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令嬢メイド

ネタ振りなので、正式に作品になるまでアイディアとして前後の文章を残しておきます。(wiki編集者)

529 526 [sage] 2010/09/23(木) 10:55:06  ID:8/Kl7LaZ Be:
    >「恋人と妹の境界線」「ママな妹、妹なママ」

    おお! そう言われれば確かに! イイ話ダナ~。
    ただ、後者は、いざこれからというところで途切れているのが残念無念。
    「同意して入れ替わり」→「不慮の事態で戻れなくなりオワタ!」→「でもそこから前向きに生きる」
    というコンボが大好きです。最初が強制じゃないぶん「そうなった責任はお互いにある」って感じがして。
    まぁ、「同意して入れ替わり」→「私達、このままでインジャネ?」というのも好物ですが。

    せっかくなので、ちょっとだけ自分でも妄想してみました。

    『令嬢メイド』

     「セリカって、ほんと女らしくてグラマーよね。いいなぁ」
     仕えている家の御令嬢に心底羨むように言われて、ティーポットから紅茶を淹れていたメイドは目をパチクリさせた。
     「ルイーズ様みたいな綺麗な方に言われると、なんだか複雑なんですけど……」
     メイド──セリカの言う通り、彼女が側付きの侍女として仕えているルイーズ・マリアンヌ・ド・ダルタニアンは、掛け値なしの美少女だった。
     豪奢な蜂蜜色の巻き毛と、人形のように整った顔立ち、そして雪花石膏(あらばスター)のように白い肌という、この国に住む乙女なら誰でも憧れるであろう美の要素を兼ね備えているのだ。
     さらに小柄で華奢ながら均整のとれた肢体は、さながら「現世に舞い降りた妖精」と見まがうばかり。
     伯爵令嬢という身分もあいまって、世の多くの少女達が思い描く「理想のお姫様」像と極めて近しい存在だと言えた。

530 526 [sage] 2010/09/23(木) 10:56:14 ID:8/Kl7LaZ Be:
     対して、セリカの方は、ごくごく平凡なメイド娘にしか過ぎない。
     曾祖父の時代に外国からこの移り住んだため、この国では珍しい黒髪黒瞳と、ほんの少し黄色みを帯びた肌が多少は目を引くが、顔立ち自体はいわゆる「十人並みの美人」。
     確かに女にしては背が高く、胸もかなり大きい方ではあるが、それとて飛びぬけて目立つ要素ではない。
     実家は大きな農園を経営しており、それなりに裕福で多少は教養もあるが、身分制が厳格なこの国では、あくまで爵位を持たない平民だ。
     聞くところによると、海の向こうの国ブリタニカでは、貴族と平民のあいだに「郷士(ジェントリ)」と呼ばれる階層があるらしい。かの国でならセリカの家は確実にその郷士階級であったろうが、このプロバンスでは平民として十把一絡げにされる存在だった。

     とは言え、ひと口に貴族と言っても様々で、平民のことを金が成る木かしゃべる家畜くらいにしか思っていない非道な輩もいれば、国と領民のことを本気で考えてノブレス・オブリージュを尽くす立派な「真の貴族」もいる。
     セリカが仕えるダルタニアン伯爵家は、どちらかと言えば後者だ。陽気で平民にも気さくに接する伯爵と、厳格だが思いやり深い夫人のあいだに生れた娘たちも皆、知的で淑やか、かつ誇り高く慈悲深い。
     ……もっとも、末娘のルイーズに関しては、本性はなかなかお転婆だったりするのだが。
     叔母がルイーズの乳母であった縁で、行儀見習いを兼ねてダルタニアン家に仕えることになったセリカは、この家の人々と出会えて本当に幸運だったと思っている。
     とくに現在世話をしているルイーズとは、貴族と平民という身分差はあるものの、主従の域を超えて親しくさせてもらっている。
     ルイーズは、少々ツンデレで素直でないきらいもあるものの、基本的にはダルタニアン伯の娘にふさわしい、優しくて頭のよい少女であり、主として、また友人としては非常に好ましい。

531 526 [sage] 2010/09/23(木) 10:56:45 ID:8/Kl7LaZ Be:
     ただ、残念なことに、15歳になったルイーズは、来年の春から王都の王立学習院(カレッジ)に入学し、勉学に励むことになっている。
     ルイズが学院にいる3年のあいだは、彼女付きのメイドであるセリカは暇をもらい、実家で家業を手伝うことになるだろう。基本的に学習院は従者の同伴は禁止されているからだ。
     弟妹たちに会えるのは嬉しいが、その面倒をみることや、畑仕事のことを考えると、多少憂鬱になる。
     いっそ地元で平民の娘が通う女学校に入学するか……とも思うが、読書好きで勉強熱心なセリカは、ルイーズの許可を得て、彼女が家庭教師から習っている教科書や蔵書類を読ませてもらい、それなりの域に達している。
     今更、女学校に通っても退屈なだけだろう。

     「いいこと、セリカ。確かにわたしは自分でもそれなりに美人だと思うわ。周囲の人もお世辞込みとは言え、褒めてくれる。で・も! 最後に殿方が選ぶのは、いつだって胸の大きな女の子なのよ!」
     どうやらルイーズは自分のスレンダーな体型にコンプレックスがあるらしい。
     あるいは、兄のように慕い、密かに憧れていた隣領の子爵が、巨乳の姉と結婚して義兄になったことにショックを受けたのかもしれない。
     「うーーん、そういうものでしょうか」
     もっとも、セリカなどに言わせれば、胸なんてあまり大きくない方が動くのに邪魔にならなくていい。ルイーズの好きな乗馬の際も、大きな乳房は邪魔になると思うのだが……。
     まぁ、このあたりの問答は、いつもの流れだったが、今日は少し趣きが違った。
     「──ねぇ、セリカ、貴女、本当にわたしのこと羨ましいって思ってる?」
     「?? はい、そう思ってますけれど……」
     「なら、さ。もし、一時的にわたしの立場になれる……って言ったら、どうする? しばらくわたしと代わってくれるかしら?」
     「……え!?」

532 526 [sage] 2010/09/23(木) 10:58:02 ID:8/Kl7LaZ Be:
     ──と、こんな感じで、妖しげな魔法の指輪によって、メイドと貴族令嬢の入れ替わりが発生。
     勉強好きなセリカは、高等教育を受けられることを喜び、「ルイーズ」として学院へ向かい、勉強より身体を動かすほうが好きなルイーズは「セリカ」として彼女の実家に帰る。
     元より素質があったのか、「ルイーズ」は学院でも有数の優等生となり、貴族としての立ち居振る舞いや礼儀作法も身に着けて、他の生徒たちからの「憧れの君」となっていく。
     一方、「セリカ」は田舎暮らしの知識不足で当初こそ多少は苦労したものの、思い切り身体(しかもセリカの大柄で丈夫な肉体)を駆使して働く喜びに目覚める。末っ子だったため、弟や妹にお姉さんぶるのも楽しい。
     年末休暇で「ルイーズ」が屋敷に戻った際に元に戻る約束だったが、互いに今の生活が未だ名残惜しく、「もうしばらくこのままでいよう」と合意して別れる。
     翌年の年末も、ズルズルとその繰り返し。
     そのあいだに、「ルイーズ」は家が決めた婚約者と引き合わされ、「セリカ」の方も地元の若者の求愛を受ける。どちらの相手も好青年で、満更でもなく交際を始めるふたり。
     しかし、さすがに一生このままと言うわけにはいかないので、「ルイーズ」が学院を卒業したら必ず元に戻ることを約束していたのだが、「セリカ」が溺れていた弟を助けるために川に飛び込み、指輪の片われを無くしてしまう。
     3年目の年末休暇で、涙ながらにそのことを「ルイーズ」に告げる「セリカ」。

     ……と、ここまで妄想して力尽きました。
     無論、モデルはラノベ・アニメのあの娘達。色々変えてはいますが。

533 名無しさん@ピンキー [sage] 2010/09/23(木) 18:07:40 ID:RT1jhgcg Be:
    指輪をなくしたのがセリカなら、ルイーズが許せば済むから続けやすいな。
    「判ったわ、あなたはそのままルイーズとして嫁いで頂戴。あなたなら侯爵夫人としてだって立派にやっていけるわ。
    べ、べつに私が○○(地元の若者)と結婚したいから言っているんじゃないんだからね。」

    ……あれ?w

534 名無しさん@ピンキー [sage] 2010/09/24(金) 01:27:46 ID:7A6Xc2Zn Be:
    いい流れだな。
    お互いの環境に長くいるうちに
    元セリカが若干貴族っぽい性格になってたりするのも
    良いかもしれん。

    鉄棒の人の続きが読みたくなってきたよ。

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最終更新:2010年09月30日 21:07