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282ソーニャSS」を以下のとおり復元します。
**ソーニャ@世界忍者国様からのご依頼品

『桜舞う熊本城攻防戦』

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『なんだか、アルカランドを思い出すね』
全てはこの一言から始まった
火の国・熊本に行われたお花見にて起こった事件とは
『桜舞う熊本城攻防戦』
エミリオはソーニャの毒牙から逃れる事ができるのか?!

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エミリオが火の国・熊本にきて始めての感想は
「なんだか、アルカランドを思い出すね」
「なんでだろう?」
だった。そうこの一言が今回起こった事件の始まりだった。

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今日はソーニャと二人きりではなく現地案内人として須田という人物と一緒に熊本城にやってきた。そんな一行を出迎えたのは熊本城の満開に咲いた桜だった。
「すごい!」
と感想を呟くと並んで歩いていたソーニャも
「凄いねぇ!」
と一緒に桜を眺めていた。そこに案内人の須田が
「まあ、市内中心部の近くでこれだけの空き地はなかなかないね。このへんは屋敷跡で、今は公園だよ」
「そうなんですね、あ、須田さんお久しぶりです。今日はよろしくお願いします」
「いやいや。仕事暇だし」
と答えるがソーニャは僕の方に無理向いて
「私も来るの初めてだけれど奇麗な花ですね桜って………」
と嬉しそうに話しかけてきた。桜の背景とソーニャの笑顔に見とれながら
「桜は王城に1本咲いていたけれど、こんなにたくさんあると違うね」
と素直な感想を言った。ソーニャは意外そうな顔をしたがすぐに何か思い当たったようで
「ひょっとして寄贈されたとか?」
ソーニャの推理力に感心しながら僕は
「うん。日本から」
と答えるとソーニャは納得した顔で頷き、ソーニャが自分で持つと言って使用人に持たせなかった手荷物を広げだした。
「お待たせしました。これが今回のメニューになります」
と言って見せられた献立は
『本日のメニュー』
・みたらし団子
・いきなり団子
・サンドイッチ
・卵焼き
・おにぎり
・唐揚げ
・辛子レンコン
・馬刺
これらのラインナップをみて須田は嬉しそうに
「いいねえ」
「軽くつまめるものばかりですけれど」
ソーニャはどれを食べようかと目移りしている須田に答えた。ソーニャの料理は僕が最初に食べるんだと何気なく手に取った黄色い食べ物を口に入れた。
未体験の痛い感触が口の中に広がっていった貴族である僕が一度食したものを戻すわけにはいかないと思って口に手を当てるとソーニャが
「辛かったね、大丈夫?」
と水筒から取り出した日本茶を渡してくれた。ちょっと苦かったけど今は丁度いい感じだった。ソーニャはハンカチを持って心配そうに僕を見ていた。僕はソーニャに心配かけないように
「なかなか、犯罪を抑止できそうな味だね」
と言ったが涙目になっているし我慢しても咳は止まらない。そして、須田は大笑いしているし…。
「うふふ、つまみ食いはめーなのよ」
と言ったソーニャの顔は今日一番優しく見えた。

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「折角だし、まずは、乾杯にしましょうか」
とソーニャがクーラーボックスを開けて中に入っている飲み物を僕達に見せてくれているが同じタイミングで
「ジュース」
「ジュース」
と答えた。ソーニャは頷いて二人にジュースをグラスに注いでから渡し
「他の飲み物あまっちゃうなぁ…。でも、いいか」
と言ってお茶をグラスに注ぎ、みんなのグラスに飲み物が注がれている事を確認して
「「「乾杯!!」」」
となんとも不思議な組み合わせのメンバーで花見が始まった。
「かわいいねえ。んで、今日俺を呼んだのは?」
と須田は僕を見ながらソーニャにそう話しかけた。僕もその点は気になっていたので大人しく二人の会話を聞くことにした。
「ええ、先日エミリオと一緒に熊本に来た時に、アルカランドに雰囲気が似ているって言ってたんですけれど、一体何故なのかなぁって思って、須田さんに聞いてみようと思ったのです」
須田の箸は馬刺しをつまみながら
「なるほど、アルカランドはまあ、なんとなく日本めいてはいるね」
と上手そうに馬刺しを食べている。
「例えばどんな所がですか?」
とソーニャは真面目に聞くと
「名前かな。まずは。東洋と同じで名字が先だ。」
「後はえーと。蕎麦も食べるね」
と今度は卵焼きに手を出し、次に唐揚げを掴んだ。ソーニャは僕の方を向いて
「え、そうなんだ、エミリオお蕎麦好き?」
「?そばって」
「日本ではそば粉を使った麺料理なんだけれど? アルカランドではどうなのか?」
と答えてくれたけどソーニャはたまに僕の知らない単語言って僕を困らせる癖があると思っていた。そこに助け舟を出してくれたのは須田だった。
「蕎麦掻にして食べるね、まあ、こう。練ってお湯でね」
「昔は麺に伸ばす技術がなくてね。今ある『蕎麦』の形になったのは江戸になってからの話だ」
そっか、同じ読み方でも違う食べ物になるかと納得して
「あ。わかった。ソバだ」
ソーニャは興味津々で
「どんな風にして食べるんですか?」
と聞いてきたので
「鍋に、小判上にこねたのをいれて、茹で上がったら食べるんだ」
「わぁ面白そう、あ、それに鍋料理もあるんですね」
ますます、興味津々で話を聞いてくるので
「うん。うどんもあるよ」
「ますます、日本みたいです………でも、どうして遠くは離れた場所なのにこんなに似通っているのかしら?」
その質問には僕は知っていたけど答えなかった。ソーニャは自分で考えるのが好きだからね。

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「モンゴル帝國の遺産なんよ」
と須田が口を挟んできた。彼は物事を良く知っている。ソーニャは不思議そうな顔をして須田の話を促していた。
「チンギス・ハンの世界帝國はおおまかに4国に分かれた。その西の端はポーランドやルーマニアにまで及ぶ」
「もちろん、その中にはアルカランドもあった。」
ソーニャは納得したように頷いていた。須田はまだ話を続けて
「影響だよ。その征服の。貴族はいまでも……」
「黒髪が多いんです」
と僕が補足を入れた。別に須田に任せていてもいいのに何となく口を挟んでしまった。
「蒙古斑がでることもあるんですよ」
と付け加えるとソーニャは僕を見つめて
「ところで蒙古斑って何?」
と聞いてきた。思わず自分の顔が熱くなるのが分かった。ソーニャがどうしたのって顔で僕を見つめているし、頼みの綱の須田は笑いながら事の成り行きを見ている。
「エミリオ、私に隠し事するんですか………?」
と悲しい顔で僕を見ている。僕も困った顔をすると須田が
「ま、次はお茶でももらおうか」
と時間を稼いでくれた。
「隠し事じゃないけど、僕にはないよ。うん。多分だけど」
と答えるとソーニャの顔はすでに何か悪い事を考えている顔になっていた
「うーん………とりゃ!」
と僕に飛び掛り抱きついてきた。僕はソーニャを抱きしめてそのまま倒された。そして、によによと笑いながら
「隠し事は良くないです!白状してもらいますよ~!」
といって僕のわき腹をくすぐり始めた。これはヤバイと僕の直感はいっているがどうしてか逃げる事はできなかった。僕は笑いながら
「だからないって!」
「うふふ~、ちゃんとおしえてくれるまで離さないもーん!」
と言いながら嬉しそうに僕に触れてきていた。僕も勿論嬉しかったのでそのままじゃれあっていた。ソーニャは嬉しそうに笑いながら
「知ってますか?こういうの無礼講って言うんですって!」
と言ってそのまま僕にじゃれあってきた。僕はふと須田のことを思い出してそっちの方を見ていると背を向けて桜を見ながらお茶を飲んでいた。視線を感じたのだろうか振り向かずに僕に手を振っている。
急にソーニャが手を止めて上目遣いで僕の事を見つめている。僕もさっきからこそばされていたので顔も赤く髪も乱れたままソーニャを見つめた。そうすると顔を赤くしたソーニャは目をつぶった。
そのまま、僕はソーニャに長いキスをした。

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ご発注元:ソーニャ@世界忍者国様 
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製作:悪童屋 四季@悪童同盟
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