491 名無しさん@ピンキー [sage] 2012/01/03(火) 16:28:05.73 ID:5M4m7Z8V Be:
【かおかえっコ】9話
「そ、そんなことできるの?」
「できるも何も、実際に自分で体験していることじゃないか。」
深雪は別の鏡を見つけると、今度は一人で覗き込んだ。
当然映っているのは自分だけのはずだが、実際に鏡の中にいるのは恵里子の顔。
しかし、服装は深雪のもの。
ふとあることに気づき、左手の甲をかざしてみる。
そこには見慣れているほくろが紛れもなく存在していた。
ようやく深雪も何が起こったのか理解し始めていた。
恵里子の祖母がいっている、2人の顔を交換した。
できそうもないことだが、おそらく実際にその通りになったに違いない。
あの時、祖母がもっていた2人分の顔、あれは実際に深雪と恵里子から取り外した顔であり、それは本来の持ち主ではなく、別々の人間の頭に取り付けたのだと。
「あたし、恵里子ちゃんの顔になってるんだ…」
そう呟くと、鏡の中の恵里子の唇がそれをなぞるようにして動く。
「ひゃ~、あたし、深雪ちゃんになってるのか。」
恵里子の方もようやく事情が飲み込めたらしく、すこし気の抜けた声をあげている。
「そういうことさ。交換したのは顔だけだけどね。でも、2人は身長もほとんど変わらないし、髪の長さも似た様なもんだから、何も知らない人から見れば、入れ替わっているも同然だよ。」
「わあ、おばあちゃん、何か凄い凄いと思ったけど、こんなこともできたんだ。でも、顔の交換と水泳と何の関係があるの?」
「まだ分からないのかい。恵里子は本当に察しが悪いねえ。今の恵里子は深雪ちゃんそっくりになっているんだから、お前が深雪ちゃんの代わりに水泳の受業にでて25メートル泳げばいいのさ。」
最終更新:2012年04月18日 18:11