○ 論理学
アリストテレスは基体としての個物から出発する。したがって我々の知識は、個物の本質を追求することである。
個物の本質とは、個物を普遍において捉えることであり、普遍的なものについてのみ学があり、特殊なものについてのみ存在
がある。思考は言語によって表現されるので、言語の分析は思考や論理の分析になる。そこで、個物と普遍の関係を中心に、
言語と関連させながら思考や論理の分析にする。これを名辞論理学という。
○ 判断論
判断・・・個物と概念、概念と概念を組み合わせ、「結合において」行われる
- 肯定判断 あるもの(基体)についてあること(属性・述語)を是認する判断
- 否定判断 あるものからあることを拒否する判断
- 全称判断 ex)全ての人間は白い
- 特殊判断 ex)ある人間は白い
【対当関係表】
全称肯定判断← (反対対当) →全称否定判断
↑ \ / ↑
(大小対当) (矛盾対当) (大小対当)
↓ / \ ↓
特殊肯定判断← (反対対当) →特殊大否定判断
同じ主語と述語をもつ判断でも肯定、否定、全称、特殊の組み合わせで、4種類のものが可能である。
そこで4つの判断のあいだの関係が考えられるが、これが対当関係(oppotion)と呼ばれるものである。
判断の主語と述語を入れ替え「AはBである」をBはAであるにすると違った判断ができるが、この操作を換位という
一つの判断の真がわかっているとき、それから必然的に真となるような他の判断をすることを推論という。
「大前提」に法則的に導き出される一般的な原理を置き、「小前提」に目前の具体的な事実を置き、
「結論」を導き出す論法を三段論法と呼び、推論の中心においた。
(前提の中には結論が含まれていなければならなく、推論される結果は、すでにその中にあり、ただ我々がそれを取り出すだけ)
対当関係や換位の規則にしたがってもうひとつの判断から他の真なる判断を導き出したい、もしくは、他の判断の真偽を判定したい。このような推論を直接推論という。三段論法が成立するのは、存在がこのような構造を持つからで、論理は思考の分析である前に、存在の分析であるといえる。
弁証論 ディアレクティケー
普遍から特殊を導く推論で、前提が「一般に承認されている」意見である推論
詭弁術 ソフィスティケー
一般に承認されているように見えるが、実際はそうではない意見から考える推論
帰納とは、特殊から普遍を導く推論で、小概念に依存する。
その役割は、演繹的三段論法で必要とされた真なる前提を作ることにある。
論証の前提
第一 公理 思考が従わざる負えない原理 ex)論理学の矛盾率、同一率、排中率
第二 定義 問題にされた事物がなにであるかを決める
第三 帰結 個別から普遍を取り出す
(第一、第二は論証の形式の側面であり、第三は内容の形式である)
個別は内容から知られ、感覚は帰納の土台
○ 霊魂論
感覚作用は動物の中にある霊魂に関わるものであり、霊魂は生命とともに、感覚、記憶、理性、意思などとも関わると
考えられていた。アリストテレスはプラトンの霊魂と肉体の二元論には反対する。
霊魂は肉体とともにあり、現実態・可能態・形相・質料の基本的立場に従って、「霊魂とは、可能的に生命を持つ自然的
物体の第一のエンテレイア」である。霊魂は物体に対する形相であるから質料(肉体・物体)と不可物である。
栄養的霊魂 我々の栄養摂取の能力は、この霊魂により、成長や生殖にもともなっており、最低次のもの
感覚的霊魂 事物についての感覚をつかさどる。その働きは、感覚する事物の形相をその事物の質料なしに
受け取ることができる。五感のほかに共通感覚と呼ばれる、ひとつひとつの感覚ではなく、
いずれにも共通であるような感覚もある。共通感覚は五感でなしえない相互の比較を行う働きをする。
この霊魂は、表象能力(想像能力)もつかさどる。表象能力とは、感覚された対象がなくなってもそれを感覚して
いる能力のことをいう。また、記憶とも関連し、何かを欲する能力もこの表象能力に付随して起こるのである。
思考的霊感 感覚と表象能力で得られたものから普遍を抽出する。
霊魂の普遍を作る働きは特に「理性ヌース」と呼ばれ、人間にのみ特有な能力である。
感覚と同じように対象から働きかけられて表われる。
可能的なもので理性の霊魂の部分は思惟していないうちは、現実的には、いかなる場合でも存在しない。
○ 宇宙論 世界{月より上の世界(天上界)と月より下の世界(地上界)}
月より上の世界には生成も消滅もなく、全てが規則的で完全で円循環な運動をする。
そこにある物体は、すべて「アイテール」(地、水、火、風の次に来る五つ目の元素)から出来ている。
これには変化や増減がない。天体は物体的なそれぞれの天球に付着しており、天球を動かすもの自身は不動である。
天体は球形大地を中心にして同心球的に配置され、もっとも外側は第一天で、以下順に内側に向けて、
上位の諸惑星―太陽―下位の諸惑星―月と並ぶ
下の世界は変化し、無規定である。中心は大地(地球)をなし、周りに水・空気・火の三つの層がつづき、
その他は月より上の世界になる。ここでは物体は地・水・火・風・空気の四つの元素で成り立っている。
地は下(地の中心に向かう)重い性質を持ち、火は上に上る軽い性質を持つ。水と風はその中間である。
また四つの元素は、重い軽い方に、熱か 冷か、乾か、湿のどちらかの性質を持つ。
○ 学問の分類
―
人 ○見ること -理論哲学 (自然学 数学 第一哲学)
間
の ○行うこと -倫理学 (倫理学 国家学)
行
為 ○作ること -技術論 (生産 制作)
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○ 倫理学
アリストテレスは最高の善を幸福と考えた。幸福とは人間の本来持っている特質を十分発揮するという。
人間の本来持っている特質とは、価値のことで、人間の徳(アレテー)である。徳は態度であるから、人間の意志が入る。
また中庸が強調されており、勇気は恐怖と平然の節制は放縦と無感動の、穏和は怒りと無感動の中庸である。
徳 知性的徳 教育によって
倫理的徳 習慣によって
○ 芸術論
芸術は模倣、すなわち、喜劇は貧しい人間の、悲劇は高貴な人の模倣である。
カルタシス(浄化)はもともと便通をつけること、洗浄することという医学用語であるが、
転じて霊魂が汚れから浄められることを意味するようになった。
四元素説 倫理学 プラトン 詩学 形而上学
最終更新:2007年10月01日 22:10