「蘇るになし藩国」(イタ案)
------------------------------------------------------------------------
承前
A long time ago
それは今から一万年?、いやもっと前のこと
「姫様は?」
彼が、短く問う、彼と言うにはあまりに可憐な容貌をした王、「になし」だ。
「はい、脱出艇は、他の王国宇宙船とともに安全圏へと離脱、確認しました、、ずいぶん怒ってらしたようですけど」
「ハハハ、そうか、まいったなァ」
頭を掻く「になし」、真っ赤な顔をして「もう『げーむ』してあげない」と怒っている姫様、
「おねえさま」である彼女の顔が浮かび、思わず笑った、、こんな時に。
「『漆黒の金剛石』の準備はどうか?」 と言いながら、天蓋を出る、そこには
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
「ほーほっほっほっ、準備万端、クロちゃんはいつでもオッケえ、イチコロでしてよ?王様」
「はははは、いつも愉快なネコミミメイドに御任せあれれれれれれー」
声のほうを見やる、そこに居る『漆黒の金剛石』の剣の峰から飛び上がる2人組
「とう!」「とおっ!」
「あの数奇者どもオオオオオ」 と、頭をかかえている、摂政「Areb」
「あいつら、こんな時にまでーー、帰ったら絶対オシオキしてやる」
「ハハハ、それは良いなセレナ、、帰ってきたらか、、うん、そうしよう絶対ここに帰ってこよう」
西のほうから雲霞のごとく敵が迫り、次第に空を黒く染めつつ在った
「になし」は今から纏うことになるドラゴンメイルに向かい手を上げる
「『漆黒の金剛色(くろのこんごう)』よ、今迄「王国」(誤植にあらず)を護ってきてくれて
ありがとう、そして、これからも「になし」を宜しく頼んだぞ」
「『こんごう』さん、今日も頑張っていきましょー」
「になし」の纏う機体のナビゲーターを勤める「月空」も声をかける、いつものように。
「になし」は殿を任され、今自分とともに在る者達を一人一人を見つめ、目を閉じる
そして「姫」と国民を護るため護衛につけた「城付き騎士」たちの顔を脳裏に浮かべた、、、
また会えたらいいな、、いや絶対会える日が来るだろう
「往くぞ、諸君」
「はいっ!、藩王さまっ」
------------------------------------------------------------------------
案:ここの間に文族さん達の「◯◯の場合」のSSを入れると面白いんじゃないかなと。
そして・・・・・・・・。
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
「" 冬"のあいだ よく国を守ってくれた。礼を」
「になし」は資源採掘所の監督に礼を言い、握手した。
思わぬ「ダブルシェイク」に、緊張で固まる監督。
「タイチロー、であったな? これからも宜しくたのむ」
「オオオ、オレの、、いやワタクシの名前を?」
驚きの表情、たぶんこれは感激しているのかしら?と「になし」は思った。
「オレ、24時間掘り続けますっ」「いや休んでくれ、適度に」
何度も何度も顔を下げ、ぎごちなくバネ人形のような動きで鉱区に戻って行く作業監督を見、
になしは、まだまだ「壁」があるなあ、と反省した。
「しかし、じかに見るとやはり大きなものですね」
新聞記事を録るために抱えていた「メモリレコーダー」を降ろし、月空が言った
「え、ああ、そうだな、余もじかに見るのは初めてなんだ」
「ほほほほほっ、大きいだけではなくてよ藩王さま、あーんど月空さんっ」
「そう、我々が手を掛け、品を掛け、芸を込めっ」
そこでファーヴニルの剣が峰から飛び上がる2人組。
「とうっ」「たあうっ」
残念ながら言葉を繋ぐ前に2人は摂政Arebの「真空蹴り」で轟沈した。
「・・・・・変わりませんねえ」
「・・・そうだな」
「になし」と月空が溜息をつく
「しかし、余は嬉しいよ、みんな変わらずにいてくれて、こうしてまた集ってくれた」
「はい」
ヴヴヴヴヴヴ、と「ファーヴニル」が唸り音を上げる。
発掘時はドラゴン形態であったので、空港や宇宙港に駐機できていた「ファーヴニル」だったが、
今では、「問いかけ」をしない限りは「人型」で居ることが多いので
資源採掘があらかた終わり出来上がった窪地を寝床にさせているのだった。
先日のこと、
「モロ見えですね」との問いに
「いいさ、そうしてうちに真っ先に来てくれれば、よその国の盾になれる、「ねえさま」も守れる」
そう言い「になし」は朗らかに笑ったものだ。
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
「ファーヴニルか・・・・」
「になし」は、実物を見るのは初めてとなるファーヴニルと呼ばれる機体を見上げた。
同じく初見となる「月空」も「それ」を見上げている、腕は立つが戦争ギライである彼にしては珍しく
ファーブニルを見る目はひどく優しかった。
「どうしました?」藩王の視線に気付き
「いや、随分と気に入ってるようなんでな」
「はは、そうですか、、そうなんですよ自分でも驚きです、なんというか初めて会ったって気がしないのです、
昔からの友人に久々に再会したような、、そんな感じなんです」
なるほど、と「になし」
「ふ、奇遇だな、今それを「余」も思っていたところだ」
そして、ファーヴニルに向かい手を挙げた、ファーヴニルも藩王に視線を合わせる
ヴヴヴヴヴヴヴ、、とうなり音、これは「彼ら」の声なのだろう、と「になし」は思った
「ただいま、久しぶりだな、ファーヴニル」
ヴォンヴォンヴォンヴォンヴォン、まるで戦艦のエンジンのような音を上げ、応えるファーヴニル
「そうだ、余は再び帰ってきた」
------------------------------------------------------------------------
蘇るになし藩国
緋色の燃ゆる髪の民、再びここに集まる
------------------------------------------------------------------------
処、になし藩国サーバー領域内
『ヘッドライン』にデカデカと踊る見出しに思わず苦笑した。
「……再びここにか、フン、あいつらギリギリすぎだな、毎度の事」
#ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
と、グチりながらも、彼の口元は緩んでいた、その自分の表情が旧式介入装置に映っているのを見て、
メガネのレンズを回す、俺とした事が。
「でもまぁ、また連中を弄って楽しめそうだ、ここはまたひとつ協力する(フリ)とするか、くくく」
彼らの近くにいれば「王女萌へー」な彼にとっても美味しいのだった。
そして、自分から見ると「だいぶバカ」で始終「ぐるぐる」している彼らを見ているのは実に楽しい。
「冬」の間、ずっと寝ていたクセに、王女が動き出した途端コレだからな、傑作だよ。
画面に映っているエイジャ兄弟と王女のショットを、王女だけカットペーストしながら彼はニヤリとした。
「さて、こんどはどうやって俺を楽しませてくれるのかな」
『電子の妖怪』はひどく上機嫌なのだった。
goto 「アイドレス2」
最終更新:2008年07月23日 05:16