(参加者)の同志を集める
4.多数派(主催者)はスクラップ&スクラップ!ゲームなど滅ぼしてしまえ!
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:雛見沢症候群発症気味?
[装備]:サイレンサー付き拳銃@サイレンサーを付けた時とry
[道具]:支給品一式、不明支給品0~2
[思考・状況]
1.外山と共に下水道内のレナの隠れ家へ
2.そこで外山と共に今後の事について相談
3.この状況は宇宙人の仕業と認識。
4.皆の為にも宇宙人を倒す
※時期は大体罪滅し編後半のつもりです。
ケツが痛いけど……とりあえずあの電波なお姉さんは追ってこないみたいだな。
ああ、いきなり死ぬような事にならなくてよかった。
にしても、やたら臭いな……辺り暗いしここは一体どこだ?
それになんだか落ちるような感覚があったけど、一体どうして?
……とりあえず灯りをつけないとな。って、なんだこれ?汚い水が流れてるしゴミみたいなのが流れてるし……。
――ああ!?もしかして、下水道かここ!?
俺いたの町だったし、なんか落ちる感覚あったし、臭いし!
ああもう絶対そうだよなんだよこれ、ついてねぇ!
いや、あの電波お姉さんから逃げられたからラッキーなのかもしれないけどさ!
だからってよりによって下水道は無いだろ下水道!なんの罰ゲームだよ、糞っ!
……でも、冷静に考えるとどうするかなぁ。上にいったらまたあのお姉さんがいるかもしれないし、
ほとぼりが冷めるまではここにいた方がいいのかもしれないなぁ。
こんな臭いとこ、一秒たりともいたくないけどさ。
……あれ?
なんだここ?一箇所だけやたら綺麗な場所があるぞ?
臭いもマシみたいだし……。
……仕方ない、本当は不満だけどここで休むとしようか。
次に上にあがった時にはまともな人に会えますように……。
【E-3 下水道(レナの隠れ家)/一日目 早朝】
【友人@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:ケツが痛い
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、メタルブレードのチップ
[思考・状況]
1.この場所でしばらく休憩
2.ほとぼりが冷めた頃にとっとと下水道から脱出
3.作者に会ったら説明を求めた後ぶん殴る
最終更新:2010年03月18日 10:56