京都心霊ツアー
■深泥池
仕事を終えた男女6人を5人乗りの車に詰め込み、AM1:00頃に地元を出発。
そこから車を走らせること約6時間。
京都入りした時には、外はすっかり明るくなっていました。
参加メンバーの顔には、皆一様に隠しきれない疲労の色が浮かんでいましたが、本番はここからです。
一行がまず向かったのは『深泥池』。
───深夜にタクシーを拾う女性の姿がある。
真っ直ぐに伸びた長い黒髪は、白いブラウスにかかったあたりで少し乱れている。
こんな時間に妙だな、とは思いながらその女性をタクシーに乗せると運転手は尋ねた。
「どちらまで?」
すると女性は俯いたまま、消え入りそうな声で答えた。
「…深泥池まで」
(こんな時間に深泥池…)
運転手はますます妙だと思ったが、そのままタクシーを発車させた。
道中、どこか嫌なものを感じていた運転手は度々バックミラーに映る女性に目をやったが、長い黒髪の向こうに隠れる表情を読み取ることはできなかった。
女性はじっと俯いたまま、終始沈黙を守っている。
呼吸の有無さえも疑うほど身じろぎ一つしない女性を見ていると、まるで明かりの消えたショーウィンドーに並ぶマネキンのようだ。
しばらく走ると深泥池に到着した。
この辺りには街灯もなく、夜になると静寂と暗闇だけが広がっている。
運転手は始め、後部座席のマネキンは誰かと待ち合わせでもしているのかとも思ったが、辺りに人の気配はない。
こんな時間にこんな所で一体なにをするつもりだろう。
薄ら寒いものを感じていた運転手は、一刻も早くこの異様なマネキンを降ろしてこの場を立ち去りたかった。
「お客さん、着きましたよ。本当にここでいいんですよね。」
運転手は車を道の脇に停めると、おずおずとマネキンの方に振り返った。
しかし、確かに今までそこに座っていた無機質な女性の姿がない。
外に出たどころかドアを開けた気配すらなかったが、女性は忽然と姿を消していて、そこには水で濡れたような染みができていた。
運転手は心臓を締め付けられ、まるで冷水を浴びせられたように全身から汗が噴き出した。
俄かには信じ難い現象を目の当たりにした運転手の体は緊張のあまり硬直し、しばらくは女性が座っていたあたりの染みを見つめることしかできなかった。
深夜のタクシーは女性客を拾い、指定された深泥池へと向かったが、現地に到着すると女性客は消えていて、座っていた場所はじっとりと濡れていた。
まぁ、早い話がこれだけですw
ではなぜ、センスのない脚色を加えてまで長々と書いたかというと…
他に書くことがないのですorz
心霊ツアー当日、現地には早朝7時頃に到着したのですが、ホントただの池です。
なぜここが心霊スポットなのかさっぱりわかりません。
(画像1)
(画像2)
(画像3)
(画像4)
(画像5)
【深泥池】
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
すぐ近くには、それほど大きくもないのですが車の通りの多い道路もあり、早朝にもかかわらず結構賑やかです。
さらに、その道路沿いに廃屋らしきものを発見しました。
主役の池よりもむしろその廃屋の方がいい雰囲気を醸し出していたので、一行はそこに侵入することにしました。
が、
どうやらそこは廃屋などではなく、しっかり人が住んでいました(汗
寸でのところで押し込み強盗よろしく警察のお世話になるところでした…orz
焦った一行は大急ぎで車を出し、一目散にその場を離れたのでした。
はい、気を取り直して次のスポットです。
残るは『幽霊マンション』と『笠置観光ホテル』ですが、そこへは当会の会員『白ク氏』と合同で向かう手筈になっておりました。
待ち合わせは正午だったので、かなり時間があまっております。
そこで一行は腹ごしらえをするべく、少し離れたファミレスへと向かいました。
軽く食事を済ませたあと、長旅の疲れを癒すべく、しばらく車の中で休むことにしたのですが…予想以上の疲労と先程のファミレスで飲んだビールの見事な併せ技で一同爆睡。
気がついた時には、既に時計は12時半になろうとしておりました(汗
飛び起きた一行が大急ぎで待ち合わせ場所に向かったことはいうまでもありません。
予定していた待ち合わせ場所である『おたべ本館』に着いたときには、既に白ク氏は来られてました(汗
白ク氏、本っ当にすみませんでした。
【おたべ本館】
※お土産を選んでいる最中、館内にある大きめのテーブルにお茶をならべてくれたので、ここの名物だという『白おたべ(無添加の生八つ橋、一個60円)』を頂きました。
賞味期限が当日中という中々に貴重な一品だそうで、訪れた方はぜひご賞味あれ。
■幽霊マンション
一時間も遅刻した我々に苦言ひとつ言わない白ク氏に頭の下がる思いで、一行が次に目指したのは『幽霊マンション』です。
で、場所なんですが、ここに記した航空写真の場所で間違いないと思ったのですが…なんとその場所は更地になっております(汗
少しばかり辺りを探索してみましたが、それらしい場所は発見できず、やはりあの更地になっている場所がそうなのではないか、という思いが一同の頭を過ぎります。
とりあえず航空写真に記した建物の向かい側に位置する『TSUTAYA 太秦店』で聞き込みをすることに。
で、聞き込みから得られた情報は次の二つです。
(1)向かいの更地には、以前は二つの建物があり、一つは『京都きもの学院』。
もう一つは『二階建てのアパート』だった。
(2)この辺りは景観法の関係で、それほど高い建物は建てられない(当然8階建てなどは無理)。
さらに、それは嵐山方面に向かうほど顕著である。
やはり予想した通り、眼前の更地にはアパートが建っていたようだが、ニ階建てとあっては情報と違いすぎます。
そもそも、様々な角度から考察を進めた結果この場所で間違いないと思い込んでいたことこそが誤りだったのか…とりあえず嵐山方面に向かうと背の高い建物はないとの情報を信じ、それならばと一行は逆方向に車を走らせることにしました。
注意深く辺りを観察しながらゆっくりと車を走らせると、ほどなくして…
ありました!!
(画像6)
(画像7)
※写真を見てお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、とりあえずここは時系列に沿って読み進めて下さい。
で、このマンション。
玄関がオートロックになっていて中に入れない。
しばらく表をうろうろしていると、ちょうど宅配便がやってきましたので、その宅配員のうしろに貼り付いての侵入を試みたんですが…あえなく失敗w
エントランスには複数の監視カメラがこちらを睨んでおりましたし、これ以上は冗談抜きで通報されると思い侵入は断念。
とりあえずこの建物が件のマンションなのかだけでも確認するため、たまたま前を通りかかったお姉さんに聞き込みを行なうことに。
すると、なんとお姉さんはその建物の裏手に位置する学校の卒業生でした。
しかし、そのマンションが心霊スポットだなどという噂は聞いたことがない、と。
まさか地元ではマイナー扱いなのか?
いやいや、そんなはずはない。
それでは、この辺りで他に心霊スポットだと謳われるマンションはあるか?と聞いたところ、ここから太秦方面に戻ったところに、住人はいないのにいつまでも取り壊されない奇妙なマンションがある、と。
(まさかそれのことか?)とも思ったのですが、なぜかその時は眼前のマンションが幽霊マンションに違いないと思い込んでおりました。
で、導き出した結論が、北野誠氏や中山市朗氏が訪れたマンションは眼前のそれで間違いない。
玄関は元々はオートロックなどではなく、今よりも簡単に侵入できたが、あまりにも有名になりすぎ、興味本位で建物内に侵入する輩が増えたため、急遽オートロックにしたのではないか?
そうなってからはどこからも侵入できない、よって心霊スポットにするには盛り上がりにかけるってことで、もっと簡単に侵入でき、それらしい雰囲気を持った別のマンションを新たな『幽霊マンション』に仕立て上げたのではないか?
なぜこのような無理矢理な推理に行き着いたのかは今もって謎なのですが、とにかくこの時はそんな風に思っておりました。
それじゃあ、そのもう一つのマンションを探すか否かとなったわけですが、あまりにも手がかりが少なすぎます。
先程のお姉さんにも聞いてはみたのですが、そのマンションの正確な所在地はおろか、名前すらわからないというのです。
これでは探しようがありません。
もう一度太秦方面に戻って闇雲に探し回ってもきっと見つけられないだろうってことで、もう一つのマンションの探索を諦めた一行は、次の目的地『笠置観光ホテル』へと向かうことにしました。
■笠置観光ホテル(までの道のり)
車に乗り込んだ一行は、一路笠置観光ホテルを目指して出発しました。
が、
このあとにとんでもないアクシデントが待ち受けていることなど、この時はまだ知る由もありませんでした。
時間とは必要なときほど早く過ぎるもので、気付けば太陽は傾き始めております。
件のマンションからホテルまではおよそ50km。
帰りの時間も考えると、次第に焦りの色も見え始めました。
途中で『吉野家』に立ち寄り、手早く腹ごしらえを済ませ、再度車は走り始めます。
この時点でホテルまではおよそ20km。
ホテルの到着時間と現地での散策、さらに帰りの時間を加味しても、ギリギリで次の日の仕事に支障のでない程度には済みそうです。
ここまでは想定の範囲内、あとは無事にホテルに辿り着くだけ…と思ったその瞬間!
なんとハンドル操作を誤って、路肩の縁石に乗り上げてしまうという大ハプニングが発生(汗
車内にはガックンガックンと不快な振動が響きます。
取り急ぎ手近のコンビニの駐車場に車を停め、縁石に激突したあたりを見てみると、ホイールはグニャリと曲がっております……orz
当然これ以上の走行は不可能ですから、同行している白ク氏の手を借りながらスペアタイヤに履き替えます。
しかし、ここは地元から遠く離れた京都です。
その地点から地元まではおよそ450km…orz
もうね、呪われてるとしか思えないです。
スペアタイヤで高速に乗り込み、およそ450kmの道のりを走破するなんて…これなんて罰ゲームですか?
こうして一頻りヘコんだ挙句、目的地であるホテルまでわずか20kmの地点であえなくリタイア。
高速に乗ってからは、途中にある各SAごとに車を停めて点検を行いながら、一行はすごすごと帰路につくのでありました。
■京都心霊ツアー 総括
これは帰ってから気付いたのですが、まずは下の二つの写真を見比べて頂きたい。

左の写真は北野誠氏や中山市朗氏が訪れた、正真正銘の『幽霊マンション』です。
で、右の写真は今回我々が訪れたマンション。
連絡通路のようなものは似ているのですが…よく見ると全くの別物ですw
つまりあのマンションは幽霊マンションなどではなく、ただのマンション。
聞き込みを行なった際に得た“太秦方面に戻ったところにある奇妙なマンション”こそが、本家本元の幽霊マンションだったのではないでしょうか。
結局我々は、深泥池に漂う早朝の清々しい空気を吸い込み、眠りこけて待ち合わせ時間に遅れ、幽霊マンションとはなんの関係もない普通のマンションに夢中になり、挙句の果てには事故を起こして笠置観光ホテルへの凸も断念して帰ってきただけ…ですね、はい。
詰ってください。
罵ってください。
今回の旅の総括を一言で言うなら、
「白おたべ、美味しかった」
以上です。
長々と駄文、長文にお付き合いくださった方に心から御礼申し上げます。
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最終更新:2008年08月13日 08:39