プロローグ
野獣「フゥー↑↑」
三浦「アッツーウ!!」
野獣「ビール!ビール!アッツゥー↑」
三浦「あーはやくビール飲もーぜー。おい、冷えてるかー?」
野獣「んぁ、大丈夫っすよ、ばっちぇー冷えてますよ。…フゥッー!」
野獣「三浦さん、なんか腹減んないすか?」
三浦「腹減ったなー」
野獣「ですよねぇ?」
三浦「うーん」
野獣「この辺にぃ、美味いラーメン屋の屋台、来てるらしいっすよ」
三浦「あっ?そうか?」
野獣「行きませんか?」
三浦「いきてーなー」
野獣「行きましょうよ」
野獣「じゃけん夜行きましょうね~」
三浦「おっそうだな…あっそうだ、オイ木村!」
木村「えっ、何?」
三浦「お前さっき俺らが着替えてる時、チラチラ見てただろ(因縁)」
木村「いや、見てないですよ」
三浦「嘘付け絶対見てたゾ」
木村「何で見る必要なんかあるんですか(正論)」
野獣「あっお前さ木村さ、さっきヌッ…脱ぎ終わった時にさ、なかなか呼んでも出て、来なかったよな?」
三浦「そうだよ(便乗)」
木村「いっ、いや、本読んでたんですよ。凄く面白いんですよ」
三浦「何の本なんだゾ…?」
木村「哲学の本ですよ。この本は図鑑のように、色々な哲学者たちとその思想が書いてあるんです。…先輩たちも勉強しませんか?」
野獣「あっ、俺さ(唐突)下北沢大学で哲学少し齧ってるんだよね。俺も仲間に入れてくれよ~」
三浦「ポッチャマ…(池沼)」
木村「MUR先輩も安心してください。簡単に教えてあげますから」
三浦「おっ、そうだな。それじゃ俺も哲学を頭にぶち込んでやるぜ!」
こうして空手部の勉強会が始まった…(謎の夜間テンション)
ソクラテスレイプ!死刑宣告した空手部
木村「じゃ、先ずは『哲学の祖』とも呼ばれるソクラテスに就いてやっていきましょう」
野獣「そっ、ソクラテスなら俺も知ってるぜ。確かアレだろ?…クサンティッペとか言う悪妻を持った、無知の知を説いてクッソ無惨にも死刑宣告された奴だろ?」
三浦「クサ生やすな(条件反射)」
木村「鈴木さんの言ってることが簡単な所ですね。MUR先輩はもう少し草に寛容になりましょう」
三浦「おっ、そうだな(自省)」
木村「先ずは簡単に彼の思想について述べて行きますね。…ソクラテスの居た当時のギリシアでは、弁論術を教える先生たちが沢山居たんです。彼らは生徒たちからお金を貰って、弁論術を教えていたんですね」
野獣「今で言う塾みたいなものだな」
木村「まぁ、言ってしまえばそうでしょう。…しかし、『言いくるめれば勝ち』と言う独善的な流れが蔓延してくるんです。誰もが相手に言い勝てばそれでいいのだ、と。――その時に出てきたのがソクラテスでした」
三浦「おっ、待てぃ(江戸っ子)どうして「言いくるめれば勝ち」と言う流れが生まれたんだゾ?」
木村「例えば、アテネに居たとしましょう。するとアテネには法律がある訳です。しかしスパルタに行ってみると、別の法律があります。…つまり、「正義」は定まっていない、と言う事に気づいたわけですね。そして『言いくるめれば勝ち』と言う流れが生まれたんです。…何故なら、正義が定まっていないのであれば、そこに真理は求められないだろうから」
野獣「つまり、『十人十色』って事に気づいたんだな」
木村「そうです。そして相手に言い勝てばいい、と言う空気が出来た中でソクラテスが出てきたんです。…彼は神殿に行って、神からお告げを貰ったそうです。すると『ソクラテス以上の賢者はいない』と言われたらしいんです。何故自分が尤も賢いのか、そう考えていくうち、それを周囲の人に問いただし始めたのです」
三浦「要するに、空言か戯言か妄想かは知らないけど、誰かから聞いた不可解な発言を真に思って、周囲に聞き始めたわけって事ゾ?」
木村「先輩、言い方が…」
野獣「でもその通りなんだよなぁ…」
木村「まぁ、鈴木先輩も。本当に神様はいらっしゃたのかもしれないですし。…まあ神様の談義は長くなってしまいますので、本題に移りましょう。――色んなソフィストに、正義や善について聞いてみたんです。しかし皆は、『知っていても意味は答えられなかった』んですよ。…つまり、知った気になっていただけなんです。何故かと言うと…当時は"相手に言い勝てばOK"と言う流れがあったからなんです」
野獣「はえ^~」
木村「そしてソクラテスは気づいたんです。…知った気になっている人よりも、『知らない事を知っている』人の方が賢いということに。…これが俗に言う『無知の知』なんですよ」
三浦「なるほどゾ…。つまり空手経験が一度も無いのに空手部を担当しているAKYS先生は知った気になっているけど、俺はAKYS先生が空手を余り知らない事を知っているから、俺はAKYS先生より賢いんだな!」
野獣「いや、AKYS先生は空手経験者だから…(小声)」
木村「でも、そんなソクラテスに魔の手が忍び寄る訳ですね。…無知の知を説かれたソフィストたちはソクラテスによって面子を潰された訳ですから、腹立ったんですよね。そしてソクラテスを『神々を認めず、青年を惑わした』と言うクッソ適当な告発をするんです。この時ソクラテスには多くの知り合いがいて、裁判の傍聴席に居たプラトンが書いたのが、かの有名な『ソクラテスの弁明』なんですよ」
三浦「風の噂だと、プラトンはソクラテスの弟子だと聞いたけど、今KMRは『知り合い』って言ったよな?」
木村「実は勘違いされがちなんですが、ソクラテスに弟子はいません。弟子だと称してる人たちは自称に過ぎないのであって、ソクラテス自身は弟子を一度も取ったことないんですよ」
野獣「それは初めて知ったわ」
木村「そしてソクラテスは死刑を宣告され、牢屋にぶち込まれます。しかしガバガバなセキュリティのお陰で、友人のクリトンが牢屋に入ってきます。そしてソクラテスに脱走を勧めるんですが、彼は拒否します。ここで出て来るのが、『大切なのはよく生きることだ』、つまり"良く生きる"と言う哲学なんです。彼は死ぬ間際、『悪法はまた法なり』と言ったのですが、彼は脱獄と言う不正を行ってはならないと考えたのです。要するに、ソクラテスにとって善とは普遍的なことだったんです」
三浦「ソクラテス可哀想だゾ…」
木村「余談ですが、ソクラテスを死刑にした後に、『偉大な人を殺してしまった』と言う流れが出来たんですね。バカな話ですが、後の祭りです。せめてもの償いを、と言う事でソクラテスを告発した人たちを裁判抜きで処刑したらしいんです。ここらへんが古代っぽさを感じさせますよね」
野獣「しかし、その時の日本と来たら呑気に稲作してたんだよなぁ。次元が違うって、はっきりわかんだね」
三浦「ソクラテスも弥生時代に日本に来てれば変わってたかもしれないゾ…」
木村「まあ、ざっと説明しましたが、ソクラテスはこんな感じです。こんな偉人が紀元前に居たとは考えられませんが、彼のお陰で哲学はあると言っても過言では無いですからね。…さて、次はプラトンについてやっていきましょう、先輩がた」
最終更新:2020年12月31日 11:37