42 名無しさん@ピンキー [] 2010/11/30(火) 18:24:26 ID:Wip9QcmB Be:
「はぁ~」
昌子はため息をついた。
「この『魔女たちの20時』に出てる人ってホントに若々しいわね~。私も同年代なんだけど…。」
現在51歳である昌子は自分の身体を見てショックを受けていた。
お腹はたるみ、二の腕は振袖状態、加えて脚は大根を通り越してカブ脚である。
「はぁ~この身体何とかしたいわ。何を着ても全然似合わないし…。」
「ピンポーン」
その時家の呼び鈴がなった。
「はいはい。どちら様?」
「こんにちは~回覧板持ってきました~。」
そう言って姿を現したのは隣に住む上原さんの娘の有里だった。
有里は現在21歳、女性ファッション誌FanFamの読者モデルをしていて、スタイルは抜群、
ファッションセンスもかなりのものだ。
この日はピンクのワンピースに白のファー付きコート、膝まである黒のブーツを履いている。
きっとこれからデートなのだろう。
「あら、有里ちゃん。わざわざありがとう。今日もスタイル抜群でかわいいわね。」
「そんなことないですよ~。わたしなんかよりぜんぜんスタイルいい人いっぱいいるし。
それに昌子おばさんもかわいいですよ~。それじゃあわたし用事があるのでこれで。」
「若い人は忙しそうね。じゃあまたね。」
いつもなら何も感じないお世辞。
しかしこの時昌子には言いようのない黒い感情が湧いてきていた。
43 名無しさん@ピンキー [] 2010/11/30(火) 18:26:36 ID:Wip9QcmB Be:
昌子は回覧板を床に投げつけると
「何よ、あの女。ちょっとモデルやってるからって調子に乗って!
どーせ自分は私みたいにデブのおばさんになんてならないと思ってるんでしょ!」
と一人叫び狂っていた。
それでもまだ気持ちは収まらずネットに悪口のひとつでも書き込んでやろう
とパソコンを開くと一通のメールが届いていた。
どうせDMだろうと思ったがなぜかそのときに限ってメールを読まなければならない気がした。
そのメールにはこう書かれていた。
「スタイルにお悩みのアナタ!!あこがれのあの体型があなたのものに!」
ここまではよく見るダイエット広告だ。しかしその下には…
「アナタがほしい体型の人と一緒に下記住所まで来てください。
わずか10分足らずでその体型がアナタのものになります。」
とても信じられない内容だが、昌子にはなぜか嘘には思えなかった。
そして気がつくと電話を持って、明日、有里と一緒に出かける約束をとりつけていた。
44 名無しさん@ピンキー [] 2010/11/30(火) 18:28:27 ID:Wip9QcmB Be:
そしていよいよ運命の日がやってきた。
「ピンポーン」
「はいはい、今行きます。」
この日の昌子の服装は黒いパンツに白のタートルネック、茶色のチュニック、
靴はスニーカーといういかにもおばさんという格好だ。
一方、有里は白のミニワンピースに茶色のベルト、デニム地のジャケット、
茶色のブーツ、頭にはカンカン帽といういかにもギャルという格好だ。
「こんにちは~。昌子おばさんとお出かけなんて小学校以来ですね~。とってもたのしみです。」
「そうね。私も有里ちゃんと………なんてとてもうれしいわ。ウフフフ。」
まずそのまま連れて行っても逃げられるため、昌子は有里を眠らせようとカフェに入った。
「ここのキャラメルマキアートおいしいんですよねー。」
「そうなの?じゃあ私買ってくるから有里ちゃんは先に座ってて。」
「はーい。」
そして昌子は隙を見て有里の飲み物に睡眠薬を入れた。
「あれ、なんか眠いんですけど……」
有里はあっという間に寝てしまった。
昌子は有里をなんとか車に乗せ、本来の目的地に向かった。
45 名無しさん@ピンキー [] 2010/11/30(火) 18:30:16 ID:Wip9QcmB Be:
そこは普通の古民家だった。昌子は間違えたかと不安になりながら呼び鈴を押した。
「ピンポーン」
「はい、どちら様じゃ。」
皺だらけの顔に似合わないモデルのようなスタイルの老婆が出てきた。
その首から下は明らかに20代のものだった。
「ここで抜群のスタイルが手に入るって聞いたんですけれども。」
「相手は連れてきたのかい?」
「はい。」
「うむ。じゃあそいつを連れて中に来なさい。」
中にはテーブルが置いてあるだけで昌子はそのイスに有里を座らせた。
「おやおや、寝ている間にかい。あんたも人がわるいねえ。」
「ダメなの?」
「いや大丈夫じゃ。むしろその方が好都合じゃよ。さっそく始めるとするかい。」
すると老婆は棚から青白く光るナイフを取り出し、昌子の首を掻っ切った。
「きゃあああーーー」と昌子は叫んだが、不思議なことに血は一滴も出なかった。
そして昌子の首をテーブルの上に置くと次は有里の首を掻っ切った。
次に老婆はその有里の首にこれまた青白く光る糊を塗り、昌子の身体にくっつけた。
髪はいまどきの茶髪のパーマで顔もいまどきのメイクだが、
身体はtheオバサン体型にtheオバサン服装がいかにもアンバランスだ。
同じように昌子の顔も有里の身体にくっつけられた。
「終わったぞ。」
そういわれ昌子はゆっくり目を開けた。
そこから見えるのは先ほどまでの自分の体型、服装をした有里だった。
「鏡っ、鏡を見せて!!」
「鏡ならそこにあるわい。」
昌子はゆっくりと鏡を覗き込んだ。
46 名無しさん@ピンキー [] 2010/11/30(火) 18:32:48 ID:Wip9QcmB Be:
そこに写ったのは先ほどまでの有里の体に昌子の顔がついた姿だった。
「こ、これが私なの…。この長い脚も、くびれのあるウエストも、張りのあるバストも。」
そういうと昌子はいきなり服を脱ぎだし下着姿になった。
「黒とはね。ウフフ。やっぱり男とやりまくってるのね。ウフフフ。
バストもDカップはあるんじゃない。細いから期待してなかったけど、予想以上ね。」
昌子は新しい身体をなめまわすように確認しながら再び服を身に着けた。
「うっうん…。」
その時有里が目を覚ました。
「なんで昌子おばさんわたしの服着てるんですか…?あれ何で私昌子おばさんの服を…。」
「いやああああああ!!何で私こんなオバサン体型になってるのおおお!!」
有里は目の前にある鏡を見て愕然とした。
「あなたがいけないのよ、有里ちゃん。私を馬鹿にしたような態度をとるから。」
昌子は入れ替わったスタイルを見せ付けながら言った。
「昌子さんその身体、まっまさか!!」
「そのとおり。アナタと私の首から下を取り替えたのよ。」
「いやあああ。わたしの身体かえしてよっ!!」
「嫌に決まってるでしょう。このからだ気に入ったわ。」
「いやあああああああ!!」
ほとんど狂ったような有里をつれて昌子は家に帰った。
昌子は有里の家から有里の服から靴、下着にいたるまですべてを持って帰り、
逆に自分の家から服などを有里の家に持って行った。
「どうせもう着れないんだから私がもらってあげるわ。
かわりにあんたにぴったりな私の服をあげるわ。じゃあもう二度と私に近づかないでね!」
「あっああ。」
有里はショックでほとんど何も言い返せなかった。
昌子は家に帰ると手に入れた服を次々着替え、ひとりでファッションショーをした。
「ああ、これも素敵!!ほんとスタイルよくて若いと何でも似合うわね。」
1ヶ月後
「続いてはあっというまにモデルの身体を手に入れた51歳の魔女の登場です!」
最終更新:2011年04月22日 11:14