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小説(前よりもマシになっているはず。) - (2007/03/17 (土) 19:14:53) の編集履歴(バックアップ)


堀崎睦月‘S STORY 1 始まり

君は、自分の周りがつまらないものだと思っているか?それとも面白いと思っているか?そんなことは個個の価値観にしか過ぎない。だが断言して言おう。俺の周りには面白いを遥かに超越してむしろ、
悪夢がごろごろ転がっている!この物語は…なんていおうか。前よりマシな物語。



今は3月。もうアパートに入っている。アパート生活はいいものだと心底思った。一日中寝ていても怒られない。
アパートの立地条件よく、設備がよく、なかなか広い。
立地条件はバス停から30秒。バスは結構な本数走っていて通学に苦労しない。銀行、スーパーなどは徒歩4分
でつく。設備のほうはインターネット完備の1Kの自炊可能な空間。幸い俺は料理がうまい。自分で食ってうまいといえるくらいだ。これならここで大学卒業までいてもいいかな…と思えた。
それにここなら俺がどんなに悩もうが苦悩しようが迷惑はかからない。これが一番だ。
もうすぐ高校1年生だ。通う高校は東京の高校でレベルはトップだ。
始業までの時間をどう過ごそうか悩んでいた。楽しみたいと思ったが俺の友は哉基だけだ。その哉基も俺と違う高校に行ってるので都合が合いにくくなった。

始業式の日、金曜日である、1位を取ったやつが不運にも欠席し俺が代わりに代表になった。このおかげで俺の名は皆に知れ渡った。式は滞りなく終わった。ここまでの有名校なら式の時間は長いと思っていたがここは教師がいいようだ。頭が柔らかい。おかげで多分35分ほどで終わった。
俺のクラスは文系で1年C組だった。このクラスになったことで俺は非日常への切符を手に入れた。
「このクラスも前と同じ様な日常か…。どんなにランクが上がってもやることは変わらないか…。」
ものすごい平凡さで思わず口に出ていた。そのことに気づいてかは知れんが男女2人ずつで俺の周りに集まった。
俺は起き上がるのもけだるいので机に突っ伏していた。だがそれでも人に心を許す気もなく、適当に話して終わらせようと思った。
「君は何処から来たのかな?」
そうだな。じゃあ東京都千代田区からだ。
「ホントのこと教えてよー。」
食い下がるやつだ。俺の自己紹介を聞いてなかったのか?
「うん。だってつまんなかったんだもん。」
クソ、こいつめ。なかなか可愛い顔してキツイこといってくれるぜ。それにしてもこいつは茜に似ているな。
ああ忌々しい。
「俺は他人の過去を無理やり穿り返すやつが大嫌いだ。それだけいっておければいい。ほら、いってやったぞ。」
気がつけば今話しているやつ以外には俺の周りから消えていた。
「そうだったっけ?じゃあいいや。今何処にすんでるの?」
こいつはしつこいな…。ため息をつきながら俺はルーズリーフを取り出し、住所、ここからの電車の図とバスの図を描いて渡した。まるで来てくださいって言ってるようなものだって?俺はビージェントルマンがモットーなんだ。
案の定そいつは来た。唯一予想外だったのは、今日俺の後をものすごく下手な尾行術でついてきたことだ。
ついてくる途中に転びかけたところを俺に支えられるなんて失態を見せておきながら恥ずかしがる風もなく普通に俺のアパートに来た。大家さんに冷やかされたのは言うまでも無い。
「で、何のつもりだ。」
「何が?」
「ここに来た真意は何だ?」
ベッドにねっころがって、ちょっとあきれ気味に言った。
「君さ、なんかぜんぜん楽しそうじゃないんだもん。頑張ったかは知らないけど折角入った高校なんだしもうちょっと楽しんでいいと思うんだけど。」
こいつはいったい何様のつもりだ。俺のことについて詮索しないでくれ。ただでさえお前は茜に似てるんだから。
「茜って誰?彼女?」
しまった。またか。ま、教えても良いのだろうが教える気はミトコンドリアほども持ち合わせてはいない。
「あ、聞かないほうが良いんだっけ。じゃ、聞かない。でさ、私の名前知りたくない?」
「…別に。ちょっと俺寝るわ。帰るんだったら鍵をかけて玄関ポストに入れといてくれ。」
「え!?ちょっと!?こんな可愛い女の子を一人で帰らせるつもり?ちょっと起きてよ!」
…自分で可愛いって…可愛いけど…。
「ただいま、意識を留守にします。用件や文句のある方は起床後にどうぞ。」
そこからなにやら声が聞こえたが聞こえないふりをして寝た。この一言を後悔するとは知らずに。
ジリリリリリリリリリリリリリリ もそもそ ぺチ 
「さて、今日は何をするかな。」
今日はいい日だ。起きてすぐに意識がはっきりとしている。とりあえず玄関に鍵を取りに行く。アレ?無い?
ガバッ!!!
何事かと振り返ろうとするまもなく俺はチョークスリーパーをかけられていた。髪の毛が頭にかかる。でもいいにおいだ。俺のよく使うシャンプーの…。
「何してる。」
「チョークスリーパー。」
「やめろ。」
「話を聞け。」
「わかった…わかり…ましたから…やめてください…。」
この部分だけ見ると俺がやっていると思われるが、やっているのは名前も知らぬ女生徒である。くっ、こいつ強い。
あ、有名河川見えてきた。あ、おばあちゃん。元気してた?
「私の名前はね、織口七恵。どう?感動した?」
チョークスリーパーは弱まったがまだ体勢はそのままだ。俺はあの河を越える気は無い。
「ああ。いい名前だな。この体勢じゃなかったら涙を流して喜んだんだけどね。」
ほとんど嘘だ。ほとんど?ああ。のとこ以外は嘘だ。ああ。早くこの状態をやめて欲しい。アレ?というかこいつ俺んちにずっといたのでは?
「お前、俺の家に泊まったのか!?」
「名前教えたんだから名前で呼んでよ。」
そうだったな。じゃあ織口。泊まったのか?
「うん。お風呂も使わせてもらったよ。あと昼ごはんできてるよ。」
おお、そうか。ってちげーよ!ちょっと待て!風呂使った?キッチン使った?そんなのはまだいい。こいつ俺んちに泊まった?
「まさか俺が寝てるときに誰も来なかったよな?」
「君のお母さんなら来たよ?」
ジーザス!!!!!シット!!!!!!!!何故こんなときに俺の母は来る!!!!!完璧に誤解されたじゃないか!!!!!!終わった…。
まだ高校生活1日目だっていうのに!!!!!まあいいや・・・。
「ロープ。ロープをくれ。人一人つるしても大丈夫なやつを。」
「私がやってあげよっか?」
ごめんなさいすいませんもうしません土下座するから許してください。あ、このままじゃ土下座できないじゃん。
俺はまだ死ぬ気になんかなって無いんだ。冗談だから。マジで。
「そうなの?まあいいやとりあえずご飯食べよ?」
ためらう理由も無いので食べてみた。これは…母親が手伝ったな。赤飯か…お母さん!!!誤解だよ!!!
まあ、うまかったから朝の分と称して結構な量食ったが。赤飯以外は織口が作ったものだそうだ。うまかった。
それにしてもこいつは何だ?このリポビタンDみたいなビンに入ってる物は。ちょっと飲んでみるか。
URYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!!!!!!!!!!何だこのまずさ!!!!!!覚醒するくらいまずいぞ。覚醒?
俺は恐る恐る髪を触ってみた…。逆立っていない。よかった。俺はフリーザと戦う気も無いし魔神なんてごめんだ。
だがそれを見た織口は電波なことを口走りやがった。
「あ、この人当たりだ。君すごいね♪78分の77の確立で覚醒失敗して死ぬのに成功しちゃうなんて。」
は?こいつは何を言っているんだ?覚醒失敗?俺、死ぬとこだったの!?あ、織口なぜ俺を名前で呼ばん。
ちょっと来て。と言われてきたのは学校のプールである。ここまで来るのに電車をちゃんと使ったしバスも使ったし、
ちゃんと走った。このごろ俺って体力ついてきてんのかな?ぜんぜん疲れなかったぞ。
「プールって、織口。鍵はどうするんだ?」
「こうするの。」
織口が古い南京錠に手をかざすと手のひらから半透明で光る何かが出てきてそれが鍵を開けた。俺は夢を見てるんじゃないだろうな?そんなことを繰り返してプールに着いた。
「ここに向かって手をかざしてみてよ。」
俺自身この状況を楽しんでいる所為か俺は手をかざしていた。
「沸騰するプールを想像してみて?」
ああ。いいだろう。どうせ夢だ。どうにでもなるだろう。
…結果はプールが壊れた。水の熱にプールが耐え切れなくなったからだ。
「これは何だ?いったい何が起こっている?」
「流石は入学試験2位だね。SNN値がものすごい高いね。君は果報ものだっ!」
SNN?何だそれはSUGEE NANDAKONO NOURYOKUHA か? 
「君は私と一緒に来て非日常の世界で生活するか今ここで退学するか選ぶことが出来るよっ!」
は?おい待て。今までのは罠だったのか。俺には何の力も…いやありそうだ。夢の中なら。
「今までのはこのイベントを起こす為のフラグだったのか?」
「7割がたそうだよ。」
おのれ孔明め!謀ったな!!!
まあ俺は尋常なる毎日がつまらなかったし、退学するのも嫌なのでついていくことにした。
「じゃあここを直してあげる。」
こんなことが夢じゃなかったらどうだろう。当事者以外は羨ましがるだろう。ここで俺は気づかなかった。
入学試験2位。入学試験というのはSNNを計ることも行っていたようだ。2位がいるということは1位もいる。
俺より少し強いらしい。つまり俺は1位にこき使われる存在らしい。俺はそのことに気づかなかった。