トップページ>研究紹介>研究室のメンバー>白鳥和佳子

白鳥和佳子 (SHIROTORI, Wakako)

研究紹介

研究タイトルは、『シオダマリミジンコ(Tigriopus japonicus)のメタ個体群におけるカタストロフの生起パターンおよびその影響』です。私の研究は、野田研究室の現在の主な研究課題のトピック2にあたります。

カタストロフ(極端な環境変動によって、個体群サイズが激減する現象のこと)が局所個体群やメタ個体群の絶滅に強く影響していることは、ひろく知られています。しかしながら、これまでカタストロフは、理論研究においては成因となる環境変動の生じるパターンがわからないために確率論的に生起する事象として扱われ、また、野外研究においては比較的に稀な事象であるために記述的にしか研究されてきませんでした。

シオダマリミジンコのメタ個体群では、しおだまりの増水・干上がり・氷結などを成因としたカタストロフが、頻繁に生じています。この、何度もカタストロフを観測できるという利点を生かして、私の研究では、局所個体群が成立している生息地の環境や気候要因によってカタストロフの強度や頻度がどのように決定されているか、またその結果、メタ個体群動態はどのように影響されているかを明らかにしようとしています。

所属学会

  • 個体群生態学会
  • 日本生態学会

所属団体

  • 自然史研究ネットワーク2000「みなみ北海道」(HP係をやっています。)


シオダマリミジンコを採集している様子。写真の場所は、北海道大学・臼尻水産実験所の前浜です。学部4年生の頃は、ここで野外調査を行っていました。


Tigriopus japonicus  写真中の大きなほうの個体は、成体(♀)です。ノープリウス期を6期、コペポダイト期を5期経たのち、コペポダイト6期で成体になります。

最終更新:2009年03月31日 23:37