305 名無しさん@ピンキー [sage] 2011/10/17(月) 22:45:27.32 ID:Ugm63Fvf Be:
【おばあちゃんの日】
(危ない危ない。おばあちゃんに注意されてたのに、こんなことになっちゃうなんて…)
怪我といえるほどのものはしていないが、老体ならではのこんな状態に陥ることになるとは。
(確か、おばあちゃんに薬もらってもってきてるはず。)
どうにか息を継ぎながら巾着の中を探れば、小さな容器に入った仁丹状の薬。
慎重に取り出した数粒をどうにか飲み下した。
実際にはそんなに早く効くものでもないかもしれないが、「薬を飲んだ」ことによるプラシーボ効果か、まずは心臓が落ち着き、続いて行きも落ち着いてくる。
数分ほど経ったころだろうか。
どうにか麻由美の状態は落ち着きを取り戻していた。
と、店内アナウンス。
麻由美の番号が呼ばれる。
「あ、はい…」
馴染みの店であるだけに、ついついいつもの…今の老婆ではなく本来の女子高生の身体のつもりで立ち上がろうとした麻由美だったが、腰の痛みに加え、いきなり立ち上がろうとしたことでバランスを崩して、危うく、再び転びそうになる。
すんでの所で日傘を杖代わりにして転倒を免れ、今の自分が年寄りであることを思い出す麻由美。
どうにかレジで支払いをすませ、ラッピング済みの品物を受け取ったところで、支えてくれたあの青年の姿が店内にはないことに気づく。
(あ、ちゃんとお礼、言い損ねちゃった…でも、この店は結構利用しているからまた会えるかも…あ、でもその時はあたし、こんな格好じゃないし…)
祖母に頼めば、また年齢交換をしてくれるかもしれないが、だからといって、そう何度もやってくれるとも思えない。
特にこのことは2人だけの秘密にしておきたいだけに、家に親がいる時には色々難しいだろう。
最終更新:2012年04月18日 17:36