深きあおき森に
舞い散るは 言の葉
ひとひら 剥がれては
音もなく 降り積る
てのひらに掬い上げ
旋律を吹き込めば
それは蝶となり
空へと舞い上がる
蒼白に煌く 燐粉は歌の欠片
静寂を震わせ 儚く零れ落ちる
深き昏く森に
淡く散る 歌声
ほのか 道を照らし
ひとときの 導となる
けれど 束の間得た羽は
旋律の終わりとともに
脆くもほどけ落ち
地へと再び沈む
紺青に揺らめく 残響は刹那の夢
瞬きの間に失せ 孤独の闇に堕ちる
横たう言の葉たちは
踏みしめどただ変わらず
新たな旋律を
望みて微睡み待つ
飽かず拾い集め
幾千の蝶を放つ
この果ての森から
あなたに届くように
最終更新:2008年05月16日 10:56