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【メリー・ゴーアラウンド・クリスマス】



 GO AROUND : 航空無線用語としては「進入復行」を意味する
              要するに、滑走路に入るんじゃねえ戻れという意味である
              原義としてはぐるぐる回る、である



京太郎「というわけで、お疲れさまでしたー」

やえ「お疲れ様でしたー」


 クリスマス。仕事。

 仕事である。社会人一年目ではないけど、恋人と過ごすことはできない。

 というかそもそも恋人がいない。死ね、リア充ども。死ね。


やえ「あんた、仕事でよかったの? クリスマスイブだけど」

京太郎「そりゃあ、やえさんと一緒にいれるんなら大歓迎ですよ」

やえ「ふんッ!」

京太郎「痛い、痛い!」

やえ「くだらない冗談はやめなさいよ」

京太郎「……冗談じゃないんだけどなぁ」

やえ「なら、なおさらよ」

京太郎「……鉄壁なんだよなぁ。麻雀と一緒で」

やえ「……誰の胸が鉄壁だって?」

京太郎「言ってない! 言ってねーっすよ!」

やえ「でも、思ってはいたでしょ?」

京太郎「……いやー、そんなことはないですよ? うん、まあ」

やえ「ふんッ!」

京太郎「い、痛ェ! 痛ェ!」


京太郎「なんか、最近俺の扱い雑すぎませんか?」

やえ「……」

やえ「あんたが、そう扱って欲しがってるんだから仕方ないでしょ」

京太郎「いや、そんなことないっすけど……」

やえ「じゃあ、無自覚ってことね」

京太郎「……」

京太郎「……ついにやえさんが俺の無自覚の部分まで理解してくれるまで打ち解けてくれたのかぁ」

やえ「……は?」


やえ「いや、私はあんたが変に道化として振る舞おうとしてる面があるって――」

京太郎「――いや、いいんです。皆まで言わなくて」

やえ「は?」

京太郎「やえさん、照れてるんですよね?」

やえ「は?」

京太郎「でもいいんですよ、今日はクリスマスイブなんですから」

京太郎「もっと素直になってもいいんですよ? だって俺たち、相棒じゃないですか――」


やえ「ファイナルベント(物理)!」

京太郎「おぐっ!?」

やえ「カフカス・カリンカ(打撃)!」

京太郎「ひぎっ!?」

やえ「衝撃のカフカス・カリンカ!」

京太郎「うげっ!?」

やえ「撃滅のカフカス・カリンカ!」

京太郎「更にっ!?」

やえ「抹殺のカフカス・カリンカ!」

京太郎「まだァ!?」

やえ「更にもう一発!」

京太郎「ちょっと、最初に“衝撃”って言ったなら全部で3発――」


やえ「……で」

やえ「あんた、よかったの? クリスマスまで仕事を入れて……」

京太郎「あー、別に構わないっすよ」

京太郎「代わりに、可愛い後輩にプレゼントを渡す時間が作れましたし」

やえ「ふーん」

京太郎「いやー、これだけで今年は満足ですよ。あいつも喜んでくれて、俺も嬉しかったんで」

やえ「……なら、ま、いいんだけどさ」

京太郎「というか俺、そもそも……恋人とクリスマスを一緒に過ごしたことがないんで」

京太郎「もう悲しいとか悔しいとかじゃなくて、諦めてますよ」


 人間、諦めが肝心という言葉がある。

 まあ、諦めが悪いのがオカルトスレイヤーなのだが。一々諦めてたら、オカルトと戦えやしない。

 自分のことを希望と言ってくれた人間がいる。だから、早々と諦められるものじゃない。


やえ「そうなの?」

京太郎「そうです」

京太郎「まずあれですね、大学生のときは普通に部活で忘年会をやったり……」

京太郎「生活力が皆無の先輩の家で介護やったり……」

京太郎「モテない男友達“2人”――あ、“2人”ってのが重要です――と、苦離済ますパーティーをしたり……」

京太郎「仲がいい女子――って、知ってますよね?――新子憧と、恋人いない同士遊びに行ったり……」

京太郎「そんな感じですね」

やえ「……あー、うん。なんかごめん」

京太郎「去年も普通に仕事が入ってましたからね……ハハハ」

やえ「クリスマスぐらい、休んでもいいんじゃない?」

京太郎「まさか。相棒のやえさんが働いてるのに、俺が休めるわけないじゃないですか」

やえ「……」

やえ「……それはつまり、私には今年恋人がいないと思ってたって訳か」

京太郎「えっ」

京太郎「今のは『こんなに相棒である自分を思ってくれてるんだ』って、照れる場面じゃないんじゃ……?」

やえ「うるさい、バカ男」


やえ「高校生のときは?」

京太郎「あー、そうですねー」

京太郎「高校三年生のときは普通に図書館で勉強してましたね、咲と」

やえ「……宮永プロか。二人目の方の」

京太郎「その言い方はやえさんとは言え、やめてくださいよ」

京太郎「アイツは宮永咲です。二人目の宮永でも、宮永照の妹でもないんです」

京太郎「アイツは――宮永咲です」

やえ「……」

やえ「……ったく、いつもそれぐらい真剣な顔してればいいのに」

京太郎「? 何か言いましたか?」

やえ「別に、何でもないわよ」


 残念ながらそのときは、原村和は一緒ではなかった。

 残念ながら。非常に残念ながら。

 何でも、意外にあの家の父親というのはそういうのを大事にする人らしい。

 一度勉強で遅くなってしまって送って行ったときに邂逅した、あの渋めなボイスからは想像できない。


京太郎「高校二年生のときは……龍門渕のパーティーに参加しましたね」

京太郎「で、そのあと仲がいいメイドさんと遊びに行ったり……」

やえ「……自虐風自慢?」

京太郎「?」

京太郎「普通に、親友的な感じですけど……」

やえ「……」

やえ「……はぁ」


京太郎「高校一年生の時は――」


 あの時は、奈良に居たのだ。

 両親の旅行に付き合っていて。

 その時出会った少女は、恋人ではなかった。


京太郎「やっぱり、恋人と過ごしてはいませんでしたね」

やえ「……女と一緒だったことは、否定しないのね」

京太郎「まあ、多少は……」

やえ「多少でこれまで五人と過ごしてるなんて言われたら、普通の男にはブッ飛ばされるわよ?」


 そう、その時点では――。


京太郎「かもしれないっすねー」

京太郎「まあ、俺は……それよりも恋人と過ごせる方が羨ましいですけど」

やえ「そんなもん?」

京太郎「そんなもんです」


 高鴨穏乃はまだ、恋人ではなかった。それに、二人っきりでもなかった。

 だって、新子憧も一緒にいたし。


京太郎「……」

やえ「……」

京太郎「あれ、ここは『じゃあ私が今日一日だけなってやる』って流れじゃないんですか?」

やえ「……。……なんでそう思った」

京太郎「いや、憧がそんな冗談吹かすこともあったんで」

やえ「……」

京太郎「冗談とかついででも、嬉しいですよね。可愛い女の子にそう言われるってのは」

やえ「……」

やえ「……はぁ」

京太郎「で、答えは?」

やえ「……」

やえ「相棒として、仕事仲間として……いや、その、まあ……あの」

やえ「そんな感じなら……えっと、遅めの夕飯にぐらいなら……付き合ってあげても……うん」

京太郎「……」

京太郎「……なんか悪いものでも食べました?」

やえ「あんた本当にブッ飛ばすわよ!」


京太郎「まあ、冗談ですよ」

京太郎「折角なんで普通に親交を深めましょうよ。あと、新年麻雀大会の話もあるし……」

やえ「そっちはまあ、適当でいいんじゃないの?」

京太郎「適当って……そんな、やえさんらしくない……」

やえ「そりゃあ流石に、こんな日まで仕事の話ってのは色気がないし――」

やえ「後は何より、あんたが相棒だから」

やえ「今更余計に打ち合わせする必要ないんじゃないの? あんたと私ならさ」

京太郎「――」


やえ「どしたー?」

京太郎「……いえ、しましょう。するべきです」

京太郎「俺のスタイル的に、研究をしないとちゃんと戦えないですから」

やえ「……うーん」

やえ「でも、ここまで来ると実際に打ってみないと私とあんたじゃ協調できないんじゃないの?」

やえ「積み上げたあとなら、実際の場の状況次第だから」

京太郎「それは確かにそうですけど……」

京太郎「それでも、やりたいんです」

やえ「いいけど……なんで?」

京太郎「1%でも勝率を高めたい。やえさんの足を引っ張りたくない」

京太郎「相棒として――絶対に俺は負けたくないんですよ」

やえ「――」


京太郎「……ハハ」

京太郎「なーんて、格好良くないですか? 今の俺。正直結構イケメンだと思うんですけど……」

やえ「……」

やえ「……やっぱり、多少イケメンでも無理だわ。あんたは」

京太郎「イケメンだとは認めてくれるんですね?」

やえ「多少だからなっ。勘違い、すんなっての!」

京太郎「フリですか?」

やえ「フリじゃない! すんなって言ったら、すんな!」


やえ「んじゃあまあ、行きますか」

京太郎「そっすね。どっか希望とかありますか?」

やえ「別にどこでもいいわよ。あんたが居れば」

京太郎「――」


京太郎「……」

京太郎「……」

京太郎「……」


京太郎「えっ」

京太郎「えっ」

京太郎「えっ」


京太郎(ま、まさかこんな言葉がやえさんから出てくるなんて……!?)

京太郎(どうしたんだ、今日は。クリスマスだからって浮かれてるのか?)

京太郎(世の中発情期だから、やえさんも発情期になってるのか!?)

京太郎(もうこれゴールしていいのか? ゴールしちまうのか?)

京太郎(白線超えちまっていいのか? そういう意味でホワイトクリスマスになっていいのか?)

京太郎(お互いフリーだからフリーキックっていうか、フリーキッスしちまっていいんだよな?)

京太郎(……)

京太郎(……いやー、でも、いざやえさんとそういう関係になるってのは怖いよなぁ)

京太郎(まるで意識してなかったし、正直全然考えてなかったからなぁ……)


やえ「?」

やえ「別に私がなんか変なこと――ハッ」

やえ「……」

やえ「……」

やえ「……」

やえ「……そ、そういう意味じゃないからな! あんたが居れば牌符の検討とか打ち合わせができるって意味でっ」


京太郎「大丈夫ですよ、やえさん。皆まで言わなくていいです」

やえ「そ、そう? 本当に?」

京太郎「ええ」

京太郎「俺はちゃーんと判ってます。小走やえの相棒なんですから」

やえ「……そう」

やえ「いやでも、あんたのことだから絶対なにか――」


京太郎「やえさんみたいにストイックで子供の頃から麻雀一直線で実直なんだけど実は恥ずかしがり屋でちょっと抜けてて」

京太郎「フォローしてくれてるのかしてくれないのかよくわからないし、ツンデレっていうかそれを通り越して鉄壁っていうか絶壁っていうか」

京太郎「その癖特性は地味の中の地味って感じで、そうなんだけどそれを武器に立ち回って7位になるとかもう麻雀極めているって言って過言ではないっていうか」

京太郎「正直言って俺にとって目標を通り越してもうこの人と組めているっていうか俺のことを指名してくれたのが誇らしかったというか」

京太郎「最初の頃コンビだってのにやけに冷たいし厳しいこと言ってくるわ俺のこと絶対嫌ってるんじゃないかななんて考えてたのに」

京太郎「たまたまやえさんが俺のことを選んでくれたってことを耳にしてしまったときにそれまでの態度が全部変わって腑に落ちたっていうか」

京太郎「それから頑張ろうと思ってたのにタレント的な仕事を入れられてだいぶ腐ってった俺が今思えば情けないっていうか」

京太郎「正直尊敬してもしたりないし、あなたと組んでいることがどこまでも誇らしくてしょうがなくて、不運を逆にものにしているあなたは最高ですっていうか」

京太郎「それくらいまでに麻雀に真摯でひたすら麻雀に打ち込んでいて麻雀以外考えてないんじゃないかってレベルの人が」

京太郎「そんなこと――絶対に、言うわけないっすから!」


やえ「……」

やえ「……」

やえ「……」

やえ「……いっぺん、死んで来なさい」

京太郎「えっ」


やえ「……まあ」

やえ「正直今のはちょっと引くっていうか……軽く怖いっていうかさ」

京太郎「ちょっと……? 軽く……?」

やえ「いや、例によって茶化したのかと思って」

京太郎「まー、半分はそんな感じですね」

京太郎「いや、ちゃーんと本気で思ってはしますけど。結構本気ですし」

やえ「……」

やえ「あとは、私へのフォロー?」

やえ「自分が余計に道化っぽく振る舞うことで、私のミスよりバカになって見せたってとこ?」

京太郎「……ハハ」

京太郎「種明かしとか、人が悪いっすね……やえさんは」

やえ「どんだけあんたの相棒をやってると思ってんのさ」

京太郎「えっと……一年とちょっと」

やえ「真面目に答えんなっ!」


やえ「それ、ちょっとズレてるから。もう、収録終わってんだかんな」

やえ「あと……」

京太郎「“あと”……?」

やえ「私の前で、余計な気を遣うなってのよ。……相棒なんだからさ」

やえ「私は、麻雀以外であんたに気を遣わせる気なんてないから、そこんとくよーく覚えとけ」

やえ「いい?」

京太郎「……はい」

やえ「よし」


やえ「……で、それとこれ」

京太郎「えっと、何ですか?」

やえ「プレゼントよ。クリスマスの奴」

やえ「一応……クリスマスに顔を合わせるんだし、多少は必要でしょ?」

京太郎「……。……えっと、開けても?」

やえ「いいって。というか、変に勿体ぶらずにさっさと開けてくれた方がいい」


 小さな袋を開けてみる。

 重さはそれほどでもない。チャリという、金属が擦れる音が聞こえたのでキーホルダーだろう。

 職場の同僚に送るとしては些か――と思うものもいるかもしれないけど、普通に、送られたそのことが嬉しい。

 買ってきた袋とじを定規で開けようとする中学生みたいに――訂正、宝箱を開ける勇者みたいに。

 僅かながらに震える指先で、シールを器用に剥がしてみる。


京太郎「これは――」

京太郎「刀、のキーホルダー……っすか?」

やえ「見覚え、あるでしょ? そのデザインには」

京太郎「えっと……」


 これは確か、オカルトスレイヤーの作中にて、オカルトスレイヤーが使用していた刀。


 それは、服装の中に収納出来ずにアジトの武器庫に保管されていた武器。

 それは、一定の振動波と電波を発し、専用の機材を持つ“オカルトスレイヤー”にだけはそれの今ある位置が判る武器。

 それは、オカルト能力者の生み出す装甲を、いとも容易く切断する――――――。

 その協力者が命を賭して、“オカルトスレイヤー”に届けた専用武器。


 “対オカルト振動式忍者刀”――――。

 銘を――――


京太郎「『ウスランガの仮面』」

京太郎「どうして、俺にこれを……?」


 なんで刀なのに仮面なのかという突っ込みは置いておく。

 ちなみにウスランガというのは南アフリカの伝承にいる湿地の女神であり、全ての生命体はこの地から生まれたとされるもの。

 また、その夫のウムヴェリンカンギは創造神であり、雷や地震として顕在すると言われる。

 作中ではこの刀の振動を物体の固有振動数に調節して、辺りの地面や硬質化する敵の装甲を液状化させるなどを行っていた。


やえ「縁起担ぎみたいなもんよ」

京太郎「縁起担ぎ?」

やえ「所謂――まあ、菫から聞いたけど、ドラマの中のオカルトスレイヤーの強化ってのはそれなんでしょ?」

京太郎「はい」


 持ってからというもの、ただでさえ生身の癖に不死身臭かったオカルトスレイヤーがますます不死身じみてるので、

 “不滅(イモータリティ)の京太郎”とか、そんな感じに呼ばれたりしてたっけ。

 いや、なんとも懐かしい。

 実に懐かしい。刀なのに、どこら辺が仮面何だか判らないって突っ込みも込みで。

 確かあの時、制御用にヘッドアップディスプレイ機能がついた仮面があったから、そのせいかもしれないけど。


やえ「で、作中のあんたは……どんなオカルトにだって立ち向かって、最終的に勝利をものにした」

京太郎「ドラマっすけどね」

やえ「別に、何でもいいわよ」

やえ「とにかく――こっちのあんたも、そうなりなさい」

やえ「今ので十分やってるってのは判るし、あんたは普通の人間にできる努力以上の努力をやってるってのは知ってる」

やえ「あんま、無理すんなとも思ってる。思ってるけど……」

やえ「それでも――」


やえ「――もっと、強くなりなさい。そこで満足なんてしなさんな、須賀京太郎!」


やえ「あんたは私の相棒だから、私があんたのことを一番よく判ってる」

やえ「あんたが格好いいときってのは、大概が格好つけなきゃいけない時」

やえ「だからこそこうして、嫌でも格好つけさせてやる。格好つけるための土台を、私が作ってやる」

やえ「そうすりゃあんたは――絶対にそれに応える」

やえ「私の知ってる須賀京太郎はそういう奴。なんか、違う?」


京太郎「……さあ?」

京太郎「自分のことなんで……ちょっとよく判らないっす」

京太郎「判らないけど、まあ……やえさんがそういうんなら、そーいうことなんじゃないっすかね」

京太郎「よく、色んな人から格好つけとか言われますし」


京太郎「ま、そこまで言われて格好をつけられないほど……」

京太郎「俺は、男をやめてはないっすよ」

やえ「……ふん」

やえ「もしもやめてたら、コンビ解消してやってるわよ。今頃さ」

京太郎「そんなことなんてないって、知ってて言ってますよね?」

やえ「そりゃ、相棒だからね」

京太郎「ハハハ」

京太郎「まあ、精々格好つけさせて貰いますよ――オカルトスレイヤーらしくね」

やえ「……まあ、期待しないで待ってるから」


京太郎「つーか、まあ」

京太郎「国民麻雀大会ぐらいのときから、だいぶ俺って新生・俺になってますけど……」

やえ「知ってるけどさ」

やえ「そこは……ほら、あの……なんていうか……その」

やえ「そろそろ新年だから、なおさら……こう、一新して欲しかったのよ。なんとなく」

京太郎「なんとなくっすか……」

京太郎「なんとなくで限界突破しろとか、昭和の特撮もビックリの無茶ぶりっすね」

やえ「それに応えてくれる男とは、思ってるかんね」

京太郎「……」

京太郎「……卑怯っすよ、その言い方」

やえ「いつものお返しよ、馬鹿」

京太郎「……」

やえ「……」

京太郎「……まったく、小走先輩も素直じゃないんだから」

やえ「……あんたに言われたくないわよ、あんたには」


 なんとなく笑いあって、首から下げたシルバーにキーホルダーをつけてみる。

 どっちも金属製だから、デザインとしてはありっちゃありだろう。

 そのまま、歩き出す。


やえ「メリークリスマス、京太郎」

京太郎「メリークリスマス、やえさん」


                                                  ――了

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最終更新:2013年12月31日 13:43