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<<狂気>>


  それならわたしにも、わたし自身がまだこれからの人間だった
  あの青春の日々を返してください。
  数々の歌が絶え間なく
  泉のように湧き出ていたあの日々です。
  世界はまだ霧に包まれていて、
  つぼみが未来の奇蹟を約束していたあの日々です。
  谷々に咲きみちていた
  美しい花を気の向くままに摘みとったあの日々です。
  何ひとつ持ってはいなかった、けれどわたしは充ち足りていた。


ファウスト悲劇第一部(ゲーテ)より。

最終更新:2008年07月31日 19:22