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姨捨 - 第十五回花祥會のパンフより


《解説》村 尚也
仕舞・姨   捨 (おばすて)
 信濃国更科の姨捨山に捨てられた老女の霊が、旧暦八月十五日仲秋の名月に興じ、生きていた昔を偲びながら舞う。仕舞は一曲の能の中でのハイライトシーンを、地謡をバックにシテが謡い舞うもの。ここでは『姨捨』の最終部分—月の照る、限りある僅かな時間に、誘われるともなく現し世にあらわれた老女の霊が、舞に戯れるほど深まる妄執と孤独、寂寥の思いにひたる。夜明けとともに、周囲の人々は去り、老婆は一人再び山にとり残されるが、その姿も朝の光りの中では見えなくなる。消えゆく月の光りは、人生の比喩でもあろうか。演者関根祥六は、芸の極みの中で、月と人生のメタファーに対面する。

第十五回花祥會のパンフより










最終更新:2010年01月30日 01:16
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