おばあちゃんの日 第26話

306 名無しさん@ピンキー [sage] 2011/10/18(火) 22:23:18.05 ID:xBifUh49 Be:
    【おばあちゃんの日】
    (さて、これからどうしようかな…)
    一番最初の目的は遂げたものの、他にも、行ってみようかと考えていた場所が何ヶ所か。
    しかし、先ほど起こったことを思い出すと、二の足を踏んでしまうのも事実。
    (でも、このまま帰るのもちょっと勿体ないなあ…一番近くの場所にいってみて…途中で何かあったらそこで帰ればいいか…)
    ここにきてようやくお年寄りの身体+着物姿にも慣れてきたのか、多少歩きやすくなってきた気もする。
    (これなら問題ないかな?)
    そんなことを考えながら、横の路地に足を向け、本通りから外れる。
    裏通りは、一般の家屋の中に紛れて、看板こそでているものの、実際に営業しているかどうかもはっきりしない店がちらほらと…
    そんな中で、麻由美が向かったのは、風雨にさらされて、どことなく曇りガラスっぽくなった窓を通りに向けた店。
    やはり風雨にさらされた古ぼけた看板に喫茶店の文字がなければ、とても、そうとは見えない店だった。
    明らかに立て付けが悪くなった扉に苦戦しつつもどうにか開けると、
    「いらっしゃいませ。」
    「あら、いらっしゃいませ。」
    ハリのない、かなり年老いた声×2が麻由美を出迎えた。
    かなり年月を経てくたびれた店舗で営業しているのは、それ以上に年月を経てくたびれた老夫婦という喫茶店。
    建物も内装をどれだけの間改装どころか修繕したかも怪しいだけに、正直繁盛しているところは滅多にみないが、どのメニューも結構安いと言うことで、一部の学生達が学校帰りなどに利用することも多い店…麻由美もその一人だ。
    もっとも、今日は休日ということで学生の姿はみられない…というか、学生が利用していないということで店内には老夫婦のみ…お客は、今入った麻由美のみという有様だった。

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最終更新:2012年04月18日 17:37