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21ソーニャSS - (2007/09/20 (木) 20:21:40) の最新版との変更点

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「青森さんにお弁当を作りたいの」 扇りんくさんにそう言われたのは、私、ソーニャが小笠原に出発する前日だった。 頬を赤く染めてもじもじしているりんくさんを見て、 かわいいなあ、と微笑ましい気持ちになった。 「お弁当を作りたいんだけど、私料理ってあんまり得意じゃないから……  ソーニャさん、手伝ってもらえないかな」 望むところだ。ここで手を貸さなかったら女がすたる。 ネーバルウィッチの名に懸けて、最大火力で総力支援を行うことを迷わず決めた。 「わかったわ。それじゃあ造るのは、ダークマター味ソテー? 彗星お好み焼き?  銀河料理なら私に任せておいて」 「いえいえ、普通のお弁当でいいですよ、玉子焼きとか、から揚げとか!」 「えー、そんな地球的な料理は私、あんまり上手くないわよ。  ここは一つ、最大の攻撃力がある銀河料理で!」 戦闘は圧倒的火力で一方的に蹂躙するもの。 そして、料理における攻撃力とは美味しさ。 私が一番うまく作れるのは銀河料理。 そんな明確なロジックから銀河料理でいこうと思ったのに、りんくさんの反応はいまひとつだった。 むしろ慌てているような。なんでだろう? 「普通でいいですよ、普通で。あ、ほら、それに私銀河料理なんて作れませんし」 「それはそうね。ごめんなさいね、そこまで考えてなかったわ」 お弁当を渡したいのはりんくさんなんだから、メインは彼女。 りんくさんが一番得意なもので勝負を挑むのが基本よね。 「よーし、それじゃあ、頑張ってお弁当作って、青森さんをノックアウトしちゃいましょう!」 「ええ!」 ------------------------------------------------------- お弁当のメニューは、二人の腕前を考慮した結果、 玉子焼きにから揚げ、ポテトサラダにりんごというものになった。 地球のお弁当の定番らしい。 あまり手の込んだものじゃないけど、ここはりんくさんの愛情路線で。 というわけで、玉子焼きのために、卵を割る。りんくさんはフライパンの準備だ。 卵を一つずつ分けて割る。よし、この卵も大丈夫。 「……青森さん、このお弁当で喜んでくれるかな」 「大丈夫よ、りんくさんの手料理なら絶対に喜んでくれるわ」 むしろ、喜ばなかったら私が殺す、と思った。 女の子の真心を受け取らないだなんて。そんな輩は生かしちゃおけない。 愛情込めたお弁当のデザートに、パイナップルという名の手榴弾はどうだろう。 「ソーニャさん、そんな卵を親の仇のように叩きつけて割らないでも」 「あら、いけない」 ふう、うっかり卵を割りすぎちゃった。 しょうがないからこれも焼いて、国民のみんなにあげることにしよう。 それにしても、青森さん、か。 見ようによってはかっこいい人なのだろうが、どうにも私の趣味ではない。 オッさんだし。 私の好みは、大人の男よりも、美少年だ。美少年ハンターの名に賭けて! その趣味のために、各国を渡り歩いてきたのだから。 その点、この世界忍者国にいるエミリオは実に高得点だ。 端正な顔立ちに、きりりとした表情、 明日の小笠原ではエミリオと、うふふ、うふふふふふふ…… 「ソーニャさん、顔が溶けそうよ」 「あら、いけない」 幸せでとろとろに溶けていた顔を、手でさすって引き締める。 ああ、でも、早く小笠原にいきたいなあ。 期待に思わず玉子焼きを焼く手にも力が入ってしまう。 フライパンを華麗に振るって、玉子焼きをひっくり返す。 うん、いい出来だ。 次はから揚げ。りんくさんと二人で、衣をつけて揚げていく 揚がるのを待っている間、心は小笠原に飛んでいた。 私たちと一緒に行くのは、青森さんにエミリオだけじゃない。スイトピーもだ。 ……スイトピーもいいなあ。 ネーバルウィッチだったころに出会っていれば、迷わず妹にして可愛がっていたのに。 エミリオとスイトピーが並んだ姿を想像する。……うん、いい。実にいい。 明日の小笠原がとても楽しみだ。うふふ、うふふふふふ…… 「ソーニャちゃん、声に出てる、声に出てる! 顔溶けてる顔溶けてる!」 「あら、いけない」 幸せで緩んで溶けて流れた顔パーツを集めながら、から揚げをお皿に移していった。 ------------------------------------------------------- ご飯 から揚げ 玉子焼き レタスでつつんだポテトサラダ うさぎの形をしたりんご お弁当のメニューは一通り完成した。 「青森さんにはこれじゃあ少ないかな?」 「大丈夫よ、愛情でお腹一杯にする心意気で。 女の子っぽいメニューでかわいさをアピールするのよ!」 「な、なるほど」 私の力説にりんくさんもうなづいてくれた。 「そして仕上げのアピールにご飯の上にハートマークをつけるのよ。  相合傘も忘れずに」 「えーーー!」 照れるりんくさんに笑いながら、 ご飯にハートマークをつける。 相合傘はりんくさんが腕を振り回して止めてきたので諦めた。ちぇっ。 ---- ご発注元:ソーニャ@世界忍者国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=65;id=gaibu_ita 製作:444@akiharu国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=192;id=UP_ita 引渡し日2007/7/21 ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|
「青森さんにお弁当を作りたいの」 扇りんくさんにそう言われたのは、私、ソーニャが小笠原に出発する前日だった。 頬を赤く染めてもじもじしているりんくさんを見て、 かわいいなあ、と微笑ましい気持ちになった。 「お弁当を作りたいんだけど、私料理ってあんまり得意じゃないから……  ソーニャさん、手伝ってもらえないかな」 望むところだ。ここで手を貸さなかったら女がすたる。 ネーバルウィッチの名に懸けて、最大火力で総力支援を行うことを迷わず決めた。 「わかったわ。それじゃあ造るのは、ダークマター味ソテー? 彗星お好み焼き?  銀河料理なら私に任せておいて」 「いえいえ、普通のお弁当でいいですよ、玉子焼きとか、から揚げとか!」 「えー、そんな地球的な料理は私、あんまり上手くないわよ。  ここは一つ、最大の攻撃力がある銀河料理で!」 戦闘は圧倒的火力で一方的に蹂躙するもの。 そして、料理における攻撃力とは美味しさ。 私が一番うまく作れるのは銀河料理。 そんな明確なロジックから銀河料理でいこうと思ったのに、りんくさんの反応はいまひとつだった。 むしろ慌てているような。なんでだろう? 「普通でいいですよ、普通で。あ、ほら、それに私銀河料理なんて作れませんし」 「それはそうね。ごめんなさいね、そこまで考えてなかったわ」 お弁当を渡したいのはりんくさんなんだから、メインは彼女。 りんくさんが一番得意なもので勝負を挑むのが基本よね。 「よーし、それじゃあ、頑張ってお弁当作って、青森さんをノックアウトしちゃいましょう!」 「ええ!」 ------------------------------------------------------- お弁当のメニューは、二人の腕前を考慮した結果、 玉子焼きにから揚げ、ポテトサラダにりんごというものになった。 地球のお弁当の定番らしい。 あまり手の込んだものじゃないけど、ここはりんくさんの愛情路線で。 というわけで、玉子焼きのために、卵を割る。りんくさんはフライパンの準備だ。 卵を一つずつ分けて割る。よし、この卵も大丈夫。 「……青森さん、このお弁当で喜んでくれるかな」 「大丈夫よ、りんくさんの手料理なら絶対に喜んでくれるわ」 むしろ、喜ばなかったら私が殺す、と思った。 女の子の真心を受け取らないだなんて。そんな輩は生かしちゃおけない。 愛情込めたお弁当のデザートに、パイナップルという名の手榴弾はどうだろう。 「ソーニャさん、そんな卵を親の仇のように叩きつけて割らないでも」 「あら、いけない」 ふう、うっかり卵を割りすぎちゃった。 しょうがないからこれも焼いて、国民のみんなにあげることにしよう。 それにしても、青森さん、か。 見ようによってはかっこいい人なのだろうが、どうにも私の趣味ではない。 オッさんだし。 私の好みは、大人の男よりも、美少年だ。美少年ハンターの名に賭けて! その趣味のために、各国を渡り歩いてきたのだから。 その点、この世界忍者国にいるエミリオは実に高得点だ。 端正な顔立ちに、きりりとした表情、 明日の小笠原ではエミリオと、うふふ、うふふふふふふ…… 「ソーニャさん、顔が溶けそうよ」 「あら、いけない」 幸せでとろとろに溶けていた顔を、手でさすって引き締める。 ああ、でも、早く小笠原にいきたいなあ。 期待に思わず玉子焼きを焼く手にも力が入ってしまう。 フライパンを華麗に振るって、玉子焼きをひっくり返す。 うん、いい出来だ。 次はから揚げ。りんくさんと二人で、衣をつけて揚げていく 揚がるのを待っている間、心は小笠原に飛んでいた。 私たちと一緒に行くのは、青森さんにエミリオだけじゃない。スイトピーもだ。 ……スイトピーもいいなあ。 ネーバルウィッチだったころに出会っていれば、迷わず妹にして可愛がっていたのに。 エミリオとスイトピーが並んだ姿を想像する。……うん、いい。実にいい。 明日の小笠原がとても楽しみだ。うふふ、うふふふふふ…… 「ソーニャちゃん、声に出てる、声に出てる! 顔溶けてる顔溶けてる!」 「あら、いけない」 幸せで緩んで溶けて流れた顔パーツを集めながら、から揚げをお皿に移していった。 ------------------------------------------------------- ご飯 から揚げ 玉子焼き レタスでつつんだポテトサラダ うさぎの形をしたりんご お弁当のメニューは一通り完成した。 「青森さんにはこれじゃあ少ないかな?」 「大丈夫よ、愛情でお腹一杯にする心意気で。 女の子っぽいメニューでかわいさをアピールするのよ!」 「な、なるほど」 私の力説にりんくさんもうなづいてくれた。 「そして仕上げのアピールにご飯の上にハートマークをつけるのよ。  相合傘も忘れずに」 「えーーー!」 照れるりんくさんに笑いながら、 ご飯にハートマークをつける。 相合傘はりんくさんが腕を振り回して止めてきたので諦めた。ちぇっ。 ---- **作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) #comment(,disableurl) ---- ご発注元:ソーニャ@世界忍者国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=65;id=gaibu_ita 製作:444@akiharu国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=192;id=UP_ita 引渡し日2007/7/21 ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|

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