No Nukes! / Hiroshima


『増補 放射線被曝の歴史』


ABCCによる原爆調査結果は過小評価

  • 参考文献、P100より引用
現に被爆40数年たってガン発生が増加しているのは、原爆投下時に若かった被爆者の人たちの間に見られる特徴的な現象である。

第一に、被曝後数年の間に放射線被爆の影響で高い死亡率を示した被爆者の存在がすべて除外されている。
第二に、爆心地近くで被爆し、その後長く市外に移住されることを余儀なくされた高線量被爆者が除外されている。
第三に、ABCCが調査対象とした直接被爆者は1950年の時点で把握されていた直接被曝者数、28万3500人のおよそ4分の1ほどでしかなかった。しかも、調査の重点は2キロメートル以内の被爆者におかれ、遠距離の低線量被爆者の大部分は調査の対象とすらされなかった。
第四に、そのうえでABCCは高線量被爆者と低線量被爆者とを比較対照するという誤った方法を採用して、放射線の影響を調査したのであった。
第五に、年齢構成の点においてもABCCが調査対象とした集団は、若年層の欠けた年齢的に偏った集団であった。
以上のようにABCCが行なった放射線の晩発的影響の調査は、きわめて片寄った集団を対象としたものであったと言わざるをえない。そのような片寄った集団を対象として得られた放射線被爆線量とガン・白血病の発生率や死亡率との関係、すなわち線量影響関係から求められたリスクはきわめて過小評価されたものとならざるをえないのである。

原発推進派のICRPの説明は、でたらめなであり、10倍は過小評価

  • 参考文献、P149より引用
このまともな意味を語らないで、被曝を少なくすることを意味するなどと、でたらめな説明をするのが原発推進派の国民に向けた宣伝のやり方である。もっとも、彼らが正直に語ろうとしないのもよくわかる。ICRPが防護するのは、人びとの生命や健康ではなく、原子力産業や行政府の利益であるのだから。
  • 参考文献、P187より引用
言い換えれば、ICRPをはじめとする原子力推進派の従来のリスク評価は、放射線によるガン・白血病の危険性を少なくとも10倍は過小評価していたのである。

ハンフォードの被曝労働者に関する調査結果 (マンキューソ報告)

  • 参考文献、P168より引用
マンキューソは、原子力委員会の圧力に屈することなくハンフォードの被曝労働者に関する調査結果をまとめ、イギリスのスチュアート等の協力も得て10数年に及ぶ研究の結果を1976年に発表した。およそ2万8000人を対象としたその調査から得られた放射線のリスクは、ICRPなどの評価値のおよそ10倍であった。

イギリスのセラフィールド核再処理工場

  • 参考文献、P230より引用
イギリスのセラフィールド核再処理工場周辺地の住民の間で、小児白血病がイギリス平均の10倍もの高率にのぼっていることが、1983年以降世界的に広く知られるようになった。


参考文献



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最終更新:2013年07月15日 21:28