「おいおい勘弁してくれよ、どうなってるんだこりゃ」
「ばう」
びん底メガネの忍者少年があきれ返ったように立ちつくしていた。
その足元にはころころとしたブルテリアが一匹。こんななりではあるが彼もまた忍の一員・忍犬である。
「殺し合いをしろ……と言っていましたね。あの変な男の人は」
そしてそのぼやきに、端正な顔立ちと可憐なプロポーションを備えたこれまた忍の少女が言葉を返した。
彼女の言葉に、脇に居た少女も微妙な表情で頷いている。それから眼鏡の少年に愛らしい顔をもたげて問いかけた。
「それで、マモル兄ちゃん。これからどうするの?」
「……どうするって言われてもな。殺し合えって言われて殺し合うわけにもいかんだろ。
とっととあのヘンなオッサンをしばき倒せばいいんだけどな」
カモフラージュ用の伊達眼鏡であるびん底メガネを配られたパックにしまい、マモルと呼ばれた少年はめんどくさそうに足元のブルテリアをみやった。
「
ぶる丸に探させようと思ってるんだが、どうもあのオッサンの臭いが感知出来ないみたいなんだよ。
もしかしたら飛行船かなんかで高みの見物でもしてるのかもな……」
「
耳之助も無理みたいなんだよ…………もう! あったまに来るな!」
ぶにょっとしたウサギを抱えながら、少女が地団駄を踏んだ。
「まあ仕方ない。何とかしてあのオッサンの本拠地を探すしかないだろうな」
「しかしマモルさん、あの男の人に逆らったらこれが爆発してしまうのではないでしょうか?」
「ああ、多分大丈夫じゃないのか? 仮にも忍者を連れてきてるんだぞ。全員が素直に従うとは流石に向こうも考えちゃいないだろ」
その問いにあっさりと答えるマモル。このような状況でも普段のペースを崩さないあたりはかなり肝の座っている忍ということなのだろう。
「……んじゃ、早速行動開始するか。山芽、ホタル。それにぶる丸と耳之助もな」
「はい!」
「うん!」
「ばう!」
参戦決定チーム
最終更新:2008年12月12日 19:26