夜闇の中に散在する木々が揺れる。強風が吹き荒れているわけでもなく、それは一人の男の怒声によるものだった。
「我らが血桜がかような地に呼び出され、主ですらないどこの馬の骨ともしれぬ男に!」
顔面凶器と形容するに相応しい強面の大男が、拳を握りしめ吠える。
「あまつさえ厚顔無恥に戦いを命じられるなど、血桜の恥だ!!」
一通りいいたいことを言って、怒りを露にしながらも大男はやや満足そうに不気味に笑む。

「……で、それは分かったけどよ。まさか虎牙、お前さっそく他の忍を殲滅しに行こうなどとか言うきじゃねえだろうな」
隻眼の忍がめんどくさそうに尋ねる。虎牙と呼ばれた大男はそれに胸を張って答えた。
「当然に決まってるだろうが、カバネ丸よ。あの男に従う事になるのは気にくわんが、これが一番手っ取り早かろう!」
「わに太郎さまがいらっしゃられるぞ」
「はっ!?」
カバネ丸と呼ばれた忍がぽつりと当主の名を告げると虎牙は少々顔を青くして押し黙った。
現に、カバネ丸の無骨な腕にはわにのきぐるみを纏った、幼い少年が眠っている。

この一見普通の子供に見える少年こそが彼ら血桜忍者の現当主なのである。
ただし、その性格は忍者の頭を務めるにはやや頼りなく現代の一般小学生に近い性格をしていた。とある事情からのタイムスリップがそれに拍車をかけている。

「それに虎牙よ。こんな状況にもかかわらずぐーすか寝こけているがかなでの奴までいるじゃないか。
無闇に殺生をして、そのことが春日マコトや草陰涼葉にでも知られたら……」
「印象最悪ですね。我々追い出されちゃいますよ」
別の忍の言葉を、下っ端である下忍が受けた。

「ぐぬっ……し、しかし……」
「大体わに太郎様が許されないと思うぞ。まあ向こうからかかった火の粉を払う分には問題ないと思うがね」
「そーですねそーですね、全く虎牙様は猪突猛進なんだから。ところでなんでオイラみたいな下忍までここに」
「えーいうるさいわ! 貴様、歯をくいしばれ~~!!」

ばちこ~ん!

いつもよりは少なめのバイオレンス音が響いて一人の下忍がぶっとばされた。気絶はしてないのは流石、彼の横暴になれてるだけはあった。

「う~ん……あっ、マコトさんダメですよそんなとこ触っちゃ」
「お前もいつまで寝とるんだぁぁ!!!」
そしてその脇では忍装束に目を瞑れば現代の女子構成と違わなく見える、一人の若いクノイチがぐーすか眠りこけていた。

参戦決定チーム

【血桜忍軍@いつもどこでも忍2ニンジャ】6/6
血桜わに太郎/○血桜虎牙/○血桜カバネ丸/○血桜かなで/○血桜変面丸/○血桜下忍(名前無し)

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最終更新:2008年12月12日 19:27