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ソノ身ニ刻メ・1

投稿日:2009/07/14(火)


江端沙耶香について、担任教師は言った。
「江端ですか? いやぁ、あれはまさしく生徒の鑑ですよ」
同級生は言った。
「頭良いしテニスも出来るし、おまけにあのルックスでしょ?ほんと完璧だよね」
そして“紀子”の母でさえこう述べた。
「この写真の子?…ああ、運動会や合唱祭なんかで活躍してた子ね。
 ハキハキしてて利口そうな子だったわ。紀子、あんたもしかしてこの子と友達なの?」

江端沙耶香は全てに於いて完璧に近かった。
成績は学年でも指折りであり、運動は何をやらせても場を圧倒する。
家はいわゆる名家で、ルックスなどは盗撮被害が学校問題に発展したほどである。
しかし……そんな沙耶香も一つだけ劣悪なものを持っている。性根だ。
彼女は“紀子”を虐げていた。
始まりは高校に入ってすぐの事、沙耶香と紀子は共にクラスの保健委員になった。
紀子の学校では委員が二人して壇上に立ち、連絡を行う事が多い。
そんな時、長身ですらりとした沙耶香と寸胴な紀子は絶好の比較対象だった。
クラスからは嘲笑が沸き起こる。
沙耶香が紀子を見下し始めたのはそれからだ。

沙耶香とその取り巻きは連日のように紀子を甚振った。
始めは胸を弄る程度だったものが玩具での処女喪失に至ったとき、ついに紀子の忍耐は限界に達した。
以来、憑かれた様に黒魔術の本を読み漁った紀子は、ある術式を発見する。
『精神転換』。
紀子は一心不乱に施術を試みた。
そんな事が実現するとは思えなかったが、不思議と出来ないとも思わなかった。
この世との離別さえ覚悟していた彼女には、どんなオカルトも現実味を帯びて思えたのだ。


そして一月が経った頃。
ふと目が醒めた紀子は、見たこともない豪勢な寝台に身を横たえていた。
身を起こして正面にあった鏡を見る。
そこにはさらさらの長髪をした端正な少女が映っていた。
明らかに自分の姿ではない。その姿はあの憎き沙耶香のものだ。
「ふ……あは、あははは!!」
麗しい顔の表情筋を引き攣らせ、『沙耶香』は笑う。
ひとしきり笑ってふと気が付けば、枕元の携帯電話が光っていた。最新の着信履歴は…『紀子』だった。

「んむ、ふううう!むううっ!!」
翌日、沙耶香の広い部屋には縄で戒められた『紀子』の姿があった。
無論、中身は沙耶香であるが。
彼女の縄の端は重い家具に結わえ付けられ、女の力では到底身動きできない状態にある。
「あなたも馬鹿よね。いくら自分の家だからって、違う人間の姿でいきなり乗り込んでくるなんて。
 まぁもっと馬鹿なのは、中身がお嬢様なのを組み伏せたあんたの使用人だけど」
『沙耶香』は椅子に腰かけてそれを見下ろす。
「ん!んううっ!!!」
「猿轡で何言ってるかサッパリ。んー、この紅茶美味しいね。いいモン飲んでるわ」
喚く『紀子』を尻目に、『沙耶香』はカップを傾けた。
素人の舌でもわかるほどにまろやかでコクのある味だ。

「さて、と」
沙耶香はカップを戻して立ち上がる。
そして縛られた『紀子』の前に立つと、制服のスカートに手をかけた。
「んん!!」
紀子が叫ぶと同時に、沙耶香の指がホックをはずし、ぱさりとスカートを脱ぎ捨てる。
紫のショーツに包まれた逆三角の腰つきと、思わず息を呑むほど白く長い太腿が露わになった。
「えっちなパンツだねぇ、沙耶香ちゃん?B組の斉藤君でも誘惑するつもりだったの?」
沙耶香は前日のままのショーツを撫でて言った。
斉藤とはバスケット部のエースであり、校内でも一・二を争う人気者だ。
その斉藤を沙耶香が狙っているという噂は割に有名だった。
「・・・・・」
紀子は黙って視線を逸らす。沙耶香はくすりと笑った。
「パンツは随分ご立派だけど、その中身はどうなのかな?」
沙耶香はわざとらしくそう呟くと、ショーツの脇に手をかけてゆっくりとずり下ろした。
紀子が急いで視線を戻すのがわかる。

「へえ、沙耶香さんって毛深いんだぁ。意外~」
沙耶香はショーツを脚から抜き取りながらそう嘲った。
沙耶香の魅惑的な逆三角の下腹部には、手入れを行っていない茂みが広がっていた。
紀子よりずっと濃く、臍にさえ届く勢いだ。
沙耶香を内包する紀子はそれを恨めしそうに睨んでいる。
「やだ、そんなに見惚れないでよ。ほら、沙耶香さまのパンツあげるからさ」
紀子の宿った沙耶香は満面の笑みを浮かべ、床のショーツを摘み上げる。
そして『紀子』の前に立ち、なんとその頭からショーツを被せた。
「!」
紀子が目を剥く。
「いい匂いするでしょ~。男子とか担任にまでちやほやされる沙耶香さまのだもん。
 薄汚い私の鼻で嗅いで、まっさか臭いだなんて思わないよねぇ」
沙耶香は顔を顰める紀子を面白そうに見下ろした。
たっぷりと彼女の苦渋を堪能した後、沙耶香は化粧台へ歩みを進める。
「いいなー、高い化粧品ばっかり。それに、無駄毛の処理も一応考えてるみたいね」
沙耶香は身体の持ち主が使っていた瓶をなぎ倒しながら、ある物を手にした。
毛剃り用のシェービングクリームと剃刀だ。
紀子が息を呑むのがはっきりとわかる。
「ふふふ、何するかわかった?そ、おまたをキレイにするのよ」
沙耶香は下半身を露出させたまま椅子に跨り、紀子に向けて足を開いた。
「子供みたいなパイパンにしてあげる」
「んうー!!」
紀子の抗議など気にも留めず、沙耶香はクリームを秘部に吹き付けた。
冷たさに白い腿が震える。今は自分の身体であるにも関わらず、ひどく扇情的な光景だった。
成る程こんなものがスカートからちらつけば、男どもが覗き見るわけだ。

クリームを余すところなく吹き付けた後、いよいよ沙耶香は剃刀を手にした。
自らの瞳であったものから鋭い視線を感じつつ、ゆっくりと剃りあげる。
剃刀が泡をそぎ落とすたび、新雪のような白肌が露わになった。
紀子の心はその白人じみた肌に寒気を覚えさえした。
呆れるほどに美しい。下腹の皮膚組織ひとつとっても自分とは違うことがよくわかる。
しかし…新雪が白ければ白いほど、足跡をつける楽しみがあるというものだ。
「ほら沙耶香さん、子供みたいにツルツルになったわ」
純白の身体を得た少女は、そのかつての持ち主に剃り終えた秘部を見せた。
紀子の体が奥歯を鳴らす。
そこには不自然なほど綺麗にそり込まれた赤い華が、隠し様もなく露わになっていた。

「ああ興奮したわ。本人に見られながら他人のお股を処理するなんて、もうきっと一生できない経験ね」
沙耶香はそう言って下腹部を撫で回した。絹のようにすべらかな感触が返ってくる。
紀子が黙って睨み据えていた。
沙耶香はそれを可笑しそうに見つめ返すと、ふと指の這わせる先を変えた。
「ところで、さ。“ココ”、毛の処理しただけで随分硬くなっちゃったんだけど、
 もしかして敏感なの?」
沙耶香が撫で回すのは、彼女の体で最も敏感な場所…クリトリスだ。
「ん、ん、んんー!!!!」
そこを弄った時、相手に明らかな反応があった。
縛られた紀子の身体を激しく揺らし、猿轡を噛み切らん勢いで口を蠢かす。
ショーツをなじられた時よりも、陰毛を剃られた時よりも強い反応。
なるほど、ここが弱みか。

「なんかエッチな気分になってきちゃった」
沙耶香は横目で紀子の反応を愉しみながら淫核を摘む。尻穴を貫くような快感が襲った。
「あはっ、気ん持ちいいーっ!私なんかよりずっと開発されてるんじゃない」
沙耶香はその快感に思わず舌を出しながら、さらに淫核を皮の上から撫で回した。
「うわ、すご、凄いっ!何か滅茶苦茶気持ちいいんだけど!?
 クリトリスってこんな気持ちよくなるんだねぇ、毎日弄くってるとさぁ!」
包皮越しの刺激で肉芽はたちまちしこり勃ち、包皮を捲って顔を覗かせる。
朱唇からは透明な蜜があふれ出し、それが潤滑油となってさらに自慰を加速させる。
「エッチだね、この身体エッチすぎるよ沙耶香ちゃん!」
沙耶香の身体を得た少女はその未曾有の快感に囚われ、我を忘れたように淫核を捏ね回した。
視線を落とした先では長い美脚がぶるぶると震え、それがまた性欲を煽る。
「んむううーーーー!!」
身体の持ち主が何かを叫んでいるが、それすらも抑止力にはならない。
自慰に慣れているのか、それとも元々感度が良いのか、その悦楽は今までの価値観を一変させるほどに強烈なものだった。
「いくっ、いくよ!凄い、だめ、こんなに早く…クリ逝きしちゃうっっ!!!」
細く長い指でクリトリスを弾いた瞬間、少女の頭は真っ白になった。
足の裏から膝裏へ伝播したむず痒さが臀部で跳ねた瞬間、沙耶香の秘部は潮を噴いていた。
その雫は彼女の机に飛び散り、鏡へ当たって伝い落ちる。

「へへ、いっちゃった」
汚れた鏡の中、だらしなく口を開いた沙耶香を眺めて少女は笑った。
長髪を風に遊ばせ凛としている彼女からは想像もできない姿。
いかに容姿に優れようと、この身体を使ってだらしない表情を作ればそのようになるのだ。
遠めに見る沙耶香は天上の存在であったかもしれない。しかし今は操り人形だ。
「ねえ沙耶香さん?沙耶香さんって淫乱だったんですね」
沙耶香は紀子の頭上に立ち、かつての自分の身体になおも滴る愛液を浴びせた。
紀子の姿をした高貴さが眉をひそめる。
沙耶香の皮を被った憎悪は、その逃げ惑う顔に濡れた秘部を擦りつけた。
「沙耶香さんっていつも、凄く爽やかな香水つけてるじゃない?
 皆良い香りだなって噂してるし、私もそれが沙耶香さんの香りだって思ってた。
 でも買いかぶりだったみたいね。膣内の、内臓の匂いは私とおんなじじゃない!」
愛液とともに立ち昇る女の匂いを感じながら、沙耶香となった者は高らかに笑った。
紀子の姿をした者はそれを殺さんばかりに睨みあげる。
がちん、と音がする瞬間に沙耶香は身を引いていた。
「噛まないでよ、仮にも“あなたの身体”なんだから」
沙耶香は嘲りながら自分の姿をした相手を見下ろす。

ショーツを被され、地味な顔を愛液で濡れ光らせる貧相な娘。
その精神と実に釣り合いの取れた姿ではないか。
そうだ、この娘に綺麗な身体など不似合いだ。もっと、もっと汚さなければ。

沙耶香は携帯電話を手にし、そこには登録されていないある番号を打ち込んだ。
「もしもし、白瀬?」
沙耶香の口がその名前を口にした瞬間、紀子の身が跳ね起きた。
目を限界まで見開いている。
白瀬とは沙耶香たちの同級生で、心優しい者を含めあらゆる女子から嫌悪される男子だ。
醜悪な容姿は勿論、その滲み出る変態性は尋常ではなく、実際更衣室の盗撮や階段下からの覗き見など、
非難されるべき行為を繰り返してもいる。
抜群のスタイルを持つ沙耶香などは彼の一番のターゲットだ。
前述の学校問題になった盗撮事件の首謀者も彼であり、今は長期の自宅謹慎に処されていた。
紀子はいつか利用できうると、事前に彼の電話番号を調べておいたのだった。

「なんで私が番号知ってるかって?良いじゃないそんな事。
 それよりも……白瀬ってさ、私と“やりたい”んじゃない?」
沙耶香の姿をした少女はそう切り出した。
電話口の向こうからなにやら興奮した声が響いている。
「そう、セックスよ。それも映画でやってるような綺麗なものじゃない。
 白瀬が好きそうな変態そうな…うん、お尻も使っていいわ。道具だってOK。
 …え、そんな事も…?う、うん良いわ。
 本当に良いってば。私、今すごく興奮してるの。滅茶苦茶にして欲しいぐらい。
 じゃ、待ってるからね」
電話を切り、沙耶香は携帯電話を投げ捨てる。
それを呆然と見つめ、紀子は視線を凍らせていた。

「ふふっ…。凄いことになりそうね、“沙耶香さん”?」

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最終更新:2009年07月15日 00:04