政頼(せいらい)
▽仏教の発展のお蔭で死者は皆、極楽へ行ってしまうため、地獄界では鬼どもの餓死かすさまじい状況。閻魔大王以下鬼ども大勢が六道の辻{ろくどうのつじ}に出て亡者を待っていると、現れたのは鷹匠{たかじょう}の亡霊政頼。殺生の罪で地獄へ落とされそうになりますが、鷹の由来を物語り、鷹狩りを実演して見せて捕らえた鳥を閻魔以下一同に振舞うと、皆大いに喜んで獲物を地獄へ送り届けることを条件に三ヵ年娑婆へ戻してやることにし、政頼は喜んで人間界に帰って行くのでした。
▽鷹の語りや鷹狩りの実演のどころが、聞き所、見どころになっています。鷹の剥製や雉{きじ}の剥製が小道具として使われますが、ワシントン条約の関係で作成が難しい時代になっています。何十年に一度という上演が珍しい狂言で、善竹家総動員で本日の追善会がフィナーレとなります。
(善竹十郎)