「守護鬼神ドル・ゴルドー」

エルトン・エーカーが歴史に有数の大芸術家であるのは、何より長寿を誇るエルフであることが挙げられるだろう。
"エーカーに創作在らず"とは数々の作品が持つ臨場感と表現力の高さを指した言葉ではあるが、同時にその作品の多くがエーカーの生きた時代に起きた出来事をモチーフとしているからでもある。

"孤軍の叫び"もエーカーの代表作の一つであるが、識者の間ではたびたびこの作品の解釈について争いが起きる。
城門の向こう側で屍の山を築く騎士の姿は、一見すると城内を攻める反逆者を外から見て描いたもののように見えるが、もしそれが、城の中から見た景色だとすれば、それはゴルドーが単騎にて城を守る、騎士として理想の姿を体現しているにほかならない。

もしエーカーが、己の目で見た景色のみを作品としたならば、反逆者の後に続いていたのか、城で守られる客人として遇されていたのか、どちらに妥当性があるのか。
都度紛糾するこの論争は未だ結論が出ておらず、しかしその度に識者の間では、歴史を見直す必要性が問われている。
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  • かがり じゅん
最終更新:2023年04月10日 23:23