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**ミーア@愛鳴藩国さんからのご依頼品 バルクの水着選び /*/ 「いえ。水着の必要性がわかりました。」 バルクは自らを恥じた後、すみやかに顔を背けた。 黒の騎士である前に、男という種族であることがファウにおいて始めて垣間見られた瞬間であった。 /*/ ~バルクの日記~(一部抜粋) カイエと名乗る少女が消えた後に、自分の姿を改めて見てみた。 黒の騎士であることの象徴であるかのように、無駄のない筋肉が体を包みこむ。 これこそが己を守る第一の鎧であり、究極にまで鍛え上げたそれを、自分でも誇りに思っている。 しかし、それは女性の前ではあまりにも無防備であることが今日初めて分かった。 カイエが消えた後に、そこまで考えたあたりで初めて顔が赤くなったのは、男として恥ずべきことであろう。 「年頃の女性」としきり彼女が言っていた時のことを考えると、彼女に悪い事をしたと思う。 罪滅ぼしというわけではないのだが、今度会うときがあれば、出来るだけ彼女の要望を聞くようにしようと思った。 水着の必要性を知り、かつ、彼女とも誓いを交わした以上、次に何があるか分からないので、水着を用意すべきだろうと思う。 しかし、私には水着というものの知識が、残念ながら今の所、彼女の(おそらく、女性用であるだろう)様式のものしかない。 誰かに相談したいと思うが、こんなことをバロに知られてしまったら、死ぬまでからかわれるだろう。 そうすると必然的に自分の力で調べるしかないのだが・・・。 調べてみても、どの文献にも水着なるものの形や様式は載っていない。 そんな事が載ってあるはずもない魔導書まで調べてみたが、やはり載っていない。 これでは、水着というものを作り出すことも難しい。 ・・いや、作り出せばよいのか。 要は、水着というものは、男女それぞれの特徴たる部位を隠すことが出来ればよいはずである。 ということは、男の場合は下半身のみを覆う服と考えればよいのであろう。 ただ、単なる服では水中で襲われた場合にいささかの不安が残る。 濡れた布はその限界まで水を吸い、己の体に巻きつき、体と動きの自由を奪うだけのものに成り下がる。 であれば、布を濡れないようにするか、極限まで布を少なくするかの二択であろう。 彼女の水着は見たところ、布の面積を少なくしているようには見えなかった。 そうすると、布に何らかの濡れない魔術を施しているものと考えられる。 ここまで分かれば、後は服を作るのと同じ要領で出来るだろう。 明日はその濡れない魔法というものを調べるところから始めよう。 /*/ 次の日、バルクは自分の魔導所が置いてある書庫に足を運んでいた。 もちろんその目的は、濡れない魔法を探し出すためである。 だが、濡れない魔法と言うのは、かなり限定的な魔法であるために、魔導書に載っているかどうか分からなかった。 単に水に潜るだけならば、空気の層を自分を覆うように展開してそのまま潜っていけばいいし、雨に濡れないようにするなら、雨を降らせている雲をどかせばいい。 「濡れない」という機能だけの魔法は、なかなか例に見ない。 案の定、そんな魔法が魔導書に載っているわけもなく、しかたなく自分で作り出すこととなった。 最初に、布を濡らさなければいいのだから水を弾けばいいと思い、布の切れ端に水を弾くように魔術を施した。 しかし、これは失敗に終わる。 布の切れ端を水の上に置いた瞬間、勢いよく布が飛んでいってしまったのだ。 飛ばないように手で押さえみたが、かなりの力が必要で、しかも弾いてしまう性質のおかげで、水の中に布を入れることができない。 この魔術を施した布を使用した水着で水の中に入ろうとすれば、おそらく水着が水面に触れたとたん、ぽんぽんと体が跳ねるだろう。 ・・・これでは泳ぐという目的が果たせない。 なら次は、弾いてしまうのがいけないのなら、水の中に潜る時のように、空気の層を布の周囲に作り出せばいい。 その際、空気の層が大きすぎては水着を履くことができないので、出来るだけ薄く空気の層を張ることに注意すれば大丈夫だろう。 と考え、実際に布の切れ端に魔術を施してみた。 水に置いてみると、飛んで行ったりはせずに、ちゃんと切れ端が水の上に浮かんでいる。 手で布の切れ端を押さえて沈めてみると、さしたる抵抗もなくそのまま水の中に入っていった。 切れ端での実験が成功したのを受けて、バルクは実際に自分のズボンに魔術を施し、それで水の中を泳いで見ることにした。 そして、これも失敗だと言うのが明らかになった。 泳ぎ出しは大丈夫だったのだが、そのまま泳ぐと体が水の抵抗を受け、水が水着と体の間に流れてくる。 すると、空気の層のおかげで水着と体との間の摩擦力が無くなっているせいで、すぐに水着が脱げてしまったのだ。 何度も泳いでも空気の層がある限り水着は脱げてしまう。 今は、水流がないプール(というか、避け藩国のダムの水)で泳いでいるが、水流がある川や海では、水に入って横になった瞬間に脱げる可能性がある。 濡れないだけの魔法と言うのは、もの凄く難しいのであった。 /*/ ~バルクの日記~(一部抜粋) 水着に施されている魔術というのが、かなり高度なものであるということは分かった。 色々と私なりに試行錯誤をしてみたが、なかなか出来るものではなかった。 どのような魔術が施されているか、一度本物の水着を借りてみて研究してみる必要があるのかもしれない。 もしかしたら、何かの秘術であるのかもしれない。 ・・だが、問題は何一つ解決していない。 残念ながら、私では水着に施されている魔術を解明することはできなかった。 時間はあるのだから、研究をし続ければ何とかなるのだろうが、いつ呼び出されるか分からない今は、一日でも早く水着を完成させなければならない。 一着でも完成すれば、後はゆっくり研究をすればいいだろう。 そうすると、残るは布の面積を少なくするという案である。 隠すだけであれば、腰巻きや下帯であればいいと思うのだが、それではいささか布が多すぎると思われる。 かといって、布を少なくすれば薄くなってしまい、あんまり隠しているとは言えないような気がする。 問題は、女性がどれくらいであれば気にならないのかというのが、私には分からないということにあると思われる。 こればっかりは、どうしようもない気がするが・・。 ビアナであれば、そのあたりのことは分かるのだろうか。 そう言えば、黒の兄弟がこの世界にいたはず。 彼らであれば、私よりもこちらの世界の事情に詳しいかもしれない。 それに彼らであれば、バロにばれる心配もあまりないだろう。 彼らに相談することとしよう。 /*/ その後、エイジャ兄弟からきわどいビキニパンツが送られてきたのは言うまでもないだろう・・・。 ---- **作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) #comment(,disableurl) ---- ご発注元: ミーア@愛鳴藩国様 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one&namber=753&type=673&space=15&no= 製作:鷺坂祐介@星鋼京 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=1217;id=UP_ita 引渡し日:2008// ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|
**ミーア@愛鳴藩国さんからのご依頼品 バルクの水着選び /*/ 「いえ。水着の必要性がわかりました。」 バルクは自らを恥じた後、すみやかに顔を背けた。 黒の騎士である前に、男という種族であることがファウにおいて始めて垣間見られた瞬間であった。 /*/ ~バルクの日記~(一部抜粋) カイエと名乗る少女が消えた後に、自分の姿を改めて見てみた。 黒の騎士であることの象徴であるかのように、無駄のない筋肉が体を包みこむ。 これこそが己を守る第一の鎧であり、究極にまで鍛え上げたそれを、自分でも誇りに思っている。 しかし、それは女性の前ではあまりにも無防備であることが今日初めて分かった。 カイエが消えた後に、そこまで考えたあたりで初めて顔が赤くなったのは、男として恥ずべきことであろう。 「年頃の女性」としきり彼女が言っていた時のことを考えると、彼女に悪い事をしたと思う。 罪滅ぼしというわけではないのだが、今度会うときがあれば、出来るだけ彼女の要望を聞くようにしようと思った。 水着の必要性を知り、かつ、彼女とも誓いを交わした以上、次に何があるか分からないので、水着を用意すべきだろうと思う。 しかし、私には水着というものの知識が、残念ながら今の所、彼女の(おそらく、女性用であるだろう)様式のものしかない。 誰かに相談したいと思うが、こんなことをバロに知られてしまったら、死ぬまでからかわれるだろう。 そうすると必然的に自分の力で調べるしかないのだが・・・。 調べてみても、どの文献にも水着なるものの形や様式は載っていない。 そんな事が載ってあるはずもない魔導書まで調べてみたが、やはり載っていない。 これでは、水着というものを作り出すことも難しい。 …いや、作り出せばよいのか。 要は、水着というものは、男女それぞれの特徴たる部位を隠すことが出来ればよいはずである。 ということは、男の場合は下半身のみを覆う服と考えればよいのであろう。 ただ、単なる服では水中で襲われた場合にいささかの不安が残る。 濡れた布はその限界まで水を吸い、己の体に巻きつき、体と動きの自由を奪うだけのものに成り下がる。 であれば、布を濡れないようにするか、極限まで布を少なくするかの二択であろう。 彼女の水着は見たところ、布の面積を少なくしているようには見えなかった。 そうすると、布に何らかの濡れない魔術を施しているものと考えられる。 ここまで分かれば、後は服を作るのと同じ要領で出来るだろう。 明日はその濡れない魔法というものを調べるところから始めよう。 /*/ 次の日、バルクは自分の魔導所が置いてある書庫に足を運んでいた。 もちろんその目的は、濡れない魔法を探し出すためである。 だが、濡れない魔法と言うのは、かなり限定的な魔法であるために、魔導書に載っているかどうか分からなかった。 単に水に潜るだけならば、空気の層を自分を覆うように展開してそのまま潜っていけばいいし、雨に濡れないようにするなら、雨を降らせている雲をどかせばいい。 「濡れない」という機能だけの魔法は、なかなか例に見ない。 案の定、そんな魔法が魔導書に載っているわけもなく、しかたなく自分で作り出すこととなった。 最初に、布を濡らさなければいいのだから水を弾けばいいと思い、布の切れ端に水を弾くように魔術を施した。 しかし、これは失敗に終わる。 布の切れ端を水の上に置いた瞬間、勢いよく布が飛んでいってしまったのだ。 飛ばないように手で押さえみたが、かなりの力が必要で、しかも弾いてしまう性質のおかげで、水の中に布を入れることができない。 この魔術を施した布を使用した水着で水の中に入ろうとすれば、おそらく水着が水面に触れたとたん、ぽんぽんと体が跳ねるだろう。 …これでは泳ぐという目的が果たせない。 なら次は、弾いてしまうのがいけないのなら、水の中に潜る時のように、空気の層を布の周囲に作り出せばいい。 その際、空気の層が大きすぎては水着を履くことができないので、出来るだけ薄く空気の層を張ることに注意すれば大丈夫だろう。 と考え、実際に布の切れ端に魔術を施してみた。 水に置いてみると、飛んで行ったりはせずに、ちゃんと切れ端が水の上に浮かんでいる。 手で布の切れ端を押さえて沈めてみると、さしたる抵抗もなくそのまま水の中に入っていった。 切れ端での実験が成功したのを受けて、バルクは実際に自分のズボンに魔術を施し、それで水の中を泳いで見ることにした。 そして、これも失敗だと言うのが明らかになった。 泳ぎ出しは大丈夫だったのだが、そのまま泳ぐと体が水の抵抗を受け、水が水着と体の間に流れてくる。 すると、空気の層のおかげで水着と体との間の摩擦力が無くなっているせいで、すぐに水着が脱げてしまったのだ。 何度も泳いでも空気の層がある限り水着は脱げてしまう。 今は、水流がないプール(というか、避け藩国のダムの水)で泳いでいるが、水流がある川や海では、水に入って横になった瞬間に脱げる可能性がある。 濡れないだけの魔法と言うのは、もの凄く難しいのであった。 /*/ ~バルクの日記~(一部抜粋) 水着に施されている魔術というのが、かなり高度なものであるということは分かった。 色々と私なりに試行錯誤をしてみたが、なかなか出来るものではなかった。 どのような魔術が施されているか、一度本物の水着を借りてみて研究してみる必要があるのかもしれない。 もしかしたら、何かの秘術であるのかもしれない。 …だが、問題は何一つ解決していない。 残念ながら、私では水着に施されている魔術を解明することはできなかった。 時間はあるのだから、研究をし続ければ何とかなるのだろうが、いつ呼び出されるか分からない今は、一日でも早く水着を完成させなければならない。 一着でも完成すれば、後はゆっくり研究をすればいいだろう。 そうすると、残るは布の面積を少なくするという案である。 隠すだけであれば、腰巻きや下帯であればいいと思うのだが、それではいささか布が多すぎると思われる。 かといって、布を少なくすれば薄くなってしまい、あんまり隠しているとは言えないような気がする。 問題は、女性がどれくらいであれば気にならないのかというのが、私には分からないということにあると思われる。 こればっかりは、どうしようもない気がするが・・。 ビアナであれば、そのあたりのことは分かるのだろうか。 そう言えば、黒の兄弟がこの世界にいたはず。 彼らであれば、私よりもこちらの世界の事情に詳しいかもしれない。 それに彼らであれば、バロにばれる心配もあまりないだろう。 彼らに相談することとしよう。 /*/ その後、エイジャ兄弟からきわどいビキニパンツが送られてきたのは言うまでもないだろう・・・。 ---- **作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) #comment(,disableurl) ---- ご発注元: ミーア@愛鳴藩国様 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one&namber=753&type=673&space=15&no= 製作:鷺坂祐介@星鋼京 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=1217;id=UP_ita 引渡し日:2008// ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|

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