「永遠の陽だまりと月の花」
それは、とある洞窟の最奥にあるという。
その空間にはどういう訳か昼夜問わずずっと柔らかな日の光が射し込んでいる。
変わらず差し込み続ける日の光は数百年に一度だけ外の陽と同じように暮れ、一夜だけ月明かりが代わりに輝く。
その月明かりの届く間だけひっそりと咲く花があるという。
花には陽と月の不思議な力が宿り、その蜜には若返りの力があるという。
蜜は月明かりと共に消えてしまい、持ち帰りは叶わない。
そして、若返りの力は老人を卵にまで戻してしまうという。
若返った者が再び育つのか、記憶はどうなってしまうのか、誰も知らない。
最終更新:2023年04月11日 20:05