No Nukes! / Hormesis
まやかしの「100ミリシーベルト安全論」
放医研が作成した「放射線被ばくの早見図」の嘘
「年1ミリシーベルト以下」というのは、国際放射線防護委員会(ICRP)が定める平常時の基準だ。
底流には、いまだにはびこる誤った「安全論」がある。
岡山大大学院の津田敏秀教授(疫学)は、専門家たちのミスリードによって「低線量ばくではがんにならない」という誤解が広まったと指摘する。
独立行政法人放射線医学総合研究所(放医研)が作成した「放射線被ばくの早見図」は、福島事故後の2011年4月に公開され、繰り返し引用された。津田教授は、この早見図には重大なミスがあったといいう。
ICRPは、低線量被ばくについて、「閾値は存在しない」という立場。
低線量被ばくでも、がんなどの健康被害があり得るというのが現在の国際的知見の「常識」となっている。それなのに、放医研の早見図は、「100ミリシーベルト」に線を引き、それ以下は「安全」と太鼓判を押していた。
このミスが訂正されたのが12年4月。
日本の研究者の多くが陥っている統計学上の誤り
津田教授は「そもそも日本の研究者の多くが、『統計的に有意差がない』ことと『影響がない』ことを混同している」と懸念する。
「有意差」は統計学の考え方だが、人間を相手にした研究では、有意差がなくても影響が出るケースがあり、分からない段階で「影響がない」と排除することは危険とされている。医学研究の基礎で教科書でも警告されている誤りに陥っているのが、日本の現状という。
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最終更新:2013年07月15日 22:16