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ハギヨシ「それでは――」

ハギヨシ「宮永咲プロ、第一投目をお願いします」

咲「は、はいっ」

洋榎(あ、手と足同じやな)

衣(フラついてる)

咲「えいっ」

咲「……あ」 ガター

衣「……」

洋榎「……」

玄「……」

煌「……すばらくない」

照「……」 モグモグ


咲「ご、ごめんなさい!」

咲「わ、私……その……!」

豊音「仕方ないよー」

豊音「どんまいどんまい、まだまだ始まったばっかりだから! ね!」

洋榎「なあ、天江」

衣「衣でいいぞ」

洋榎「なあ、衣」

衣「なに?」

洋榎「天使っておるんやな」

衣「衣はよく、ハギヨシから天使って言われるぞ!」


ハギヨシ「え」

京太郎「やだ……ロリコン……犯罪……」

ハギヨシ「いや、ちょっと……やめてください。信じて下さいよ」

ハギヨシ「そういう本気のような避け方はよしてくれませんか? 貴方と私の仲ではないですか」

京太郎「そうですよね」

京太郎「もしもし……すみません、警察ですか?」

ハギヨシ「ちょっと、京太郎くん!?」


洋榎「あー、今のは?」

衣「うむ、衣なりの冗談っ」

洋榎「既に冗談じゃすまないんやないんかな……」

衣「?」


ハギヨシ「大体、ロリコンとかそんなことを言ったらあなたは――」

京太郎「カウ・ロイ!」

ハギヨシ「むッ」

京太郎「流石に避けますか……!」

ハギヨシ「当然です」

京太郎「無理矢理でも手籠めにして口を封じようと思ったんだけどな……やっぱり、師匠相手じゃ役者不足だよな」

ハギヨシ「相撲で言うなら、顔じゃないって奴ですね」

京太郎「まあ、思いっきり今、顔狙いましたけどね……。……バチバチ面白いですよね」

ハギヨシ「バチバチ面白いですね」

京太郎「はい」

ハギヨシ「ええ」


玄(今、何を言いかけたのかな?)

玄(ちょっと、気になるよね……うん)

玄「あのー、今なんて……」

京太郎「俺のことをロリコンって言いたいなら、それは違うと言わせて貰いますよ」

ハギヨシ「ほう、その心は」

京太郎「確かに俺は相棒の小走やえさんを大切だと思ってます。あの人以外に俺の相棒はいません!」

ハギヨシ「ほうほう」

京太郎「だけど、俺は小走プロに欲情することなんてまずあり得ないし!」

京太郎「そもそも、あの人は低身長――俺に比べれば――であって、ロリキャラじゃないんだよ!」

京太郎「以上、証明終わり!」

ハギヨシ「……なるほど」

ハギヨシ「まあそれ、小走プロがロリキャラじゃないから欲情しないって風にも取れますよね」

京太郎「そっすね」



420 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:niwakaOOO
いや、まあ、それはそうだろうけど……

421 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
二度風呂~♪快適かいてーき!

422 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:niwakaOOO
あんたはいつまでそこまでいんのよ



玄「小走さんって……」

玄「ああ、あの無くは無いとも言えるけど残念なおもちの人!」

玄(須賀プロはおもち好きだから仕方ないよね。うん)



423 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:niwakaOOO
拾ったミサイルどこ仕舞ったっけ



ハギヨシ(私としたことが、まさかの事態に慌てて口を滑らせかけた――彼の元恋人について)

ハギヨシ(それを……自分を犠牲にしてまで助けて下さるなんて……。すみません、京太郎くん)

京太郎(そこは、ありがとうでお願いしますよ) グッ

ハギヨシ(ですが……これでは貴方は……)

京太郎(いいんです。俺と、ハギヨシさんの仲じゃないですか)

ハギヨシ(ええ。ありがとうございます……京太郎くん) グッ

玄(……いきなり無言で見つめ合ってる)

玄(仲良しさんなんだね、二人とも)


照「……」 モグモグ

照(『私としたことが、全国放送で口を滑らせかけてしまいました――彼との関係について』)

照(『それを……カムアウトのようなことをして、自分犠牲にしてまで助けて下さるなんて……。すみません、京太郎くん』)

照(『大丈夫、そこはありがとうと言って下さいよ。恋人なんだから』)

照(『ですが……この道は茨の道。未来ある貴方に全国放送で咎を負わせる訳にはいかない』)

照(『そんな! そんなの、俺とハギヨシさんの仲。二人の愛の前なら……!』)

照(『御容赦下さい……この世界は、貴方が考えているほど優しくはないのです』)

照(『でも俺……俺のハギヨシさんへの愛は、変わりませんから!』)

照(『ええ。ありがとうございます……京太郎くん』)

照(こんなところかな?)

照「……」 モグモグ


煌「あのー、宮永プロ……?」

照「……」 モグモグ

照「……」ゴクン

照「……照でいい」

煌「あ、はい。……照さん。そのおかしはどこからー……?」

照「ポケットにあった」

煌「あ、さいですか……」


煌「いやいや、そうじゃなくて!」

照「……?」 モグモグ

照「……あ」

照「これ、御返し。さっきはありがとう、花田さん」

煌「あ、はい。わざわざご丁寧に――」

煌「――って、違う! 違いますよ! 今、本番中ですから!」

照「……」 モグモグ

照「……」 ゴクン

照「……大丈夫。問題ない」

照「それより、そのおかし食べないの?」

煌「いえいえ、いただきます――、――じゃなくて!」

照「?」

煌「本番中なんですよ、本番中! それなのにどうしておかしが食べられるんでしょうか! いじめいくないですっ!」

照「……」

照「最後のは関係ないよね?」

煌「そうでした……」


照「……」

煌「……」

照「……」

煌「……」

照「……」 ツマミ

煌「あっ、ま、また……!」

煌「だめです! すばらくないです!」

照「……むう」

照「……」

照「……ふぅ」

照「……私が大丈夫だと言ったのは」

煌「言ったのは?」

照「花田さんがここに居てくれるからだよ」

煌「…………………………へっ?」

煌「えっ」

煌「いや、えっ」


照「須賀プロと仕事をしているとき、私はいつもこんな感じにしている」

照「それは、安心できるから」

照「須賀プロならしっかりしてるから、私が変に気を使わなくていい」

照「むしろ、私が変に気を使うことが須賀プロの負担になってしまうかもしれない……」

照「そんな風に……」

照「私は、花田さんにも安心と信頼を感じてるんだ」

煌「宮永プロ……」

煌「いい話になっていますが、それとおかしを食べるのは別問題でしょう」

照「えー」

煌「駄目です」

照「……」

照「……背中は任せたから」

煌「いや、ですから……」

京太郎「はは、どっちが背中か判らな――おっぱぁぁぁぁあ!?」


玄「ひッ、す、須賀プロ!?」

洋榎「はは、東京のツッコミは過激やなー」

洋榎「…………うちはつっこまんからな」

衣「あ、頭の横を鉄球が……」

咲「今のは京ちゃんが悪い」

豊音「あわわわわわわわわわわ」



450 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
呼んだ?

451 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:niwakaOOO
なんでもないから、そのまま温泉で入水してなさい

452 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
りょーかいだよっ

453 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:SMSMHIMEko
あはっ、混ぜて欲しかー。欲しかね



灼「……はぁ」

灼「皆さん、行きますよ」

京太郎「あ、はい」

煌「すみません……」

照「本当だよね」

京太郎「……」

煌「……」


豊音「じゃー頑張って、スペアとっちゃうよ!」

咲「お願いします」

豊音「だいじょーぶ! 私に任せて……えいっ」

豊音「あー」 カタァァアン

豊音「ごめんね? 1つ残っちゃったよー」

咲「そんな! 私がいきなり外しちゃったから……」

豊音「咲ちゃんの所為じゃないよ! これは、私が駄目だったんだよー」

咲「でも、それを言ったら私が……」

豊音「ううん、私の方が……」

京太郎「あー」

京太郎「もう、お互い様ってことでいいんじゃないっすか」

京太郎「ほらこれ、コンビなんだから……」

咲「京ちゃん……」

豊音「京太郎くん……」


京太郎「まあ、あえて悪いとか言うとしたら……」

京太郎「咲、お前だよな?」

咲「あう」

京太郎「っていうか、前にボウリング行ったときに教えただろ?」

咲「前って……それ、高校の頃だよ」

京太郎「いいんだよ、そーいうのは。とにかく……俺は前に教えたよな?」

咲「う、うん」

京太郎「なんでそれなのに元通りになってるんだよ」

咲「そんな、5年も前のことを覚えてろだなんて……無茶だよ」

京太郎「口答えすんなって」 デコピンッ

咲「あうっ」

京太郎「ほら、ボール選びから始めるぞ? その後は投球フォームな」

咲「そんなぁ」

咲「京ちゃんってば、強引すぎ!」

京太郎「強引でけっこう。ほら、行くぞ」

咲「ちょ、ちょっと待ってよー! もう!」


豊音「仲良しさんだねー」

玄「そ、そうですねー」

洋榎「なぁ」

衣「どうした?」

洋榎「あの二人、カメラ回っとるん気付いとるんか?」

玄「さあ……」

灼「……」

ハギヨシ「……どうしましたか?」

灼「コーチ」

灼「この店の店長として、不得意な客には教えなきゃいけな……」

ハギヨシ「なるほど。プロ意識ですね」

灼「代役、立てとくから」


照「……」

照「……」 ギュルルルル

照「……」 ギュルルルルルルルルルルルルルル

照「……『Act.2』」

煌「お見事っ!」

煌「一度ガターに入ったのに再びレーンに戻るのがどういう原理かは知りませんが……あれだけの回転があれば、溝を弾いてもおかしくない」

煌「すばら! すばらなストライクですよ!」

照「……」

照「……花田さん」

煌「なんでしょう?」

照「いぇーい」

煌「……」

照「……」

煌「……」

照「……やっぱり、なんでもない」

煌「……」

煌「……ハッ」

煌「宮永プロ?」

照「……」 ムスッ

煌「照さん?」

照「……何?」

煌「いやー、そのー」

煌「いぇーい! …………とか言っちゃったりして」

照「……」

煌「……」

照「いぇーい」

煌「すばらです!」


ハギヨシ「中々凄まじいスピンのかかったボールが、見事ストライクをものにしました」

ハギヨシ「あれだけ強い横方向スピンなら、ガターの溝に嵌まりきらずに回転のパワーで弾いてきても不思議じゃありません」

ハギヨシ「通常かけられる縦回転ではなく、横の回転の理由はこの為だったようですね」

ハギヨシ「ガターと見せかけてのストライク……このような強引さは、今後の流れを引き寄せるかもしれません」

ハギヨシ「解説はどう観られますか?」

カブト「にゃー」

ハギヨシ「にゃー、ですか……はい」

衣「わーい、衣の親番だー」

洋榎「出親やないけどな」

衣「うん」

洋榎(さて……)

洋榎(なんとも信じられへんけど、満月どーこうに左右される天江衣の……)

洋榎(上位ランカーとしての力を、存分に――)


衣「あっ」 ガター


洋榎「――って、上位ランカーとボウリングは関係ないやろ!」

玄「ひゃっ」

豊音「うわっ」

衣「うえっ」

煌「すばっ」

照「……」 モグモグ

洋榎「あ、あれー?」

洋榎(こーいうときは、いっつも須賀が『そりゃそうでしょ』とか『いやいや実は』とか話繋いでくれるんやけどなぁ……)

洋榎(あれ?)


京太郎「だからな、まず目安として球は体重の10分の1くらいで……」

咲「10分の1って……ポンドだと判らないよ、京ちゃん」

京太郎「1ポンドってのは453.6グラムだから、10ポンドで4.5キロ」

京太郎「女なら、10分の1から2つ3つ落としてもいいけど……9ポンドより下だと破壊力足りないからな?」

咲「そもそも、それ以下って子供用になっちゃうんじゃ……」

京太郎「あー、大丈夫大丈夫。この店はちゃんと大人用の指に合わせたボールが置いてあるから」

咲「へー」


洋榎(……って)

洋榎(むっちゃ、妹の方の宮永プロと話しとるー!?)

洋榎「って、誰がおもろい顔の姉貴の方や!」

玄「ひぃっ」

豊音「ひやっ」

衣「ふえっ」

煌「すばっ」

照「……」 モグモグ

洋榎「……」

洋榎(あかん)



480 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:bomberMAN
これだと……おもろい顔の方やなくて……

481 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:NOyoNOyo3
残念な方の愛宕なのよー

482 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:k1nuEATG
なにやっとるん、愛宕プロ……

483 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ultraQhna
妹の方の宮永は、須賀プロと同中同高の幼馴染みやから……ツッコミよりもそっちの方に行くみたいですわ

484 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:MegeBara3
なんか頭痛くなってきたわ



ハギヨシ「ツッコミ不在の超特急ですね」

ハギヨシ「解説の鷺森さん、どう思われますか?」

カブト「にえ゛ぇ~」

ハギヨシ「あ、はい。そうですか」


ハギヨシ「『それよりも次の愛宕プロの投球は、奇しくも宮永咲‐姉帯豊音と同じ形』」

ハギヨシ「『下手にピンが残るよりも、1投目はガターの方がスペアを狙い易い』」

ハギヨシ「『スペアの次なら倒すピンの数は重要だけど、1フレーム目なら戦略としてはアリ』」

ハギヨシ「『ストライクをとれるのが一番いいにしても……ストライクを取りに行って、スペアも取れないピン残しになるよりは』」

ハギヨシ「『先へ繋ぐという意味では十分に問題ない形である』」


ハギヨシ「なるほど、ありがとうございます」

ハギヨシ「そう言っている間に、見事愛宕プロがスペアを拾いましたね」

ハギヨシ「……」

ハギヨシ「……須賀プロがいないとツッコミが不在すぎて困ります」


灼「……須賀プロ」

京太郎「あ、店長の鷺森さん」

灼「そろそろ出番だから、戻った方がいいと思……」

京太郎「うっす」

京太郎「でも、咲が……」

灼「私がやっとくから、だいじょーぶ」

灼「店に来た客にレクチャーするのは、店員の役目だから」

京太郎「あー、じゃあ、お願いしますね!」

灼「そ」

京太郎「咲、鷺森さんに迷惑かけるなよ?」

咲「もう! わかってるよ、このお節介やき!」

京太郎「へへっ、じゃあ、行ってくるぜー」

灼「いってら……」 フリフリ

咲「……」

灼「それじゃ、教えるから……」

咲「鷺森さん、京ちゃんと何かありました?」

灼「へ」


京太郎「おまたせしましてすみません」

玄「う、ううん! 全然待ってないよ一条くん!」

京太郎「……一条くん?」

京太郎(……えっ)

京太郎(この人の彼氏か誰かなのか……? いや、まさか……マジですか……)

玄「……あ」

玄「空き時間に読んでた小説と間違えちゃった! ごめんね!」

京太郎「……は、ハハハ」

京太郎「いやだなー、ついに俺名前まで忘れられたかと思いましたよー」

玄「そんなことないよっ、って、ごめんね……?」

京太郎「ははは……」

京太郎(何故だか憧が……大学当初のときのツンケンしたときの憧が浮かんできた)

京太郎(そういえばあの頃のアイツ、よく殴って来たよなー)

京太郎(まあ、身長差のせいで顔面に当たることはなかったんだけどさ。バインダーで後頭部叩かれることはあってもな)

京太郎(……)

京太郎(ゴリラ……火星……幼馴染み……うっ頭が)

玄「……須賀プロ?」

京太郎「あ、はい」

玄「どっちが、最初に……するの?」


 だからそのうわめづかい、やめい。

 目を潤ませるの、やめい。

 頬っぺた赤くするの、やめい。


玄「できれば……そのだけど、私……初めてで」

玄「あんまり上手にできないかも知れないから……後じゃなくて、先にしたいな」

玄「前で……やってもいい、かな?」

玄「須賀プロには……後ろから、私の、その、駄目なところをやって欲しいんだけど……」

玄「それでいい……かな?」

京太郎「大丈夫です何も問題ない」


 いや、やめなくていいわ。

 続けて、どうぞ。


玄(ううっ)

玄(あんなことがあったから、やっぱり京太郎くんと顔を合わせると恥ずかしいよ……)

玄(気まずく……なってないよね?)

玄(ごめんねごめんね。こんなおもちのなり損ないのおもちでごめんね)


ハギヨシ「ふむ、これは……」

カブト「にゃー」

ハギヨシ「『知っているのか、ハギヨシ』」

ハギヨシ「ええ、これは伝説の『美愚匍雨(ビッグフォー)』」

ハギヨシ「4番、6番、7番、10番が形成する形です……」

ハギヨシ「ちなみに……ボウリングの各ピンはこうなので」



     ⑦⑧⑨⑩
 .     ④⑤⑥
 ..     ②③
 .     ①


ハギヨシ「残り方としては、こういう形となりますね」



    ●○○●
  ...   ●○●
      ○○
  .     ○


ハギヨシ「無難に6‐10ピン……或いは4‐7ピンを取りに行くべきですかね」

ハギヨシ「正直、運がよくなきゃ不可能って感じでしょう、これは」

ハギヨシ「松実さん、これは痛恨です」



520 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:noWYNWDNO
流石にこれは……須賀プロでもハードなんじゃ

521 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ANGELAKO
まーさか。ないない

522 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ChaliceH1
そうそう。あり得ないって

523 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
これぐらいで死ぬよーな根性なしじゃないから。根性だけはあるんだから、こんじょーは

524 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:magicSSSS
ああ……まだ、アイツの目が死んでない

525 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:42noMount
京太郎なら――ここで! 負ける筈が、ないッ!

526 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:PeachMMM
(いやこれ麻雀じゃなくてボウリングっす)

527 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:niwakaOOO
(ボウリングって根性だけでどうにかなるもんかしら?)



玄「ご、ごめんね……」

玄「まっすぐ、真っ正面から行ったら……こんな形になっちゃって」

玄「折角の試合なのに、最初の最初で……私……!」

京太郎「……」

玄「その、なんでもするから……ごめんね! ごめんなさい!」

京太郎「……」

京太郎「……はぁ」

玄「……っ」 ビクッ

京太郎「今、なんでもするって……言いましたよね?」

玄「う、うん……」


京太郎「なら――笑ってて下さいよ」


玄「へ?」

京太郎「これから、俺が……格好よくスペアを取ってくるのに」

京太郎「相方がそんな顔じゃ、楽しいものも楽しくなくなる」

玄「で、でも……」

京太郎「……ふう」

京太郎「『男がやっちゃいけないことは2つある』」

京太郎「『女の子を泣かせることと、食べ物を粗末にすることだ』……らしいっすよ。あの店員さん曰く」

玄「灼ちゃんが……?」

京太郎「……ま」

京太郎「前に――さっき――かるーく聞いただけなんでよく意味は判らないんですけど」

京太郎「そういうことなんで……」



542 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:DragonEyE
あー、これは来るやろなー

543 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ANGELAKO
き、来ちゃうわね

544 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:MOKOTANN
いう

545 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
い、いっちゃうね!

546 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:niwakaOOO
ボウリング、そこまで出来るわけじゃないってのに……

547 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ChaliceH1
言ったからには、後には引けなくなるけどいいのかな?

548 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:10CAp01s
この! 格好つけの! 目立ちたがりや男! ですわ!



京太郎「さあ――ショータイムだ!」



京太郎(……なーんて、言ってみたはいいけどさ)

京太郎(別にそんなスゲー得意ってワケじゃないんだよな。ムエタイとかサッカーと違って)

京太郎(うーん……)

京太郎(両方に共通するのは足技だから、いっそボウリング球を蹴ってみるか? なーんてな)

京太郎(ハハハ)

京太郎(……)

京太郎(流石に、思い出のこの店の球を荒く扱いたくはないし……)

京太郎(手で出来ないことだけど足でやれば出来るなんてのは、壊すことだけだからな。除外だ除外)

京太郎(というか蹴るボウリングとか、誰得なんだ? 馬鹿馬鹿しすぎるぞ)

京太郎(……)

京太郎(どんな理由でも、負けられない……!)



550 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:mihoko913
これは……ボールの目とレーンの偏りを読む必要があるわね。
偏りについては、先ほどの松実さんのである程度は把握できてると思うけど……

551 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:DragonEyE
あとは、ボールの重心とか表面の傷とか、松実玄ちゃんの動きから投げた速度と方向と回転を……

552 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ultraQhna
……いえ。まだ、1フレーム目ですから、須賀プロの“眼”では難しいんやないかと
ボウリングにしろ何にしろ、データ集めるには足らなさすぎますわ。初めも初めやと

553 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:niwakaOOO
初見相手だと、実力の5分の1もだせないんじゃないの?

554 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:SHeepD4C
(だから……麻雀やなかとボウリングやって)

……はぁ。

もうよか。もうなんでんよか

555 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:42noMount
……それなら。それなら尚更、須賀プロは……大丈夫だよ

556 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
どゆこと?

557 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:42noMount
えっと………………須賀プロは、人の夢を守る人だから?



灼「……どうして、そう思った?」

咲「いやー」

咲「いつもの京ちゃんなら、まず初対面の店員さんに『うっす』だなんて言わないですし……」

咲「『鷺森さん』じゃなくて、『店員さんに迷惑かけるな』って言います。大体は」

咲「『お節介やき』とか言われたら、『うっせーぽんこつ』ぐらいは言うから……」

咲「……あと、紹介するときに『店長の鷺森さん』って回りくどい言い方も多分ないです」

灼「……そ」


咲「その……だから……」

咲「もしかして、京ちゃんは何か失礼なことはしませんでしたか!?」

咲「気が利くけど、頑固だし……売り言葉に買い言葉みたいなこともありますし」

咲「ひょっとしたら、何かやっちゃってないかな……って」

灼「……」

灼「須賀プロに迷惑はかけられてない」

灼「ただ、スタッフの方にちょっと……」

咲「……ああ」


灼「須賀プロとは、番組の準備を一緒にやった。その時に、色々と面白い話聞いた」

灼「それの所為と思……」

咲「あ、そうなんです。よかったぁ……」

灼「……そう」

灼「それだけの――話」

京太郎「……」


 目を閉じて、ボールを磨く。


京太郎『あー、スペアが上手くいかない!』

京太郎『パワーストライクとかは行けるんだけどなぁ……。スペアって、ストライクより難しいよな』

京太郎『あーあ、どうしたらいいんだよ』

灼『へたくそ』

京太郎『いや、スコア自体は悪くないだろ?』

灼『……』

灼『……はぁ』

京太郎『なんだよ、その目』

灼『パワーでどうにかしようとしすぎ。力だけなら、ゴリラでも出来るから……』

京太郎『ゴリラでも出来るって…………それ、人間じゃ殆ど出来ないって意味では』

灼『じゃあ、これからゴリラって呼んで欲しい?』

京太郎『……勘弁してください』


灼『とりあえず、まずはコツだけ教えるから』

灼『左足の爪先の方にボールは飛ぶ』

灼『ボールは投げるんじゃなくて、振り子のように足下に置く』

灼『狙うときはあの矢印……アローを目安にする』

京太郎『いや……それ、真っ直ぐ飛ばす方法だろ?』

京太郎『それはもう聞いたって。それで、①ピンと③ピンの間を狙うとストライクがとりやすい――って奴』

灼『そうだった?』

京太郎『そうですよ』

灼『……』

京太郎『……』

灼『じゃあ、グリークチャーチのスペアの取り方を教える』

京太郎『いや、なかったことにしないで下さいよ』

灼『グリークチャーチは、④⑥⑦⑨⑩ピンが残った形で……』

京太郎『いやいやいやいや』

灼『ここから⑨ピンがなくなると、ビッグフォーになる』

京太郎『なに平然と解説続けてるんですか?』

灼『狙いとしてはやや⑩ピンよりに⑥ピンを狙っていって……』

京太郎『あのー、ちょっと――』

灼『うるさい』

京太郎『いや、理不尽すぎるって……』


京太郎(懐かしいな……色々と)

京太郎(……)

京太郎(正直あの人からの扱いはよくなかったけど……今思えば、よくそれで恋人までいったな)


 確かに――ボウリングはそこまで得意ではない。

 まあ、鷺森灼からの教授のおかげで、人並みよりは多少は出来るようになったというところか。

 1ヶ月以上ボウリング場で住み込みのバイトをして教われば、誰だって大抵はこのレベルには到達するであろう。


 そういう意味では――一番得意なものは何かと言われたら、多分麻雀だ。

 出来る人間からしたら、8年も費やしてこの程度かという話になるが……ずぶの素人だった昔に比べたら、成長著しい。

 理論的に、人間が習得できるすべての技術は使用できるのだ。

 切り出し位置判断、目線移動判断、癖判断、バイタル判断、データ判断、カウンティング、心理戦、思考読み、捨て牌読み――それらすべて。

 (単純なデジタル的な期待値は、スタイルと合致していないので重用はしない)


 勿論、それを得意としている人間からしたら児戯に等しい。単体では彼女たちの足下にも及ばない。

 一つ一つは、ある程度打てる人間にはできることでしかないのだ。

 ただ、普通に使ったら多少の判断材料にしかならないものも――自分自身、須賀京太郎の持つ技能すべてを統合することで、自身の“特性”を生かす専用武

器になる。

 あらゆる意味でのオールラウンダーは、一点を貫く獣の槍と化すのだ。


 そんな、麻雀のように……。

 積み重ねることこそが、須賀京太郎が生まれつき持った“特性”であり、培った才能だ。

 それは――だからこの場でも変わらない。

 麻雀以外でも、変わらない。


京太郎(……ここで、どれだけボール投げたっけな)

京太郎(……)

京太郎(レーンの特性は――昔の状態なら、手に取るように分かった)

京太郎(今のは――)


 ――油の塗り具合は、投げたボールから見ること。いい?


京太郎(……ああ、そうですよね)

京太郎(ってなると、玄さんが投げたボールを見ないとな)


 ――そしたら、レーン上のオイルの分布を測って。分布次第で曲がり方が変わるから。

 ――オイルが少ない方が、摩擦が強いからよく曲がる。それは判る?


京太郎(なんとなく……だよな)

京太郎(あのときの――昔の見え方と今の見え方を比較して、照らし合わせる)

京太郎(それで、大まかに把握できる)


 ――強いフックだと、最終的にリリース前にボールを乗せる。

 ――中指と薬指が残る。親指がない分、手首への負担が多くなる。

 ――だから、手首は鍛えておいた方がいいと思……。


京太郎(鍛えてるよ……鍛えてる)

京太郎(ドラマだのなんだののアクションのトレーニングのお陰で、学生の頃よりよっぽどフィジカルは強い)

京太郎(だから、問題はないんだよな……これぐらいなら)


 ――あとは、球の重心も大事。

 ――ボールの中心と、ボールの重心が違ったら……当然ボールは自然とそっちに縒れた回転が増す。

 ――それを上手く使えば、少ない力で強力な回転をかけることができるし……。

 ――ピンとの接触で回転と重心の関係位置が変われば、ボールはまた急激な変化を起こす。

 ――ほらね? どう?

 ――……む。簡単そうって……。

 ――なら、京太郎がやってみたらいいと思……。できたらなんでも一つ願いを叶えたげるけど。


京太郎(俺は……『こけしに叶えられる願いって電動マッサージ以外にあるんですか?』とか言ったっけ)

京太郎(今考えると……無茶苦茶失礼過ぎないか、俺?)

京太郎(そりゃあ、灼さんだって怒るよ)


 ――もういい! 知らな……。

 ――おゆはんは鍋焼きうどんだから。覚えといて。

 ――ふん。どうにかしたいなら、やってみたらいいから。そしたら願いを叶えたげる。

 ――ほら。とーぜん……!


京太郎(結局ここでも――麻雀でやることと何も変わらない)

京太郎(持てる手札を全部積み上げて、何もかもを引き換えに――運以外の全てを埋めて大博打を打つ)

京太郎(それが俺のスタイルだ。多分、そーゆーもんなんだろうなぁ)


 手首は強くなっている。

 オイルの状態も判る。

 球の比重だって判る。

 あとは――――教えられた通りに、球を置いてくるだけだ。そっと手放すだけだ。



京太郎『スプリットってのが、スペアを取るのに難しい形なんですよね』

灼『ん、そ』

京太郎『じゃあ、取り方とか……必勝法とかあるんですか?』

灼『あるよ』

京太郎『へっ?』

京太郎『ひ、必勝法あるのか!? 本当に!?』

灼『だからそー言ってるんだけど……』

京太郎『マジ……? 俺、今初めて灼さんのことを尊敬してるかも……』

灼『……は?』

灼『……』

灼『そんな言い方するなら、教えな……』

京太郎『いやいやいやいや、ごめんなさい。調子に乗りました。灼さんは可愛くて最高です!』

京太郎『このとーりだからさ! な!』

灼『……ちょーしよすぎ』

灼『……』

灼『ま、まあ……その。もう少し誠意を見せるなら、教えてあげてもいいよ』

京太郎『誠意?』

灼『明日明後日の店番と買い出しと風呂掃除と料理』

京太郎『……マジもんの誠意ですね』

灼『それ以外にある?』

京太郎『……ないです。はい』



600 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:HOKU10ki
見えた!2ピン残るで!

601 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
不吉だからやめてよ!須賀ががんばってんのに!

602 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:magicSSSS
いや――これは、スペアだな!きっと!

603 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
……ごめん。なんかしんないけど、もっと不吉な気がする

604 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ChaliceH1
投げられたんだ
あとは、『祈る』しかないよ……『納得』と『感謝』できるように

605 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:10CAp01s
これだけやって目立ちきれないなんて、そんなの絶~~~~対にっ! 許しませんわ!

606 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:semaitoko
まだ1フレーム目なのよねぇ……



京太郎「次のあなたたちの台詞は――」

京太郎「『曲がった!? それも急激にッ!』だぜ」


ハギヨシ「――曲がった!? それも急激にッ!」

ハギヨシ「……ハッ」

衣「――曲がった!? それも急激にッ!」

衣「……えっ」

洋榎「――曲がった!? それも急激にッ!」

洋榎「……なんやと」

煌「――曲がった!? それも急激にッ!」

煌「……なんと! すばらですっ!」

照「モグモグ――このおかしおいしい」

照「……はっ」


豊音「うわー、格好いいよー!」

玄「すごいすごい! 須賀プロすごい!」

豊音「ね! ね!」

玄「うん! 格好良すぎるよ、こんなのって……!」


灼「だから、手首はこう……こう投げると、自然とフックがかかる」

咲「えっと……こうですか?」

灼「そう。いい感じ」


京太郎「……」

京太郎「……」

京太郎「……」

京太郎「……流石に全員の思考を一括りに読むのは無理だよな、うん」

京太郎「……ははは」

京太郎「……」

京太郎「……」

京太郎「……ま、ま~たまたやらせていただきましたァン!」



622 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
あーあー。やだやだ、出来ない方にかけてたのになー
あーあー。ったく、なんでとっちゃうかなー
あーあー。たくさー、空気読みなよ。ばーかばーか

623 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:HOKU10ki
あれ?おかしいなぁー……?

624 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:magicSSSS
よし、私の思った通りだったな。うん。私の目に狂いはない

625 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:PeachMMM
何故だか海のリハクって言葉を連想したっす

626 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ANGELAKO
ここで決める奴だから、惚れるんじゃない

627 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:niwakaOOO
惚れる……?

628 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ANGELAKO
ふにゅ

629 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ChaliceH1
まあ、ちゃんとショータイムって言ってたからね

630 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:42noMount
ここで勝たなきゃ、いつ勝つんだッ!
って感じだったから、大丈夫だったな。須賀プロは、そんなタイプだからさ



京太郎(油の塗りは把握してた……過去の記憶と照らし合わせた)

京太郎(重心も……ここの、この16ポンドボールのことは判ってた。何度も何度も使ったもんな)

京太郎(元々16ボンドなんて、あまり使われない球だから……5年経っても中々入れ替えられない)

京太郎(で、ボールとレーンの情報があったところに……それをベースにして)

京太郎(俺なりにコースを作り上げた。勝ちへの『光輝く道』を)


京太郎『……で、必勝法って?』

灼『作らない』

京太郎『 は?』

灼『そもそも、スプリットを作らない。これ大事』

京太郎『はあ?』

灼『……む』

灼『これが必勝法。文句ある?』

京太郎『いや……ないけどさ……。うーん』

灼『なら、ちゃんと示したげるから待ってて……』

灼『どういう回転で、どういうコースで……どこにぶつかったら、どういう形ができるのか』

灼『そんな風になる投げ方をしなければ、ある程度平気……』

灼『……ま』

灼『ボウリングは何が起こるか判らないから、こうなるとは限らないんだけど』

灼『覚えとくと、いいと思……』


京太郎(松実さんは……)

京太郎(真っ直ぐ、真ん中を狙ってというよりは……ポケット――①③ピンの間――を狙っていた)

京太郎(ただ、回転が足りなかったから――力が足りなかったから、そして角度が甘かったからあんな形になった)

京太郎(ボールは投げられる度に、油を奪う)

京太郎(つまりは――少なくともその部分、他より油が少ない)

京太郎(そして……ここはさっきまで玄さんが使ってたレーン)

京太郎(スケジュールがせっつかれてたから、オイルを塗り直してる暇なんてのはない)

京太郎(そこらへんに拘るほど詳しい局やスタッフじゃないってのが幸いしたな)

京太郎(だから――俺の絵図通りに、⑥ピンの辺りで急激にスピンが増した)

京太郎(そしてやれやれ……)

京太郎(狙った感じでボールは⑥ピンを弾いて、④⑦ピンを倒し、接触の衝撃で回転がまた変化したボールは⑩ピンを捉えた)

京太郎(とりあえず――面子は保てたな)


玄「須賀プロ?」

京太郎「ああ、はい。なんでしょうか?」

玄「その、須賀プロの番だよ?」

京太郎「もう?」

京太郎「あー……結構考え事に没頭してましたか、俺?」

玄「うん……」

京太郎「それで、どんな感じですか?」

玄「えっと、姉帯さんたちが……」


豊音「やったやった! すごいよ! ちょーすごいよ、咲ちゃん!」

咲「うわっ、ちょっと、怖い! 怖いよ!」

豊音「ちょーすごいよー! ストライク決めるなんてすごいよー!」

咲「高い、高いよ! あ、姉帯プロ!?」

豊音「豊音だよー! そう言うまで下ろさないよー!」


京太郎「……」

玄「……」

京太郎「なるほど、咲はストライクを決めた……と」

玄「う、うん……」

京太郎「楽しそうだな、うん。咲ってああいう風に強引にやられても、何だかんだ悪い気してないんだよな」

玄「でも、あれだとスカートの下が見えちゃうんじゃ……」

京太郎「……カメラ砕くしかないか。カメラマンの頭蓋骨も」

玄「ええっ!?」

京太郎「いやいや、流石に冗談っすよ。ハギヨシさんが居れば……大丈夫な筈です」

玄(いなかったらどうしたんだろう……)

京太郎「そんときは、こっちで絵的にオイシイことして、カメラを寄せます」

玄「い、今の声に出てた……?」

京太郎「いえ」

京太郎「まあ、状況的に考えるのってそれしかないかなーって」

玄「そ、そうなんだ……」

京太郎「はい」


京太郎「……で」

京太郎「照さんと花田プロの方は?」

京太郎「まあ、スペアぐらいは押さえてきてるような……」

玄「それが……」


照「もうおかしを絶つ。絶命する」

煌「だ、駄目です宮永プロ! そんな早まったことをしては!」

煌「そもそもと言うなら、私がストライクを取らなかったのが問題で――」

照「……違う」

照「もう、私はストライクを倒すことは愚か……ボールを投げることも……」

煌「そんな……」

照「だから、もうおかしを断つ。それしかない」

煌「そこまで思い詰めて……」

照「まずは、今手に持ってるものを処分しないと……」

煌「……」

煌「……ハッ」

煌「捨てるなんて、そんな勿体ないことは――」

照「……ん?」 モグモグ

煌「……あ、普通に食べるんだ」


照「……」 モグモグ

照「……」 モグモグ

照「……」 モグモグ


煌「……」

照「……ふう。ごちそうさま」

照「……」

照「……ハッ」

照「まだ、ポケットにおかしがあった」

照「これも……処分しないと」

煌「あ、はい」



玄「花田さんが9ピン倒したんだけど、宮永さんはスペア取り損ねちゃって……」

京太郎「……あー」

京太郎(そういや、カブトの姿がないな)


照「……ハッ」

照「ポケットにまだあった」

煌「おかしをやめるつもりないでしょう!?」


京太郎「……で」

京太郎「愛宕プロと、天江プロは?」

玄「それが……」


衣「……衣は、いらない子なのかな」

洋榎「そ、そんなことないわ! な? な!」

ハギヨシ「はい」

衣「……」

衣「ハギヨシはそれしか言わない」

ハギヨシ「えっ」

ハギヨシ「こ、衣様……?」

衣「……」

衣「ハギヨシは衣よりもスガ・キョータローの方が大事なんだ」

ハギヨシ「確かに京太郎くんは良き友人ですが、私はあくまで執事です」

ハギヨシ「私は、いつまでも衣様の味方で――執事ですよ」

衣「……」

衣「……この間」

ハギヨシ「はい」

衣「キョータローと虚偽共謀して、同性愛者と――衣を謀ったのにか?」

ハギヨシ「……」


ハギヨシ「……いえ、あれは、あくまで京太郎くんが――」

衣「――余計な言い訳など、聞くつもりはない」

衣「お前は執事ではなく、ただのハギヨシ…………いや、ホモヨシだ!」

ハギヨシ「衣様!?」

衣「つーん」

ハギヨシ「あれは、言うにまれない事情があってですね……」

衣「……」

衣「……その結果が、ホモヨシか?」

ハギヨシ「いえ、ですから――!」

衣「……ハギヨシと語る口はない」

ハギヨシ「衣様!? 衣様!?」

ハギヨシ「……」

ハギヨシ「この世に生まれついて幾余年……青春を捧げ、誠心誠意尽くしてきたのに……」

ハギヨシ「私は……」

洋榎「……」

洋榎「お願い。ボケさせて」


京太郎「……」

玄「……」

京太郎「……愛宕プロが標準語になってるなんて」

玄「驚くとこ、そこなの!?」


京太郎「……なるほど」

京太郎「咲と姉帯プロのところが、9とストライク――19点+次2投」

京太郎「照さんと花田プロのところが、ストライクと9――28点」

京太郎「愛宕プロと天江プロのところが、スペアとガター・スペアで――20点+次1投」

京太郎「……これならなんとかなりそうだな」

京太郎「……」

京太郎「松実さん、何本倒せましたか?」

玄「ごめんね……8ピンしか倒せなくて……」

京太郎(スペア+8――つまり26点は確定。これで俺がスペアを決めれば、まだ問題ない)

京太郎(少なくとも、目下強敵だと思われてた宮永照花田煌ペアには差をつけられる)

京太郎(いつものアベレージよりは下がるが――このままなら、まだ勝てる)

京太郎「いやいや、全然問題なしですよ!」

京太郎「松実さんは美人なんだから、ほら! 俺を信じて笑って笑って!」

玄「……う、うん」

玄「でも――――」



    ●○○●
  ...   ○○○
      ○○
  .     ○


玄「残りピン、あれなんだけど……」


 松 実 ス ネ イ ク 。



468 名前:1 ◆rVyvhOy5r192[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 22:30:37.58 ID:9XLenA0mo [2/2]

722 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:MegeBara3
これは……

723 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:YOU908HTT
えぇ……く、玄ちゃん……

724 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:LegenDA30
やってしまったなぁ……

725 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ChaliceH1
お仕置きだね(ニッコリ

726 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:bomberMAN
これ前にやったら、おでこに蛇の目かかれたんやけど……

727 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:HOKU10ki
あー、こっち見とったかー
二順先やったなー

728 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:MOKOTANN
ボウリング行ったことないから判んないけど、どういうこと?

729 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:SAeKOshi
スネークアイってスプリット

730 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:TOMOkiii
超ムズい

731 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:42noMount
あー、うん。がんばって

732 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:Awaawaii
きょーたろーなら余裕でしょ!

733 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:magicSSSS
それでも、須賀プロならば……きっと

734 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:ANGELAKO
そのー、うん、し、信じてるわよ……?

735 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:niwakaOOO
……須賀プロは人間だかんな?



灼「……説明する」

灼「あれは、スネークアイって呼ばれるピンの残りかた。⑦ピンと⑩ピンがそれぞれ蛇の目に見えるから、スネークアイ」

灼「ぶっちゃけると、取れたら奇跡」

灼「……」

灼「普通なら、片側どっちかのピンを倒しにいくとこ……」

灼「……須賀プロなら、どうするんだろ」



京太郎「……」

玄「……」

京太郎「……」

玄「……で、でも」

玄「す、須賀プロなら大丈夫だよね?」

玄「須賀プロはかっこいいプロだから、玄のこと怒ったりしないよね?」


 松 実 ス ネ イ ク。

 松 実 ス ネ イ ク (わりとしたたか)。

 大 事 な 事 だ か ら 三 回 言 い ま し た 。


 こっちのスネイクをブチ込んだろかコラ。

 スプリットというかベヘリット呼び出すぞオイ。

 ボウリングじゃなくてボーリング(性的な意味で)にしますぞコノヤロー。

 ちゃちゃのんのふぁんをやめます。

 それよりやっぱり千棘が可愛いんですコノヤロー。

 うるせえ、るりちゃんのツンドラがいいんだよバカヤロー。

 どっちも結ばれて欲しいんだよバカヤロー。


京太郎(……ハッ)

京太郎(ヤバすぎて意識を失ってた)


京太郎「……松実さん」

玄「な、なにかな?」

京太郎「人間の頭とボウリング玉って、似てると思いませんか?」

玄「へ?」

京太郎「目と口って、入れる穴の数も一緒ですよね?」

玄「ひいっ」 ビックゥゥン


 思わずフリーザ様みたいな声になってしまった。いけない、いけない。

 初めてですよ。私をここまでコケにしてくれたお馬鹿さんは。

 ほほえたわすれみ顔に……いや、微笑み忘れた顔になっていた。マジな話。


京太郎「お仕置き」

玄「あ、痛っ!?」


 とりあえず指先一つを喰らわせる。ダウンは奪わない。

 さっきのアクシデントで、京太郎のスネイクをアップさせてくれた分、ダウンは勘弁しよう。

 アップだのダウンだのやかましいわ。

 溺れそうだよ。今は状況的にアップアップだよ。気持ちはダウンダウンだけど。


京太郎「はあ……」

玄「ご、ごめんね……?」

京太郎「あとで、身体で払って貰います」

玄「え、えええええ――――!?」

京太郎「後片付けやらレーン整備やらなにやら、手伝って貰いますよ?」

玄「――」

京太郎「松実さん?」

玄「だ、駄目だよそんなの! だって私おもちじゃないから――」

京太郎「お仕置き」

玄「あうっ」


 ……まあ。

 麻雀じゃないにしても、全国のお茶の間のファンがいますし。

 この間、「諦めない須賀プロに励まされます。僕も須賀プロみたいに手術頑張ります」って、少年から御便り貰ったし。

 他にも「浪人してたらおにーさんと同じタイミングで入れませんでした。入れ違いでした。皆でファンクラブ作りました」って手紙もあったし。

 ……二つ目関係ねーな、オイ。

 ま、とにかく……。


京太郎「逆に……腕が鳴るよな、こういうの」


 ――ぐうぅぅぅぅぅううう。


玄「うえ……」

玄「ご、ごめんね……はしたなくてごめんね」


 腕じゃなくて腹鳴らしてんじゃねーぞオイ。

 腹がへらない身体にしてやろうか。拳骨一杯食べさせてやろうか。

 可愛いしおもち大きいし優しいし普段癒してくれるし愛らしいけど――


京太郎「ちったぁ、空気を読みやがれ――――!」


 流石にこれには顔真っ赤になるわ。

 というか、黄色と黒だわ。警戒色だわ。松実玄残念警戒発令だは。

 もう、気分的には対象の玄い生物が死ぬまで針突き入れるわ。






 ……業腹ながら。

 叫びながらの方が、パワーとかスピードでるのってなんなんだろうね、あれ。





※RESULTS※

須賀京太郎『オカルトスレイヤー』――→『「スコアよりも何よりも、一番目立ったからこそ優勝ですわ」の言葉に一番傷付く』

松実玄『ドラゴンロード』――→『京太郎の所為で足腰が立たなくなる(性的な意味ではなく)』

宮永照『どちらが背中か判らない』――→『花田煌と仲良くなる』

花田煌『ネムリユスリカ』――→『嫌でしょうの準レギュの危機』

愛宕洋榎『おもろい顔の方の愛宕』――→『世の中にはボケさせて貰えない理不尽があると知る』『妹に電話する』

天江衣『C‐MOON』――→『暫く鷺森レーンに通うことを決意』

姉帯豊音『大天使八尺様』――→『衣を肩車して二人ともご満悦』

宮永咲『ラブ・トレイン』――→『ボウリングがちょっと上達する』

萩原『スタープラチナ』――→『京太郎と一緒に山に行って気分転換する』

鷺森灼『マスクドライダー・カブト』――→『京太郎がボウリングを続けてくれてたことに静かにガッツポーズ』

カブト『ストレイキャット』――→『夕飯がちくわ明太子だった』『猫ながら健康的な意味で食べて良いか迷う』

志崎綾『AKFC』――→『密かに阿知賀京太郎ファンクラブを作るが、京太郎の中でのファン1号は新子憧


←To be continued...


  __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ 



【ハギヨシの好感度が上昇しました!】

【松実玄の好感度が上昇しました!】

【鷺森灼の好感度が上昇しました!】

【宮永咲の好感度が上昇しました!】

【宮永照の好感度が上昇しました!】

【姉帯豊音の好感度が上昇しました!】

【愛宕洋榎の好感度が上昇しました!】

【花田煌の好感度が上昇しました!】

【天江衣の好感度が上昇しました!】

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最終更新:2014年02月02日 11:08