79 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:39:24 ID:CwHXRrSv
きっちりと後ろに1つにまとめて結った髪、暗さを強調するださい眼鏡、校内でほとんど誰も守っていない中、校則通りの長さのスカート、ぴしっと前を閉じたブレザー。
生徒を取り締まることにしか生きがいを感じないのじゃないか、そう他の生徒からも噂されることもしばしば。
超がつくほどの真面目な優等生で、成績優秀な風紀委員の遠藤美冬。
何度も注意されるほど茶色く染めた髪、常に研究は欠かせないメイク、自慢の美脚を惜しげもなく露出する短いスカート、前を閉じるなんて窮屈で崩した着こなしのブレザー。
特定の彼氏は作らずその日の気分でいろいろな男と遊んでいる。
教師からも問題児扱いされ、赤点常連、風紀委員のブラックリスト入り、それが私、近野千夏。
あっちは遠い冬。私は近い夏。
見た目や性格だけではなく名前までここまで見事に正反対だともう笑うしかない。
男女問わず友達作りなら百戦錬磨の私でも、唯一友達になれそうにない、いや友達になる気もない奴、それが風紀委員の遠藤だった。
80 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:41:31 ID:CwHXRrSv
化学実験室に設置されている数人が囲めるようになっている大きくて黒い実験テーブル。
遠藤は、テーブルにノートを広げて黒板の文字を一生懸命書き取っている。
あんなの真面目にノートに書き写してるのは遠藤くらいだ。
ピンと伸びた背筋。制服についているボタンというボタンは1つ残さずぴっちりと止めている。
見ているこっちが苦しくなる。
化学の班、よりによって遠藤と一緒なのだ。たかが1時間程度とは言え、同じテーブルにいるだけで息苦しい。
まあ、実験とか全部仕切ってさっさとやって結果出してくれちゃうから楽と言っちゃ楽なんだけど。
授業があまりにだるいからふと窓の外に視線を向けたらグラウンドが見えた。違うクラスの男子が校庭でサッカーをしている。
今、シュートを決めたあいつ。こないだHしたけど、口ほどにもなかった。顔は悪くないんだけどなあ。
そろそろ、特定の彼氏作ってもいいんだけどなかなかピンと来るいい男が見つからない。
ふう、とため息をつくと、前方から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「……近野さん?聞いてましたか?今の僕の話」
うちのクラスの担任であり、化学教師の松下。
よれよれの白衣に、これでもかというほど地味な眼鏡男。
生徒にまで腰が低いし、よわっちそう。確か25.6歳くらいらしいけど、マザコンなんだろうな。
ださいし、絶対童貞だ。あれも包茎で小さいに違いない。
と、松下の持ち物を想像をするだけで吐き気がしてきた。
遠藤も苦手だけど、私はこいつも苦手だ。苦手というか、関わりたくないといった方が正しいか。
彼氏にしたくないタイプの男NO.1といっても過言ではない。
私は松下の方を見ることもせずに、吐き捨てるように言ってやった。
「聞いてませんでした」
「近野さん、貴女って人は、本当に……」
松下は、はあとため息をつくとズリ下がっている眼鏡をかけなおした。
本当、ださくて頼りない男。
81 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:43:26 ID:CwHXRrSv
特に長く感じる、大嫌いな化学の時間がようやく終わりを告げた。
今日の授業は終わり。あとは帰るだけ。誰と、どこに寄って帰るかなぁ、そう思うもピンとくる男子が思い浮かばない。
でもとりあえずこんな実験室から早く出て行きたいと思ったが松下の野郎の一言で足をとめざるを得なくなってしまった。
「本日の片付け当番は1班の方です。2名お願いします」
私の班だ。そんなだるい当番逃げてしまいたいが、同じ班にいる子は、遠藤以外は仲良くしている友達だ。
自分だけ逃げるわけにはいかず、仕方なくじゃんけんに参加した。
気まぐれで出したグー。周りの子はほとんどパーだった。
もう1人、グーを出したついてないヤツは、よりによって遠藤だった。
ついてないにもほどがある。片付け当番になってしまったあげく遠藤と一緒だなんて。
片付けを始めてさらにもう1つのついてないことに気づいてしまった。
「近野さん、そちらの器具を持ってきてもらえませんか」
遠藤にくわえて松下まで一緒だなんて。教師なんだから当然のことなんだけど。
こんな居心地の悪い空間、体験したこともない。
乱暴に器具をつかんでバン、と松下のところへ置いてやったところでスピーカーから校内放送が流れ出した。
「松下先生、松下先生、職員室まで起こし下さい」
「僕ですか?ちょっと職員室まで行って来ます。終わったら今日はチェックなしでそのまま終わりにして結構ですので、よろしくお願いします」
そういうと松下は出て行った。せいせいした。
生徒に物を頼むのによろしくお願いします、なんて言ってるから生徒になめられるんだ。
まぁ、私の場合、松下からのお願いごとなんて、どんな言われ方しても不愉快だけど。
要するに松下に対して虫が好かないのだ。
82 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:45:24 ID:CwHXRrSv
掃除用具を化学準備室へと戻し、だるい後片付けのだいたいが終わった。
遠藤と私の間に一切会話はない。話しかけるつもりもないし、くそ真面目な遠藤は私のような問題児とは関わりたくないだろう。
こいつと一緒に教室まで戻るつもりも全くないしさっさと帰ってやろうと思ったら、珍しく遠藤が私に話しかけてきた。
「……近野さん。今日は誰と帰るの?毎日違う男子生徒と帰ってるみたいだけど。もう少し体を大事にしたら?」
「はぁ?」
「特定の相手も決めずに、その日の気分で惰性でただ体を重ねるだけでむなしくないの、って言ってるの」
「なっ!?」
私のことを抱いてくれる男はたくさんいるけど誰に抱かれても満たされない心、体。
そんな図星なところを言い当てられたのが頭に来たのだ。しかもよりによって遠藤に。
こんな男も知らない、一生処女でいそうな堅物に、何がわかるっていうの!?
「余計なお世話!」
自分でも気づかないうちに遠藤の肩を突き飛ばしていた。
遠藤は簡単に吹き飛び、ガシャン、と大きな音をたてて背後にあった薬品棚へ思い切り体をぶつけてしまった。
いけない、我に返って遠藤を助け起こそうと手を伸ばしたら半開きになっていた薬品棚の中から薬瓶が落ちてきて、それが私たちの
頭に思い切りかかってしまった。
もし肌が爛れるような危険な液体だったらまずい、と思ったが匂いも刺激も特になく、問題はなさそうだ。
それより、遠藤だ。いくら受け付けないヤツとは言え怪我をさせたら大変だ。
「ご、ごめん、遠藤!大丈夫!?」
そう口にして気づいた。背中を打ったような痛みがある。
私は突き飛ばした側なのに。しかも、背後に薬品棚があるのもおかしい。
こうなるのは遠藤のはずじゃ、そう思い頭の中にいくつもの疑問符を浮かべていると、遠藤が口を開いた。
「私も少し言いすぎた。ごめんなさい」
そういってしれっと謝罪してる人間は、茶色い髪に今時のアイメイク。短いスカート。どうみても私だ。
慌てて自分の体を見下ろしてみると、そこには信じられないほど長いスカート、顔に手をあててみると硬い感触が。
遠藤のトレードマークのださい眼鏡だ。
「ちょ、ちょっと!遠藤!」
「……私たち」
「体、入れ替わってない!?」
「……そうみたい」
遠藤は、近くに落ちていた棚から落下して割れた瓶の破片を拾い上げてジッと眺めた。
ラベルなどの表記はない。無臭だし、中身はただの蒸留水だったのかもしれない。
「遠藤、どうしよう!?病院とか行った方がいいのかな……?」
「……相手にしてくれるわけないでしょ?入れ替わったなんて。頭がおかしくなったと思われるだろうし。そのうち戻るんじゃない?」
「どこにそんな保証が?」
「なんとなくだけど」
そういって遠藤は準備室から出て行こうとした。
この状況で落ち着いていられる遠藤は、やっぱりどこかおかしい、と思った。
私は遠藤を引き止めた。普段なら遠藤となんて一緒にいたくないが、今1人になるのは非常に心細かったのだ。
「あら、私を呼び止めるなんて珍しいわね、近野さん」
「……私の顔で、言われると混乱するんだけど」
「そのうち戻るでしょうからとりあえず黙っておくのがいいんじゃない?
近野さん、ださい私の姿になったなんてまわりに知られたらいやでしょう?」
遠藤、自分でださいって自覚があるんだ。
ってそんなことはどうでもよくて。
「この姿のまま帰るわけにもいかないし、元に戻るまで図書室にでも行って時間潰してるから」
「戻る保証なんかないんだよ!?」
「そんな気にすることないわよ。近野さんも、私の姿がいやならばどこかに隠れていたらどう?」
遠藤はそう言うと準備室から出て行ってしまった。
83 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:46:39 ID:CwHXRrSv
もしかしたら遠藤には戻る方法を知るあてがあるのかもしれない。
そう信じて、遠藤の言うとおり人目につかないとことで待機することにした。
遠藤は図書室に行くと言っていたから、屋上か、空き教室で今朝買ってきたばかりの雑誌でも読むか。
……いや、遠藤はファッション雑誌なんて絶対読まないだろう。しかも学校内で。
もし誰かに見られたらおかしいと思われてしまうに違いない。
って!ふと気づいたけど、私には知られたくないことがあった。
胸が小さいのがコンプレックスなのだ。パット入りで寄せてあげて大きく見えるブラジャーを愛用している。
その事実が遠藤にバレてしまったら末代までの恥だ。
男に抱かれる時も胸にはあまり触らせないし、服は上を脱がないようにしている。
基本的にHをするのは校内とか落ち着かないところ、服を脱がない方が自然な場所でばかりしているから誤魔化せているのだ。
まさか遠藤が服の中身を見ることはないと思うけど、不安でたまらない。
でも今更そんなことで足掻いても仕方ないとはわかっている。
とりあえず人目のつかないところへ、そう思っていると後ろから男の声がした。
「遠藤さん」
自分が呼ばれていることに気づくまで時間を要して一瞬反応が遅れた。ボロが出ないように、はい、と返事だけをして振り返る。
私にわからない話題だったら仮病でも使って逃げてしまえばいい。
呼び止めた人物を見て、さらに気分が落ち込んだ。
「松下……せんせ」
いつものように呼び捨てにしてしまいそうになっているのに間一髪気づいて、申し訳程度に先生、をつけたした。
こんな悪夢のような状況にさらに松下に話しかけられる追い討ち。
いや、遠藤の姿だから話しかけられているのだから悪夢の相乗効果、というのだろうか。
「先ほど話しましたが、化学準備室まで来てもらっていいですか?」
先ほど、といわれても私には全くわからない。
この場合わからなくても素直にうなづくのがかしこい方法だとわかっていても、松下に来いといわれて、はいわかりました、とうなづける私ではない。
黙っていると、松下は会話を続けた。
松下はぼけてるし、アホだしトロいし、今目の前にいる真面目な優等生の中身が不真面目な近野千夏になっていることになんて絶対気づくはずもない。
「放課後お手伝いして欲しい仕事があるとお願いしたじゃないですか」
「あ、それは……」
「さっき了解してくれましたよね。準備室までお願いします」
断る有無も言わさず松下は白衣を翻していなくなってしまった。
どうやら松下が放課後、遠藤に仕事をお願いして遠藤がそれをOKしたらしい。
松下なんかの仕事を手伝うなんて、遠藤ってどこまで優等生でお人よしなの?
すっぽかすこともできるが、優等生の遠藤が教師との約束をいきなりすっぽかしたらいくらトロい松下でも
怪しむに違いない。頭を使う仕事なら仮病か急用で逃げて、頭を使わない仕事ならば適当に終わらせてしまえばいい、そう思って
不本意ながらも化学準備室へ向かうことにした。
84 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:48:38 ID:CwHXRrSv
「失礼します」
しぶしぶ化学準備室に入ると松下の後姿が見えた。今日は人生で史上最悪の日だ。
こんなださい遠藤の姿にされたあげく、こんな地味男の仕事を手伝いしなきゃいけないなんて。
しかも、悪夢を引き起こしたこの部屋に再び戻ってくるなんて正気の沙汰じゃない。
松下は、椅子に座ったまま、こちらを振り向いた。
「ありがとうございます」
「……いえ。で、手伝うことってなんですか?」
「遠藤さん」
「はい?」
「スカート。いつもより短いんじゃないですか?」
「え……?そうですか?」
確かに、長くてあまりに動きづらいから、間に合わせでとりあえずウエストのところを1回だけ折り返した。
それでもまだ全然長いけど。
安っぽい椅子特有のギィ、というきしむ音をたてて、松下が立ち上がった。
ツカツカ、と入り口に向かっていく松下。
出て行くのかと思ったら準備室のドアを内側から鍵をかけてしまった。
様子がおかしい、と思ったころには遅かった。その足で私の方へと近寄ってきた。気づいたら私の後ろには薬品棚。
松下は両手を薬品棚のガラスへとついて、私を追い詰めた。
「何のつもりですか!?」
「僕のこと、誘ってるんですか?」
「はい!?」
松下は眼鏡をくいっと押し上げた。顔が近づいてくる。
松下なんか私にとって空気以下の存在だしどうでもいいし興味ないし、うざいし頼りないし情けないしださいし、顔なんかまともに見たくないから見たことなかった。
はじめて至近距離で見てみた松下の顔。肌も綺麗だし、普段長めの前髪と眼鏡で隠れがちな目は意外と切れ長で、全体的に整った顔をしている。
絶対認めたくないけど、普通に結構かっこいいんですけど!?
いや、そんなことはさしたる問題ではない。問題はこの状況だ。明らかに教師が生徒に向けてやっていい体勢ではない。
それに、スカートだとか、誘ってる、だとか、明らかに性的なものを連想させる。
松下ってば、遠藤に手を出す気で準備室まで呼んだの!?信じられない!
「そんな可愛らしい誘い方しなくても、抱いて欲しいなら言ってくれれば喜んで抱きますよ?
僕は貴女の恋人なんですから、遠慮はいりません」
もう驚きの連続で言葉も出なくなった。
遠藤と松下、付き合ってたの!?それに、松下の強気な態度と表情。
口調はいつもと変わらないけど、声のトーンがいつもより低い気がする。
もしかして、松下ってこっちが本当の性格!?
私の頭の中は既にオーバーヒートしていた。逃げるという選択肢も見つからずに震えていると、そっと唇が重なった。
あんなに気に入らなかった松下とキスしてる。本当なら気持ち悪くて死んでも受け入れたくないはずなのに。
突き飛ばそうと思えば突き飛ばせるのに、何もできなかった。
しばらくの間、角度を何度か変えた重なるだけの柔らかいキス。眼鏡同士がぶつかる感触が慣れなかったが、次第にそんなことちっとも気にならなくなった。
そろそろもっと激しくして欲しい、そんな考えが沸いてきたことが自分でも信じられなかった。
私の希望に応えるように、ゆっくりと舌先が入ってきた。時間をたっぷりかけて口内を甚振ってくる。
さらに信じられないことに、無意識のうちに私は自分の舌を絡ませていた。恐ろしく気持ちよかった。
相手、松下だよ?あの地味眼鏡で頼りない。やばい、松下、キスうまい……。
正直、今までいろいろな男とキスしたけど、キスは適当でがっついてすぐ体に触って来るヤツがほとんど。
キスだけで体がふわふわしてきた。キスだけでこんな気持ちよくなったの初めてだった。
85 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:50:20 ID:CwHXRrSv
ようやく離された唇。
キスだけで腰ががくがくしてきてしまった。遠藤、いつもこんなキスしてるわけ?
勉強と、風紀委員の仕事だけが生きがいとか噂されてる遠藤の裏の一面を知ってしまった。
松下は椅子をひっぱってくると、半ば強制的にそれに私を座らせた。
「足が震えてます。どうしました?特に変わったことしてませんが……」
いけない。普段遠藤はおそらく日常茶飯事的に松下とあんな気持ちいいキスをしてるわけで。
あまりに反応してしまうと、中身が違うことがバレてしまう。
これ以上はまずい、そう思いながらも体が動かない。もしかしてこれから先のことを期待している?
もっと気持ちよくなれるかもしれないって?いや、そんなわけが……!!松下相手に!?
私の思考はぐるぐるして、まともに物が考えられなくなっていた。
そんな私をよそに、松下はネクタイを外し、そのネクタイで私の両腕を後ろで縛ってしまった。
あっという間の出来事。相当手馴れている。いつも、こいつら、何やってるわけ!?
「美冬さん、なんだか今日は様子がおかしいですけど……?何かありました?」
「何も……ないです」
精一杯の一言。それを聞いて松下はならいいんですけど、そう言って自分のワイシャツのボタンを1つぷちんと外した。
そのあと、私の前に回りこんでブレザーのボタンに手をかけてきた。
ブレザーのボタンを全て外され、松下はさらにシャツのボタンにまで手を伸ばした。
慣れた手付きでシャツのボタンまで全て外すと、それを左右に開いた。
遠藤らしい白いブラジャーが露わになった。その胸を見下ろして驚いた。
やけに胸元が窮屈だと思っていたが、きっちり止めているボタンのせいだと思っていた。
それもあるが、原因はこれだった。明らかに胸の大きさとブラジャーのサイズがあっていない。
「いつ見ても窮屈そうです。胸の大きな女は頭悪そうに見られるからって、大きいものを無理して隠すことないんじゃないですか?
美冬さんらしいですけど、あまり押さえつけるのはよくないです。まぁ、美冬さんの胸が大きいってことを知るのは僕だけってのも悪くはないですけどね」
遠藤のヤツ、胸こんなに大きかったなんて。大きな膨らみを小さめのサイズのブラジャーで押さえつけていたのだ。
言うならば、普段の私と逆、ってこと。こんなところまで逆だったとは、もう何も言葉が見つからない。
「胸が大きな女は頭悪そうって、今時誰も思いませんって。それに胸が小さくても頭が悪い人は頭が悪いですから」
松下はくすくす、と笑うと、ブラジャーの肩紐を指でなぞった。
「例えば、そうですねぇ、近野さんとか。まぁ、彼女は頭が悪いのが魅力ですから。かわいいじゃないですか。
ああ、近野さんの胸?結構膨らんでるように見えますけど、あれってパット入りで寄せてあげてますよね」
「なっ!?」
「彼女は僕のこと、特になめてますからねー、ちょっとかわいがってあんあん言わせてやりたい気もします。
生意気な生徒を黙らせるの、楽しそうじゃないですか」
松下、私の胸がパット入りだってこと、わかってたの!?なんてヤツ!
しかも、さらっとすごいこと言った。確かに私は松下のこと思い切りなめてバカにして教師だと思っていなかった。
松下がこんなSだったなんて!
「あー、すいません。他の女性の話なんて野暮ですよね」
にこり、と笑うと松下は今度は眼鏡にそっと触れてきた。
「ほら、こんな伊達眼鏡外しますよ」
もう無理です。あまりに驚きの連続すぎて私ついていけません。
遠藤の眼鏡が伊達なんて誰が思う?真面目な優等生で風紀委員の遠藤にあまりに似合いすぎているカチッとした眼鏡は実は作り物だった。
松下に眼鏡を外されたが、視界はそのままだった。本当に伊達眼鏡のようだ。
そのまま松下は私の髪の毛の束をほどいた。さらりと長めの黒髪が広がった。
「やっぱりいつ見ても美冬さんはかわいいですねえ。ほら」
そう言って椅子を全身鏡の方へ向けられた。鏡に映っている遠藤の姿を見てまた言葉を失った。
眼鏡をはずされ、縛っていた髪の毛をほどいた遠藤は、普通に美少女だった。
もう何もかもがわからなくなって、パニック状態だった。
「先生……」
「はい?僕にも眼鏡外してほしいんですか?……ダメですよ、かわいい顔が見えなくなってしまうでしょう。
僕は美冬さんと違って本当に目悪いんですから」
松下は、顔を近づけると頬をそっと撫でて、優しい声で言ってきた。
「してもいいですか?」
……私は、うなづいてしまった。
86 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:52:27 ID:CwHXRrSv
押さえつけているブラジャーのホックは外されてしまった。
上に持ち上げられた瞬間に大きな膨らみが解放され、ぷるんと勢いよく弾け出た。
松下はその膨らみを優しく揉み解していく。
思ったよりも大きい手の平。男の人の手だ。それでも少し余るほど、遠藤の胸は大きかった。
胸を揉まれるのがこんなに気持ちのいいことだったなんて。
今までコンプレックスのせいで胸にはできるだけ触らせないできた。
乳首を少し触られても、胸が小さいのがバレないかが心配で快感を感じている余裕もなかった。
すでに乳首は触って欲しくてぷくりと充血していた。でもやっぱり、松下はすぐにはそこには触れない。
寄せたり、持ち上げたりしてゆっくりと全体を揉んでいき、ようやく中心に指先が伸びてきたが、まだ乳首には来てくれなかった。
乳輪をそっと指でなぞってきた。それだけでもぞくりとした快感が体を流れ、思わず声が出てしまった。
「気持ちいいですか?」
素直にこくりとうなづいた。ゆっくりと時間をかけた愛撫。こんなに丁寧に触ってもらったことなんて今まで
一度もなかった。
「じゃあ、こっちも触りましょう」
やっと、待ちわびた乳首への愛撫が始まった。
「あ!あっ……!」
思わず声が漏れた。何度もピンピンと弾かれ、摘まれた。指で散々もてあそんだあと、松下は乳首に舌を這わせ始めた。
たっぷりの唾液で転がされ、嬲られた。乳輪ごと吸い込まれ舌先でつつかれると頭が真っ白になった。乳首がこんな気持ちいいなんて!!
乳首だけなのに、今までやってきたHの挿入なんかより数倍気持ちいい。
スカートも脱がされた。全身鏡に自分の姿が映っている。
すらりとした白い太もも。悔しいけれど遠藤、いい体してる。
それを普段わざと隠したり、ださく見せていたなんて。
松下は足をグッと広げると、ショーツに指を這わせて、ふふ、と笑った。
「濡れすぎですよ」
すでにショーツの役目を果たさなくなるほどはしたなく濡れていた。
私は普段あまり濡れない方なのに、遠藤の体が濡れやすいのか。
いや、違う。たっぷりとした愛撫を受けたからだ。
ショーツも脱がされ熱くなった秘所が空気に晒された。
松下はわざと音をたてるように割れ目をなぞっていく。
私と松下しかいない準備室に、卑猥な水音が響いた。
「すごい音ですね。聞こえますか?」
指先がちょん、とクリトリスに触れた瞬間に私の体は大きく仰け反った。
自分でも信じられない声が漏れてしまった。
「ひゃあっっ……!!」
「ここ、本当好きですねえ」
あふれ出てきた愛液をまぶして、指先で何度も転がされる。
イきそう、その寸前になると松下は手を離してしまう。
松下は椅子の背を押すと、私を椅子に座らせたまま前に押し出した。鏡がさらに近くなった。
「見えますか?美冬さんのあそこ」
両足をさらに開かれ、秘所が思い切り鏡に映っている。
ビラビラは充血しぱくりと開ききって、愛液にまみれ光が反射している。
クリトリスも膨れ上がり、さらなる愛撫を待ちわびていた。
なかなかイかせてくれない上に、こんなやらしいことをするなんて、どんだけSなの松下は!
「あまり意地悪したらかわいそうですね。僕もそろそろ我慢できませんし」
松下はしゃがみこむと、私の股間に顔をうずめてきた。舌でべろりと全体を舐められたあとクリトリスを舌で執拗に愛撫された。
今まで味わったことのない快感。恐ろしく巧みな舌使い。私は簡単にイってしまった。
87 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:53:51 ID:CwHXRrSv
両腕を縛っていたネクタイは解かれた。
ブレザーとシャツとひっかかっていたブラジャーも全て脱がされて残されたのは靴下だけになってしまった。
松下は私を抱きかかえると、デスクの上に座らせ、白衣を脱ぎ捨てるとベルトをカチャカチャと外し始めた。
ズボンと下着が下ろされて出てきたものに私は息を飲んでしまう。
……普通に大きい。グンと反り返ったペニスの先端は赤紫色で膨れ上がっている。大人のペニスだ。
10代の若者にもまったくひけを取らないその角度と威力。
私は、完全にこいつのことを舐めていた。童貞で包茎で小さいと思っていた。
素直にすいません、と言わざるを得ない。
松下は私の足を開くと、その凶暴な塊を入り口へ押し付けた。
「今日は、美冬さん、安全日です。このままいいですか?」
遠藤の安全日まで把握してるとは、一体こいつら何者なの、と言いたくて仕方なかったが私にはもう理性は残っていなかった。
ただ、目の前にある逞しい男性器が欲しかった。
男根が一気に私の中を貫いた。遠藤のあそこは、松下の大きなペニスをするりと簡単に飲み込んでしまった。
膣内に収まったペニスがすごくしっくり来る。挿れられただけでうっかりイってしまいそうなほど気持ちがいい。
きっと昨日今日体を重ねた仲じゃない。もう、何度も、何度も松下のこれを受け入れてきたに違いない。
松下と目があってしまった。信じられないことに、私はヤツにキスをねだっていた。
松下はふふ、と小さく笑うと濃厚なキスをしてくれた。ものすごい快感。こんな気持ちいいの体験したことない!
ゆっくりと腰が動かされる。今までやってきた男は、ただがむしゃらにピストン運動をするだけの単調な動きばかりだった。
私はそんなSEXしか知らなかった。それが、今日覆された。松下はただ突くだけじゃなくて、かき混ぜたり抉ったり、いろいろな動きで
肉壁を擦ってくる。子宮の入り口をグリッと抉られた。自然と体が撓ってしまう。
「あああああっ……!!!」
「気持ちいいですか?」
眼鏡の奥の松下の瞳は、見たこともない、雄の色をしていた。いや、今まで見る気すらなかったんだけど。
快感を分かち合っているのが、すごく伝わってきた。
大きさが自慢のもっと大きい人としたことあるけど、ただ大きいだけでちっとも気持ちよくなかった。
松下は、自分の大きさとテクニックを最大限に使って、快感を与えてくる。
それに、遠藤の感じるところを熟知しているのだろう。
遠藤ってば、いつもこんなすごいSEXしてたなんて。うらやましい。
散々松下をバカにしてた私はそんなこと言える権利なんか持ってないけど。
今だけは、この本物のSEXを感じていたい。遠藤、ごめん。
ズン、と思い切り深く突かれた。それに応えるように、私は膣をきゅ、としめて襞で松下のものを包み込んだ。
夢中で自ら腰を振って、何度もイき続けた。はじめて、SEXでイった。
最後に、松下は膣内に精子を吐き出した。イくときの松下の顔が意外に色っぽくて、それでまた感じてしまった。
あれだけバカにしてたのに。私って、最低だ……。
88 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/13(土) 12:56:11 ID:CwHXRrSv
行為が終わって、松下は優しく後始末をして、服を着せてくれた。
私は未体験の快感の連続に、もう何も考えられなくなっていた。
「落ち着きましたか?」
「……はい」
脱ぎ捨てた白衣を床から拾い上げてパサパサ、と叩くとそれにまた腕を通した松下。
こうして白衣を着て黙っていればいつもの松下だ。
でももうあんな体験をしてしまった私には、松下に対して、今までと同じ見方はできない。
松下は私の方に近寄ってくると、私の目を見て、にこ、と笑った。
「随分気持ちよさそうにしてましたね。これに懲りたら、これからは真面目に僕の授業聞いてくださいね、近野さん」
「はいぃぃ!?」
「僕が調合した、体入れ替わりの薬の試作品。かぶってしまったんですって?驚かせてしまいましたね。
かぶってすぐ、近野さんの体をした美冬さんから聞きました」
「なっ……!」
信じられない!!
最初から中身が私とわかってたってわけ!?
松下は眼鏡を持ち上げると笑って見せた。見たこともないような悪魔の微笑だ。
「美冬さんと僕の関係、できたらバラさないでくださいね?言っても誰も信じないと思いますが。
ああ、あと僕が学校で秘薬の調合してたことも。まあ、僕は近野さんの胸がパット入りのよせあげという安いネタしか持ってませんから……バラすな、と強制はできませんが」
胸の秘密。私にとっては十分の脅迫ネタだ。
半ばやけくそで叫んでやった。
「……言わなきゃいいんでしょ!」
「あれ、近野さんにしては物分りがいいですね」
「この2重人格!!腹黒教師!」
「それは心外な。普段は猫かぶってるだけです」
「も、もう知らない!!」
私は化学準備室を飛び出した。
何度もイかされて砕けそうな腰を抑えながら廊下を歩いていると私の姿をした遠藤が歩いてきた。
「ちょっと、遠藤!!あんた、松下と」
「どう?よかったでしょ?松下先生ってば、上手だから」
そう言ってくす、と笑っている、見慣れた自分の顔が小悪魔のように見える。
私の姿をした遠藤は続けた。
「松下先生が作った薬で近野さん驚かせちゃったみたいだし、そのお詫び代わりよ。
近野さんたら本当のSEX知らないみたいだったから。今日限りね。本当は松下先生が他の女抱くなんてイヤだけど
体は私のだから、まぁ1度くらいならいいわ。近野さんが松下先生見直すいい機会だったでしょ?」
「ま、松下だけじゃなくてあんたまで普段猫かぶってたわけ!?」
遠藤はその質問には答えずしれっとした顔をしている。
な、なんなの、松下も遠藤も!!つかみ所がなさすぎる。
「ああ、そういえば、A組のなに君だっけ?名前知らないけど。いいだろ、って求めてきたからヤラせてあげたけど、
この体、経験してる割に未熟なのね。全然開発されてないじゃない?」
「う、うるさいな!」
「物足りなすぎる。やっぱり松下先生とじゃないと満足できない」
その瞬間、突然貧血のように目の前が真っ白になった。
思わず床にへたりこんでしまうが、それはすぐに治った。
はっきりしない頭を抱えていると、目の前には遠藤の姿があった。
自分の顔、髪、服に触れてみる。いつもの私だ。
「あ……」
「やっぱり。戻ったみたいね」
「すぐ戻るってわかってたわけ!?この腹黒カップル!」
私たちがかぶったのは松下が作った体入れ替わりの試薬。遠藤は数時間で効き目が切れるってわかってたからあんなに落ち着いていられたんだ。
それだけじゃなくて松下とグルになって私で退屈しのぎしてたの!?
遠藤はくすくす、と笑うと化学室の方へと消えていった。
最終更新:2009年02月25日 22:45