もう我慢できない!
こうなったら実力行使しかない!
羽川に納得してもらいたかったが、どうしてもその方法は思いつかなかったんだ!
僕は自分の感情を制御できない状態にまで陥ってしまった。
いや、今まで抑えていた感情が爆発してしまったと言い換えてもいいだろう。
そんな状態のまま羽川に会うことは出来ない。
何をするかわかったもんじゃない。
今日一日は羽川を遠ざけよう。
そうしないと僕は犯罪者になってしまう。
今、僕は散歩をしている。
家の中にいると悶々としてしまい、耐え切れなくなったせいで火憐と歯磨き以上の勝負をしてしまいそうになると危惧したからだ。
だけれど、それが裏目に出た。
いつも八九寺に出会うように――偶然、羽川を見つけてしまった。
羽川はまだ僕に気が付いていない。
背筋が伸び、姿勢正しい羽川の歩き方はまるでモデルのように優雅だった。
外見も委員長を捨てたことで魅力が増し、一段と可愛くなっている。
その羽川にあの凶器が、あのおっぱいがついている。
想像しただけで僕の理性を吹き飛ばしてしまったあのおっぱいが。
今、あそこに。
僕は羽川の後姿に見蕩れながらも徐々に近づいている。
気付かれないように、バレないように、さとられないように……。
懸命に気配を消した。
理性はもちろん僕の行動を止めている。
いや止めるどころか咎めている。
僕を弾窮しようとしている。
これから僕がしようとしている行動は僕の人格そのものを根底から疑われるようなことだ。
何よりイタイのは、羽川がもう僕と口をきいてくれなくなる恐れがあるなような行為だった。
困った顔が見たいのはいつものことだけど、怒った顔は―――
大好きだ。
うん、羽川に怒られるのも好きだった。
よしっ、行動しよう。
音もなく近づき羽川の背後と取ることに成功した。
「はねかわぁぁああああ――――――――――――――――――っ!!!!!」
八九寺にするように叫びながら羽川に背後から抱きついた。
両手は狙い通り僕の両手は羽川のおっぱいを包み込んだ。
いや、言い換えなければいけない。
僕の両手は羽川のおっぱいに飲み込まれた。
「っ!? なっ!? ちょっ、あ、阿良々木くんっ!? あっ、ん、ちょ…っと、や…ぁっ…め…」
うわぁ。
すげえ。
なんなんだよ、これは。
このおっぱいは今まで触った誰のものよりも、ぷにゅぷにゅしていて柔らかい。
その上、大きすぎて僕の手に収まり切るものではなかった。
どれだけ指を広げても僕の掌ではこの大きすぎるおっぱいを包み込むことは出来ずに零れてしまう。
もったいない。
何度も触り方を変え、なんとか手の中に収めようとするがどうしても出来なかった。
今度は方向を変え、触っているうちに羽川の声が色っぽくなってきた気がしたけれど、今はそれどころじゃない。
全神経を手に集中させ、ひたすら僕の理想のおっぱいを揉みたくる。
その間に羽川の香りが僕の中に侵入してきた。
密着している羽川からは優しく甘い香りが僕の鼻腔に入り込み、高ぶっていた僕の気分が安らいでしまう。
嫌がっている振りをしてくれている羽川からの誘いなのかもしれない。
だけど今度はもう断らないと決めてあるからな。
安心してくれ羽川!
僕は何があってもお前のおっぱいを揉みしだいてやる!!
そう決意を新たに頑張ろうとしたんだけど、下着が邪魔をして羽川のおっぱいそのものを愉しむことはまだ出来ていなかった。
体育倉庫の時はちゃんと生で揉むように言われたからな。
邪魔な下着はさっさと外そう。
羽川は「ちょ…と……あら…らぎく…ん、あっ、はっ……やめ…」と言っている。
言っていることが僕に伝わってこないけれど、強くは拒んでこないから嫌ではないのだろう。
僕の両手を包み込むように自分の手を押し当てて僕の手と羽川のおっぱいの間に滑り込ませようとしているがそんなことを僕が許すはずはないぞ。
そんな行動をしている羽川の背中と僕の胸にほんの少しだけ隙間を空ける。
ほんの一瞬でも羽川から離れるのはもったいない。
名残惜しいが、もっと羽川のおっぱいを触るためだ、と自分を無理矢理納得させた。
……仕方がないんだ。
僕の胸と羽川の背中に開いた隙間に手を入れ、ブラジャーのホックを外した。
「えっ!?」っと羽川が動揺するような声が聞こえた。
羽川がそんな声を出すはずがない。
羽川が動揺した声を出したのは、家で僕の裸を見そうになった時の一度だけだからな。
吸血鬼同士の戦いを見たときも、襲われて人質になった時も、自分の腹に大穴を開けられた時でさえも声を出さなかった奴だ。
この程度で動揺するはずがないだろう。
今日はやけに空耳が多い日だな。
ブラジャーから解放された羽川のおっぱいは、いつかの体育倉庫で見た時のようにその本来の姿を取り戻した。
僕の手はより激しく羽川の胸を這い回り始める。
ブラジャーは外したが下着は、まだ僕の手を阻んできた。
僕は羽川のブラウスのボタンに指を掛ける。
「あっ、阿良々木くんっ、ちょ…っと、待っ……て。ここ、路上…だよ?」
「それは関係ないぞ、羽川。僕はお前のおっぱいを揉みたいんだ。この衝動には場所なんて関係ない」
「んっ……、…どう…したの? …落ち……あっ……ついて…」
一番上のボタンはそのままにし、二番目と三番目のボタンを外し、ブラウスの中に入ることに成功した。
さすがにブラウスを肌蹴させることはしない。
羽川が路上でおっぱいを露出させるなんてことを望むはずがないから。
僕は両手を交差させボタンの外れたところからブラウスの中に侵入した。
ブラジャーのホックは外してある為、いつも締め付けられているおっぱいは自由を手に入れている。
僕はそのおっぱいに指を這わせた。
ふにゅっと僕の指を沈める羽川のおっぱい。
だけれど弾力もあり、柔らかいだけではない。
大きいだけじゃないこのおっぱいは僕の行動が正しかったと教えてくれている。
いつもの僕ではこのおっぱいを味わうことは出来なかっただろう。
理性が吹っ飛んだおかげでこんな体験が出来たんだ。
僕は自分で自分を褒めてあげたくなった。
自分で自分を誇りたくなった。
自分で自分のこのおかしな行動を肯定してあげたくなった。
「羽川、僕は少しの間だけ自分の気持ちに素直になろうと思う。だから止められないんだ。わかってくれ」
「…な、何か、あったの…なら……は、話…きくから…、ね?」
「僕は今死んだらきっと後悔すると思ったんだ。お前のおっぱいを揉まなきゃ死んでも死に切れない。
もしその状態で死んだとしたら毎日お前の枕元に化けて出るだろう。いや枕元じゃないな。添い寝をすると思う。
添い寝しながら眠っているお前のおっぱいをひたすら揉み解すんだ。
どうだ? 羽川。お前は僕をそんなヤツにするのか?」
「…それ、かなり……キツイ…言い訳っ………ひゃっ!」
羽川は僕を諭すように優しく話しかけてくる。
僕を説得しようとしているようだ。
だけれど今の僕に羽川の言葉は届かなかった。
羽川が喋っている途中に乳首に狙いを定め、ほんの少しだけ触れてみた。
可愛い声で返してくれる。
やっぱり楽しみにしていたんだな。
満足させてやるから待っててくれよ!
僕は羽川の乳首を重点的に触り始めた。
こねくり回すように刺激を与えて、一度与えた快楽を覚えこませる。
反応が良くなったら一度離れ、乳首には一切触れないようにおっぱいを揉んだ。
そっと触れるように乳首の先端に触れたりすると、息が一瞬止まったり「あっ」と小さく声を出す。
本当はもっと声を出したいのに我慢している羽川は、いつもより何倍も可愛く見えた。
頭脳明晰でケアレスミスに憧れる羽川が今、僕におっぱいを揉まれている。
羽川のおっぱいには僕の十本の指がところ狭しと這い回り、類まれなボリュームを持ったおっぱいに酔う。
しっかり感触を覚えておくように揉んではなぞり、乳首を摘んではフェザータッチで刺激した。
その度に羽川はビクッと身体を震わせていたが、嫌がっているようではないので、僕の指が休むことはなかった。
さっきから羽川の抵抗がかなり弱くなっている。
僕の手を離そうとしている羽川の両手はもう添えるだけになり、力は入っていない。
息も荒くなり、「ぁっ…ゃっ」とたまに悩ましい声が聞えてきた。
やっぱり止めてほしくはないのだろう。
僕はそのまま刺激を継続する。
ひたすら揉んでその感触を楽しみ、心に刻んでいった。
忘れることはないだろう。
この感触は。
すぐに取り出せる引き出しの中に入れておき、思い出したように感じることが出来る。
そんな状態にまで身体に染み込ませなければならない。
―――などということを考えはしてもこの僕が行動に移せるはずがない。
妄想にふけるのはここで終わろうか。
僕は自分の欲望を押さえ込んだ。
この思いがいつか爆発する日がくるのだろうか。
おわり
最終更新:2010年01月02日 08:26