魔術

神術(ツィエルタciErta)

コニフには、「神術」という名の魔術が存在します。
基本的には、「神様に祈り、望む現象を引き起こしてもらう」といった感じです。
コニフの神々は、一部を除いて、人類に対して好意的です。
人間が所定の手順を経て依頼すれば、神々は必ずそれに応えてくれます。

仕組み

神術の中核を成すのはシノハ(xinoqa)と呼ばれる文です。
シノハは
  • 神の名を呼ぶ
  • 神に対する捧げ物を宣言
  • 期待する効果を宣言
という構成になっています。
例えば、簡単な構成だと
「地の神よ、
ここに、今年の収穫の一部を捧げます。
どうか、来年も同じ様に恵みをお与えください。」
といった感じです。

この文を声に出したり、または紙に書いたり(後述)し、宣言した捧げ物を実際に捧げることで、神が神術を実行します。

一般的?な魔術と違い、一番オーソドックスな「実際にシノハを声を出し、なんらかの実体のある捧げ物を捧げる」という形式であれば、術者は特別な力を必要としませんし、また術者本人の霊力(所謂MP)を使うこともありません。

ちなみに、神徳や、神と術者の関係性、由縁等を間に挟むことにより、術の効果は高まります。

神の名

コニフの神々は「人間から見た神としての名前」と「神が自覚している、自ら固有の名前」の2つをもっています。
一般的には、「神に対して効力を発揮する神術」のみ、後者の名前が必要となります。
例えば、神Aに神Bを封印してもらうような神術では、神Bは後者の名前で宣言しなくてはなりません。

捧げ物

有効な捧げ物は、「飲食可能な有機物、及び霊力」です。
米や肉、酒、油、術者の霊力(MP)等がそれにあたります。

霊力(サムルsaml)とは、生物が活動の過程で生成するエネルギーです。
生物、及び生物から造成された物品にのみ霊力は宿ります。
捧げられた物は、内部の霊力を神が摂取するので、スポンジ状になり、栄養が無くなります。
液体類でも、主要な成分が抜けるので、本来の用途には使えなくなります。
術者の霊力を、食べ物等の代わりに提出することも可能です。
しかし、体内の霊力を体外に放出しなくてはならず、人によってはそれができたりできなかったりします。
コニフでいう「神術を使える人」というのは、霊力を体外に放出できる人の事を指します。
割合的には、 生まれつきできる人1:訓練すればできる人2:できない人7 といった感じです。

なお、自らの命に限り、生命を捧げ物とすることも可能です(後述)。

効果

原則的に、即効性の神術は単純な作用のみしか実現できません。
例えば、火を発生させたり、電気を発生させたり等です。
複雑な作用の神術(例 土壌改善や厄除け)等は、シノハを唱えても、すぐに効果は出ません。

効果の規模は、捧げ物に比例します。
小さな火を熾す程度であれば大した捧げ物は要りませんし、逆に川の水を堰き止めたりするにはかなりの量・質のものが必要となります。
また、かなり大規模な効果(豊作や神の封印等)の場合は、他の神にとりなしてもらう必要があります。

死者蘇生や時間遡行等、既に発生してしまった現象を覆す効果は実現できません。

書かれた・刻まれたシノハ(シノハキナメxinoqakiname)

紙に書いたり、石や金属に刻んだシノハも有効です。
しかし、その場合、シノハが書かれた・刻まれた物体を通じて流された術者の霊力のみが有効な捧げ物となり得るので、霊力を流せない者には使用できません。
物体そのもの霊力(例 木や紙は生物由来なので、僅かながらに霊力を有する)は使用できません。

霊力を流し込み、シノハを発動させると、その物体に大きな負担がかかります。
紙や木等の比較的弱い物体であれば、簡単な神術(必要な霊力が少ない)でも、一回の発動で破損してしまいます。
逆に、石や金属はかなり耐久性が高く、よほど強力な術でない限りは破損することがないので、何回でも使用可能です。
また、その流せる霊力の許容量が、シノハキナメで発動できる術の上限・限界となっています。
なので、石・金属の方が紙・木よりも強力な神術を発動できます。
神術が使える人も、流せる霊力の量に差があり、それが各々の能力の差となっています。
しかし、人が流せる霊力の量は、総じてシノハキナメの限界値よりも高いです。

蓄霊術・蓄霊器(サムルコフルタsamlkofrta)

霊力というのは、生物が生命活動の過程で生成するものです。
有機物というか生物由来の物体は、自ら(あるいは元となった生物)が創出した霊力のみ保持できます。
外から流し込まれた霊力は、そのまま流れ出て、霧散してしまいます。
無機物(石、金属)はそもそも、霊力を保持できません。

上記の通り、シノハキナメの材質そのものがもつ霊力は神術に用いることがでないし、シノハキナメの神術を発動するには、術者本人が霊力をシノハキナメに流し込まなくてはなりません。
しかし、外から流し込んだ霊力をどうにかしてシノハキナメに保存しておき、神術を発動する際の捧げ物に使用できるようにしておけば、神術が使えない(体外に霊力を流せない)人でも神術が使用可能になります。
そこで、霊力をシノハキナメにあらかじめ蓄えておくための補助術、サムルコフルタが開発されました。
サムルコフルタを、シノハキナメに主術文と共に記述し、神術が使える人が予めそこに霊力を流し込んでおきます。
そうすると、流し込まれた霊力は神のもとに送られ、神は送られてきた霊力に基づき、術を発動する回数を定めます。
主術文の方に、術の発動条件(念じる、強く握る等)を定めておけば、神術が使えない人でも、ストックされた(予め送られた)霊力を用いて、神術を発動することができる様になります。
日本語名とは違い、シノハキナメそのものが霊力を保持しているのではないので、石や金属等の無機物でもOKです。
この技術の開発により、神術は広く一般的になりました。
ちなみに、術そのものも、術が施されたシノハキナメそのものの両方をサムルコフルタと呼びます。

霊力抽出器(サムルトロフタsamltolofta)

サムルコフルタは便利なものの、霊力が切れると、神術が使える人に再度霊力を補充してもらう必要があります。
そこで、酒や油脂等、比較的に保有霊力の密度が高く、(食べることを考えなければ)貯蔵も簡単な液体類から、直接的に霊力を抽出する術、及び機器、サムルトロフタが開発されました。
タンクか何かに上記液体類を保存しておき、サムルトロフタ(これもサムルコフルタにしておく)でそこから霊力を直接抽出して、他のサムルコフルタにつなぎ(密接させ)、霊力を補充します。
この発明により、神術が使えない人(霊力を流せない人)であっても、神術者の助けを一切借りることなく、手軽に神術が使える様になりました。
そこから、神術を基盤とした文明社会が築かれることとなりました。
実世界でいう、産業革命に近いです。

呪い(ロクノハloknoqa)

神術では、生贄を捧げることはできません。(肉は可能)
しかし、術者が肉体的に「死に際」にあるときに限り、術者は自らの全霊力、つまり魂までを捧げ、死後に天へと召されることを拒否することと引換に、強力な神術を発動することができます。
「死に際」には自傷(腹を裂く、動脈を裂く等)で至っても可能です。
効果自体は非常に強力(半神半人の術者が神を封印したり、逆に復活させられる)ですが、その分要求される霊力の量も膨大です。
シノハは唱えたけど、術が発動せず、そのまま犬死(発動しなくても、霊力は神に消費されます)することが多いです。

補足事項

  • シノハキナメの文字の大きさ
基本的に、人が読める大きさでなくてはなりません。
なので、大きいシノハキナメの方が複雑な術を発動できます。

  • シノハキナメの材質
シノハキナメの材質は、石よりも金属の方が許容霊力量が高いです。
しかし、シノハを刻むのは金属よりも石の方が簡単なので、石はサフラの時代にもかなりポピュラーです。
また、水晶(石英)等の透明な石は、光の神術(レーザーです)を用いて、内部に三次元的にシノハを刻めるため、同じ大きさの金属よりも複雑な術が発動できます。なので、水晶は非常に工業的に価値があり、価格も高いです。

ちなみに、金属や石の種類によって、許容量が違います。
金属の場合は
銀>金>銅>>>鉄=錫>>>鉛
石の場合は
透明な水晶=緑色の翡翠>白い翡翠>>その他玉髄(瑪瑙、碧玉等)>>>>>その他石
といった感じです。
最終更新:2012年06月27日 17:12