ウクライナの特殊機関による、クラスノダール地方及びチェチェン共和国でのテロ計画の阻止について



ウクライナの特殊機関による、クラスノダール地方及びチェチェン共和国でのテロ計画の阻止について

19.07.2023
A・V・ボルトニコフFSB長官による承認済み


ロシア連邦保安庁は、調査委員会およびロシア連邦内務省との協力の下、ウクライナの特殊機関、またはその支援を受けたチェチェン分離派系テロ組織によるとされる、テロ計画を阻止しました。

報告によると、テロの標的はクラスノダール地方・クラスノダール市とチェチェン共和国・グロズヌイ市、及び両都市を接続するロシア連邦道路М29でした。

2023年7月19日、グロズヌイ市で、住民からの通報を受け市郊外に位置するアパートの一室で捜査が行われ、テロ攻撃に使用する予定だったと思われる武器及び、その計画を記したと思われる文書を発見し、押収しました。また、現場の部屋内に居合わせたジャラル・イブラヒモヴィチ容疑者(36歳)をはじめとする男女4名をテロ容疑で拘束しました。

捜査の結果、彼等はウクライナの特殊機関の指示を受け、テロ攻撃を行うために南ロシア地域の重要なインフラ施設に関する情報を収集および送信していたことが分かりました。また、彼等は法律で禁止されている銃器のほか、非常に強力な軍用爆薬であるRDXも所持しており、ウクライナの特殊機関より支給されたものだと特定されました。

押収された文書のうち、「文書230706 - C」と題された物は支離滅裂な内容ながら、「ヌリ・シャミーロヴィチ・バサエフ」という人物のテロ計画への関与が示唆されており、現在捜査当局は彼の行方を追っています。

捜査当局は、ロシア刑法第1条第30項aおよび第2条第205部に基づき、刑事訴訟を行う予定です。

以下、文書230706 - Cの写しです。



司令 識別コード:230706 - C

ヌリ・シャミーロヴィチ・バサエフ連隊指揮官より、シャミール連隊(*1)の全隊員へ命令する。
北カフカス連邦(*2)を未曽有の災害が襲い(*3)、通常の統治機構では事態の制御が不可能になっているため、全隊員は直ちにグロズヌイ連邦市(*4)のグリヤンカ基地(*5)へ終結すること。
その際、軍用車両に搭乗してはならず、集団での行動も避けること。
また、この異常事態(*3)の影響を受けているとみられるあらゆる事象に接触しないこと。とりわけ、ロシア国旗やその他見慣れない旗、紋章、建造物には接近しないこと。
できる限り武器弾薬を持参することを求めるが、その際見慣れない武器には触らないこと。

基地に隊員が集結した時点で、状況に応じた行動(*6)をとる。それまでアッラーへの信仰心を強く持ち、自我を保ち続けることをこの司令書の最後の命令とする。

アッラーと北カフカスに栄光あれ!


(*1):「シャミール連隊」という連隊及び軍事組織は、ロシア連邦軍にも、その他の国の軍隊にも存在しません。
(*2):「北カフカス連邦」という国家は存在しません。但し、「北カフカス連邦管区」の意である可能性があります。ですが、文章の意味は通りません。
(*3):文書の識別コードより、この文書は2023年7月6日に作成されたものだと推測されます。しかし、同日そのような災害が起こったという事実はありません。
(*4):グロズヌイは市制が施行されていますが、ロシア連邦国内での連邦市はモスクワとセヴァストポリのみです。
(*5):「グリヤンカ基地」は存在しません。
(*6):テロ行動を指す可能性が高いと思われます。


(総評):文書230706 - Cは随所に支離滅裂で、つじつまの合わない、または事実と異なった記載が見受けられます。しかし、文書の形式は非常に公文書との類似性が高く、また文書内で使われているシンボル、「北カフカス連邦」という存在に対する文書内での一貫性を鑑みて、悪戯や一過性の気の迷いで作られた文書だと判断を下すのは安全保障への脅威であると考えます。
よって、文書230706 - Cはテロ計画を示唆し、また「ヌリ・シャミーロヴィチ・バサエフ」という人物がその計画に深く関与していることを示していると考えてよいでしょう。






最終更新:2023年08月21日 22:08