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「青森さんにお弁当を作りたいの」
扇りんくさんにそう言われたのは、私、ソーニャが小笠原に出発する前日だった。
頬を赤く染めてもじもじしているりんくさんを見て、
かわいいなあ、と微笑ましい気持ちになった。
「お弁当を作りたいんだけど、私料理ってあんまり得意じゃないから……
ソーニャさん、手伝ってもらえないかな」
望むところだ。ここで手を貸さなかったら女がすたる。
ネーバルウィッチの名に懸けて、最大火力で総力支援を行うことを迷わず決めた。
「わかったわ。それじゃあ造るのは、ダークマター味ソテー? 彗星お好み焼き?
銀河料理なら私に任せておいて」
「いえいえ、普通のお弁当でいいですよ、玉子焼きとか、から揚げとか!」
「えー、そんな地球的な料理は私、あんまり上手くないわよ。
ここは一つ、最大の攻撃力がある銀河料理で!」
戦闘は圧倒的火力で一方的に蹂躙するもの。
そして、料理における攻撃力とは美味しさ。
私が一番うまく作れるのは銀河料理。
そんな明確なロジックから銀河料理でいこうと思ったのに、りんくさんの反応はいまひとつだった。
むしろ慌てているような。なんでだろう?
「普通でいいですよ、普通で。あ、ほら、それに私銀河料理なんて作れませんし」
「それはそうね。ごめんなさいね、そこまで考えてなかったわ」
お弁当を渡したいのはりんくさんなんだから、メインは彼女。
りんくさんが一番得意なもので勝負を挑むのが基本よね。
「よーし、それじゃあ、頑張ってお弁当作って、青森さんをノックアウトしちゃいましょう!」
「ええ!」
-------------------------------------------------------
お弁当のメニューは、二人の腕前を考慮した結果、
玉子焼きにから揚げ、ポテトサラダにりんごというものになった。
地球のお弁当の定番らしい。
あまり手の込んだものじゃないけど、ここはりんくさんの愛情路線で。
というわけで、玉子焼きのために、卵を割る。りんくさんはフライパンの準備だ。
卵を一つずつ分けて割る。よし、この卵も大丈夫。
「……青森さん、このお弁当で喜んでくれるかな」
「大丈夫よ、りんくさんの手料理なら絶対に喜んでくれるわ」
むしろ、喜ばなかったら私が殺す、と思った。
女の子の真心を受け取らないだなんて。そんな輩は生かしちゃおけない。
愛情込めたお弁当のデザートに、パイナップルという名の手榴弾はどうだろう。
「ソーニャさん、そんな卵を親の仇のように叩きつけて割らないでも」
「あら、いけない」
ふう、うっかり卵を割りすぎちゃった。
しょうがないからこれも焼いて、国民のみんなにあげることにしよう。
それにしても、青森さん、か。
見ようによってはかっこいい人なのだろうが、どうにも私の趣味ではない。
オッさんだし。
私の好みは、大人の男よりも、美少年だ。美少年ハンターの名に賭けて!
その趣味のために、各国を渡り歩いてきたのだから。
その点、この世界忍者国にいるエミリオは実に高得点だ。
端正な顔立ちに、きりりとした表情、
明日の小笠原ではエミリオと、うふふ、うふふふふふふ……
「ソーニャさん、顔が溶けそうよ」
「あら、いけない」
幸せでとろとろに溶けていた顔を、手でさすって引き締める。
ああ、でも、早く小笠原にいきたいなあ。
期待に思わず玉子焼きを焼く手にも力が入ってしまう。
フライパンを華麗に振るって、玉子焼きをひっくり返す。
うん、いい出来だ。
次はから揚げ。りんくさんと二人で、衣をつけて揚げていく
揚がるのを待っている間、心は小笠原に飛んでいた。
私たちと一緒に行くのは、青森さんにエミリオだけじゃない。スイトピーもだ。
……スイトピーもいいなあ。
ネーバルウィッチだったころに出会っていれば、迷わず妹にして可愛がっていたのに。
エミリオとスイトピーが並んだ姿を想像する。……うん、いい。実にいい。
明日の小笠原がとても楽しみだ。うふふ、うふふふふふ……
「ソーニャちゃん、声に出てる、声に出てる! 顔溶けてる顔溶けてる!」
「あら、いけない」
幸せで緩んで溶けて流れた顔パーツを集めながら、から揚げをお皿に移していった。
-------------------------------------------------------
ご飯
から揚げ
玉子焼き
レタスでつつんだポテトサラダ
うさぎの形をしたりんご
お弁当のメニューは一通り完成した。
「青森さんにはこれじゃあ少ないかな?」
「大丈夫よ、愛情でお腹一杯にする心意気で。
女の子っぽいメニューでかわいさをアピールするのよ!」
「な、なるほど」
私の力説にりんくさんもうなづいてくれた。
「そして仕上げのアピールにご飯の上にハートマークをつけるのよ。
相合傘も忘れずに」
「えーーー!」
照れるりんくさんに笑いながら、
ご飯にハートマークをつける。
相合傘はりんくさんが腕を振り回して止めてきたので諦めた。ちぇっ。
----
ご発注元:ソーニャ@世界忍者国
http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=65;id=gaibu_ita
製作:444@akiharu国
http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=192;id=UP_ita
引渡し日2007/7/21
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「青森さんにお弁当を作りたいの」
扇りんくさんにそう言われたのは、私、ソーニャが小笠原に出発する前日だった。
頬を赤く染めてもじもじしているりんくさんを見て、
かわいいなあ、と微笑ましい気持ちになった。
「お弁当を作りたいんだけど、私料理ってあんまり得意じゃないから……
ソーニャさん、手伝ってもらえないかな」
望むところだ。ここで手を貸さなかったら女がすたる。
ネーバルウィッチの名に懸けて、最大火力で総力支援を行うことを迷わず決めた。
「わかったわ。それじゃあ造るのは、ダークマター味ソテー? 彗星お好み焼き?
銀河料理なら私に任せておいて」
「いえいえ、普通のお弁当でいいですよ、玉子焼きとか、から揚げとか!」
「えー、そんな地球的な料理は私、あんまり上手くないわよ。
ここは一つ、最大の攻撃力がある銀河料理で!」
戦闘は圧倒的火力で一方的に蹂躙するもの。
そして、料理における攻撃力とは美味しさ。
私が一番うまく作れるのは銀河料理。
そんな明確なロジックから銀河料理でいこうと思ったのに、りんくさんの反応はいまひとつだった。
むしろ慌てているような。なんでだろう?
「普通でいいですよ、普通で。あ、ほら、それに私銀河料理なんて作れませんし」
「それはそうね。ごめんなさいね、そこまで考えてなかったわ」
お弁当を渡したいのはりんくさんなんだから、メインは彼女。
りんくさんが一番得意なもので勝負を挑むのが基本よね。
「よーし、それじゃあ、頑張ってお弁当作って、青森さんをノックアウトしちゃいましょう!」
「ええ!」
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お弁当のメニューは、二人の腕前を考慮した結果、
玉子焼きにから揚げ、ポテトサラダにりんごというものになった。
地球のお弁当の定番らしい。
あまり手の込んだものじゃないけど、ここはりんくさんの愛情路線で。
というわけで、玉子焼きのために、卵を割る。りんくさんはフライパンの準備だ。
卵を一つずつ分けて割る。よし、この卵も大丈夫。
「……青森さん、このお弁当で喜んでくれるかな」
「大丈夫よ、りんくさんの手料理なら絶対に喜んでくれるわ」
むしろ、喜ばなかったら私が殺す、と思った。
女の子の真心を受け取らないだなんて。そんな輩は生かしちゃおけない。
愛情込めたお弁当のデザートに、パイナップルという名の手榴弾はどうだろう。
「ソーニャさん、そんな卵を親の仇のように叩きつけて割らないでも」
「あら、いけない」
ふう、うっかり卵を割りすぎちゃった。
しょうがないからこれも焼いて、国民のみんなにあげることにしよう。
それにしても、青森さん、か。
見ようによってはかっこいい人なのだろうが、どうにも私の趣味ではない。
オッさんだし。
私の好みは、大人の男よりも、美少年だ。美少年ハンターの名に賭けて!
その趣味のために、各国を渡り歩いてきたのだから。
その点、この世界忍者国にいるエミリオは実に高得点だ。
端正な顔立ちに、きりりとした表情、
明日の小笠原ではエミリオと、うふふ、うふふふふふふ……
「ソーニャさん、顔が溶けそうよ」
「あら、いけない」
幸せでとろとろに溶けていた顔を、手でさすって引き締める。
ああ、でも、早く小笠原にいきたいなあ。
期待に思わず玉子焼きを焼く手にも力が入ってしまう。
フライパンを華麗に振るって、玉子焼きをひっくり返す。
うん、いい出来だ。
次はから揚げ。りんくさんと二人で、衣をつけて揚げていく
揚がるのを待っている間、心は小笠原に飛んでいた。
私たちと一緒に行くのは、青森さんにエミリオだけじゃない。スイトピーもだ。
……スイトピーもいいなあ。
ネーバルウィッチだったころに出会っていれば、迷わず妹にして可愛がっていたのに。
エミリオとスイトピーが並んだ姿を想像する。……うん、いい。実にいい。
明日の小笠原がとても楽しみだ。うふふ、うふふふふふ……
「ソーニャちゃん、声に出てる、声に出てる! 顔溶けてる顔溶けてる!」
「あら、いけない」
幸せで緩んで溶けて流れた顔パーツを集めながら、から揚げをお皿に移していった。
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ご飯
から揚げ
玉子焼き
レタスでつつんだポテトサラダ
うさぎの形をしたりんご
お弁当のメニューは一通り完成した。
「青森さんにはこれじゃあ少ないかな?」
「大丈夫よ、愛情でお腹一杯にする心意気で。
女の子っぽいメニューでかわいさをアピールするのよ!」
「な、なるほど」
私の力説にりんくさんもうなづいてくれた。
「そして仕上げのアピールにご飯の上にハートマークをつけるのよ。
相合傘も忘れずに」
「えーーー!」
照れるりんくさんに笑いながら、
ご飯にハートマークをつける。
相合傘はりんくさんが腕を振り回して止めてきたので諦めた。ちぇっ。
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ご発注元:ソーニャ@世界忍者国
http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=65;id=gaibu_ita
製作:444@akiharu国
http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=192;id=UP_ita
引渡し日2007/7/21
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