小ネタ・肥満化

347 名無しさん@ピンキー [sage] 2010/07/08(木) 21:54:19 ID:YPUrijHO Be:
こんばんは、40年のものです。
いつもOLDAPとARばかりなのもなんなんで、たまには肥満化でも
お届けしてみようと思います。ただし、SSでなくあくまでも小ネタですがね。

348名無しさん@ピンキー[sage]2010/07/08(木)21:55:12ID:YPUrijHOBe:
連結された白い手術台に横たわっていたのは二人の若い娘だった。

一人はショートカットの良く似合う均整の取れた肢体の娘で、もう一人はロングヘア
の娘だったが、こちらは全身がぼってりと肥満しており、不健康そうなむくんだ顔つきをしていた。
「さあて、はじめるか」
年老いた眼鏡の男が二人の娘の隣り合った方の掌をぴったりと合わせると、その境界
はじわじわと消失していき、そしてお互いの手は笙という楽器のような形にぴったりと融合してしまった。
男はおもむろに、二人の上に掛けられていた薄い白布を取り去ると、そこにはあられ
もない娘二人の裸身が現れた。
男は無造作に肥った娘の側に歩み寄り、鎖骨の下にぐっと親指を押し当ててみる。
すると、それに反応したのはもう一人の娘の身体で、押されたのと同じ部位が、張り出す様子を示していた。
「まあ、連結はうまくいっているということだな」
男はひとりごちて、肥い娘の両の肩口に自らの手を押し当てて、そこから一気に下に
向かってしごき落とすように動かした。
ぐぷぅ、と粘度の高い液体をかき混ぜたような音を立てて娘のその部分の肉が削げ落ちて消失した。
いや、消失したのではない。そこにあったはずの脂肪は、もうひとりの娘の肩口から
上腕へかけての部位へと移動したのである。さきほどまで引き締まった均整を保ってい
たショートカットの娘の二の腕には、あきらかにミスマッチな贅肉が張り付いてしまっていたのである。
ところが、ここで男は一つ思案し、そののちに今度は細い娘の腕をしごいて、太い娘
へとその肉を全て戻し、ご破算の状態へと戻したのである。

349名無しさん@ピンキー[sage]2010/07/08(木)21:56:05ID:YPUrijHOBe:
続いて、男の手は細い方の娘の身体へとかけられていった。
胸を、背中を、腕を、足を、臀部を、と全身の肉を掴んでは弾き出し、つまんではし
ごきだすといった繰り返しにより、あれよあれよという間に娘をまるで骨と皮だけの餓鬼のような姿へと作り変えてしまった。
もちろん、その分の肉は太い方の娘へと移されていることになるのだから、ただでさえ肥満していた娘はもう、
ぱんぱんの腸詰めのように膨張してしまっていた。
「……依頼は、ただ痩せさせることじゃなく、美しい身体へと作り変えてくれというこ
とだったからな」
再び男は膨張した娘へと歩み寄ると、彼女の腕をゆっくりと、今度は摘み出すように
して指先でゆっくりとしごき始めていた。
すると、今度はゆっくりじわじわとその腕が細くなっていくのであるが、先ほどとは
違い、ただか細くなるのではなく、しなやかに引き締まっていったのである。
そう、彼は贅肉だけを摘み出して、質の良い筋肉を残し、娘の肉体を均整の取れた美
しいものへと作り変えようとしていたのだった。
あたかも、彫刻家が、のみとげんのうとで一木から美々しい神像を彫り出そうとする
がごとく、男は脂肪の巨塊のような肉風船から、美の女神を研ぎ出そうというのだ。
作業は長い時間を費やしながら、黙々とすすめられていった。
魅力的な胸元を作り出すのにはまず、胸回りの余計な脂肪を追い出しながら、乳房に
は適度に脂肪を混ぜた肉を張り出させる。それによってコントラストの利いた、芸術的な双丘を形成することができたのである。
対照的に、腕や腰や足、背中といった部位には余計なものはなるべく削り落としなが
ら、それでいてしなやかな女性的な曲線を失わないよう配慮しながら形を整えていく。
近くで見て、離して見て、納得できない仕上がりならば、粘土細工のように何度も調整してより良い形へと変えていく。
「顔も……直しておくんだったよなあ」
ゆるんだ頬や顎に指を沿わせて、ゆっくりと揺するうちに、娘の顔は一回り小さく、
整った輪郭へと変化していく。と、同時に反比例して、もう一人の娘の顎や首回りは太まって、
たるんだだらしない顔つきへと醜く整形されていく。
娘の鼻を軽くつまんで、ぴん、と引き上げれば、すっとした鼻筋の通った美形の出来
上がりである。おまけに、目の周囲も四辺に存分に引き伸ばして、ぱっちりとした目元
が作り上げられていた。対比すれば、もう一人の顔の目はぱんぱんに張り出した頬に埋
没し、鼻はひしゃげて潰れ、もう元の涼やかだった面立ちの名残りはどこにも残っていない。

350名無しさん@ピンキー[sage]2010/07/08(木)21:57:51ID:YPUrijHOBe:
最後に男はぷっ、と自分の手に唾を吹くと、二人の娘の連結されていた掌の間に手
刀を入れていく。すると、それらは元通りに、二つに分かたれて二人の娘は独立した生物へと戻っていた。
いや、元に戻ったとは言うことはできないだろう。もともと肥満していた一人の娘は
今や絶世の美貌を手に入れ、片や整った容貌を保持していた娘は、取るに足りないつまらない醜貌へと作り変えられてしまったのだ。

それからさらに一時間ほどの時間をおいてのこと。
部屋に残された一人の娘は、ううん、と軽い呻きをあげて目を覚ました。
「……ん、終わったの、ね」
まず、彼女の目に真っ先に飛び込んできたものはおのれ自身の弾力と張力とを兼ね備えた豊満な胸だった。
はっ、と目を移せばそこにはしなやかに伸びたほっそりとした腕、そして手。さらに
下半身へと目を移せば、そこには実に女性的な曲線を描きだす引き締まった脚線美が存在していた。
娘は、ひゃっ、と喜悦の声をはずませつつ、傍らに掛けられた姿映しに自分の姿を映
して、そして表情に高揚の赤をうかばせていた。
「すごい、すごいわ。まるでテレビアニメのヒロインじゃない」
彼女が浮かれるのも無理のないことで、そこに映っていたのはミスユニバースの日本
代表と言われてもまるで誇張ではない、まぎれもない真正の美女だったのだ。
くっと横向きに鏡に立てば、そこにはボリュームのある乳房の張り出しや、ぎゅっと
引き締まったウエスト周りの軽やかさ、そして形よくつん、と上を向いた臀部の様子が浮き彫りになったのである。
数刻前の彼女からは、まるで想像もできないほどの激変だった。象から蝶へ、などと
やさしいものではない。まさに黄泉の住人が天界の美姫へと変貌したがごとくであった。

351名無しさん@ピンキー[sage]2010/07/08(木)22:00:41ID:YPUrijHOBe:
「どうやら、気にいってもらえたみたいだな」
男はさして気のない様子で、部屋の隅で煙草をふかしていた。
「ええ、とっても。この顔も身体も、最高ね。それに、身体の中から活力が吹き出してくるみたいよ」
薄布一枚をまとっただけの娘は鏡の中の自分に食いつきながらにやにやと笑みをこぼしていた。
「ああ、そいつは何よりだったな。あんたの中に組み込まれた娘さんは、もともと水泳
の強化選手だったとやらで、よっぽど鍛えられていたみたいだからな」
「へええ、それはご愁傷様ね。それじゃあ、私の脂肪をくっつけられたんならよっぽど酷いことになってるんでしょうに」
言葉とは裏腹に、娘の口調は残虐性を帯びて弾んでいた。
「だって、私のこのウエスト、細すぎて困るんですものぉ」
ぱっちりと開いた瞳の中にある輝きは、あきらかに邪悪なものであった。
「まあ、それでもあんたの今までの生活ぶりからすれば、すぐに太ってしまうんだろうから、それは余計な心配ってものだな」
男はぼそり、と尖った言葉をはさむ。それに一瞬娘は表情を歪めたが、すぐに機嫌を取り直す。
「ねえねえ、それでその娘はどうなったの」
「どうなった……って、公園のベンチの上に置いてきたよ。意識を取り戻す前にな」
「うわっ、それって酷いわあ。……ねえ、私その子が今、どんなにみっともない身体に
なってるか見てみたいわ。そして、どんなふうにとまどって、驚いて、そして絶望しているか知りたいの」
ねえ、ねえ、と甘えた素振りを見せる娘に対して、男はただ、「悪趣味だ」とだけ断
じて、吸い殻を地面に投げ捨てて、踏みつぶしてしまった。一瞬、赤い火の粉が散って
すぐにそれは消えてしまった。

352名無しさん@ピンキー[sage]2010/07/08(木)22:01:29ID:YPUrijHOBe:
「じゃあな、これであんたも晴れて社交界デビューができるってことだ。あんたとあん
たの親父さんから受けた依頼はこれで終わりってことになるな」
男は手をズボンのポケットに突っ込むと、精気の失せた表情のまま、部屋を出ていこうとした。
「待って……ねえ、もしも私がまた太ってみっともない身体になったら、そのときはまた、誰かと入れ替えてくれるんでしょ?」
娘の厚かましい願いに、男は振り返ることもせずに、ぱたぱたと手を振って、そして歩み去ってしまった。

『……そうだ、もしも俺が心のかたちを整えるって術の方を使えていたのならなぁ』
男の自嘲はそれっきりで、あとはそれきり、男は何も口を開くことはなく、街中の灯
りによって作られた暗がりの中へ紛れて、そしてそれきり再び姿を現すことはなかった。

おわり

353名無しさん@ピンキー[sage]2010/07/08(木)22:05:36ID:YPUrijHOBe:
と、まあこんな感じです。ちょっと以前には、あるTSFの板で合意の肥満化
(痩せてる方が太ってる方に脂肪を譲ってくれって頼むの)のSSも書いたこ
とがありますが、まあ、こういうのも久しぶりだなって思います。
ただ、個人的には嫁と姑の入れ替わりのドロッドロなやつを読んでみたいなど
と強く思うのですね。
それじゃあ、また。

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最終更新:2010年07月12日 01:21